2012/10/12(金) - 13:46
ラスト3kmで独走に持ち込んだエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)を、ゴール直前でフランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ)で抜き去る。登りスプリントでガヴァッツィがシーズン初勝利を飾った。
10月11日、引き続きツアー・オブ・北京は、北京の北西部に広がる山岳地帯を走る。第3ステージが門頭溝(メントウゴウ)から「万里の長城」で有名な八達嶺(バーダーリン/はったつれい)までの162.5kmで行なわれた。
前日にも登場した1級山岳をレース中盤に越え、平坦区間を経て「万里の長城」へ。緩い登りの先にゴールが待っている。平均勾配6.3%のラスト1kmはカテゴリー3級。今大会の最難関クイーンステージだ。
この日の逃げが決まったのは2つめのカテゴリー山岳(3級)。ジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)やアンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)、クリスティアン・メイヤー(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)ら7名が飛び出し、オメガファーマ・クイックステップがコントロールするメイン集団が最大4分35秒のタイム差で続く。
ゴールに至る緩斜面が始まると、タイム差は縮小の一途をたどる。ジャパンカップ参戦予定のメイヤーが最後まで粘ったが、ゴールまで10kmを残して逃げは吸収。ガーミン・シャープとチームスカイがコントロールを開始するメイン集団からはシルヴァン・ジョルジュ(フランス、アージェードゥーゼル)やイゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル)がアタックを仕掛けたが、決定的なリードを奪えない。
そして迎えたラスト3km。先行するアントンを追ってボアッソンハーゲンがメイン集団から飛び出す。ワインディングが続く緩斜面で先頭を奪ったボアッソンハーゲンが、20秒ほどのリードを得て独走した。
総合変動の可能性を秘めたボアッソンハーゲンの攻撃。しかしラスト1kmから勾配が増すと、徐々にボアッソンハーゲンのペダリングが重くなる。ラスト200mでボアッソンハーゲンが振り返ると、そこには、迫り来るダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)とガヴァッツィの姿。
軽快なスプリントで飛び出したマーティンとガヴァッツィは、フィニッシュラインまで10mの位置でボアッソンハーゲンを捉える。最後の伸びでガヴァッツィが先着した。
2007年のジャパンカップで3位に入り、昨年ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ1勝している28歳のガヴァッツィが、アスタナに移籍後初の勝利を手にした。
「勝てるという実感はあったし、(勝てないという)氷を砕く必要があったんだ」と、久々の勝利を手にしたガヴァッツィ。「今日のコースにばっちり向いているボアッソンハーゲンがアタックした時、もうこれで終わったと思ったよ。僕は他の選手のホイールに食らいついて、タイミングを待ち続けた」。
ボーナスタイム10秒を獲得した総合2位のガヴァッツィは、総合首位トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)とのタイム差を50秒から40秒に。その10秒後方にステージ2位のマーティンが続く。ガヴァッツィはポイント賞ジャージ、マーティンは山岳賞ジャージを手にしている。
ツアー・オブ・北京は残り2日。翌日の第4ステージは終盤に3つの3級山岳を通過し、大きく下ってゴール。大集団によるスプリントバトルに注目だ。
レース展開や選手コメントはレース公式リリースより。
ツアー・オブ・北京2012第3ステージ結果
1位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ) 4h05'08"
2位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)
3位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)
4位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)
5位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)
6位 トムイェルテ・スラグテル(オランダ、ラボバンク)
7位 エロス・カペッキ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
8位 モレーノ・モゼール(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
9位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)
10位 ダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、ランプレ・ISD)
個人総合成績
1位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) 9h35'52"
2位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ) +40"
3位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) +50"
4位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ) +52"
5位 エロス・カペッキ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
6位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル) +56"
7位 トマシュ・マルチンスキー(ポーランド、ヴァカンソレイユ・DCM)
8位 ラファル・マイカ(ポーランド、サクソバンク・ティンコフバンク)
9位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) +1'00"
10位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル)
ポイント賞
フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ)
山岳賞
ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)
新人賞
ラファル・マイカ(ポーランド、サクソバンク・ティンコフバンク)
チーム総合成績
