2015/03/23(月) - 09:02
3月8日に開催された「神宮クリテ」こと、明治神宮外苑大学クリテリウム。9回目となる学生クリテリウムに集まった、若きレーサーたちの乗っているバイクを紹介します。前回の女子学生編に引き続き、今回は男子学生編をお届けします。
さて、前回の女子バイク特集に引き続き、男子レーサーのバイクを紹介していきます。けっこうきれいなバイクが多かった女子レーサーでしたが、男子はやはりというかなんというか、かなりワイルドなバイクもちらほら。しかし、それも競技として自転車をとらえているからこそ。一方で綺麗なバイクのレーサーもおり、十人十色のバイク事情でした。
宮本 隼輔さん 中央大学
トップバッターはインカレのスプリントを2連覇中の中央大学 宮本さん。かなりやれた感じで良い味をだしているターマックは、「RCSリーダーを決めた偉大な相本大先輩からコミコミ2万円で譲ってもらいました。地元が山口県で、高校時代のバイクをもらったんです。その時の仕様からなにも交換していません。」という一子相伝(?)のバイク。
2台バイクを持っているとのことで、今日のレースがこのバイクで出場する2度目のレース。落車が多そうなので、こちらのバイクで来たとか。ちなみに、昨年の行田クリテのクラス3で勝利したのが1度目だとのことで、前の持ち主の勝ち癖がついているバイクなのかもしれません。手で角度が変わるくらい、シートピラーのやぐらが緩くなっているようで、「サドルにはなるべく座らないように頑張ります!」と元気よく意気込みを語っていただきました。
相本 祥政さん 法政大学
さて、そんなターマックを宮本さんに譲った「偉大な相本先輩」が、こちらの相本さん。RCS年間チャンピオンに見事輝いた今年を振り返ると、滋賀のクレフィール湖東のレースで優勝した瞬間が一番印象的だったと語る相本さんの愛車はルック695。去年スペイン遠征に行った時に前のバイクが壊れてしまい、買い換えてからまだ1年経っていない新車とのこと。
「フォーク剛性がすごく高いので、下りの安心感と伸びが違います。」ということでしたが、きっとクリテリウムのコーナーでも力を発揮してくれたのでしょう。ハンドルにはミサンガが巻いていましたが、「お守りみたいなものです。特に彼女が作ってくれたとかそういうエピソードは残念ながらありません(笑)」とのことでした。うーん残念。
ニコラス カッソーニスさん (メルボルン大学)
20歳のニコラス カッソーニスさんはメルボルン大学チームとして来日した。なんと193cmという大きな体格を支えるのはジャイアントのPROPEL ADVANCED SL。サドルとハンドルの落差も大きく、バイクのシルエットも周りの大学生のロードバイクとは少し違う乗り物の様。
なんだかここだけ、プロバイク特集みたいな雰囲気の写真ですが、それもそのはず。カッソーニスさんはオーストラリアのコンチネンタルチーム、「チャーターメイソンジャイアントレーシングチーム」に所属して、ヘラルド・サンツアーや、カデルエヴァンスグレートオーシャンレースに出場している強豪選手なのです。レースでは「スプリンターじゃないから、アタックしてエスケープできればいいね。」とのことでしたが、これだけ大きいと後ろに着く選手は楽そうですね。
小原清文さん 流通経済大学
自転車店でバイトしていたという小原さん。愛車は少し昔のラピエールのスカンジウムモデルとこれまた渋いフレームにGDRのフォークを組み合わせるというなかなかマニアックなセレクト。自転車に対するモットーは「壊れない、不安の無い自転車になるように組んでいます」という様に堅実なもの。
自転車店に勤めていた経験を活かして「基本的にメンテナンスは自分でしてますし、パーツも勝手がわかっている物しか使いませんね。チェーンなどの消耗品もこまめにメンテすることでできるだけ長く使えるようにしています。」と、学生らしいコメントをいただきました。
池邊 聖さん 慶応大学
さて、こちらは慶応大学の新3年生の池邊さん。こちらはまた対照的に走ればそれでいい!といった趣の自転車です。「クラス1で古い105を使っているのは僕だけじゃないかと思います。」と語る池邊さんですが、すごいのはコンポだけではありません。
サイコンは「落としちゃって、画面が半分くらいしか映らないんですけど、パワーが良い感じに見えなくてもがき倒せるので良いかなって。」ワイヤーのとり回しも「内蔵ワイヤーでいちいちBBまで外さないと交換できないのが面倒でフルアウターにしてます。」ベンド部分にだけ巻かれたバーテープは「試合会場で巻こうと思ってたら、片側しか持ってきてなくて仕方なく。でも意外に問題なくてもう3カ月位になります。」と、かなりワイルドな仕上がりを見せていました。
そんな池邊さんですが、レースのほうでも積極的な動きを見せており、自転車もその動きにきちんと応えているようで、人馬一体の雰囲気を醸し出していました。
さて、神宮クリテに集まった大学生レーサーたちの自転車、いかがだったでしょうか。受け継がれる自転車、きちんと整備されている自転車、機材として選手を支える自転車、いろいろな選手と自転車の関係が見て取れたのではないでしょうか。
会場をざっと見渡していると、結構最近のカーボンバイクが多く、学生も良いバイクに乗っているな、という印象の一方で、コンポーネントは未だ10速コンポを使っている選手が70%以上はいた様にも感じられました。また来年、どういった変化があるのか今から楽しみですね。
