2014/05/06(火) - 09:27
いよいよ開催が迫った国内屈指の山岳ロングライド「グランフォンド軽井沢」。125kmの間に獲得標高2200m以上を稼ぐ今大会のコースガイドを、前回大会に参加した武田和佳さん(チームARAI)による手記と共に紹介します。
スタート地点は軽井沢プリンスホテルスキー場。朝早いというこもあり涼しかったため、半袖ジャージ+ショーツをベースにアームウォーマーとニーウォーマーを着用し、ウィンドブレーカーをポケットに入れてスタートを待ちました。今年は開催時期が早まったため、半袖の冬用アンダーウェアやマッサージオイルなどを用意すると安心ですね。今大会でもMCを務める南隼人さんの元気な掛け声とともに7:30スタート。
スタート地点から軽井沢市街に入るとカフェやレストラン、雑貨屋さん等、別荘地ならではのおしゃれなお店が並んでいて、ついつい目移りしてしまいました。コース沿いには木で作られたリスやクマなどの動物の小さなオブジェが飾られているので、みなさんも是非見つけてみてください。市街を抜けると雰囲気が一転し、木々に囲まれた別荘地から、コース最初の本格的な登りである白糸ハイランドウェイに向かいます。
道沿いに高原ならではの見慣れない植物が生い茂る白糸ハイランドウェイの登りは、約15%が続くキツい区間。周りを見回してみるとみなさんかなり苦しそうな表情…。「先は長いのでここはマイペースで焦らず行きましょう!」と励ましあいながらクリアしました。
勾配が少し落ち着くと、道路の左側に小さな川を発見。緑と川のせせらぎが織りなす大自然の雰囲気には癒されます。スタートしてからすぐの激坂だったため、登りが終わると自転車に乗ったままストレッチして少し体をほぐしながら進みました。ビギナーや完走できるか心配という方はスタート前にしっかりとストレッチをしておけば、攣りの防止にもなって安心ですね。
白糸ハイランドウェイを登り切ると第1エイドのある浅間ハイランドパークへのダウンヒル。ここは道幅が広く、直線的なためぐんぐんとスピードアップしていくため、下ハンドルを握ってエアロポジションをとって先を急ぎました。ただこの下りは距離が短いため、ウィンドブレーカーを着こむ必要はありません。
第一エイドの浅間ハイランドパークでは塩キャラメルと干し梅、ローズソルトを頂きました。どれも塩味が疲れた体じわーっと沁みます。塩分は攣りの防止に有効なため、登りが多いグランフォンド軽井沢では意識して補給すると良いでしょう。
ついでにハイランドウェイで消費した分のエネルギーも補給します。念のためジェルやエナジーバーなど食べ慣れたものを持参しておきましょう。また、第2エイドがある東海大学嬬恋高原研究センターまでは距離が長く、登りも厳しいためハンガーノックにならないためにもしっかりと備える必要があります。
浅間ハイランドパークを後にすると再びダウンヒル。標高差500mをハイスピードで一気に下るため、気温によってはウィンドブレーカーを羽織って体を冷やさないようにしましょう。下りの途中では県境をまたぎ長野県から群馬県へ。高原野菜で有名な嬬恋村を走り抜けます。
コースの途中にはコースマップに記されていないながらも素敵なスポットが沢山ありました。中でも私は紹介したいのは嬬恋村の別荘地で見つけた、映画のワンシーンに登場しそうな小道です。引き込まれそうな感覚を覚えると同時に思わず下から仰いでしまいました。スマートフォンのカメラでも十分に絵になります。
他にも1つ目と2つ目のエイドの途中には透明度抜群の湧き水「干俣(ほしまた)の清水」などもあります。参加される方は是非あなただけの素敵なスポットを見つけてみてください!
