2014/09/17(水) - 09:02
夏休みを終え日常生活へ戻った週末の9月7日、長野県大町市を中心に開催されたグランフォンド「北アルプス山麓グランフォンド」が開催された。秋の始まりを感じる爽やかな風を浴びながら、650人のサイクリストが駆け抜けたイベントの様子を紹介しよう。
「北アルプス山麓グランフォンド」は今年で3回目を迎える若いイベントだ。舞台となるのは長野県の信濃大町や仁科三湖周辺の山岳地帯。鹿島槍ヶ岳や剱岳、ヒルクライマーにはおなじみの乗鞍岳など標高2000m級の名峰が周りにそびえる一帯だ。コースは鹿島槍スポーツヴィレッジがスタート・ゴールとなり、青木湖や日向山高原、大町温泉郷などを巡る。
大会前日の9月6日。鹿島槍スポーツヴィレッジではウェルカムイベントが開かれていた。過去最高に豪華な景品が当たる抽選会では、長い時間に渡ったが終始参加者の目はキラキラしていたそうだ。また、大町市と連携した、のんべえにはたまらない「三蔵飲み歩き」というイベントも開かれた。1300個用意されたお猪口が売り切れてしまうほど盛り上がったのとこと。そう、編集部では仕事がたてこんで前日に伺うことができなかったので、土曜日の様子は聞伝えになってしまうのだ。金曜日は徹夜してでも仕事を終わらせるべきだったと反省…。
さらに良くないことは続く。天気を確認すると大会当日は「雨/曇り」と予報されていたのだ。実際に編集部がある東京西部では夕方から断続的に雨が降り続いている。これは自転車ではなく車からの取材だな、と気を揉みながら準備する手は重い。シクロワイアード号で向かうも、松本あたりで豪雨に遭遇。より気は重くなる。
安曇野ICでは雨が降っていないが、外は暗く天気の様子は確認できない。千国街道をひた走っていると、だんだんと夜が明け山々が姿を表す。山の向こうには雲が控えていて、今にも落ちてきそう。そんな光景を見た車内の空気も重い。いよいよハイエースに乗ってのクルマ取材か。ちなみに前回大会は雨のため距離を短縮して開催している。
朝6時過ぎに会場となる鹿島槍スポーツヴィレッジに到着。既に数多くの参加者たちが準備を終えてスタートを待ち構えている。周りを見回してみると、ほぼ全ての方がアームウォーマーやレインウェアを着こみ、雨天を覚悟した装いだ。取材班もハイエースでの伴走取材を考えながらも、太陽が顔をのぞかせることを祈り実走用の装備で身を固める。
鹿島槍スポーツヴィレッジは、冬はゲレンデとなるスキー場にあるロッジで、グリーンシーズンはスポーツ合宿で人気が高まっている施設。夏場はスポーツバイクやマヴィックのホイールのレンタルなどを行い、サイクリングにはうってつけのロケーションと合わせてサイクリストにはたまらない施設となっている。
話を戻してスタート地点。アリーさんのMCのもと、4人ごとのグループが続々とスタートしていくのを写真に収め、我々取材班もコースへ出る。メイン会場出てすぐの苔むしたダウンヒルをソロリソロリと下ると、さっそく中綱湖と青木湖が登場。天気や気温こそ恵まれていないが、長野の自然を楽しみながら第1エイドの白馬ジャンプスキー場を目指す。
巨大なジャンプ台の脇にある休憩ポイントに駆け込むと、白馬村の特産物ブルーベリーが迎えてくれる。白馬に着く頃には天気は快晴となり、気分も晴れていく。もう雨の心配は要らなそうだ! 休憩を終えたら今回からコースに組み込まれた小谷村は栂池高原スキー場へと足を向ける。
スキー場が数多くある土地らしく、ロッジやホテルが立ち並ぶ県道から離れ、木陰と日向のコントラストが心地よい裏道を走っていく。県道433号線に出たあとも生い茂る緑は途切れず、ペダリングもスーッと軽やかになる。白馬連山を臨む栂池パノラマ橋が現れたと思ったら、すぐに2つ目のエイドステーションの栂池高原エイドに到着だ。
ASでは小谷村の蕎麦が振る舞われる。小谷村では例年10月から11月にかけて「小谷新そば祭り」が催されるほどの蕎麦の名所で、このイベントのために地域のボランティアの方が朝早くから蕎麦を打ってくれているという。蕎麦を待つサイクリストたちの行列は途切れること無くどんどん長くなっていく。
