2012/11/14(水) - 16:30
2012年からチームブリヂストンアンカーのプロライダーとして海外を拠点に活動を開始した沢田時が、6月の全日本MTB選手権以来となる関西シクロクロスマキノで久々の国内レースを走った。日本人選手として初めてジュニアクラスからMTB-XCOワールドカップを転戦した感想と海外の印象、今後のスケジュールについて聞いた。
2012年シーズンの沢田は、3月からブリヂストンアンカーMTBチームの拠点となるフランスで活動を行い、ワールドカップ3戦に出場した。最高位は7位。その他、MTB世界選を含めた海外レースを転戦し、UCI Class2のレースでは優勝を果たした。
世界選手権後は地元滋賀でオフシーズンを過ごし、関西シクロクロス第2戦マキノで久々に地元ライダーの前でその走りを披露。エリートクラス(沢田はU23クラス)と同じ60分レースを初めて最後まで走り、後続を寄せ付けない安定した走りで優勝した。
今後、沢田は野辺山・マイアミ・全日本選手権とトップ選手に挑む事になる。インタビューはマキノのレース前に行った。
海外の遠征期間中、MTBワールドカップやその他どのようなレースに出ていましたか?
「シーズン前半はオリンピック前ということもあり、UCIクラスのレースに出るためにイスラエルやスペイン、ポルトガルといった国に遠征しました。またCoupe De Franceというフランス国内のシリーズ戦にも参戦しましたが、このレースは毎回ジュニアクラスでも100人以上の選手が集まるので、フランスの選手層の厚さに驚きました」
MTBワールドカップのジュニアクラスはどのようなレベルですか?
「今年世界チャンピオンになったニュージーランドの選手は非常に速く、平均速度だけでいえばエリートのトップ10と変わらないレベルです。ワールドカップで表彰台にのるような選手は、レース中も余裕があるように感じます。周りの選手が10割の力で走っている時に、8割の力で対応できている。その上、抜群の技術も持っています。余裕があるためミスも少ない感じです」
ワールドカップのコースについてどのような印象を持っていますか?
「非常にテレビや観客向けに造られているという印象。ノーブレーキで行くしかないといった所が多々ありますが、その分、日本よりも走り易いと感じることも多かったです。また、しっかりと選手と観客の場所が分けられていながらも、とてもレース会場が盛り上がっている印象を受けました。日本では選手自身が違うクラスの応援をして観客になっているのが普通だと思いますが、あちらの観客はわざわざお金を払って観にくる人達ですから、やはり応援への熱の込めようが違うように感じます」
活動拠点のフランスの町はどこですか?またどんな環境ですか?
「マルセイユから約80km離れた田舎町で、とても静かで良い所です。ワールドカップでも使われるようなテクニカルなトレイルが無数にありますし、近くにはあのツール・ド・フランスで有名なモンヴァントゥーもあります。トレーニングメニューはフランス人コーチに組んでもらっています。MTBだけでなく、練習としてロードレースに参戦したり、BMXやフリーライドバイクを使って技術練習も行なっています」
日本から長期間離れての生活や言語の違いには慣れましたか??
「監督やコーチとはすぐに打ち解けることが出来ました。黙って聞いていては相手が言っていることが理解は出来ないので、こちらから積極的に質問することで会話についていけるようになりました。選手として過ごしてきた経験が少ない分、海外で初めて遭遇したことも『そういうものなんだ』と、すぐに受け入れやすいです。日本で走っていた期間が長いほど、海外で戦う時に戸惑うことは多くなると思います」
日本とは違うMTB事情や文化のようなものを感じますか?
「Coupe De Franceに出て驚いたのは、とにかくMTBを走っている子供の数が多いということです。しかも、下の年齢になるほど選手の数が多く、きちんとピラミッド型に選手が揃っています。これだけしっかりとした土台があるからこそ、フランスはずっと自転車の強豪国でいられるんだと感じました」
今季のシクロクロスシーズンと来季のMTBシーズンに関して教えてください
「今季のシクロクロスは年内までです。2月のシクロクロス世界選手権には出場しません。4〜5月にかけて立て続けにあるMTBレースにコンディションを合わせるため、コーチと相談して決めました。U23ではレベルが一気に上がるので具体化な目標はまだ立てにくいです。オフシーズンの今も毎日目標があるので、今はそれを着実にクリアしていくことが大切だと思っています」
沢田時のアンカー・CX6
アンカー初の市販型レーシングシクロクロスとなるのがCX6だ。6061番のアルミ製フレームにカーボンフォークの組み合わせで、初心者でもシクロクロスを始めるのに最適な作りとなっている。
特徴は走行性能とともにシクロクロス特有の担ぎ易さを追求して、日本人の体型に合わせたジオメトリーで肩にフレームを入れやすく、トップチューブの左側を扁平加工をして体との密着度合いを高めている。沢田のバイクはフレーム自体は市販品と同じ、7900系ワイヤー式デュラエースやホイールは今後変更される予定の暫定仕様となっている。
text&photo:Akihiro NAKAO
2012年シーズンの沢田は、3月からブリヂストンアンカーMTBチームの拠点となるフランスで活動を行い、ワールドカップ3戦に出場した。最高位は7位。その他、MTB世界選を含めた海外レースを転戦し、UCI Class2のレースでは優勝を果たした。
世界選手権後は地元滋賀でオフシーズンを過ごし、関西シクロクロス第2戦マキノで久々に地元ライダーの前でその走りを披露。エリートクラス(沢田はU23クラス)と同じ60分レースを初めて最後まで走り、後続を寄せ付けない安定した走りで優勝した。
今後、沢田は野辺山・マイアミ・全日本選手権とトップ選手に挑む事になる。インタビューはマキノのレース前に行った。
海外の遠征期間中、MTBワールドカップやその他どのようなレースに出ていましたか?