第1エイドから500mを下り切った後は、大会の最高標高地点まで標高差約500mを登り返します。またまた勾配がキツい…。それでも途中には広大なキャベツ畑が広がり、振り返れば遠くの山々を一望できるなど風景は抜群でとても爽快な気分に。そして地元のおじいちゃんやおばあちゃんが農作業をしているところを眺めていると時間がゆったりと流れている様で、ホッコリとした気分になりました。
登りの途中では水面に映る山々がきれいなバラキ湖の畔も通過。昨年は既に散っていましたが、湖畔には桜の木が植えられており、今年はしっかりと咲き誇った桜を見れるかも。他にもコース沿いには高原ならでは花や木々が多く、今年は1ヶ月開催が早いため昨年とは違った景色が味わえるはずです。
ツライ登りが終わればお昼ごはん!第2エイドのある東海大学嬬恋高原研修センターではゴロゴロ野菜がたっぷり入ったカレーライスや、とれたて新鮮な野菜を使ったサラダのバイキングが振舞われました。とても美味しく居心地が良いため食べ過ぎと休憩しすぎには注意ですね。また、ここまでで疲労困憊という方は是非ストレッチを。
第2エイドの後も第1エイドと同様に下りからスタート。長い休憩の後は体温が下がっているため、ウィンドブレーカーやベストを羽織っておきましょう。次のエイドまでは「愛妻の丘」の横を通り、つまごいパノラマラインラインの軽快なアップダウンをこなします。
アップダウンが先には群馬県と長野県の境にあたる鳥居峠があり、ここから標高差約750mのダウンヒルに突入します。カーブの連続と少々荒れ気味な舗装が続いたためブレーキングとハンドリング、車間距離に細心の注意を払いました。今年参加される方は十分に余裕をもって安全な速度で下ることを心がけると同時に、機材のチェックは万全にしておきましょう。
テクニカルなダウンヒルを下りきると第3エイドの「ゆきむら夢工房」に到着します。ここでは、近年プロ選手の補給食としても見直されつつあり、私も大好きなバナナがチョコレートやキャラメルソースと一緒に振る舞われ、糖分が疲れた体に染み渡りました。甘いものをしっかりと補給して気分をリフレッシュするのは、個人的にロングライドを走り切る上ではとても重要です。また昨年の大会では真田幸村にちなんだご当地キャラ「ゆきたん」も登場し、エイドは終始和やかムードに。疲れたらゆるキャラに癒されてみるのもありですよ(笑)。
第3エイドをスタートすると暫くは棚田を横目に細かいアップダウンが続きます。向かい風だったため私の場合はスピードを落とさず前年度参加経験のある仲間と先頭交代をしながらしっかりクリア。細かいアップダウンや平坦で大幅に体力ロスを防ぐためには周りの参加者と強力し集団走行を心がけたいですね。
ただアップダウンとは言っても、ここまで多くの登りをこなしてきた脚にはかなり堪えました。そして「ここからきつい」と昨年参加した仲間から聞いていたダメ押しの本格的な登りが始まります。中でも20%にも達しようかという菱野温泉常盤館前のS字激坂コーナーには「もう勘弁して-!」と叫びそうになってしまいましたが、ここは負けてたまるかと、ガッツリとダンシングでクリア。勢いで一気にこなしてしまうのがオススメです。
鬼の激坂S字コーナーを抜ければ最終エイドの「信州青少年の家」に到着。ここでは、信州みその入ったミニおにぎりをいただきました。こういう一口サイズは手を汚さず簡単に食べられるので女性ライダーにもうれしいポイントですね。最終エイドからゴールへ向けてあともう少し。木々が生い茂る森の中を抜けていきます。ここからは目立ったアップダウンは無く回復走という形で走ることができました。翌日がお仕事という方も大半でしょうから、時間に余裕があればクールダウンに充てましょう。
そして15時30分頃にゴール。走り終えた後は参加者全員にふるまわれた「豚汁うどん」を一緒に走った仲間と共にペロリと平らげ、帰路に付きました。
ふだん走行距離125kmを獲得標高2300mで走るなんて機会はそう多くないと思います。一緒に参加したARAIのクラブ員にもなかなか100kmのハードルは高いと感じている方が多かったのですが、「みんなで完走頑張ろう!」と励ましあいながら完走を目指してほぼ全員無事ゴールできました。
