2014/06/12(木) - 14:09
今回の「あなたの自転車見せてください」では、Mt.富士ヒルクライムで優勝した本柳隆志さんとトップ5入賞者たちのバイクにクローズアップ。1時間1分台というタイムを支えたバイク達を紹介します。タイムアップを狙うヒントが見つかるかも?
優勝 本柳隆志さん(チームWADA) トレック MADONE 6 1h01'22"312
残り300mからのロングスプリントを決め、見事主催者選抜クラスで優勝を果たした本柳隆志さん(チームWADA)。ロードレースとヒルクライムの両方に参加するため、バイクは軽量性と空力性能を両立したトレックのレーシングバイク、マドン。しなりのある乗り味が好みであるため、あえてトップモデルのマドン7シリーズではなく、6シリーズをチョイスしているのだそう。
ヒルクライムに合わせて軽量化するため、足回りはZIPP202+ヴィットリアのタイムトライアル用タイヤ、Crono CSを組み合わせている。ロードレースでも使用するためその他は至って普通のアッセンブルで、ギアはフロント52-39T、リア12-25T。ダイレクトマウント仕様となる前後ブレーキキャリパーは制動力を考えて純正品からデュラエースに換装している。ペダルをタイムにしている理由は、「膝が悪いので、フローティング角度の大きいタイム製品を使っています。」とのこと。ホイール以外に軽量パーツを特に使っていないものの、車重は6kgを少し越える程度に抑えられているそうだ。
2位 風間博之さん(サイクルフリーダム) フェルト F1X 1h01'27"650
1h01'27"650のタイムで2位に入った強豪ホビーレーサー、風間博之さん(サイクルフリーダム)がレースで使ったのは、何とフェルトのアルミフレームシクロクロスバイク、F1X。先日のレース中にメインバイクを落車で壊してしまったため、普段通勤で使っているバイクを急遽引っ張り出してきたそうだ。
「普段通勤で使っているバイクですが、元々は父親のバイクで、ペダルは母親のを拝借してきました(笑)。昔のアルミフレームなので柔らか過ぎてしまい、105のクランクとバイク全体がたわむので苦労しました。」というが、中盤を過ぎてからだんだんと乗り味に慣れ、最後は持ち前のスプリントで2位に入った。
「ホイール以外は何も変えていません。リアにシマノC35を選んだのは、前後ともC24だと剛性が足りなくなるから。自分でも何故このバイクで表彰台に上がれたのかよく分からないですね。クランク長が普段よりも短いのも予想以上に大変でした。」
3位 兼松大和さん(Green Road)コルナゴ M10 1h01'28"045
中盤まで逃げ、更にスプリントで3位を獲得するという強いレース運びを見せた兼松大和さん(Green Road)。「乾さんがアタックした時は450Wが2〜3分続きました。脚が売り切れていましたが、最後は何とかスプリントで3位に入れましたね。今日は積極的にレースを作った上で結果を出したいなと思っていたので、上手くいったと思います。」
バイクはプロ選手にも愛用されるコルナゴのオールラウンドレーシングバイク「M10」。クリテリウムやロードレースにも使っているというこのバイクは、今回のヒルクライムに合わせてホイールをライトウェイトに、サドルをカーボン製に換え、バーテープとボトルケージを外して持ち込んだ。比較的ハンドルが高めのポジションについては「この方がよりワットが出るようになりました。」と言う。
パーツアッセンブルとしては、RIDEAの楕円チェーンリングにパイオニアのパワーメーターを組み合わせているっことが特徴的。「M10のカッコよさに惚れて購入しましたが、ちょっと重たいんですよ。でも気に入っているのでもう暫くこれで頑張りたいですね。」と語ってくれた。
4位 宿谷英男さん(成木フェニックス)スコット ADDICT-SL 1h01'28"125
4着に入った宿谷英男さん(成木フェニックス)の愛車は、ヒルクライマーからの人気がすこぶる高いスコットの軽量オールラウンドレーシングバイク、アディクトSL。「HMX SLカーボンファイバー」素材にを使い、フレーム710g、フォーク280gという軽さを誇る一台だ。
本来Di2対応していないこのバイクだが、宿谷さんの希望に合わせて変速ケーブルをダウンチューブに内蔵させ、BB下からはチェーンステー下側に沿わせてテープ止めしている。BB下のケーブル取り出し口には自作のグロメットを装着し、ケーブルの出し角度を最適化していることが自慢だそう。