「シーズン前半はオリンピック前ということもあり、UCIクラスのレースに出るためにイスラエルやスペイン、ポルトガルといった国に遠征しました。またCoupe De Franceというフランス国内のシリーズ戦にも参戦しましたが、このレースは毎回ジュニアクラスでも100人以上の選手が集まるので、フランスの選手層の厚さに驚きました」
MTBワールドカップのジュニアクラスはどのようなレベルですか?
「今年世界チャンピオンになったニュージーランドの選手は非常に速く、平均速度だけでいえばエリートのトップ10と変わらないレベルです。ワールドカップで表彰台にのるような選手は、レース中も余裕があるように感じます。周りの選手が10割の力で走っている時に、8割の力で対応できている。その上、抜群の技術も持っています。余裕があるためミスも少ない感じです」
ワールドカップのコースについてどのような印象を持っていますか?
「非常にテレビや観客向けに造られているという印象。ノーブレーキで行くしかないといった所が多々ありますが、その分、日本よりも走り易いと感じることも多かったです。また、しっかりと選手と観客の場所が分けられていながらも、とてもレース会場が盛り上がっている印象を受けました。日本では選手自身が違うクラスの応援をして観客になっているのが普通だと思いますが、あちらの観客はわざわざお金を払って観にくる人達ですから、やはり応援への熱の込めようが違うように感じます」
活動拠点のフランスの町はどこですか?またどんな環境ですか?
「マルセイユから約80km離れた田舎町で、とても静かで良い所です。ワールドカップでも使われるようなテクニカルなトレイルが無数にありますし、近くにはあのツール・ド・フランスで有名なモンヴァントゥーもあります。トレーニングメニューはフランス人コーチに組んでもらっています。MTBだけでなく、練習としてロードレースに参戦したり、BMXやフリーライドバイクを使って技術練習も行なっています」
日本から長期間離れての生活や言語の違いには慣れましたか??
「監督やコーチとはすぐに打ち解けることが出来ました。黙って聞いていては相手が言っていることが理解は出来ないので、こちらから積極的に質問することで会話についていけるようになりました。選手として過ごしてきた経験が少ない分、海外で初めて遭遇したことも『そういうものなんだ』と、すぐに受け入れやすいです。日本で走っていた期間が長いほど、海外で戦う時に戸惑うことは多くなると思います」
日本とは違うMTB事情や文化のようなものを感じますか?
「Coupe De Franceに出て驚いたのは、とにかくMTBを走っている子供の数が多いということです。しかも、下の年齢になるほど選手の数が多く、きちんとピラミッド型に選手が揃っています。これだけしっかりとした土台があるからこそ、フランスはずっと自転車の強豪国でいられるんだと感じました」
今季のシクロクロスシーズンと来季のMTBシーズンに関して教えてください
「今季のシクロクロスは年内までです。2月のシクロクロス世界選手権には出場しません。4〜5月にかけて立て続けにあるMTBレースにコンディションを合わせるため、コーチと相談して決めました。U23ではレベルが一気に上がるので具体化な目標はまだ立てにくいです。オフシーズンの今も毎日目標があるので、今はそれを着実にクリアしていくことが大切だと思っています」
沢田時のアンカー・CX6
アンカー初の市販型レーシングシクロクロスとなるのがCX6だ。6061番のアルミ製フレームにカーボンフォークの組み合わせで、初心者でもシクロクロスを始めるのに最適な作りとなっている。
特徴は走行性能とともにシクロクロス特有の担ぎ易さを追求して、日本人の体型に合わせたジオメトリーで肩にフレームを入れやすく、トップチューブの左側を扁平加工をして体との密着度合いを高めている。沢田のバイクはフレーム自体は市販品と同じ、7900系ワイヤー式デュラエースやホイールは今後変更される予定の暫定仕様となっている。
text&photo:Akihiro NAKAO