ただ単に走りごたえがあるだけでなくロケーション、距離、補給メニューもトータルで考えられていてとても充実した内容でした。新鮮な空気と大自然に囲まれながら走るグランフォンド軽井沢は最高です。誘導スタッフや各エイドステーションのボランティアの方々が声をかけてくださったりと地域性が感じられ、心から楽しめます。
また時間に余裕があれば大会前日もしくは翌日に軽井沢を観光してみては如何でしょうか。大会に参加しないご家族や仲間の方でもきっと楽しめるはずですし、昨年参加した際は私の祖母も遊びに来ていて軽井沢を満喫していました。家族やチームで参加される方は協力しあって全員完走を目指しましょう。みんなで走れば不思議と力が湧いてきて頑張れるはずです。
text:Waka.Takeda
edit:Yuya.Yamamoto
スタート地点は軽井沢プリンスホテルスキー場。朝早いというこもあり涼しかったため、半袖ジャージ+ショーツをベースにアームウォーマーとニーウォーマーを着用し、ウィンドブレーカーをポケットに入れてスタートを待ちました。今年は開催時期が早まったため、半袖の冬用アンダーウェアやマッサージオイルなどを用意すると安心ですね。今大会でもMCを務める南隼人さんの元気な掛け声とともに7:30スタート。
スタート地点から軽井沢市街に入るとカフェやレストラン、雑貨屋さん等、別荘地ならではのおしゃれなお店が並んでいて、ついつい目移りしてしまいました。コース沿いには木で作られたリスやクマなどの動物の小さなオブジェが飾られているので、みなさんも是非見つけてみてください。市街を抜けると雰囲気が一転し、木々に囲まれた別荘地から、コース最初の本格的な登りである白糸ハイランドウェイに向かいます。
道沿いに高原ならではの見慣れない植物が生い茂る白糸ハイランドウェイの登りは、約15%が続くキツい区間。周りを見回してみるとみなさんかなり苦しそうな表情…。「先は長いのでここはマイペースで焦らず行きましょう!」と励ましあいながらクリアしました。
勾配が少し落ち着くと、道路の左側に小さな川を発見。緑と川のせせらぎが織りなす大自然の雰囲気には癒されます。スタートしてからすぐの激坂だったため、登りが終わると自転車に乗ったままストレッチして少し体をほぐしながら進みました。ビギナーや完走できるか心配という方はスタート前にしっかりとストレッチをしておけば、攣りの防止にもなって安心ですね。
白糸ハイランドウェイを登り切ると第1エイドのある浅間ハイランドパークへのダウンヒル。ここは道幅が広く、直線的なためぐんぐんとスピードアップしていくため、下ハンドルを握ってエアロポジションをとって先を急ぎました。ただこの下りは距離が短いため、ウィンドブレーカーを着こむ必要はありません。
第一エイドの浅間ハイランドパークでは塩キャラメルと干し梅、ローズソルトを頂きました。どれも塩味が疲れた体じわーっと沁みます。塩分は攣りの防止に有効なため、登りが多いグランフォンド軽井沢では意識して補給すると良いでしょう。
ついでにハイランドウェイで消費した分のエネルギーも補給します。念のためジェルやエナジーバーなど食べ慣れたものを持参しておきましょう。また、第2エイドがある東海大学嬬恋高原研究センターまでは距離が長く、登りも厳しいためハンガーノックにならないためにもしっかりと備える必要があります。
浅間ハイランドパークを後にすると再びダウンヒル。標高差500mをハイスピードで一気に下るため、気温によってはウィンドブレーカーを羽織って体を冷やさないようにしましょう。下りの途中では県境をまたぎ長野県から群馬県へ。高原野菜で有名な嬬恋村を走り抜けます。
コースの途中にはコースマップに記されていないながらも素敵なスポットが沢山ありました。中でも私は紹介したいのは嬬恋村の別荘地で見つけた、映画のワンシーンに登場しそうな小道です。引き込まれそうな感覚を覚えると同時に思わず下から仰いでしまいました。スマートフォンのカメラでも十分に絵になります。
他にも1つ目と2つ目のエイドの途中には透明度抜群の湧き水「干俣(ほしまた)の清水」などもあります。参加される方は是非あなただけの素敵なスポットを見つけてみてください!