2つ目のエイドにして早速登場した信州蕎麦はほどよく薄味で、これから100km先のゴールを目指す体にはちょうどよかった。天候は晴れで安定。雲も少なく暑いぐらいで腰を据えて休みたくなるが、120kmコースはここから山岳地帯へと突入するので先を急ぐ。
433号線を折り返し、JR大糸線をこえて田舎道へと入っていく。姫川にかかる橋をこえると、ソチ冬季五輪で注目を集めたスキークロスカントリー競技の特訓中の選手たちと出会う。彼らはローラーブレードのようなキャスターを付けた板(ローラースキーという)を転がして練習していた。自転車の一団と並走する。こんなランデブーがあるのもスキーの名所白馬ならではだろう。
例年なら9月上旬は残暑が厳しい時期だが、この日は雨も降ったこともあり秋の始まりを感じる心地よい気温となった。南下し神城まで戻ってきたら120kmと100・80kmコースと分かれる。120kmコースは本格的な山岳地帯へと入っていき、100・80kmコースは平坦基調のコースを行き青木湖などを行く。
120kmコースを走る取材班はじわじわと山の中に入っていき、美麻トンネルを回避するように旧道へ入ると最初の登坂に突入する。平均斜度4.4%の上り坂を黙々とこなすと「峠」とだけ書かれた立て看板が現れて登半終了を告げる。登ってきた道よりも急勾配な道を下っていく。
下り基調の大町街道を快走してぽかぽかランド美麻に設けられた給水所に駆け込む。途中にあった旧中村住宅に例えがたいノスタルジーを感じながら、休憩。のどかな場所、心地良い陽気…思わず「ここにとどまってもいいなあ」と感じさせられた。
すでにコスモスが咲き、秋の到来を告げていた。平均斜度7%と走りごたえある登り道は約4km続く。県道31号線とほぼ平行に進む県道497号線は交通量も少なく走りやすい。しばらくすると3つ目の美麻エイドへたどり着く。ここでは地元のボランティアさんお手製の漬け物バイキングが振る舞われた。カレー味のお新香に驚きながら、疲れた体に塩分を補給する。
3本目の登りは平均斜度こそ2本目と同じだが、距離は半分。「いつまで続くんだろう」と黙々とこなしていると、白い花のじゅうたんが目の前に広がる。信州ならではの蕎麦畑だ。山の麓ももちろん空気はきれいなのだが、標高が高い所の空気は一層美味しく、田舎を全身で感じられた。
途中、曽山給水所で休憩しながら小刻みなアップダウンをこなして、後半最初の大峰高原エイドに駆け込む。ここの名物はねぎ味噌をつけたおにぎりだ。お漬物とは違った塩味で体に染み渡っていく。他にもブドウやスイカなど、ほてった身体に嬉しいフルーツが振る舞われていた。
エイドのテントにはてるてる坊主がかけられていたので、「今日の晴れはこのお陰だな」なんて考えて拝む。ありがとうてるてる坊主。ちなみに童謡「てるてる坊主」の作詞家、浅原六朗さんの故郷がここ池田町とのことだ。
このあとは樹齢250年を超えるオオカエデを横目にダウンヒル。高瀬川のほとりまで出て、黄金色に輝く稲穂の間をすり抜けて行くと、安曇野ちひろ公園にある松川エイドへと辿り着く。ここではリンゴのサンつがるとブドウのナガノパープルに加えて、皮まで食べられる黄金桃といった甘〜い信州フルーツが振る舞われていた。
ここ松川エイドは120kmコースと100kmコースの折り返し地点となっており、あとは鹿島槍SVまで帰るだけだ。県道306号線にでて、林檎畑や蕎麦畑、コスモスなど季節と地域のハイライトを感じられる緩い上り道を淡々と進んでいく。最終エイドの大町温泉郷では、この地方特有の名物、納豆菌で練ったうどん「おざんざ」を頂いた。イベントも佳境でお腹が空いてきたところに、ガッツリと食べれるのは嬉しい。
お腹を満たしたあとは325号線の林道の中を駆け抜けていく。道の途中には古風な日本家屋やヨーロピアンなロッジが点在していた。ロッジでは大学の軽音楽サークルが合宿していたらしく、バンド演奏の音が森のなかに漏れていた。
