2015/01/26(月) - 09:13
1月18日に行われ、多くの参加者を集めた美ら島オキナワセンチュリーラン。前日の様子に引き続き、日本一早い桜と、大会1番のグルメが用意された100kmコースの実走レポートをお届けします。
青い海を両脇に見ながら走ったシーサイドコース
まだ暗い中を続々と160kmの参加者たちが集まってくる。ナイター照明に照らされた野球場には、出走サインを済ませたサイクリスト達が整列を始めている。今大会で一番の長旅となるカテゴリーとあって、スタート時間も早い。昨晩遅くまで呑んでいたにも関わらず、ケロッとした顔の編集長のタフっぷりに驚きを感じながら送り出すと、100kmのスタートまではしばらく間が空く。
その合間を使って、バイクの準備を終え出走に備える。周りを見渡せば、160kmに参加するチームメイトを送り出した人たちも同じように、準備を進めている様子。スタートからなんだかまったりとした雰囲気なのがこのコースの魅力なのだ。陽も昇り明るくなってきたころ、100kmのスタートも160kmと同じように野球場に集まってからスタート地点へと移動していく。
続々とスタートしていく100kmの参加者たち
役割ごとに面白いサポートライダーのビブス
日向涼子さんのお見送りで100kmはスタートしていく。
紅芋タルトで有名なお菓子御殿
普通のロングライドイベントであれば、最長距離である160kmコースに最も多くの参加者が集まるものだが、この大会は違う。100kmにいちばん多くの参加者が集まるのだ。大会中最も長いスタート待機列を形成しながら、出発の時を今か今かと待つ参加者たち。あいにく快晴とは行かなかったものの、昨日のような爆風はおさまっていて走りやすそうな天気に参加者の表情も柔らかい。そうこうしているうちに、スタートピストルが鳴り、100kmの旅が始まった。
まずは国道58号線を北東へと進んでいく。紅芋タルトで有名なお菓子御殿を左手に過ぎると、視界に海が飛び込んでくる。周囲のみなさんも、そして私も一気にテンションが上がる。許田の高速ICを越えれば、そこまでの細かいアップダウンも終わり、海沿いの平坦路を快走していく。
海岸沿いを走っていきます
そうして進んでいくと、ツール・ド・おきなわでもおなじみの名護市街に入っていく。交通量が少し多めなので気をつけながら走っていくと、最初のエイドステーションである名護市役所に到着。ここでは黒糖まんじゅうが振る舞われ、小腹がすいた参加者たちに人気を博していた。
ちなみに、この大会では各エイドが設置される自治体の市章の入ったシールが配布され、完走の証明となるのだ。160kmでは8つの市町村、100kmコースでは恩納村、名護市、本部町、今帰仁村の4つの市町村章のシールをゼッケンに貼り付けて帰ってくることとなる。もちろんここでもらえるのは名護市章。「ナ」をベースにハトの形に図案化したデザインのシールをペタリと貼って、出発。
名護市シールをもらえます
トレーラーを引いて参加する人も
最初のエイドということもあって人でごった返す名護市役所
休憩したら、出発!
