集団ゴールスプリントに持ち込まれた第5ステージを制したのはアレキサンドル・セレブリャコフ(ロシア、チームタイプ1)。チームは区間3勝目を挙げて勢いに乗る。ポイント賞リーダージャージを着る西谷泰治(愛三工業レーシング)は落車により集団内でゴールしている。

目抜き通りを使った第5ステージ。たくさんの観客が集まった目抜き通りを使った第5ステージ。たくさんの観客が集まった photo : Sonoko Tanaka


西谷が巻き込まれる落車が発生

ポイント賞リーダーに西谷泰治と愛三工業レーシングのチームメイトポイント賞リーダーに西谷泰治と愛三工業レーシングのチームメイト photo : Sonoko Tanaka第5ステージは枣陽の街に作られた11.5kmのサーキットコースを10周回するシンプルな115kmの平坦なコース。昨日に引き続き、今にも雨がこぼれ落ちそうな曇り空のもと、レースはスタートを迎えた。この日も積極的なアタックが次々とかかり、その攻防で終始レースはハイペースで展開、平均時速は49.198kmをマークした。何度か先行するグループができるものの、なかなかタイム差が開く逃げは生まれない。

スプリントポイントが、10周回のうち、3、5、7周回目の完了時に設置された。ポイント賞争いが僅差となっているが、リーダーの西谷泰治(愛三工業レーシング)は「あくまでも目標はステージ優勝。スプリントポイント落車後に、再び走り出す西谷泰治(愛三工業レーシング)落車後に、再び走り出す西谷泰治(愛三工業レーシング) photo : Sonoko Tanakaで、モガくことはあるかもしれないが、ポイント賞を狙うために危険なことはしない」とスタート前に話していたが、最後のスプリントポイントで、西谷が他の選手と接触し、大きな落車が発生してしまう。

10名ほどの選手が巻き込まれたが、すべての選手が再スタートを切った。この落車の影響により、西谷はゴールスプリントに参加せず。愛三工業レーシングは、負傷した西谷に代わって盛一大のリードアウトで福田真平がゴールスプリントに挑み、結果は19位。明日以降のステージに期待がかかる。

西谷は、痛みはあるものの軽症との情報。明日でツアー・オブ・チャイナ1の最終ステージを迎えるが、別府監督は「明日は、悔いの残らないように前向きに頑張ります」と話す。

ステージを制したアレキサンドル・セレブリャコフ(ロシア、チームタイプ1)、ステージ2勝目を挙げたステージを制したアレキサンドル・セレブリャコフ(ロシア、チームタイプ1)、ステージ2勝目を挙げた photo : Sonoko Tanaka
ロシア人スプリンター、セレブリャコフが区間2勝目をマーク

3勝目となるステージ優勝を喜ぶチームタイプ13勝目となるステージ優勝を喜ぶチームタイプ1 photo : Sonoko Tanaka集団スプリントを制し、ステージ優勝を飾ったのは第2ステージの勝者、アレキサンドル・セレブリャコフ(ロシア、チームタイプ1)。これでチームタイプ1は区間3勝目を挙げ、第1ステージから連日、表彰台に登り続ける。セレブリャコフは「チームがとてもよい働きをしてくれた。5人のチームメイトがうまく連携し、完璧な勝利だった」とコメント。総合順位に大きな変動はない。

第5ステージ終了後に武漢まで270kmの移動があったため、ホテルへの到着が遅く、チームは慌ただしいスケジュールに追われている。明日、最終ステージは武漢の郊外を使った90.4kmのラインレースで、いくらかの起伏も含まれている。セレブリャコフがポイント賞トップに躍り出たが、まだポイント賞争いは僅差。明日の最終ステージで決着する。

落車しながらも集団でゴールした西谷泰治(愛三工業レーシング)落車しながらも集団でゴールした西谷泰治(愛三工業レーシング) photo : Sonoko Tanaka第5ステージ、区間上位3選手の表彰式第5ステージ、区間上位3選手の表彰式 photo : Sonoko Tanaka


2012ツアー・オブ・チャイナ1 第5ステージ結果
1位 アレキサンドル・セレブリャコフ(ロシア、チームタイプ1) 2h20'15"
2位 ホセルイス・カノローサ(スペイン、アンダルシア)
3位 ルスラン・トレウバイエフ(カザフスタン、アスタナコンチネンタル)
4位 レオニード・クラスノフ(ロシア、ルスヴェロ)
5位 アルドイノ・イレシチュ(スロベニア、チームタイプ1)
6位 セバスシャン・コルバー(ドイツ、ニュートリクシュン・アビュス)
19位 福田真平(愛三工業レーシング)
35位 盛一大(愛三工業レーシング)
85位 福島晋一(トレンガヌ)
106位 西谷泰治(愛三工業レーシング)
117位 綾部勇成(愛三工業レーシング)+1'14"
120位 伊藤雅一(愛三工業レーシング)+10'50"
122位 中島康晴(愛三工業レーシング)

個人総合成績
1位 マーチン・ペデルセン(デンマーク、クリスティーナ・ウォッチズ)   9h44'24"
2位 ステファン・シューマッハー(ドイツ、クリスティーナ・ウォッチズ)     +01"
3位 ミカエル・ラスムッセン(デンマーク、クリスティーナ・ウォッチズ) +02"
4位 ダニエル・フォダー(デンマーク、クリスティーナ・ウォッチズ)
5位 ニールス・シルク(オランダ、ラボバンク・コンチネンタル)        +13"
6位 アルドイノ・イレシチュ(スロベニア、チームタイプ1)          +14"
54位 盛一大(愛三工業レーシング) +1'15"
59位 西谷泰治(愛三工業レーシング) +1'23"
65位 福島晋一(トレンガヌ) +1'51"
117位 福田真平(愛三工業レーシング) +17'59"
118位 綾部勇成(愛三工業レーシング) +18'25"
121位 伊藤雅一(愛三工業レーシング) +26'39"
122位 中島康晴(愛三工業レーシング) +26'59"

ポイント賞
アレキサンドル・セレブリャコフ(ロシア、チームタイプ1)

山岳賞
マティア・クバシナ(クロアチア、タスナード)

チーム総合成績
クリスティーナ・ウォッチズ


photo & text : Sonoko Tanaka