最後に待ち構えていたのは約2km、平均勾配7%のハードな上り坂。最後の上り口に立てられた手作り看板のメッセージ「ラストスパートいつかけるの? 今でしょ!」にちょっぴり笑いながら、鹿島槍スキー場までの九十九折れを蛇行あり、押し歩きありで登り、ゴールへ。
120kmコースは獲得標高2203mというアップダウンの厳しいものだったが、出走者のほとんどが時間内に完走したというから、ASや給水所のポイントが絶妙だったのかもしれない。
朝の段階では不安だった雨も早々と止み、ほぼ全ての区間で太陽が顔をのぞかせる最高の天気となった「北アルプス山麓グランフォンド」。池田町のてるてる坊主には感謝しなければいけませんね(笑)。秋を先取りした気候、抜群のロケーション、ご当地グルメを楽しめるエイドステーションと、サイクリングするには最高の大会だった。来年は、あなたも挑戦してみては。
「地元のおもてなしを楽しめるイベントにしていきたい」西沢勇人さん(大会実行委員)
長野の地域性を参加者の皆さんにより感じてもらいたく、今回はこれまでの大町市、白馬村、池田町、松川村の4市町村に加えて小谷村にも協力して頂く事ができました。
新設した120kmコースは今までと同じように山岳メインのパンチの有るコースで、100km以下のコースは初心者の方でも走れるように、峠道を通らず湖の周りのきれいなところを走って頂く、レベル差を考慮したうえでコースづくりをしました。
エイドステーションは各市町村ごとに協力してもらい、それぞれの特産品を出してもらいました。市町村ごとの色が出ていたのではないでしょうか。この地元のおもてなし感などの色は変えずに続けて行きたいと思います。
100・80・40kmを走った方は、来年ワンステップ上げたコースを楽しんでいただきたいです。エイドの内容も違うので、より楽しんでもらえるはずです。今回少し雲がかかったのが残念ですが、来年こそは北アルプスの山並みの眺望を味わって頂けたらと思います。
フォトギャラリー( FaceBookアルバム)
text:Gakuto.Fujiwara
photo:Makoto.AYANO
「北アルプス山麓グランフォンド」は今年で3回目を迎える若いイベントだ。舞台となるのは長野県の信濃大町や仁科三湖周辺の山岳地帯。鹿島槍ヶ岳や剱岳、ヒルクライマーにはおなじみの乗鞍岳など標高2000m級の名峰が周りにそびえる一帯だ。コースは鹿島槍スポーツヴィレッジがスタート・ゴールとなり、青木湖や日向山高原、大町温泉郷などを巡る。
大会前日の9月6日。鹿島槍スポーツヴィレッジではウェルカムイベントが開かれていた。過去最高に豪華な景品が当たる抽選会では、長い時間に渡ったが終始参加者の目はキラキラしていたそうだ。また、大町市と連携した、のんべえにはたまらない「三蔵飲み歩き」というイベントも開かれた。1300個用意されたお猪口が売り切れてしまうほど盛り上がったのとこと。そう、編集部では仕事がたてこんで前日に伺うことができなかったので、土曜日の様子は聞伝えになってしまうのだ。金曜日は徹夜してでも仕事を終わらせるべきだったと反省…。
さらに良くないことは続く。天気を確認すると大会当日は「雨/曇り」と予報されていたのだ。実際に編集部がある東京西部では夕方から断続的に雨が降り続いている。これは自転車ではなく車からの取材だな、と気を揉みながら準備する手は重い。シクロワイアード号で向かうも、松本あたりで豪雨に遭遇。より気は重くなる。
安曇野ICでは雨が降っていないが、外は暗く天気の様子は確認できない。千国街道をひた走っていると、だんだんと夜が明け山々が姿を表す。山の向こうには雲が控えていて、今にも落ちてきそう。そんな光景を見た車内の空気も重い。いよいよハイエースに乗ってのクルマ取材か。ちなみに前回大会は雨のため距離を短縮して開催している。
朝6時過ぎに会場となる鹿島槍スポーツヴィレッジに到着。既に数多くの参加者たちが準備を終えてスタートを待ち構えている。周りを見回してみると、ほぼ全ての方がアームウォーマーやレインウェアを着こみ、雨天を覚悟した装いだ。取材班もハイエースでの伴走取材を考えながらも、太陽が顔をのぞかせることを祈り実走用の装備で身を固める。
