2012/09/30(日) - 07:10
コストパフォーマンスに優れたサスペンションフォークをリリースするSRサンツアーから発売されている、150mmストロークのオールマウンテンモデル「SF12-EPICON-X1 TA-LO-RC 15QLC 26」のインプレッションをお届けする。
名ロードコンポ「シュパーププロ」といった昔懐かしいサンツアーのブランド名を持つ「SRサンツアー」は、自転車部品の栄輪業と合併後、現在は台湾のサスペンションメーカーの新興ブランドとして成長している。今年のロンドンオリンピックとMTB世界選手権で、ジュリー・ブルセ(BH・SRサンツアー)がダブルタイトルを獲得し、ブリヂストンアンカーのMTBチームにも採用されるなど名実ともにトップブランドの仲間入りを果たした。
有名ブランドのOEM生産を任される高い技術力を用いた製品は、オリジナルの機構を備えながら、他社に比べてコストパフォーマンスに優れることが特徴。同社の「エピコン」シリーズは、150mmストロークでエアーサスペション形式のオールマウンテンフォーク。2012モデルから新型ダンパーに進化し性能がアップした。
「SF12-EPICON-X1 TA-LO-RC 15QLC 26」は、150~110mmまでストロークを可変できる特徴を持つアイテム。クラウンの左側についたボタンを押しながら奥までストロークさせると110mmで固定される。また解除したい場合はボタンを押し続ければ元に戻る。微調整はできないもののダイヤルタイプに比べて素早く変更できる。サスを短くする事でトレイルの登りで安定したペダリングが可能で、パンプトラック等で長いストロークが必要としないコースでも有効だ。
またSRサンツアーのフォークは密閉型オイルダンパーカートリッジを採用し、メンテナンスの簡略化と長期間の性能維持を実現している。2012モデルの新型ダンパーは、低速側のコンプレッションアジャスターでよりセッティングがしやすくなった。リバウンド調整とロックアウトももちろん装備される。
15mmスルーアクスルを採用し、中空クラウンで軽量化を図り、そして前モデルより約80g軽量化している新型ダンパーを用い、カタログ値では1820gとなっている。価格は1-1/8コラム仕様で65,100円だ。
取り扱いはライトウェイプロダクツジャパン。
自然な動きと信頼性の高いシステム
SRサンツアーのサスペンションの中で一番の売れ筋と言う「エピコン」。実際にイベント会場で装着バイクも増えている。筆者はXCバイクにXCフォークの「アクオン」を2年程使用しているが、初期の動きは鈍らず、故障も無く信頼性は高い。またボトムケースを外してシールをクリーニングするだけ、というメンテナンスの手軽さも良いポイントだ。
テストバイクはコメンサルのラモンズ。フロントフォークに負担がかかるリジットのFRバイクで使用してみた。
トレイルを走ると、軽量フォークのためにハンドリングがとても軽いのが第一印象。オイルバス方式ではなく、ダンパーがインナーチューブ内にあるため、ボトムケース周辺が軽く感じる。
新型ダンパーでコンプレッション調整ができるようになったので、150mmのロングストロークでセッティングの幅が広がったのが良い。そのためギャップやジャンプも余裕のある動きで走りやすい。今回初めて15mmQRを使ってみたが、ジャンプなど激しいライディングでもしっかり固定できるため、9mmクイックとは比べられない程の安心感を得られた。
ブレーキをかけながらコーナーを曲がるといった、ハブ軸周辺に負担がかかる走り方でもローターがぶれずビビリが無い。フォークがヨレないので正確にラインをトレースでき、ストロークもきちんと縦に動いているのが実感できる。ダウンヒル用の20mmほどの剛性は無く手が疲れないので、今後XCバイクでも標準となってくるだろう。
インナーチューブは標準的な32mmの直径で剛性も十分、フォーク全体が軽い動きなので軽快なライディングが楽しめる。注目のトラベルアジャスト機能は、縮める際は乗りながらボタンを押しつつフロントブレーキをかけると簡単に短い方に固定できる。戻す際は降りてフロントタイヤを地面から離してボタンを押す必要があるが、素早くできるので不満は感じないだろう。
SRサンツアーのフォークは旧モデルでも新型ダンパーに交換できるので、新規に買わなくてもアップデートできるのが利点だ。これとは別に内部ピンにより140・130・120mmとトラベル量を固定できる「SF12-EPICON-X1LO-RC 15QLC 26」は、1680gとさらに軽量で価格も安くこちらも興味があるモデルだ。
扱いやすい性能と、コストパフォーマンスを持ち合わせたフォークだ。
SF12-EPICON-X1 TA-LO-RC 15QLC 26
トラベルアジャスト150-110mm
重 量:(200mmコラム)1820g(w/15QLC)
スプリング:Dual エアー
ボトムケース仕様:Magnesium monocoque/through axle design
ダストシールタイプ:Metal inserted type
クラウン素材:Alloy A6061 / hollow type
ピッチ(スタンチオンC-C):130mm
インナーチューブ素材Alloy A7050
インナーチューブ直径:32mm
インナーチューブ仕上げ:Gold hard anodized
右レッグ構造:LO-RC (Speed-lock w/low speed compression & rebound adjust)
左レッグ構造:TA (Dual chamber air Travel Adjust) cartridgeg
ステアリングコラム素材:Alloy A7050 (Reinforced type)
コラム長:255mm
クラウンレース径:30mm
ブレーキタイプ:Post160mm
リバウンド調整あり、コンプレッション調整あり (low speed)
プリロード調整:Air pressure adjust
15mm Q-LOC axle付属
価 格:65,100円(1-1/8)、67,200円(テーパー CTS)