もう少しばかり、名護市街を走って名護バイパスを通り抜けると、また目の前に海が広がる。この100kmコースはその名も「美ら島シーサイドコース」というのだが、その名に恥じない海沿いのコースをつないで走っていくのだ。コースのおよそ3/4くらいは海を見ながら走っているようなルートなのである。
少し風が強いながらも、本部半島を走っていく。「ツール・ド・おきなわ」の50kmコースや210kmの前半部分にも使われているので、馴染みのある人も多いだろう。でも、息を荒げながら神経を張りつめさせながらシャカリキに走る「ツール・ド」とは違ってまったりと景色を楽しみながら走ると、また違った趣を感じる。
パンとサーターアンダギーを頂きます
本部町シールをペタリ
本部町エイドからは海が近くに見えます
空気入れコーナー
次のエイドはもとぶ浜の駅。少し高台にあって、海を一望できるスポットだ。ここでは、菓子パンやサーターアンダギーが振る舞われるていた。あまーい沖縄風ドーナツが海風で疲れた身体に沁みこんでいく。浜の駅は上に登ることもでき、そこからは大海原をぐるっと見渡すことができるため、多くの人の記念撮影スポットになっていた。私も少し記念撮影をお手伝いして、再び出発。
次に向かうのは今帰仁(なきじん)村。日本一有名な水族館ともいえる美ら海水族館との分岐から先は少し内陸部へとはいっていく。細かいアップダウンがあり、微妙に足を削られそうだがまったり走ればそう疲れることはない。楽勝楽勝、と思っているといきなりガツンと登り坂が現れた。
日本一早い桜の下を走っていきます
今帰仁城跡に設置されている第3エイドへと向かうための坂なのだが、2kmほど6%を超える坂道が急坂が続くのだ。ここまでがかなりフラット基調のコースだっただけに、いきなりの急勾配にたまらず押して歩く参加者もちらほら。しかし、この坂は登り切ればご褒美が待っている。
そう、日本一早い桜が沿道で参加者を見守っているのだ。とはいえ、本州のソメイヨシノのように咲き誇っているわけではなく、ひっそりポツポツと花をつけている沖縄の桜に、プチ峠ともいえる坂道にノックアウトされぎみな参加者さんは気付かず通りすぎてしまう人も。でも、桜の下で写真をとりながら、上を指差すとみなさんの表情にもぱっと笑顔が咲く。
おそらくこちらも日本一早いスイカです
色々なちんすこうを子ども達が渡してくれました
石碑の前で撮影中?
スイカ クイナ
桜に元気をもらって、坂を乗り切ったら第3エイドの今帰仁城跡に到着。ここでの目玉はなんとスイカ!まさか1月にスイカを食べることになるとは思ってもいなかったので少々面食らったが、これが甘くてジューシーなのだ。つぎつぎに登ってくる参加者もスイカに目を丸くしながらも、かぶりついてはさらにおいしさに驚いた様子。
ちょうど桜まつりが今帰仁城跡でおこなわれていたこともあって、サイクリストのみならず一般の観光客の方も多くおられたエイドステーションを後にし、登ってきた坂を下っていく。ついに美ら島オキナワセンチュリーランを象徴する古宇利島へ向けて走っていく。
古宇利大橋もかなり登ります
落下注意の看板がワルミ大橋にはあります
古宇利大橋を見ながら休憩中
沖縄本島、屋我地島を結ぶ「ワルミ大橋」、屋我地島と古宇利島を結ぶ「古宇利大橋」。大会のシンボルともいえる二つの橋では、絶景が楽しめるということでたくさんの人が立ち止まってはその絶景を堪能している。生憎の曇り空のままだったけれど、それでも海は青いところが流石沖縄というところ。
古宇利大橋の両側に広がるライトブルーの海を堪能しながらお昼ご飯がまっている古宇利島のエイドステーションに駆け込んだ。今年はカレーと沖縄そばとトン汁のうちからどれか一つが選べるということで、前日に沖縄そばを食べていた私はカレーをチョイス。これがまたおいしいのだ。
黒糖を手にポーズ!沖縄大好きな台湾のタレントの夏美さん
沖縄ソバを用意してくれるおばちゃんたち
ブルーシール看板でピース!
サポートライダーがパンク修理を手伝ってくれます
みんなでお昼ご飯を頂きます
パイナップルを始めとした南国フルーツが売っている市場も併設されていました
古宇利大橋の優美な姿を眺めながら食べるお昼ご飯はまさに絶品。ちなみにゴールした後で160kmと50kmの取材に行った二人からお昼ごはんがお弁当だったことを聞き、100kmコース取材で良かったとついつい思ってしまったり。エイドでは、他にも今帰仁村でとれたサトウキビから作った黒糖などもふるまわれ、舌を楽しませてくれる。
ここまでくれば、後は恩納村へ向けて一路戻っていくだけ。本部半島の根元を突っ切るようにして、名護市街へと向かっていく。途中、最後のエイドとなるファーマーズマーケットやんばるで塩シークァーサードリンクを頂いて、最後の区間を走っていく。一気に恩納村コミュニティセンターまでの道を走り抜け、ゴールへと駆け込む。スタートと同じくエイサーに迎えられてゴールアーチをくぐれば、100kmの旅も終りだ。
ゴールしてきました。益子直美さん、山本雅道さん率いるチームMASAMICHIの皆さん
走り終わってカンパイ!
完走を祝ってハイタッチ?
