1万3千人を呼び込み大成功に終わったシクロクロス東京。その期間中には来日したジェレミー・パワーズがシクロクロススクールを開催した。ここに参加したCW編集部 磯部のレポート&参戦記をご紹介します。

お台場の砂浜で開催された「ジェレミー・パワーズ クロスキャンプ in 東京」お台場の砂浜で開催された「ジェレミー・パワーズ クロスキャンプ in 東京」

2回目開催を迎え、「都心のど真ん中でシクロクロス」と昨年にもまして大きな注目と話題を呼び込んだシクロクロス東京2013。豪華海外選手のゲスト参加はシクロクロス東京の大きな魅力の一つ。そんな中、2012年シーズンの全米チャンピオンであるジェレミー・パワーズ(通称J-POW)が来日したことは大きなトピックスだ。

私がJ-POWの存在を知ったのはだいたい2年前のことだっただろうか。J-POWのレースはもちろんのこと、その前後や日常生活に密着した「Behind The Barriers」というドキュメンタリー動画(←青字の部分から公式サイトにジャンプできます。面白いので是非チェックを!)の存在を知ってから。



常にテンション高めでジョークを絶やさない、まさに陽気なナイスガイ。でもレースを走ればアメリカのトップシーンを牽引する力を持ち、しかもバニーホップを連発するアグレッシブなスタイルでギャラリーを盛り上げるという、そのエンターテイナーっぷりに一気にファンになった。

そんなJ-POWが来日し、しかも彼がチャリティーで販売しているシクロクロスレッスンDVDの内容を直接レクチャーしてくれるという機会が大会直前にアナウンス。ちょうどシクロクロスバイクを組み上げたばかり(バイク作成については後日レポートします)のクロスビギナーで、シクロクロス東京のエンデューロに参加予定だった私には最高のチャンスだ。取材兼でサインをもらいながらしっかりとレクチャーを受けてきた。

あっ本物のJ-POWだ!サイン下さい!あっ本物のJ-POWだ!サイン下さい! 一つ一つ丁寧にレクチャーをしてくれたJ-POW一つ一つ丁寧にレクチャーをしてくれたJ-POW


土曜日の11時に、J-POWをサポートするRaphaブースに集まった「ジェレミー・パワーズ クロスキャンプ in 東京」に参加する貴重なチャンスをゲットしたのは10数名。会場にはJ-POWも現れ、講習会参加者やファンたちと気さくにおしゃべりしている姿はBehind The Barriersの様子そのものだ。

自身の経験を踏まえて分かりやすく通訳してくれる矢野大介さん自身の経験を踏まえて分かりやすく通訳してくれる矢野大介さん 常にファンサービスに徹しているあたりは実にプロフェッショナルだし、本当に交流を楽しんでいる様子が伝わってくる。(今回は撮影クルーを引き連れての来日だったので、何とかして映ってやろうとした人は少なくないはずだ)

海外スターにサインや写真を求めるファンも昨年よりも確実に多く、クロスブームに伴ってしっかりとファンが育っているなぁという印象を強く受ける。このあたりは2年連続来日したティム・ジョンソンも「すごいすごい」と言っていたところだ。

さて、ライダーを苦しめた砂場に場所を移し、クロスキャンプ in 東京が開幕。J-POWの通訳を務めるのはRapha・Japan代表で、国内シクロクロスの普及活動に積極的に取り組む矢野大介さん。自身もエリートライダーながら、今回はRaphaスタッフとして大会とJ-POWを裏から支えた。

「とにかく慌てないことが大事」経験を惜しげもなく語ってくれたJ-POW「とにかく慌てないことが大事」経験を惜しげもなく語ってくれたJ-POW トップ選手のスムーズな乗り降り。「降車の時右足は後ろに回すのがトレンド」トップ選手のスムーズな乗り降り。「降車の時右足は後ろに回すのがトレンド」