リクイガス・キャノンデール
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
10月11日、引き続きツアー・オブ・北京は、北京の北西部に広がる山岳地帯を走る。第3ステージが門頭溝(メントウゴウ)から「万里の長城」で有名な八達嶺(バーダーリン/はったつれい)までの162.5kmで行なわれた。
前日にも登場した1級山岳をレース中盤に越え、平坦区間を経て「万里の長城」へ。緩い登りの先にゴールが待っている。平均勾配6.3%のラスト1kmはカテゴリー3級。今大会の最難関クイーンステージだ。
この日の逃げが決まったのは2つめのカテゴリー山岳(3級)。ジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)やアンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)、クリスティアン・メイヤー(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)ら7名が飛び出し、オメガファーマ・クイックステップがコントロールするメイン集団が最大4分35秒のタイム差で続く。
ゴールに至る緩斜面が始まると、タイム差は縮小の一途をたどる。ジャパンカップ参戦予定のメイヤーが最後まで粘ったが、ゴールまで10kmを残して逃げは吸収。ガーミン・シャープとチームスカイがコントロールを開始するメイン集団からはシルヴァン・ジョルジュ(フランス、アージェードゥーゼル)やイゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル)がアタックを仕掛けたが、決定的なリードを奪えない。
そして迎えたラスト3km。先行するアントンを追ってボアッソンハーゲンがメイン集団から飛び出す。ワインディングが続く緩斜面で先頭を奪ったボアッソンハーゲンが、20秒ほどのリードを得て独走した。
総合変動の可能性を秘めたボアッソンハーゲンの攻撃。しかしラスト1kmから勾配が増すと、徐々にボアッソンハーゲンのペダリングが重くなる。ラスト200mでボアッソンハーゲンが振り返ると、そこには、迫り来るダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)とガヴァッツィの姿。
軽快なスプリントで飛び出したマーティンとガヴァッツィは、フィニッシュラインまで10mの位置でボアッソンハーゲンを捉える。最後の伸びでガヴァッツィが先着した。
2007年のジャパンカップで3位に入り、昨年ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ1勝している28歳のガヴァッツィが、アスタナに移籍後初の勝利を手にした。
「勝てるという実感はあったし、(勝てないという)氷を砕く必要があったんだ」と、久々の勝利を手にしたガヴァッツィ。「今日のコースにばっちり向いているボアッソンハーゲンがアタックした時、もうこれで終わったと思ったよ。僕は他の選手のホイールに食らいついて、タイミングを待ち続けた」。
ボーナスタイム10秒を獲得した総合2位のガヴァッツィは、総合首位トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)とのタイム差を50秒から40秒に。その10秒後方にステージ2位のマーティンが続く。ガヴァッツィはポイント賞ジャージ、マーティンは山岳賞ジャージを手にしている。
ツアー・オブ・北京は残り2日。翌日の第4ステージは終盤に3つの3級山岳を通過し、大きく下ってゴール。大集団によるスプリントバトルに注目だ。
レース展開や選手コメントはレース公式リリースより。
ツアー・オブ・北京2012第3ステージ結果
1位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ) 4h05'08"
2位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)
3位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)
4位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)
5位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)
6位 トムイェルテ・スラグテル(オランダ、ラボバンク)
7位 エロス・カペッキ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
8位 モレーノ・モゼール(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
9位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)
10位 ダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、ランプレ・ISD)
個人総合成績
1位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) 9h35'52"
2位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ) +40"
3位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) +50"
4位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ) +52"
5位 エロス・カペッキ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
6位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル) +56"
7位 トマシュ・マルチンスキー(ポーランド、ヴァカンソレイユ・DCM)
8位 ラファル・マイカ(ポーランド、サクソバンク・ティンコフバンク)
9位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) +1'00"
10位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル)
ポイント賞
フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ)
山岳賞
ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)
新人賞
ラファル・マイカ(ポーランド、サクソバンク・ティンコフバンク)
チーム総合成績
リクイガス・キャノンデール
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
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