鹿島槍スポーツヴィレッジは、冬はゲレンデとなるスキー場にあるロッジで、グリーンシーズンはスポーツ合宿で人気が高まっている施設。夏場はスポーツバイクやマヴィックのホイールのレンタルなどを行い、サイクリングにはうってつけのロケーションと合わせてサイクリストにはたまらない施設となっている。
話を戻してスタート地点。アリーさんのMCのもと、4人ごとのグループが続々とスタートしていくのを写真に収め、我々取材班もコースへ出る。メイン会場出てすぐの苔むしたダウンヒルをソロリソロリと下ると、さっそく中綱湖と青木湖が登場。天気や気温こそ恵まれていないが、長野の自然を楽しみながら第1エイドの白馬ジャンプスキー場を目指す。
巨大なジャンプ台の脇にある休憩ポイントに駆け込むと、白馬村の特産物ブルーベリーが迎えてくれる。白馬に着く頃には天気は快晴となり、気分も晴れていく。もう雨の心配は要らなそうだ! 休憩を終えたら今回からコースに組み込まれた小谷村は栂池高原スキー場へと足を向ける。
スキー場が数多くある土地らしく、ロッジやホテルが立ち並ぶ県道から離れ、木陰と日向のコントラストが心地よい裏道を走っていく。県道433号線に出たあとも生い茂る緑は途切れず、ペダリングもスーッと軽やかになる。白馬連山を臨む栂池パノラマ橋が現れたと思ったら、すぐに2つ目のエイドステーションの栂池高原エイドに到着だ。
ASでは小谷村の蕎麦が振る舞われる。小谷村では例年10月から11月にかけて「小谷新そば祭り」が催されるほどの蕎麦の名所で、このイベントのために地域のボランティアの方が朝早くから蕎麦を打ってくれているという。蕎麦を待つサイクリストたちの行列は途切れること無くどんどん長くなっていく。
2つ目のエイドにして早速登場した信州蕎麦はほどよく薄味で、これから100km先のゴールを目指す体にはちょうどよかった。天候は晴れで安定。雲も少なく暑いぐらいで腰を据えて休みたくなるが、120kmコースはここから山岳地帯へと突入するので先を急ぐ。
433号線を折り返し、JR大糸線をこえて田舎道へと入っていく。姫川にかかる橋をこえると、ソチ冬季五輪で注目を集めたスキークロスカントリー競技の特訓中の選手たちと出会う。彼らはローラーブレードのようなキャスターを付けた板(ローラースキーという)を転がして練習していた。自転車の一団と並走する。こんなランデブーがあるのもスキーの名所白馬ならではだろう。
例年なら9月上旬は残暑が厳しい時期だが、この日は雨も降ったこともあり秋の始まりを感じる心地よい気温となった。南下し神城まで戻ってきたら120kmと100・80kmコースと分かれる。120kmコースは本格的な山岳地帯へと入っていき、100・80kmコースは平坦基調のコースを行き青木湖などを行く。
120kmコースを走る取材班はじわじわと山の中に入っていき、美麻トンネルを回避するように旧道へ入ると最初の登坂に突入する。平均斜度4.4%の上り坂を黙々とこなすと「峠」とだけ書かれた立て看板が現れて登半終了を告げる。登ってきた道よりも急勾配な道を下っていく。
下り基調の大町街道を快走してぽかぽかランド美麻に設けられた給水所に駆け込む。途中にあった旧中村住宅に例えがたいノスタルジーを感じながら、休憩。のどかな場所、心地良い陽気…思わず「ここにとどまってもいいなあ」と感じさせられた。
すでにコスモスが咲き、秋の到来を告げていた。平均斜度7%と走りごたえある登り道は約4km続く。県道31号線とほぼ平行に進む県道497号線は交通量も少なく走りやすい。しばらくすると3つ目の美麻エイドへたどり着く。ここでは地元のボランティアさんお手製の漬け物バイキングが振る舞われた。カレー味のお新香に驚きながら、疲れた体に塩分を補給する。
