2013/11/15(金) - 11:22
「里山の中にひっそりとたたずむ今は使われなくなった昔道、落ち葉に覆われた極上のシングルトラックを走ろう」をうたい文句にしたマウンテンバイクライド”東吾妻むかし道MTBライド2013”が開催された。大会の様子をコース担当スタッフ(すなわち草刈り隊員)の佐々山がレポートします。
10月20日(日)、昨年に続き第2回目の開催となった「東吾妻むかし道MTBライド2013」。コースは上毛三山の一つ、榛名山の北面を舞台に舗装路を上り、林道や山仕事に使われているシングルトラックなどの未舗装路を下る全長約40㎞の一筆書き。配られる2万5千分の1のコースマップを見ながらルートをたどる。
最高点は標高800m前後の山の中、そこで迷ったら脱出不可能だ。迷いそうな分岐には標識が設置され、要所にはスタッフも立つ。地図を頼りに走る「マップリーディングクラス」のほかに、地図読みに自信のない人のためにスタッフがガイドする「初心者クラス」が設けられている。
大会当日、空から無情の雨が落ちるなか、会場の東吾妻町役場東支所には続々と参加者が集まってきた。昼には止む、という予報にもかかわらず、大会が終了するまで止むことはなかった。路面状態の悪化が予想されるためはじめの5㎞程のコースがキャンセルされた。そんな悪条件にもかかわらず81人の参加者が色とりどりの雨具を着てスタート地点に立った。
10人ずつ点呼の後、雨をついてスタート。最後に初心者クラスの参加者がMTBスタッフに連れられて出発していった。この大会は競走ではないがタイムは測定することにしているためか、地図そっちのけでレースモードの参加者も。舗装路を延々と上った地点に設けられた森林公園の第1チェックポイントで通過確認を受ける。そこから未舗装を標高720mまで上ってゆくが、どんなことがあっても?乗ってゆく人と、マイペースで押してゆく人とに分かれる。
登り切ったところからガレガレのくだりが始まるが、そんな悪路もなんのその。途中、橋が落ちているところがあるが、皆さん安全なルートを見つけてくれただろうか。その先、林道を下り、再び登ってゆくと本大会自慢のハイライトとなる二つ目の下りが待っている。
標高差310m、約4㎞のシングルトラックだ。途中にある有人の標識ポイントでは「よくこんな道を見つけましたね、最高」という声も聞かれ、スタッフ冥利につきる。下りきったところが第2チェックポイント。ここまでで全体の3分の2を走ったことになる。12時半の通過制限時刻までに自主的にリタイヤした人も若干いたが、ほとんどの参加者が通過。休憩所を兼ねたテントにはバナナ、チョコレート、飲み物をはじめ、地元産のブドウが用意され、参加者も満足そう。
休憩後は再び標高720mまでの登りとなるが、途中、我々スタッフが草刈りに精出した植林帯トレイルの走りが楽しめる。そしてコース終盤、シングルトラックの出口でカメラを構えていると参加者が続々とハイテンションな走りで下ってきた。降り続いた雨の中、参加者は体も自転車も泥だらけになりながら、喜々として会場へ戻ってゆく。
楽しい道を多くのマウンテンバイク愛好家に楽しんでもらいたい。人数や走り方など、適度な利用は藪になることを防ぎ、道を道として保ってくれるが、オーバーユースになると荒廃も心配される。こんな悩みがマウンテンバイク・ライドにはつきものだ。ということで、今回のコースについては、個人ベースの利用については自由だが、インターネットへの公開については制限をお願いしている。
道を探しながら里山を走り、地元の住人と「こんにちは」とあいさつを交わす。そこから会話が始まり、「昔の道はこうだったよ」と教えてくれる。コースエリアに通い、山村とバイカーのいい関係を築きながら、大会を続けていけることが理想だと考えている。
大会を運営する東吾妻MTBライド実行委員会は東吾妻町観光協会や役場をはじめ、地元の皆さんやコース探しを請け負うMTB愛好家で構成されている。これら多くの関係者の協力があって今年も開催できた。来年もまた開催の予定なので期待してほしい。