text&photo:Akihiro.NAKAO
photo:Makoto.AYANO
名ロードコンポ「シュパーププロ」といった昔懐かしいサンツアーのブランド名を持つ「SRサンツアー」は、自転車部品の栄輪業と合併後、現在は台湾のサスペンションメーカーの新興ブランドとして成長している。今年のロンドンオリンピックとMTB世界選手権で、ジュリー・ブルセ(BH・SRサンツアー)がダブルタイトルを獲得し、ブリヂストンアンカーのMTBチームにも採用されるなど名実ともにトップブランドの仲間入りを果たした。
有名ブランドのOEM生産を任される高い技術力を用いた製品は、オリジナルの機構を備えながら、他社に比べてコストパフォーマンスに優れることが特徴。同社の「エピコン」シリーズは、150mmストロークでエアーサスペション形式のオールマウンテンフォーク。2012モデルから新型ダンパーに進化し性能がアップした。
「SF12-EPICON-X1 TA-LO-RC 15QLC 26」は、150~110mmまでストロークを可変できる特徴を持つアイテム。クラウンの左側についたボタンを押しながら奥までストロークさせると110mmで固定される。また解除したい場合はボタンを押し続ければ元に戻る。微調整はできないもののダイヤルタイプに比べて素早く変更できる。サスを短くする事でトレイルの登りで安定したペダリングが可能で、パンプトラック等で長いストロークが必要としないコースでも有効だ。
またSRサンツアーのフォークは密閉型オイルダンパーカートリッジを採用し、メンテナンスの簡略化と長期間の性能維持を実現している。2012モデルの新型ダンパーは、低速側のコンプレッションアジャスターでよりセッティングがしやすくなった。リバウンド調整とロックアウトももちろん装備される。
15mmスルーアクスルを採用し、中空クラウンで軽量化を図り、そして前モデルより約80g軽量化している新型ダンパーを用い、カタログ値では1820gとなっている。価格は1-1/8コラム仕様で65,100円だ。
取り扱いはライトウェイプロダクツジャパン。
自然な動きと信頼性の高いシステム
SRサンツアーのサスペンションの中で一番の売れ筋と言う「エピコン」。実際にイベント会場で装着バイクも増えている。筆者はXCバイクにXCフォークの「アクオン」を2年程使用しているが、初期の動きは鈍らず、故障も無く信頼性は高い。またボトムケースを外してシールをクリーニングするだけ、というメンテナンスの手軽さも良いポイントだ。
テストバイクはコメンサルのラモンズ。フロントフォークに負担がかかるリジットのFRバイクで使用してみた。
トレイルを走ると、軽量フォークのためにハンドリングがとても軽いのが第一印象。オイルバス方式ではなく、ダンパーがインナーチューブ内にあるため、ボトムケース周辺が軽く感じる。
新型ダンパーでコンプレッション調整ができるようになったので、150mmのロングストロークでセッティングの幅が広がったのが良い。そのためギャップやジャンプも余裕のある動きで走りやすい。今回初めて15mmQRを使ってみたが、ジャンプなど激しいライディングでもしっかり固定できるため、9mmクイックとは比べられない程の安心感を得られた。
ブレーキをかけながらコーナーを曲がるといった、ハブ軸周辺に負担がかかる走り方でもローターがぶれずビビリが無い。フォークがヨレないので正確にラインをトレースでき、ストロークもきちんと縦に動いているのが実感できる。ダウンヒル用の20mmほどの剛性は無く手が疲れないので、今後XCバイクでも標準となってくるだろう。
インナーチューブは標準的な32mmの直径で剛性も十分、フォーク全体が軽い動きなので軽快なライディングが楽しめる。注目のトラベルアジャスト機能は、縮める際は乗りながらボタンを押しつつフロントブレーキをかけると簡単に短い方に固定できる。戻す際は降りてフロントタイヤを地面から離してボタンを押す必要があるが、素早くできるので不満は感じないだろう。
SRサンツアーのフォークは旧モデルでも新型ダンパーに交換できるので、新規に買わなくてもアップデートできるのが利点だ。これとは別に内部ピンにより140・130・120mmとトラベル量を固定できる「SF12-EPICON-X1LO-RC 15QLC 26」は、1680gとさらに軽量で価格も安くこちらも興味があるモデルだ。
扱いやすい性能と、コストパフォーマンスを持ち合わせたフォークだ。
SF12-EPICON-X1 TA-LO-RC 15QLC 26
トラベルアジャスト150-110mm
重 量:(200mmコラム)1820g(w/15QLC)
スプリング:Dual エアー
ボトムケース仕様:Magnesium monocoque/through axle design
ダストシールタイプ:Metal inserted type
クラウン素材:Alloy A6061 / hollow type
ピッチ(スタンチオンC-C):130mm
インナーチューブ素材Alloy A7050
インナーチューブ直径:32mm
インナーチューブ仕上げ:Gold hard anodized
右レッグ構造:LO-RC (Speed-lock w/low speed compression & rebound adjust)
左レッグ構造:TA (Dual chamber air Travel Adjust) cartridgeg
ステアリングコラム素材:Alloy A7050 (Reinforced type)
コラム長:255mm
クラウンレース径:30mm
ブレーキタイプ:Post160mm
リバウンド調整あり、コンプレッション調整あり (low speed)
プリロード調整:Air pressure adjust
15mm Q-LOC axle付属
価 格:65,100円(1-1/8)、67,200円(テーパー CTS)
text&photo:Akihiro.NAKAO
photo:Makoto.AYANO
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