3本目の登りは平均斜度こそ2本目と同じだが、距離は半分。「いつまで続くんだろう」と黙々とこなしていると、白い花のじゅうたんが目の前に広がる。信州ならではの蕎麦畑だ。山の麓ももちろん空気はきれいなのだが、標高が高い所の空気は一層美味しく、田舎を全身で感じられた。
途中、曽山給水所で休憩しながら小刻みなアップダウンをこなして、後半最初の大峰高原エイドに駆け込む。ここの名物はねぎ味噌をつけたおにぎりだ。お漬物とは違った塩味で体に染み渡っていく。他にもブドウやスイカなど、ほてった身体に嬉しいフルーツが振る舞われていた。
エイドのテントにはてるてる坊主がかけられていたので、「今日の晴れはこのお陰だな」なんて考えて拝む。ありがとうてるてる坊主。ちなみに童謡「てるてる坊主」の作詞家、浅原六朗さんの故郷がここ池田町とのことだ。
このあとは樹齢250年を超えるオオカエデを横目にダウンヒル。高瀬川のほとりまで出て、黄金色に輝く稲穂の間をすり抜けて行くと、安曇野ちひろ公園にある松川エイドへと辿り着く。ここではリンゴのサンつがるとブドウのナガノパープルに加えて、皮まで食べられる黄金桃といった甘〜い信州フルーツが振る舞われていた。
ここ松川エイドは120kmコースと100kmコースの折り返し地点となっており、あとは鹿島槍SVまで帰るだけだ。県道306号線にでて、林檎畑や蕎麦畑、コスモスなど季節と地域のハイライトを感じられる緩い上り道を淡々と進んでいく。最終エイドの大町温泉郷では、この地方特有の名物、納豆菌で練ったうどん「おざんざ」を頂いた。イベントも佳境でお腹が空いてきたところに、ガッツリと食べれるのは嬉しい。
お腹を満たしたあとは325号線の林道の中を駆け抜けていく。道の途中には古風な日本家屋やヨーロピアンなロッジが点在していた。ロッジでは大学の軽音楽サークルが合宿していたらしく、バンド演奏の音が森のなかに漏れていた。
最後に待ち構えていたのは約2km、平均勾配7%のハードな上り坂。最後の上り口に立てられた手作り看板のメッセージ「ラストスパートいつかけるの? 今でしょ!」にちょっぴり笑いながら、鹿島槍スキー場までの九十九折れを蛇行あり、押し歩きありで登り、ゴールへ。
120kmコースは獲得標高2203mというアップダウンの厳しいものだったが、出走者のほとんどが時間内に完走したというから、ASや給水所のポイントが絶妙だったのかもしれない。
朝の段階では不安だった雨も早々と止み、ほぼ全ての区間で太陽が顔をのぞかせる最高の天気となった「北アルプス山麓グランフォンド」。池田町のてるてる坊主には感謝しなければいけませんね(笑)。秋を先取りした気候、抜群のロケーション、ご当地グルメを楽しめるエイドステーションと、サイクリングするには最高の大会だった。来年は、あなたも挑戦してみては。
「地元のおもてなしを楽しめるイベントにしていきたい」西沢勇人さん(大会実行委員)
長野の地域性を参加者の皆さんにより感じてもらいたく、今回はこれまでの大町市、白馬村、池田町、松川村の4市町村に加えて小谷村にも協力して頂く事ができました。
新設した120kmコースは今までと同じように山岳メインのパンチの有るコースで、100km以下のコースは初心者の方でも走れるように、峠道を通らず湖の周りのきれいなところを走って頂く、レベル差を考慮したうえでコースづくりをしました。
エイドステーションは各市町村ごとに協力してもらい、それぞれの特産品を出してもらいました。市町村ごとの色が出ていたのではないでしょうか。この地元のおもてなし感などの色は変えずに続けて行きたいと思います。
100・80・40kmを走った方は、来年ワンステップ上げたコースを楽しんでいただきたいです。エイドの内容も違うので、より楽しんでもらえるはずです。今回少し雲がかかったのが残念ですが、来年こそは北アルプスの山並みの眺望を味わって頂けたらと思います。
フォトギャラリー( FaceBookアルバム)
text:Gakuto.Fujiwara
photo:Makoto.AYANO
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