ツール・ド・いくちじま2日目は完走者8人の厳しいレースに。すべての場面で圧倒した愛三工業勢が力の差を見せ、中島康晴が優勝。大学生トップは2位の安井雅彦(東京大)。

クラス3 小橋勇利(ボンシャンス飯田)が優勝クラス3 小橋勇利(ボンシャンス飯田)が優勝 photo:Hideaki.TAKAGI3周目、多々羅大橋の向こうは愛媛県3周目、多々羅大橋の向こうは愛媛県 photo:Hideaki.TAKAGI3周目、河賀雄大(立命館大)が単独で先頭に3周目、河賀雄大(立命館大)が単独で先頭に photo:Hideaki.TAKAGI6周目、愛三工業勢が次第にペースを上げるメイン集団6周目、愛三工業勢が次第にペースを上げるメイン集団 photo:Hideaki.TAKAGI9周目、先頭の2人に迫る安井雅彦(東京大)9周目、先頭の2人に迫る安井雅彦(東京大) photo:Hideaki.TAKAGI9周目、シトラスパークを上る先頭3人9周目、シトラスパークを上る先頭3人 photo:Hideaki.TAKAGI10周目、上りで抜け出した中島康晴(愛三工業レーシングチーム)10周目、上りで抜け出した中島康晴(愛三工業レーシングチーム) photo:Hideaki.TAKAGI中島康晴(愛三工業レーシングチーム)が優勝中島康晴(愛三工業レーシングチーム)が優勝 photo:Hideaki.TAKAGI開催に関わった皆さん。来年もぜひ!開催に関わった皆さん。来年もぜひ! photo:Hideaki.TAKAGI
11月11日(日)、2日目が行われたツール・ド・いくちじま2012 第1回レモンアイランドレース。日本学生自転車競技連盟主体で実業団チームなども参加する形態は1日目と同じ。

コースは広島県尾道市生口島の南半分を周回する1周15km。1箇所上りがあり、標高差300mほどだが序盤に一部下りや平坦区間そして狭い幅員と急カーブなどがあり、上りの平均勾配は10%ほどと急。そしてスピードの出る下り区間、海沿いの平坦の区間があるもの。プロフィールマップからは想像できないほどに上りの破壊力がある。

小橋勇利(ボンシャンス飯田)が2連勝

学連クラス3とジュニア世代などの選手の走ったクラス3。序盤から数人が仕掛けあう。1周目の上り区間で4人が抜け出し、さらに2周目で2人に絞られ、海沿い区間で小橋が抜け出して優勝。小橋は1周目にマシントラブルで遅れたが自力で復帰、この際に脚を使ったが、愛媛でのひとつ上の先輩の宮内渉(環太平洋大学)との戦いを制した。

エリートの序盤は静かなレース

10周150kmで行われたエリート。朝からの雨は降りやまず気温も低め。前日のクリテリウムで圧倒した愛三工業勢の動きをほかの選手が見守る展開に。
スタートからアタックがかかるが決定的な逃げにはならない。上り区間もグレーチングなど滑りやすい箇所もありペースダウンして通過。愛三工業勢は「中盤以降にペースアップする走り」のためリードはしない。ペースはやや遅めで周回を重ねる。

3周目の上り区間で河賀雄大(立命館大)が先行、4周目に3人が合流して先頭は4人に。メンバーは河賀、伊藤翔吾(Team MASSA-ANDEX)、川口貴大(広島県選抜)、志野安樹(同志社大)だ。この4人とメイン集団の構図で差は最大2分に。

後半で中島康晴が抜け出す

先頭の4人は人数を減らして、6周目には河賀一人に。その河賀も、綾部勇成を中心とした愛三工業勢のペースアップで7周目の上り区間で吸収。下り区間で中島が抜け出して単独先頭に。

8周目の上り区間で先頭の中島を追って、小森亮平(広島県選抜、チームNIPPO)と野中竜馬(広島県選抜、シマノレーシング)が仕掛け、上り頂上では中島に野中が追いつき2人で下りへ。安井はあと数十mが届かず単独下りへ。後続は6人に絞られる。
下りきって9周目、単独の安井が11kmを追走の末、先頭の2人に追いつき3人に。上り区間は3人で上るが、下りで中島がアタック、それを野中と安井が協力して追走し吸収。そして3人で迎えた最終周回。上り区間の序盤で中島が踏み込むと野中と安井が離れる。そのまま中島はゴールまで独走して優勝。2位には安井が、3位には後方から上がってきた伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)が入った。

優勝の中島康晴(愛三工業レーシングチーム)

下りで抜け出し20秒ほど先行し、野中と安井君の脚を使わせた。野中は強いと思ったし、安井君は一人で追いついてきた強さがあったので。2人とも脚はありましたね。安井君は脚はあるので、走り方の経験を積めばもっと上に上がれるのでは。この2日間はボクたちのチームでの走りが、参考や目標になってくれればという思いで走りました。

2位の安井雅彦(東京大)

8周目の上りで中島さん野中さんにぎりぎり追いつけず、そこから独走したときがきつかったです。ここは絶対に追いつかないといけないと思っていたので。技術的に無駄脚を使う場面があったのでそこは改めないと。優勝ではないのですが今年の後半にようやく結果を出せました。

52人が出走したエリートは、時間内完走者はわずかに8人。この日、愛三工業勢が動いたのは半分を過ぎた6周目から。徐々にペースを上げる走りだったが集団は小さくなり、次の7周目には愛三工業以外は10人ほどしか残れなかった。むしろ大学生を残す走りとも言える動きだったがそれでも完走できた大学生は3人だけ。これが現実の力の差だろう。特にこの日のような悪コンディションだと差はなおさら開いた。
差は大きいが、愛三工業勢の完走者3人はいずれも元学連選手。大学生達は力の差を実感すると同時に目標にもなったことだろう。

結果
クラス3 30km
1位 小橋勇利(ボンシャンス飯田)51分41秒
2位 宮内渉(環太平洋大学)+02秒
3位 細井陽介(広島県選抜)+1分01秒

エリート 150km
1位 中島康晴(愛三工業レーシングチーム)4時間30分34秒
2位 安井雅彦(東京大)+1分38秒
3位 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)+2分33秒
4位 吉岡直哉(京都産業大学)+3分04秒
5位 鈴木龍(東工+明治学院、明治学院大)+3分38秒
6位 木守望(愛三工業レーシングチーム)
7位 野中竜馬(広島県選抜、シマノレーシング)+4分30秒
8位 小森亮平(広島県選抜、チームNIPPO)+5分59秒
 秋田拓磨(朝日大)
 丸本悠太(Team MASSA-ANDEX)
以上ゴール通過者10名、制限時間内完走者8名

photo&text:高木秀彰
協力:日本学生自転車競技連盟
Amazon.co.jp