2015/01/28(水) - 09:30
昨シーズンに初開催ながら多くの参加者を集め、関東における冬季の定番トレーニングレースとして定着した「大磯クリテリウム」。2シーズン目を迎えた今季はより安全でより楽しめるイベントを目指してブラッシュアップが図られている。今回は1月18日に行われた第3戦の模様をお伝えしよう。
昨年に引き続き大磯クリテリウムの会場となっているのは大磯プリンスホテルの敷地内、大磯ロングビーチの駐車場。大磯から小田原を結ぶ西湘バイパスを挟んだ隣には太平洋を臨み、太陽が燦々と降り注ぐリゾートらしいロケーションで、都心よりも気温は高め。日差しさえあれば分厚い冬用ジャケットを着こまずとも薄着で走ることができ、「これが大磯クリテの魅力の1つ」と言う参加者も多い。
コースは1周約900mで、西側のヘアピンと東側の2回の直角コーナーを2つのストレートで結ぶというシンプルなもの。安全性を第一に、集団走行のスキル向上や、純粋な脚力で競うセーフティなレースの進め方の習得・意識付けを狙ったレイアウトだ。なお、昨シーズンは東側が大きなRの高速コーナーであったが、安全性向上のために変更が加えられている。
加えて、安全性向上の試みはレース以外でも行われている。先ず、脚力差を最小限にするためにカテゴリーを更に増加。レース前にはブリーフィングや簡易的なバイクチェックを実施。初~中級者クラスのレース中にはモトに加え、国内最高峰カテゴリーを走る現役ライダーによるレースコントロールが行われる様になった。
他にも、事前のコース清掃や、レース初参加のビギナーを対象にした集団走行スクールの開催、救護スタッフの常駐など、他のどのレース・イベントよりも安全対策に注意が払われている。そして、毎回審判を行っているのはJBCF等でもレース運営を行っているスタッフの皆さん。実際に参加してみれば、多くの方に「安心」を感じてもらうことができるだろう。実際に今回取材した第3戦では大怪我を負う様な大落車は発生しなかった。
さて、大磯クリテリウムを主催するのは株式会社Walk Ride(ウォークライド)で、その中心人物が湘南ベルマーレなどで選手として活躍した山根理史さんである。国内はもとよりフランスでも競技活動を行っていたという山根さんの経験は各所に活かされており、出走サインやゼッケンの回収など、本場のレース運営が取入れられている辺りはユニークで、とても心憎い演出だ。実際に筆者もレースに参加したが、レース前の出走サインは「プロのレースでよく見るやつだ!」とついつい気分が高まってしまった(レースの結果は散々だったが…)。
そして、大磯クリテがユニークな点は他にもある。その1つが全てのカテゴリーをムービーで撮影し、レースの模様は後日YouTubeにアップするというサービス。これは参加者からの声に応えたもので「好評を頂いています!」とはWalk Rideの須田晋太郎さんの談。集団内での位置取りなどが復習でき、レーススキルの向上にもつながるはずだ。
また、ローカルレースながら出展ブースが充実しているのも大磯クリテのユニークな点の1つ。お隣の小田原市を本拠地とするケミカルブランドのワコーズや、Walk Rideとタッグを組みペダリングセミナー等を開催しているパイオニアなど自転車乗りにはお馴染みの企業がブースを出展し、多くの来場者で賑わった。
一方で、JR大磯駅前にある人気ベーカリー「パンの蔵」や、手作りのサイクルキャップが一部のコアなサイクリストに評判の「Chunadon Cycle Chaps」など大磯クリテならではの出展も。これらは「レースに出ない方も楽しめる」というコンセプトに基づいたもので、実際に来場者の1/3程度がレースを観戦しに来た方という印象だ。もちろん、レース参加者にも好評で、午前中のレースに参加した後も最後まで残っている方も少なくない。国内でも多くのレースが開催されているが、最後まで居たくなる雰囲気のよいレースはそう多くないだろう。
そんな1日の最後を締めくくるのが、国内トップレベルのアマチュアレーサーが鎬を削るエリートクラスのレースだ。グループをつくって果敢に逃げたり、その後方ではチームプレーで集団をけん引して吸収を試みたりとスピーディーな展開は迫力満点。それまでのカテゴリーも他のレースより大きな声援が飛んでくるが、エリートクラスの盛り上がりはやはり別格。そんな第3戦のエリートレースを制したのは川田優作選手(Honda 栃木)。昨年のJBCF E1クラスタ年間王者の実力を遺憾なく発揮し、先頭でゴールラインに飛び込んだ。
大磯クリテリウム次戦は2月15日 箱根ターンパイクでのヒルクライム開催も決定
大磯クリテリウムの次戦となる第4戦は2月15日(日)にワコーズカップとして開催される。現在参加者を募集中で、申込みはスポーツエントリーより行うことができる。締め切りは2月7日(土)。ビギナーから上級者まで、春からの本格的なシーズンを楽しく迎えたいというレーサーは是非とも参加してみては?