ホイールはax-lightnessの軽量リムとDTスイスのハブ、そしてサピムのハイエンドスポーク「CX-Super」を使って手組みしたもの。ブレーキにTRPのマグネシウム製キャリパーを使うなど、ヒルクライムに特化したアッセンブルだが、「ヒルクライムでもフロント変速を多用するので、コンポーネントはDi2です。SRAM REDの方が軽くできますが、自分にとってはこの方がアドバンテージですね。」と言う。「リム以外は極端なパーツを使っていませんが、5.6kgほどに抑えています。ロードレースでも使える性能を目指しました」。
宿谷さんはこの日、軽量化のためにボトルレスで出走。しかし暑さにやられてしまったところにチームメイトがボトルを差し出し復活できたという。「自己最高タイムが出ましたが、3位の兼松さんにはタイヤ差で負けたので本当に悔しいです。来年はもちろん優勝を目指しますよ!」
5位 宮本賢一さん(LCモンテラック)AMANDA 80Tカーボン 1h01'29"343
「何とか入賞できて嬉しいです。先月まで海外出張で忙しくほとんど練習ができていませんでしたが、今日は積極的に牽くことで前に残れました。このまま乗鞍に繋げていきたいです。」と喜ぶ宮本賢一さん(LCモンテラック)の愛車は、アマンダのカーボン×クロモリハイブリッドバイク。宮本さん自身が考えたという真っ赤なグラフィックに、左側のフォークに入れられたツール山岳賞の水玉模様がとても目立つ一台だ。
「間違いなく入賞者の中で最も重い部類のバイクです。」と笑うこのアマンダの重量は7.5kgほど。メイン三角は80tカーボンで、リアバックはクロモリ製だ。よく見れば非常に短いヘッドチューブなど各所にこだわりが散りばめられている。「もう一台フロントシングルの登り用バイクがありますが、アウターギアが必要になるこのレースではこちらを使います。リアの追従性とフォークの剛性のバランスが良いのか緩斜面での走りが素晴らしく、とても気に入っているんですよ。」
ヒルクライム専門でレースに出場している宮本さんのホイールチョイスは、マヴィックのコスミックアルチメイト。タイヤは転がりを重視してヴェロフレックスのExtremeを使っている。どこからでも目立つフレームのデザインは、全て宮本さんがデザインしたそうだ。「もう3年乗っていますが、ちっとも古びないですよね。まだ当分はこのバイクで走りたいと思います。」と語ってくれた。
text&photo:So.Isobe
優勝 本柳隆志さん(チームWADA) トレック MADONE 6 1h01'22"312
残り300mからのロングスプリントを決め、見事主催者選抜クラスで優勝を果たした本柳隆志さん(チームWADA)。ロードレースとヒルクライムの両方に参加するため、バイクは軽量性と空力性能を両立したトレックのレーシングバイク、マドン。しなりのある乗り味が好みであるため、あえてトップモデルのマドン7シリーズではなく、6シリーズをチョイスしているのだそう。
ヒルクライムに合わせて軽量化するため、足回りはZIPP202+ヴィットリアのタイムトライアル用タイヤ、Crono CSを組み合わせている。ロードレースでも使用するためその他は至って普通のアッセンブルで、ギアはフロント52-39T、リア12-25T。ダイレクトマウント仕様となる前後ブレーキキャリパーは制動力を考えて純正品からデュラエースに換装している。ペダルをタイムにしている理由は、「膝が悪いので、フローティング角度の大きいタイム製品を使っています。」とのこと。ホイール以外に軽量パーツを特に使っていないものの、車重は6kgを少し越える程度に抑えられているそうだ。
2位 風間博之さん(サイクルフリーダム) フェルト F1X 1h01'27"650
1h01'27"650のタイムで2位に入った強豪ホビーレーサー、風間博之さん(サイクルフリーダム)がレースで使ったのは、何とフェルトのアルミフレームシクロクロスバイク、F1X。先日のレース中にメインバイクを落車で壊してしまったため、普段通勤で使っているバイクを急遽引っ張り出してきたそうだ。
「普段通勤で使っているバイクですが、元々は父親のバイクで、ペダルは母親のを拝借してきました(笑)。昔のアルミフレームなので柔らか過ぎてしまい、105のクランクとバイク全体がたわむので苦労しました。」というが、中盤を過ぎてからだんだんと乗り味に慣れ、最後は持ち前のスプリントで2位に入った。
「ホイール以外は何も変えていません。リアにシマノC35を選んだのは、前後ともC24だと剛性が足りなくなるから。自分でも何故このバイクで表彰台に上がれたのかよく分からないですね。クランク長が普段よりも短いのも予想以上に大変でした。」
