今大会3回目となった集団ゴールスプリント。「勝てると思う」と言い続けていた西谷泰治(愛三工業レーシング)が見事に区間優勝を挙げ、ポイント賞ジャージとともにUCIポイントを獲得した。総合リーダーは変わらずマーチン・ペデルセン(デンマーク、クリスティーナ・ウォッチズ)がキープしている。

第4ステージ、集団スプリントを制し、両手を上げる西谷泰治(愛三工業レーシング)第4ステージ、集団スプリントを制し、両手を上げる西谷泰治(愛三工業レーシング) photo : Sonoko Tanaka
嚢陽のスタジアム前からツアー・オブ・チャイナ1第4ステージがスタート嚢陽のスタジアム前からツアー・オブ・チャイナ1第4ステージがスタート photo : Sonoko Tanakaphoto : Sonoko Tanaka高速サーキットレースを西谷泰治が制す
たっぷりと湿気を含んだ曇り空のもとでスタートを切った第4ステージ。変則的な周回コースを使うサーキットレースだが、前夜になりコースの一部が変更となり、104.4kmの平坦路で開催された。

平均時速は47.988kmをマーク。距離が短いこともあり、終始ハイスピードでレースは展開した。途中、6人の逃げが決まったが、ラスト5kmですべての選手が吸収され、雨が降り始めるなか、今大会3回目の集団ゴールスプリントとなり、横一列に並んだスプリンターのなかから、左側のラインを取った西谷泰治が両手を大きく上げた。終盤にかけて集団をコントロールするリーダーチームのクリスティーナ・ウォッチズ終盤にかけて集団をコントロールするリーダーチームのクリスティーナ・ウォッチズ photo : Sonoko Tanaka

総合リーダーはマーチン・ペデルセン(デンマーク、クリスティーナ・ウォッチズ)がキープ。しかし、総合2位のフレイ・トーマス(スイス、クリスティーナ・ウォッチズ)が落車による負傷でリタイアしている。ポイント賞は西谷が獲得。しかし、1ポイント差に3選手がひしめく接戦になっている。

西谷泰治のコメント
「濡れた路面での難しいスプリントでしたがmチームはうまく機能していました。ただリードアウト役の盛が早く出ざるを得ない状況で、残り250mからのロングスプリントでした。ツアー・オブ・ジャパンの最終ステージステージ優勝を喜び合う西谷泰治と中島康晴(愛三工業レーシング)ステージ優勝を喜び合う西谷泰治と中島康晴(愛三工業レーシング) photo : Sonoko Tanaka(での勝利)以来、自分で最後までいければ勝てるという自信がありました。それが現実になって良かったと思います。

一昨日、昨日とゴールスプリントを経験して、いい感触、勝てるだろうなという自信がありました。最後に右の選手を見れたので、少し余裕もあったのだと思います。

世界選手権を辞退したからには、必ず勝ちたい、UCIポイントを獲りたいという強い思いがありました。まずは1勝できて、本当に良かったと思います。明日からも平坦ステージではステージ優勝を狙って行きたいと思います。各賞受賞選手たちによるシャンパンファイト各賞受賞選手たちによるシャンパンファイト photo : Sonoko Tanaka今日は雨という特殊な状況だったので、ピュアスプリンターが前に上がってきませんでしたが、明日以降のステージはもっとライバルが増えてくると思います」

UCIランキング上位をめざす愛三工業レーシング

このステージ優勝で西谷はUCIポイントを16ポイント獲得。先月末時点で西谷の個人ランキングはトップから32ポイント差の4位だったが、これで16ポイント差まで迫った。ランキング首位のホセイン・アリザデはツール・ド・北海道に参戦すると思われるが、最終集計される9月末までに個人ランキング、チームランキングともに、どこまで順位を上げられるか愛三工業レーシングの挑戦は続く。

日中関係に配慮された第4ステージ

日中関係の緊迫した状況が伝えられ、また開催地が反日感情の強いエリアだということもあり、この日、チームには「日本人だと言わないように」という注意が主催者から伝えられたと言う。そのため、サイン台では“アジアのチーム”と紹介された。しかし、心配されたトラブルは何も起こらず、表彰式では西谷に温かい拍手が贈られた。そして表彰式が終わっても、多くの観客がサインや記念撮影を求めて西谷の周りを取り囲んでいた。

撮影用のヘリコプターがレースに帯同する撮影用のヘリコプターがレースに帯同する photo : Sonoko Tanaka

ツアー・オブ・チャイナ1 第4ステージ結果
1位 西谷泰治(愛三工業レーシング)                  2h10'32"
2位 アンジェロ・フルラン(イタリア、クリスティーナ・ウォッチズ)
3位 アレキサンドル・セレブリャコフ(ロシア、チームタイプ1)
4位 ニック・ファンデルリーク(オランダ、ラボバンク・コンチネンタル)
5位 ルスラン・トレウバイエフ(カザフスタン、アスタナコンチネンタル)
6位 レオニード・クラスノフ(ロシア、ルスヴェロ)
15位 盛一大(愛三工業レーシング)
42位 福田真平(愛三工業レーシング)
46位 伊藤雅一(愛三工業レーシング)
93位 福島晋一(トレンガヌ)
110位 中島康晴(愛三工業レーシング)
114位 綾部勇成(愛三工業レーシング)                  +1'22"

個人総合成績
1位 マーチン・ペデルセン(デンマーク、クリスティーナ・ウォッチズ)   7h24'09"
2位 ステファン・シューマッハー(ドイツ、クリスティーナ・ウォッチズ)    +02"
3位 ミカエル・ラスムッセン(デンマーク、クリスティーナ・ウォッチズ)
4位 ダニエル・フォダー(デンマーク、クリスティーナ・ウォッチズ)
5位 ニールス・シルク(オランダ、ラボバンク・コンチネンタル)        +13"
6位 アルドイノ・イレシチュ(スロベニア、チームタイプ1)         +16"
50位 西谷泰治(愛三工業レーシング)           +1'05"
55位 盛一大(愛三工業レーシング)           +1'15"
66位 福島晋一(トレンガヌ)             +1'51"
93位 伊藤雅一(愛三工業レーシング)           +15'49"
94位 中島康晴(愛三工業レーシング)
113位 綾部勇成(愛三工業レーシング)         +17'11"
122位 福田真平(愛三工業レーシング) +17'59"

ポイント賞
西谷泰治(愛三工業レーシング)

山岳賞
マティア・クバシナ(クロアチア、タスナード)

チーム総合成績
クリスティーナ・ウォッチズ


photo & text : Sonoko Tanaka