またWalkRideでは5月24日(日)にMAZDAターンパイク箱根を舞台としたヒルクライムを初開催する。詳細は順次発表されていく予定だ。「小田原市とのご縁があり、かつて人気を博した箱根ターンパイクでのヒルクライムを復活させることができました。従来は寒い時期でしたが、今回は暖かな5月下旬の開催になります。是非ご参加下さい。」(Walk Ride 山根さん)
text&photo:Yuya.Yamamoto
昨年に引き続き大磯クリテリウムの会場となっているのは大磯プリンスホテルの敷地内、大磯ロングビーチの駐車場。大磯から小田原を結ぶ西湘バイパスを挟んだ隣には太平洋を臨み、太陽が燦々と降り注ぐリゾートらしいロケーションで、都心よりも気温は高め。日差しさえあれば分厚い冬用ジャケットを着こまずとも薄着で走ることができ、「これが大磯クリテの魅力の1つ」と言う参加者も多い。
コースは1周約900mで、西側のヘアピンと東側の2回の直角コーナーを2つのストレートで結ぶというシンプルなもの。安全性を第一に、集団走行のスキル向上や、純粋な脚力で競うセーフティなレースの進め方の習得・意識付けを狙ったレイアウトだ。なお、昨シーズンは東側が大きなRの高速コーナーであったが、安全性向上のために変更が加えられている。
加えて、安全性向上の試みはレース以外でも行われている。先ず、脚力差を最小限にするためにカテゴリーを更に増加。レース前にはブリーフィングや簡易的なバイクチェックを実施。初~中級者クラスのレース中にはモトに加え、国内最高峰カテゴリーを走る現役ライダーによるレースコントロールが行われる様になった。
他にも、事前のコース清掃や、レース初参加のビギナーを対象にした集団走行スクールの開催、救護スタッフの常駐など、他のどのレース・イベントよりも安全対策に注意が払われている。そして、毎回審判を行っているのはJBCF等でもレース運営を行っているスタッフの皆さん。実際に参加してみれば、多くの方に「安心」を感じてもらうことができるだろう。実際に今回取材した第3戦では大怪我を負う様な大落車は発生しなかった。
さて、大磯クリテリウムを主催するのは株式会社Walk Ride(ウォークライド)で、その中心人物が湘南ベルマーレなどで選手として活躍した山根理史さんである。国内はもとよりフランスでも競技活動を行っていたという山根さんの経験は各所に活かされており、出走サインやゼッケンの回収など、本場のレース運営が取入れられている辺りはユニークで、とても心憎い演出だ。実際に筆者もレースに参加したが、レース前の出走サインは「プロのレースでよく見るやつだ!」とついつい気分が高まってしまった(レースの結果は散々だったが…)。
そして、大磯クリテがユニークな点は他にもある。その1つが全てのカテゴリーをムービーで撮影し、レースの模様は後日YouTubeにアップするというサービス。これは参加者からの声に応えたもので「好評を頂いています!」とはWalk Rideの須田晋太郎さんの談。集団内での位置取りなどが復習でき、レーススキルの向上にもつながるはずだ。
また、ローカルレースながら出展ブースが充実しているのも大磯クリテのユニークな点の1つ。お隣の小田原市を本拠地とするケミカルブランドのワコーズや、Walk Rideとタッグを組みペダリングセミナー等を開催しているパイオニアなど自転車乗りにはお馴染みの企業がブースを出展し、多くの来場者で賑わった。
一方で、JR大磯駅前にある人気ベーカリー「パンの蔵」や、手作りのサイクルキャップが一部のコアなサイクリストに評判の「Chunadon Cycle Chaps」など大磯クリテならではの出展も。これらは「レースに出ない方も楽しめる」というコンセプトに基づいたもので、実際に来場者の1/3程度がレースを観戦しに来た方という印象だ。もちろん、レース参加者にも好評で、午前中のレースに参加した後も最後まで残っている方も少なくない。国内でも多くのレースが開催されているが、最後まで居たくなる雰囲気のよいレースはそう多くないだろう。
そんな1日の最後を締めくくるのが、国内トップレベルのアマチュアレーサーが鎬を削るエリートクラスのレースだ。グループをつくって果敢に逃げたり、その後方ではチームプレーで集団をけん引して吸収を試みたりとスピーディーな展開は迫力満点。それまでのカテゴリーも他のレースより大きな声援が飛んでくるが、エリートクラスの盛り上がりはやはり別格。そんな第3戦のエリートレースを制したのは川田優作選手(Honda 栃木)。昨年のJBCF E1クラスタ年間王者の実力を遺憾なく発揮し、先頭でゴールラインに飛び込んだ。
大磯クリテリウム次戦は2月15日 箱根ターンパイクでのヒルクライム開催も決定
大磯クリテリウムの次戦となる第4戦は2月15日(日)にワコーズカップとして開催される。現在参加者を募集中で、申込みはスポーツエントリーより行うことができる。締め切りは2月7日(土)。ビギナーから上級者まで、春からの本格的なシーズンを楽しく迎えたいというレーサーは是非とも参加してみては?
またWalkRideでは5月24日(日)にMAZDAターンパイク箱根を舞台としたヒルクライムを初開催する。詳細は順次発表されていく予定だ。「小田原市とのご縁があり、かつて人気を博した箱根ターンパイクでのヒルクライムを復活させることができました。従来は寒い時期でしたが、今回は暖かな5月下旬の開催になります。是非ご参加下さい。」(Walk Ride 山根さん)
text&photo:Yuya.Yamamoto
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