J-POWと一緒にコースを走ります。スムーズ過ぎる走りに感動!J-POWと一緒にコースを走ります。スムーズ過ぎる走りに感動! 1時間という限られた時間の中、まずは基本となる乗り降りのレクチャーから始まったクロスキャンプ。全体を通してJ-POWが言い続けたことは、「慌てないこと」。乗ったり降りたり担いだり、様々な動きを要するシクロクロスでは走りそのものではなく、一つ一つの動作を丁寧に繋ぐことがもっとも重要と言う。

試走を終えてまたレクチャー。実践的な攻略アドバイスをしてくれた試走を終えてまたレクチャー。実践的な攻略アドバイスをしてくれた 「担ぎから再乗車するときは自転車をゆっくり降ろして、もし落とした場合も自転車の暴れが落ち着いてから乗ること。"早く乗らなきゃ"と焦っても結局遅いだけなんだ」 と。うーん、なるほど。

実際にバイクを使って講義してくれるJ-POWのレクチャーは非常に分かりやすく、英語が話せなくても十分に理解できる。更に単純な翻訳ではなくて、自身の経験を付け加えて解説してくれる矢野さんも、流石はエリートカテゴリーを走るレーサーだ。

J-POWは参加者全員の降車~乗車をチェックしてくれたり、講義中に自ら皆のタイヤ空気圧を見て回ってくれたり、難しいお台場のコースを攻略するための実践テクニックも教えてくれ、非常にタメになる。空気圧に関しては1.2ほどで走るとのこと。答えてくれたは良いけれど、とても真似出来ません(笑)

砂場に大苦戦な私。脚をつく2秒前砂場に大苦戦な私。脚をつく2秒前 photo:Satoshi.Odaひと通りのレクチャーが終わったら、ちょうど試走時間となっていたコースへと、J-POWの先導で繰り出していく。彼はゆっくりと走っているのだが、走りがスムーズ過ぎて全体的にとても速く、一気に人数は半分ぐらいになってしまった(笑)それでも頑張って走り、彼の後ろでコースをなぞるという滅多に無い機会を参加者の皆さんと一緒に楽しむことができた。

1時間という講習時間もあっという間に過ぎ、皆でもう一度コースに繰り出して「ジェレミー・パワーズ クロスキャンプ in 東京」は終了。最初に思っていたよりもずっと濃い時間を過ごすことができ、私も大満足で講習会を終えた。この内容でCross CampのDVDがついて、サインとJ-POWステッカーをもらって参加料2,000円って安すぎません?


さて、レクチャーを受けた後に開催されたエンデューロに参加した私(C3クラスは定員になってしまって不可だった)。ペアを組んだお友達の木下君(←C1ライダー、反則技ですんません)の力で3位に食い込み、表彰台に立つことができた。

56番スタートから3位まで押し上げてくれた彼の力があったのはもちろんだけれど、確実に朝の試走よりもスムーズに速く走ることができたのだから、J-POWのレクチャーがテキメン効いてくれたのは間違いない。本当に参加して良かった。是非また彼が来日した際には再び開催して欲しいし、興味のある方はどんどん参加して欲しいと思った。

ペアを組んだ木下君のおかげで表彰台獲得できましたペアを組んだ木下君のおかげで表彰台獲得できました photo:Satoshi.Odaビールかけ最高の気分でした!ありがとうビールかけ最高の気分でした!ありがとう photo:Satoshi.Oda


Thanks,Jeremy ! Thanks,Jeremy ! 

このレポートでクロスキャンプの内容が気になった方は、是非DVDの購入を検討してもらえたら、と思う。Cross Camp公式サイトから購入できるし、iTunesからのダウンロードも可能だ。本編ではレースに出発するためのパッキングから始まるなど豊富な内容で、エリートライダーからこれから競技を楽しみたいビギナーには最高の教材となってくれることだろう。


Report:So.Isobe