text:Naoki.YASUOKA
photo:Yuya.yamamoto
さて、前回の女子バイク特集に引き続き、男子レーサーのバイクを紹介していきます。けっこうきれいなバイクが多かった女子レーサーでしたが、男子はやはりというかなんというか、かなりワイルドなバイクもちらほら。しかし、それも競技として自転車をとらえているからこそ。一方で綺麗なバイクのレーサーもおり、十人十色のバイク事情でした。
宮本 隼輔さん 中央大学
トップバッターはインカレのスプリントを2連覇中の中央大学 宮本さん。かなりやれた感じで良い味をだしているターマックは、「RCSリーダーを決めた偉大な相本大先輩からコミコミ2万円で譲ってもらいました。地元が山口県で、高校時代のバイクをもらったんです。その時の仕様からなにも交換していません。」という一子相伝(?)のバイク。
2台バイクを持っているとのことで、今日のレースがこのバイクで出場する2度目のレース。落車が多そうなので、こちらのバイクで来たとか。ちなみに、昨年の行田クリテのクラス3で勝利したのが1度目だとのことで、前の持ち主の勝ち癖がついているバイクなのかもしれません。手で角度が変わるくらい、シートピラーのやぐらが緩くなっているようで、「サドルにはなるべく座らないように頑張ります!」と元気よく意気込みを語っていただきました。
相本 祥政さん 法政大学
さて、そんなターマックを宮本さんに譲った「偉大な相本先輩」が、こちらの相本さん。RCS年間チャンピオンに見事輝いた今年を振り返ると、滋賀のクレフィール湖東のレースで優勝した瞬間が一番印象的だったと語る相本さんの愛車はルック695。去年スペイン遠征に行った時に前のバイクが壊れてしまい、買い換えてからまだ1年経っていない新車とのこと。
「フォーク剛性がすごく高いので、下りの安心感と伸びが違います。」ということでしたが、きっとクリテリウムのコーナーでも力を発揮してくれたのでしょう。ハンドルにはミサンガが巻いていましたが、「お守りみたいなものです。特に彼女が作ってくれたとかそういうエピソードは残念ながらありません(笑)」とのことでした。うーん残念。
ニコラス カッソーニスさん (メルボルン大学)
20歳のニコラス カッソーニスさんはメルボルン大学チームとして来日した。なんと193cmという大きな体格を支えるのはジャイアントのPROPEL ADVANCED SL。サドルとハンドルの落差も大きく、バイクのシルエットも周りの大学生のロードバイクとは少し違う乗り物の様。
なんだかここだけ、プロバイク特集みたいな雰囲気の写真ですが、それもそのはず。カッソーニスさんはオーストラリアのコンチネンタルチーム、「チャーターメイソンジャイアントレーシングチーム」に所属して、ヘラルド・サンツアーや、カデルエヴァンスグレートオーシャンレースに出場している強豪選手なのです。レースでは「スプリンターじゃないから、アタックしてエスケープできればいいね。」とのことでしたが、これだけ大きいと後ろに着く選手は楽そうですね。
小原清文さん 流通経済大学
自転車店でバイトしていたという小原さん。愛車は少し昔のラピエールのスカンジウムモデルとこれまた渋いフレームにGDRのフォークを組み合わせるというなかなかマニアックなセレクト。自転車に対するモットーは「壊れない、不安の無い自転車になるように組んでいます」という様に堅実なもの。
自転車店に勤めていた経験を活かして「基本的にメンテナンスは自分でしてますし、パーツも勝手がわかっている物しか使いませんね。チェーンなどの消耗品もこまめにメンテすることでできるだけ長く使えるようにしています。」と、学生らしいコメントをいただきました。
池邊 聖さん 慶応大学
さて、こちらは慶応大学の新3年生の池邊さん。こちらはまた対照的に走ればそれでいい!といった趣の自転車です。「クラス1で古い105を使っているのは僕だけじゃないかと思います。」と語る池邊さんですが、すごいのはコンポだけではありません。
サイコンは「落としちゃって、画面が半分くらいしか映らないんですけど、パワーが良い感じに見えなくてもがき倒せるので良いかなって。」ワイヤーのとり回しも「内蔵ワイヤーでいちいちBBまで外さないと交換できないのが面倒でフルアウターにしてます。」ベンド部分にだけ巻かれたバーテープは「試合会場で巻こうと思ってたら、片側しか持ってきてなくて仕方なく。でも意外に問題なくてもう3カ月位になります。」と、かなりワイルドな仕上がりを見せていました。
そんな池邊さんですが、レースのほうでも積極的な動きを見せており、自転車もその動きにきちんと応えているようで、人馬一体の雰囲気を醸し出していました。
さて、神宮クリテに集まった大学生レーサーたちの自転車、いかがだったでしょうか。受け継がれる自転車、きちんと整備されている自転車、機材として選手を支える自転車、いろいろな選手と自転車の関係が見て取れたのではないでしょうか。
会場をざっと見渡していると、結構最近のカーボンバイクが多く、学生も良いバイクに乗っているな、という印象の一方で、コンポーネントは未だ10速コンポを使っている選手が70%以上はいた様にも感じられました。また来年、どういった変化があるのか今から楽しみですね。
text:Naoki.YASUOKA
photo:Yuya.yamamoto
Amazon.co.jp