3位 兼松大和さん(Green Road)コルナゴ M10 1h01'28"045
中盤まで逃げ、更にスプリントで3位を獲得するという強いレース運びを見せた兼松大和さん(Green Road)。「乾さんがアタックした時は450Wが2〜3分続きました。脚が売り切れていましたが、最後は何とかスプリントで3位に入れましたね。今日は積極的にレースを作った上で結果を出したいなと思っていたので、上手くいったと思います。」
バイクはプロ選手にも愛用されるコルナゴのオールラウンドレーシングバイク「M10」。クリテリウムやロードレースにも使っているというこのバイクは、今回のヒルクライムに合わせてホイールをライトウェイトに、サドルをカーボン製に換え、バーテープとボトルケージを外して持ち込んだ。比較的ハンドルが高めのポジションについては「この方がよりワットが出るようになりました。」と言う。
パーツアッセンブルとしては、RIDEAの楕円チェーンリングにパイオニアのパワーメーターを組み合わせているっことが特徴的。「M10のカッコよさに惚れて購入しましたが、ちょっと重たいんですよ。でも気に入っているのでもう暫くこれで頑張りたいですね。」と語ってくれた。
4位 宿谷英男さん(成木フェニックス)スコット ADDICT-SL 1h01'28"125
4着に入った宿谷英男さん(成木フェニックス)の愛車は、ヒルクライマーからの人気がすこぶる高いスコットの軽量オールラウンドレーシングバイク、アディクトSL。「HMX SLカーボンファイバー」素材にを使い、フレーム710g、フォーク280gという軽さを誇る一台だ。
本来Di2対応していないこのバイクだが、宿谷さんの希望に合わせて変速ケーブルをダウンチューブに内蔵させ、BB下からはチェーンステー下側に沿わせてテープ止めしている。BB下のケーブル取り出し口には自作のグロメットを装着し、ケーブルの出し角度を最適化していることが自慢だそう。
ホイールはax-lightnessの軽量リムとDTスイスのハブ、そしてサピムのハイエンドスポーク「CX-Super」を使って手組みしたもの。ブレーキにTRPのマグネシウム製キャリパーを使うなど、ヒルクライムに特化したアッセンブルだが、「ヒルクライムでもフロント変速を多用するので、コンポーネントはDi2です。SRAM REDの方が軽くできますが、自分にとってはこの方がアドバンテージですね。」と言う。「リム以外は極端なパーツを使っていませんが、5.6kgほどに抑えています。ロードレースでも使える性能を目指しました」。
宿谷さんはこの日、軽量化のためにボトルレスで出走。しかし暑さにやられてしまったところにチームメイトがボトルを差し出し復活できたという。「自己最高タイムが出ましたが、3位の兼松さんにはタイヤ差で負けたので本当に悔しいです。来年はもちろん優勝を目指しますよ!」
5位 宮本賢一さん(LCモンテラック)AMANDA 80Tカーボン 1h01'29"343
「何とか入賞できて嬉しいです。先月まで海外出張で忙しくほとんど練習ができていませんでしたが、今日は積極的に牽くことで前に残れました。このまま乗鞍に繋げていきたいです。」と喜ぶ宮本賢一さん(LCモンテラック)の愛車は、アマンダのカーボン×クロモリハイブリッドバイク。宮本さん自身が考えたという真っ赤なグラフィックに、左側のフォークに入れられたツール山岳賞の水玉模様がとても目立つ一台だ。
「間違いなく入賞者の中で最も重い部類のバイクです。」と笑うこのアマンダの重量は7.5kgほど。メイン三角は80tカーボンで、リアバックはクロモリ製だ。よく見れば非常に短いヘッドチューブなど各所にこだわりが散りばめられている。「もう一台フロントシングルの登り用バイクがありますが、アウターギアが必要になるこのレースではこちらを使います。リアの追従性とフォークの剛性のバランスが良いのか緩斜面での走りが素晴らしく、とても気に入っているんですよ。」
ヒルクライム専門でレースに出場している宮本さんのホイールチョイスは、マヴィックのコスミックアルチメイト。タイヤは転がりを重視してヴェロフレックスのExtremeを使っている。どこからでも目立つフレームのデザインは、全て宮本さんがデザインしたそうだ。「もう3年乗っていますが、ちっとも古びないですよね。まだ当分はこのバイクで走りたいと思います。」と語ってくれた。
text&photo:So.Isobe