決定的なアタックが決まらずに、集団スプリントでアレキサンドル・セレブリャコフ(ロシア、チームタイプ1)がステージ優勝。ボーナスタイムにより総合リーダーはマーチン・ペデルセン(デンマーク、クリスティーナ・ウォッチズ)に移った。西谷泰治がステージ10位でフィニッシュ。

雨の西安市内をハイスピードで駆け抜けた第2ステージ雨の西安市内をハイスピードで駆け抜けた第2ステージ photo : Sonoko Tanaka

悪天候下で開催された西安サーキットレース

スタート前に笑顔を見せるステファン・シューマッハー(ドイツ、クリスティーナ・ウォッチズ)スタート前に笑顔を見せるステファン・シューマッハー(ドイツ、クリスティーナ・ウォッチズ) photo : Sonoko Tanaka雨の西安で迎えた第2ステージは、10kmのコースを10周回するトータル100kmの平坦なステージ。雨足はさほど強くないものの、ひんやりとした空気が会場を包み込んだ。前日になり、テレビ中継の関係からスタート時間が20分ほど早められたが、特に混乱することもなく、レインウエアを着込み、いつもより少し暗い色合いに染まった124名の選手たちがスタートを切った。

100kmのレースで平均速度は49.696 Km/h。アタックと吸収を繰り返しながら、終始ハイペースで進み、最後まで決定的な逃げは決まなかった。途中3回設けられたスプリントポイントでは、ハリフ・サレー(マレーシア、トレ第2ステージのゴールスプリントを制したアレキサンドル・セレブリャコフ(ロシア、チームタイプ1)第2ステージのゴールスプリントを制したアレキサンドル・セレブリャコフ(ロシア、チームタイプ1) photo : Sonoko Tanakaンガヌ)が、2回1位通過し、ステファン・シューマッハー(ドイツ、クリスティーナ・ウォッチズ)からリーダージャージを奪い、ポイント賞首位となる。

総合リーダーはシューマッハーのチームメイト、マーチン・ペデルセンに

そして迎えたゴールスプリントを制したのはアレキサンドル・セレブリャコフ(ロシア、チームタイプ1)。24才、プロ1年目ながら、今季3勝目を掴んだ。総合リーダーは途中のスプリントポイントでボーナスタイムを獲得したマーチン・ペデルセン(デンマーク、クリスティーナ・ウォッチズ)に。「30時間を越える移動と、6時間の時差でチームはまだ本調子とは言えない。ポイント賞ジャージを失ってしまったことは残念だけど、リーダージャージ獲得、そしてステージ優勝もめざして、明日からも走って行きたい」と話す。

最終周回、リーダーチームであるクリスティーナ・ウォッチズがコントロールする最終周回、リーダーチームであるクリスティーナ・ウォッチズがコントロールする photo : Sonoko Tanakaレースを終えたステファン・シューマッハー(ドイツ、クリスティーナ・ウォッチズ)とチームメイトレースを終えたステファン・シューマッハー(ドイツ、クリスティーナ・ウォッチズ)とチームメイト photo : Sonoko Tanaka

ステージ10位でゴールした西谷泰治

集団前方でスプリントに備える西谷泰治(愛三工業レーシング)集団前方でスプリントに備える西谷泰治(愛三工業レーシング) photo : Sonoko Tanakaスプリンター西谷泰治(愛三工業レーシング)は10位でゴール。ステージ優勝はならなかったが、長いブランクを経て、久しぶりに挑んだスプリントに確かな手応えを掴んだと話す。

西谷泰治のコメント
「大会初の集団スプリント、また悪天候のため、何が起こるかわからないので、今日は積極的に自分たちが前に出て、スプリントの体制を作りました。

最終周回で、リードアウトの選手たちとよい位置取りができ、ラインもうまく作れましたが、最後のリードアウト役である盛が仕掛けたとき、自分たちのタイミングでスタートを待つ綾部勇成と盛一大(愛三工業レーシング)スタートを待つ綾部勇成と盛一大(愛三工業レーシング) photo : Sonoko Tanaka仕掛けていきたいチームタイプ1が付いてこなかったこともあって、集団が中切れを起こしてしまいました。そしてタイプ1が仕掛けて急加速し、その後ろからモガいて、ゴールしました。

しばらくレースがなく、身体が動いていなかったのですが、スプリントポイントでモガくごとに、身体が動いてきている実感がありました。最後のスプリントも勝負には絡めませんでしたが、スプリントがしっかりと掛かっている手応えがあります。この調子なら勝てると思います」

明日、第3ステージは124kmで争われる山岳ステージ。標高差700mの2級山岳が77km地点に設定されている。コースとしては、さほど厳しくない印象だが、大会唯一の山岳となるため、総合を狙うチームには非常に重要なステージとなる。また明日のレース前から、ツアー・オブ・チャイナ名物と言ってもよい隊列を組んでの長距離移動がスタートする。トータル3,500kmのクルマ移動も選手たちには試練となるだろう。

第2ステージ、ステージ上位3選手の表彰第2ステージ、ステージ上位3選手の表彰 photo : Sonoko Tanakaボーナスポイントを獲得し、総合リーダーとなったマーチン・ペデルセン(デンマーク、クリスティーナ・ウォッチズ)ボーナスポイントを獲得し、総合リーダーとなったマーチン・ペデルセン(デンマーク、クリスティーナ・ウォッチズ) photo : Sonoko Tanaka




2012ツアー・オブ・チャイナ1 第2ステージ結果
1位 アレキサンドル・セレブリャコフ(ロシア、チームタイプ1) 2h00'44"
2位 アーロン・カンプス(オーストラリア、チャンピオンシステム)
3位 ジャック・ベッキンセイル(オーストラリア、オーストラリアナショナル)
4位 ベンジャミン・ヒル(オーストラリア、オーストラリアナショナル)
5位 ルスラン・トレウバイエフ(カザフスタン、アスタナコンチネンタル)
6位 レオニード・クラスノフ(ロシア、ルスヴェロ)
10位 西谷泰治(愛三工業レーシング)
33位 中島康晴(愛三工業レーシング)
72位 伊藤雅一(愛三工業レーシング)
73位 福田真平(愛三工業レーシング)
121位 福島晋一(トレンガヌ)
123位 綾部勇成(愛三工業レーシング)
124位 盛一大(愛三工業レーシング) 

個人総合成績
1位 マーチン・ペデルセン(デンマーク、クリスティーナ・ウォッチズ) 2h24'05"
2位 アンジェロ・フーラン(イタリア、クリスティーナ・ウォッチズ) +02"
3位 フレイ・トーマス(スイス、クリスティーナ・ウォッチズ)
4位 ステファン・シューマッハー(ドイツ、クリスティーナ・ウォッチズ)
5位 ミカエル・ラスムッセン(デンマーク、クリスティーナ・ウォッチズ)
6位 ダニエル・フォダー(デンマーク、クリスティーナ・ウォッチズ)
71位 西谷泰治(愛三工業レーシング)+1'13"
72位 中島康晴(愛三工業レーシング)
74位 伊藤雅一(愛三工業レーシング)
75位 綾部勇成(愛三工業レーシング)
76位 盛一大(愛三工業レーシング)
107位 福島晋一(トレンガヌ)+1'51"
120位 福田真平(愛三工業レーシング)+3'25"

ポイント賞
ハリフ・サレー(マレーシア、トレンガヌ)

チーム総合成績
クリスティーナ・ウォッチズ


photo & text : Sonoko Tanaka