100kmとロングライドというには少し短い距離かもしれないが、他のイベントの最長カテゴリと同じかそれ以上に絶景スポットやエイドステーションが充実していて、満足度は非常に高い。生憎の曇り空のため、いかにも南国!という青い空と青い海を望むことはかなわなかったけれど、それを補って余りあるホスピタリティーが感じられるイベントだった。
その後は、マリオットホテルの宴会場にて行われた後夜祭に参加。次々と運ばれてくる島料理を中心にした豪華な料理たちは、ロングライドでエネルギーを消耗した出席者のお腹にすごい勢いで収まっていく。沖縄を象徴するオリオンビールや、大会記念泡盛もふんだんに用意され、どんどんと会場のテンションは上がっていく。
たくさんのごちそうが並んでいる
白熱したじゃんけん大会
台湾からの参加者はコスプレしている人も
最後は皆でカチャーシーで〆
途中、ANAの航空券10万円分が当たるじゃんけん大会では、泡盛で盛り上がった参加者たちによる真剣勝負が繰り広げられたり、島唄コンサートを聴いたりして、ピークを迎えた後夜祭を〆たのは、カチャーシー。テンポの速い島唄に合わせて、みなで踊り、大会の喜びを分かちあい、楽しい2日間は終わりを告げた。
text:Naoki.YASUOKA
フォトアルバム(CW FaceBook)
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まだ暗い中を続々と160kmの参加者たちが集まってくる。ナイター照明に照らされた野球場には、出走サインを済ませたサイクリスト達が整列を始めている。今大会で一番の長旅となるカテゴリーとあって、スタート時間も早い。昨晩遅くまで呑んでいたにも関わらず、ケロッとした顔の編集長のタフっぷりに驚きを感じながら送り出すと、100kmのスタートまではしばらく間が空く。
その合間を使って、バイクの準備を終え出走に備える。周りを見渡せば、160kmに参加するチームメイトを送り出した人たちも同じように、準備を進めている様子。スタートからなんだかまったりとした雰囲気なのがこのコースの魅力なのだ。陽も昇り明るくなってきたころ、100kmのスタートも160kmと同じように野球場に集まってからスタート地点へと移動していく。
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普通のロングライドイベントであれば、最長距離である160kmコースに最も多くの参加者が集まるものだが、この大会は違う。100kmにいちばん多くの参加者が集まるのだ。大会中最も長いスタート待機列を形成しながら、出発の時を今か今かと待つ参加者たち。あいにく快晴とは行かなかったものの、昨日のような爆風はおさまっていて走りやすそうな天気に参加者の表情も柔らかい。そうこうしているうちに、スタートピストルが鳴り、100kmの旅が始まった。
まずは国道58号線を北東へと進んでいく。紅芋タルトで有名なお菓子御殿を左手に過ぎると、視界に海が飛び込んでくる。周囲のみなさんも、そして私も一気にテンションが上がる。許田の高速ICを越えれば、そこまでの細かいアップダウンも終わり、海沿いの平坦路を快走していく。
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ちなみに、この大会では各エイドが設置される自治体の市章の入ったシールが配布され、完走の証明となるのだ。160kmでは8つの市町村、100kmコースでは恩納村、名護市、本部町、今帰仁村の4つの市町村章のシールをゼッケンに貼り付けて帰ってくることとなる。もちろんここでもらえるのは名護市章。「ナ」をベースにハトの形に図案化したデザインのシールをペタリと貼って、出発。
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少し風が強いながらも、本部半島を走っていく。「ツール・ド・おきなわ」の50kmコースや210kmの前半部分にも使われているので、馴染みのある人も多いだろう。でも、息を荒げながら神経を張りつめさせながらシャカリキに走る「ツール・ド」とは違ってまったりと景色を楽しみながら走ると、また違った趣を感じる。
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次のエイドはもとぶ浜の駅。少し高台にあって、海を一望できるスポットだ。ここでは、菓子パンやサーターアンダギーが振る舞われるていた。あまーい沖縄風ドーナツが海風で疲れた身体に沁みこんでいく。浜の駅は上に登ることもでき、そこからは大海原をぐるっと見渡すことができるため、多くの人の記念撮影スポットになっていた。私も少し記念撮影をお手伝いして、再び出発。