第1エイドから500mを下り切った後は、大会の最高標高地点まで標高差約500mを登り返します。またまた勾配がキツい…。それでも途中には広大なキャベツ畑が広がり、振り返れば遠くの山々を一望できるなど風景は抜群でとても爽快な気分に。そして地元のおじいちゃんやおばあちゃんが農作業をしているところを眺めていると時間がゆったりと流れている様で、ホッコリとした気分になりました。
登りの途中では水面に映る山々がきれいなバラキ湖の畔も通過。昨年は既に散っていましたが、湖畔には桜の木が植えられており、今年はしっかりと咲き誇った桜を見れるかも。他にもコース沿いには高原ならでは花や木々が多く、今年は1ヶ月開催が早いため昨年とは違った景色が味わえるはずです。
ツライ登りが終わればお昼ごはん!第2エイドのある東海大学嬬恋高原研修センターではゴロゴロ野菜がたっぷり入ったカレーライスや、とれたて新鮮な野菜を使ったサラダのバイキングが振舞われました。とても美味しく居心地が良いため食べ過ぎと休憩しすぎには注意ですね。また、ここまでで疲労困憊という方は是非ストレッチを。
第2エイドの後も第1エイドと同様に下りからスタート。長い休憩の後は体温が下がっているため、ウィンドブレーカーやベストを羽織っておきましょう。次のエイドまでは「愛妻の丘」の横を通り、つまごいパノラマラインラインの軽快なアップダウンをこなします。
アップダウンが先には群馬県と長野県の境にあたる鳥居峠があり、ここから標高差約750mのダウンヒルに突入します。カーブの連続と少々荒れ気味な舗装が続いたためブレーキングとハンドリング、車間距離に細心の注意を払いました。今年参加される方は十分に余裕をもって安全な速度で下ることを心がけると同時に、機材のチェックは万全にしておきましょう。
テクニカルなダウンヒルを下りきると第3エイドの「ゆきむら夢工房」に到着します。ここでは、近年プロ選手の補給食としても見直されつつあり、私も大好きなバナナがチョコレートやキャラメルソースと一緒に振る舞われ、糖分が疲れた体に染み渡りました。甘いものをしっかりと補給して気分をリフレッシュするのは、個人的にロングライドを走り切る上ではとても重要です。また昨年の大会では真田幸村にちなんだご当地キャラ「ゆきたん」も登場し、エイドは終始和やかムードに。疲れたらゆるキャラに癒されてみるのもありですよ(笑)。
第3エイドをスタートすると暫くは棚田を横目に細かいアップダウンが続きます。向かい風だったため私の場合はスピードを落とさず前年度参加経験のある仲間と先頭交代をしながらしっかりクリア。細かいアップダウンや平坦で大幅に体力ロスを防ぐためには周りの参加者と強力し集団走行を心がけたいですね。
ただアップダウンとは言っても、ここまで多くの登りをこなしてきた脚にはかなり堪えました。そして「ここからきつい」と昨年参加した仲間から聞いていたダメ押しの本格的な登りが始まります。中でも20%にも達しようかという菱野温泉常盤館前のS字激坂コーナーには「もう勘弁して-!」と叫びそうになってしまいましたが、ここは負けてたまるかと、ガッツリとダンシングでクリア。勢いで一気にこなしてしまうのがオススメです。
鬼の激坂S字コーナーを抜ければ最終エイドの「信州青少年の家」に到着。ここでは、信州みその入ったミニおにぎりをいただきました。こういう一口サイズは手を汚さず簡単に食べられるので女性ライダーにもうれしいポイントですね。最終エイドからゴールへ向けてあともう少し。木々が生い茂る森の中を抜けていきます。ここからは目立ったアップダウンは無く回復走という形で走ることができました。翌日がお仕事という方も大半でしょうから、時間に余裕があればクールダウンに充てましょう。
そして15時30分頃にゴール。走り終えた後は参加者全員にふるまわれた「豚汁うどん」を一緒に走った仲間と共にペロリと平らげ、帰路に付きました。
ふだん走行距離125kmを獲得標高2300mで走るなんて機会はそう多くないと思います。一緒に参加したARAIのクラブ員にもなかなか100kmのハードルは高いと感じている方が多かったのですが、「みんなで完走頑張ろう!」と励ましあいながら完走を目指してほぼ全員無事ゴールできました。
ただ単に走りごたえがあるだけでなくロケーション、距離、補給メニューもトータルで考えられていてとても充実した内容でした。新鮮な空気と大自然に囲まれながら走るグランフォンド軽井沢は最高です。誘導スタッフや各エイドステーションのボランティアの方々が声をかけてくださったりと地域性が感じられ、心から楽しめます。
また時間に余裕があれば大会前日もしくは翌日に軽井沢を観光してみては如何でしょうか。大会に参加しないご家族や仲間の方でもきっと楽しめるはずですし、昨年参加した際は私の祖母も遊びに来ていて軽井沢を満喫していました。家族やチームで参加される方は協力しあって全員完走を目指しましょう。みんなで走れば不思議と力が湧いてきて頑張れるはずです。
text:Waka.Takeda
edit:Yuya.Yamamoto
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