text&photo:Atsushi.Sasayama
10月20日(日)、昨年に続き第2回目の開催となった「東吾妻むかし道MTBライド2013」。コースは上毛三山の一つ、榛名山の北面を舞台に舗装路を上り、林道や山仕事に使われているシングルトラックなどの未舗装路を下る全長約40㎞の一筆書き。配られる2万5千分の1のコースマップを見ながらルートをたどる。
最高点は標高800m前後の山の中、そこで迷ったら脱出不可能だ。迷いそうな分岐には標識が設置され、要所にはスタッフも立つ。地図を頼りに走る「マップリーディングクラス」のほかに、地図読みに自信のない人のためにスタッフがガイドする「初心者クラス」が設けられている。
大会当日、空から無情の雨が落ちるなか、会場の東吾妻町役場東支所には続々と参加者が集まってきた。昼には止む、という予報にもかかわらず、大会が終了するまで止むことはなかった。路面状態の悪化が予想されるためはじめの5㎞程のコースがキャンセルされた。そんな悪条件にもかかわらず81人の参加者が色とりどりの雨具を着てスタート地点に立った。
10人ずつ点呼の後、雨をついてスタート。最後に初心者クラスの参加者がMTBスタッフに連れられて出発していった。この大会は競走ではないがタイムは測定することにしているためか、地図そっちのけでレースモードの参加者も。舗装路を延々と上った地点に設けられた森林公園の第1チェックポイントで通過確認を受ける。そこから未舗装を標高720mまで上ってゆくが、どんなことがあっても?乗ってゆく人と、マイペースで押してゆく人とに分かれる。
登り切ったところからガレガレのくだりが始まるが、そんな悪路もなんのその。途中、橋が落ちているところがあるが、皆さん安全なルートを見つけてくれただろうか。その先、林道を下り、再び登ってゆくと本大会自慢のハイライトとなる二つ目の下りが待っている。
標高差310m、約4㎞のシングルトラックだ。途中にある有人の標識ポイントでは「よくこんな道を見つけましたね、最高」という声も聞かれ、スタッフ冥利につきる。下りきったところが第2チェックポイント。ここまでで全体の3分の2を走ったことになる。12時半の通過制限時刻までに自主的にリタイヤした人も若干いたが、ほとんどの参加者が通過。休憩所を兼ねたテントにはバナナ、チョコレート、飲み物をはじめ、地元産のブドウが用意され、参加者も満足そう。
休憩後は再び標高720mまでの登りとなるが、途中、我々スタッフが草刈りに精出した植林帯トレイルの走りが楽しめる。そしてコース終盤、シングルトラックの出口でカメラを構えていると参加者が続々とハイテンションな走りで下ってきた。降り続いた雨の中、参加者は体も自転車も泥だらけになりながら、喜々として会場へ戻ってゆく。
楽しい道を多くのマウンテンバイク愛好家に楽しんでもらいたい。人数や走り方など、適度な利用は藪になることを防ぎ、道を道として保ってくれるが、オーバーユースになると荒廃も心配される。こんな悩みがマウンテンバイク・ライドにはつきものだ。ということで、今回のコースについては、個人ベースの利用については自由だが、インターネットへの公開については制限をお願いしている。
道を探しながら里山を走り、地元の住人と「こんにちは」とあいさつを交わす。そこから会話が始まり、「昔の道はこうだったよ」と教えてくれる。コースエリアに通い、山村とバイカーのいい関係を築きながら、大会を続けていけることが理想だと考えている。
大会を運営する東吾妻MTBライド実行委員会は東吾妻町観光協会や役場をはじめ、地元の皆さんやコース探しを請け負うMTB愛好家で構成されている。これら多くの関係者の協力があって今年も開催できた。来年もまた開催の予定なので期待してほしい。
text&photo:Atsushi.Sasayama
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