次に向かうのは今帰仁(なきじん)村。日本一有名な水族館ともいえる美ら海水族館との分岐から先は少し内陸部へとはいっていく。細かいアップダウンがあり、微妙に足を削られそうだがまったり走ればそう疲れることはない。楽勝楽勝、と思っているといきなりガツンと登り坂が現れた。
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そう、日本一早い桜が沿道で参加者を見守っているのだ。とはいえ、本州のソメイヨシノのように咲き誇っているわけではなく、ひっそりポツポツと花をつけている沖縄の桜に、プチ峠ともいえる坂道にノックアウトされぎみな参加者さんは気付かず通りすぎてしまう人も。でも、桜の下で写真をとりながら、上を指差すとみなさんの表情にもぱっと笑顔が咲く。
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桜に元気をもらって、坂を乗り切ったら第3エイドの今帰仁城跡に到着。ここでの目玉はなんとスイカ!まさか1月にスイカを食べることになるとは思ってもいなかったので少々面食らったが、これが甘くてジューシーなのだ。つぎつぎに登ってくる参加者もスイカに目を丸くしながらも、かぶりついてはさらにおいしさに驚いた様子。
ちょうど桜まつりが今帰仁城跡でおこなわれていたこともあって、サイクリストのみならず一般の観光客の方も多くおられたエイドステーションを後にし、登ってきた坂を下っていく。ついに美ら島オキナワセンチュリーランを象徴する古宇利島へ向けて走っていく。
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沖縄本島、屋我地島を結ぶ「ワルミ大橋」、屋我地島と古宇利島を結ぶ「古宇利大橋」。大会のシンボルともいえる二つの橋では、絶景が楽しめるということでたくさんの人が立ち止まってはその絶景を堪能している。生憎の曇り空のままだったけれど、それでも海は青いところが流石沖縄というところ。
古宇利大橋の両側に広がるライトブルーの海を堪能しながらお昼ご飯がまっている古宇利島のエイドステーションに駆け込んだ。今年はカレーと沖縄そばとトン汁のうちからどれか一つが選べるということで、前日に沖縄そばを食べていた私はカレーをチョイス。これがまたおいしいのだ。
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古宇利大橋の優美な姿を眺めながら食べるお昼ご飯はまさに絶品。ちなみにゴールした後で160kmと50kmの取材に行った二人からお昼ごはんがお弁当だったことを聞き、100kmコース取材で良かったとついつい思ってしまったり。エイドでは、他にも今帰仁村でとれたサトウキビから作った黒糖などもふるまわれ、舌を楽しませてくれる。
ここまでくれば、後は恩納村へ向けて一路戻っていくだけ。本部半島の根元を突っ切るようにして、名護市街へと向かっていく。途中、最後のエイドとなるファーマーズマーケットやんばるで塩シークァーサードリンクを頂いて、最後の区間を走っていく。一気に恩納村コミュニティセンターまでの道を走り抜け、ゴールへと駆け込む。スタートと同じくエイサーに迎えられてゴールアーチをくぐれば、100kmの旅も終りだ。
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100kmとロングライドというには少し短い距離かもしれないが、他のイベントの最長カテゴリと同じかそれ以上に絶景スポットやエイドステーションが充実していて、満足度は非常に高い。生憎の曇り空のため、いかにも南国!という青い空と青い海を望むことはかなわなかったけれど、それを補って余りあるホスピタリティーが感じられるイベントだった。
その後は、マリオットホテルの宴会場にて行われた後夜祭に参加。次々と運ばれてくる島料理を中心にした豪華な料理たちは、ロングライドでエネルギーを消耗した出席者のお腹にすごい勢いで収まっていく。沖縄を象徴するオリオンビールや、大会記念泡盛もふんだんに用意され、どんどんと会場のテンションは上がっていく。
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途中、ANAの航空券10万円分が当たるじゃんけん大会では、泡盛で盛り上がった参加者たちによる真剣勝負が繰り広げられたり、島唄コンサートを聴いたりして、ピークを迎えた後夜祭を〆たのは、カチャーシー。テンポの速い島唄に合わせて、みなで踊り、大会の喜びを分かちあい、楽しい2日間は終わりを告げた。
text:Naoki.YASUOKA
フォトアルバム(CW FaceBook)
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