本大会唯一の個人TTとなるブエルタ・ア・エスパーニャ2012第11ステージ。39.4kmの丘陵コースを制したのはレデリック・ケシアコフ。TT巧者のコンタドールがしっかりまとめて総合2位に浮上。ホアキン・ロドリゲスが大健闘して、わずか1秒差で総合1位の座を守った。

ステージ優勝・敢闘賞のフレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、アスタナ)

表彰式を待つフレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、アスタナ)表彰式を待つフレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、アスタナ) (c)CorVos(ツール・ド・スイスに続いてブエルタでも個人TTで優勝したことについて)少し驚いている。自分なりのタイムトライアルをしただけで特別なことはしていない。でも、今日のステージは自分にとって理想的だった。現在、総合成績を競う選手たちとは違って、今日のタイムトライアルは第1週向きだと思っていた。ツール・ド・スイスでファビアン・カンチェラーラに勝利して、ここでアルベルト・コンタドールに勝利した。だから、丘陵コースのタイムトライアルなら、大きなステージレースでも勝利を狙っていけると思う。

ステージ優勝を飾ったフレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、アスタナ)ステージ優勝を飾ったフレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、アスタナ) photo:Kei Tsuji(総合成績について)第4ステージのバルデスカライの後では、ずっと敗北感があった。ツール・ド・フランスの疲れからも回復してなかった。トマ・ヴォクレールと最後まで山岳賞を争ったので、かなり体力を使ってしまっていた。だからステージ優勝に絞ることに切り替えた。ブエルタから帰るときに、なんらかの成果を持ち帰れそうだとようやく確信できた。いまアスタナでは、誰もがリラックスしている。

ぼくも今日のステージで勝てなかったとしても、たぶん今日の走りには満足できていたと思う。リッチー・ポルトが1分差に迫っていたのに気づいたときに、ぼくと総合上位陣のタイム差が僅差なのがわかった。でも、勝てるだろうと思った。そうなって満足している。

(世界選手権のTTについて)ブエルタの前に、ナショナルコーチと会ったときには、今年の2番目のグランツールの後だから、専念する考えはないと告げた。今のところ、そうするつもりはないけど、今後の結果次第では考え直すかもしれない。


総合1位・複合賞のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)

マイヨロホを守ったホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)マイヨロホを守ったホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) photo:Kei Tsujiタイムトライアルは、ぼくの得意分野ではない。ここに来るまで、今日はかなり努力した。コーチのヴァレリオ・ピーヴァとセバスチャン・ウェーバーには、TTバイクの扱い方と動き方、そして補給のタイミングと方法を教えてもらった。今になってタイムトライアルを改善できて、とてもうれしい。

この11日間のレース後に、総合1位の座やその他の賞を守ることができた。しかし、このブエルタではハカ(第6ステージ)やエイバル(第3ステージ)で勝てなかったし、ここはマドリードじゃない。今日の大健闘は、誰もが納得してくれるだろう。でも、最終ステージまでのあいだには、なにが起こるかわからない。


ステージ2位・総合2位のアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク)

アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク)アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク) (c)CorVos今日得られた最大の成果は、総合の赤いジャージではなく、成績と感覚だ。調子も良かったし、チームにとっても良い日だったので満足だ。これでブエルタは事実上スタートとなる。プリト(ホアキン・ロドリゲス)のタイム・トライアルは本当に素晴らしかった。フルームにもさほど遅れることもなかったしね。見事に素晴らしい成績だ。

個人的には他の総合上位勢よりタイムを稼げると思っていた。でも、毎日調子は良くなってきている。チームのことも全面的に信頼しているし、ぼくの好みの地形に入ったら、もっと良くなると思う。序盤から言ってきたように、今大会はアストゥリアスの山岳ステージで決まると思う。超級山岳のステージは、まだ始まってもいない。

おそらく2008年のジロ・デ・イタリアのときにように、ぼくはじわじわと良くなっていくと思う。ただひとつ違いがあるとすれば、あの年はジロの前にブエルタ・アル・パイス・バスコなどのレースで何ステージか優勝していたことだ。だから安心できるとは思わないけど、手応えは感じている。


ステージ3位・総合3位のクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)

正直に言って、思い通りのスピードを維持するのが苦しかった。精一杯の力を出して高速で走ったので、後悔はしていない。いつも通りなら、もっと良い結果が出せたかもしれないけど、落ち込んではいない。現状の総合成績では、16秒差以内に3人がいて、1分差以内にバルベルデがいる。今後の山岳ステージでは、とても緊迫したレースになるだろうね。まだ、なにかが起こる可能性も残っている。


ステージ4位・総合4位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

ステージ4位・1分08秒差 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)ステージ4位・1分08秒差 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:Kei Tsuji今日のタイムトライアルは、そんなに悪くはないだろうと予想した通り、コンタドールやフルームといった強力なTTスペシャリストに次ぐ4位の成績でゴールできた。こんなふうに走れて、とても満足している。タイムトライアルをうまく乗り切ったと思う。総合リーダーから1分以内に付けている。バルデラスカイの事故の後に失った55秒のことは忘れられない。でも、不満を述べたところで、なにも変わらないので、前向きに行きたいと思う。

ブエルタの最難関ステージであるアストゥリアス三連戦も今後に控えている。明日は、ぼく向けのステージだけど、頂上ゴールに入る前の位置取りに大きく関わってくる。今年は、とてもエキサイティングなブエルタだ。力尽きることがないように願うよ。


ステージ8位のキャメロン・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

このタイムトライアルはトップでゴールしたかった。かなりいい成績だったの、満足している。レース中の感情は、とても満足度が高いものだった。ぼくは世界選手権のメンバー候補になっているけど、おそらくオーストラリアの個人TT代表の2枠は、ルーク・ダーブリッジとリッチー・ポルトになるだろう。

ステージ8位・1分17秒差 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)ステージ8位・1分17秒差 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) photo:Kei Tsujiステージ11位・1分39秒差 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)ステージ11位・1分39秒差 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Kei Tsuji


ステージ11位だったTT世界王者トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)

平坦区間では絶好調だったけど、登りはそうでもなかった。しっかりと走れなかった。少しは行けるかと思っていたけど。今日のTTのコースは、ぼくの好みじゃなかった。


明日以降を睨んでTTステージで休養を取る土井雪広(アルゴス・シマノ)

ステージ164位・7分44秒差 土井雪広(日本、アルゴス・シマノ)ステージ164位・7分44秒差 土井雪広(日本、アルゴス・シマノ) photo:Kei Tsujiもうすぐ3週目に突入するブエルタエスパーニャ。チームの目標は明らかにグリーンジャージ獲得に向けた動きになってきている。もちろんとれる可能性は高い。僕はそう思う。ただ、勝利を重ねるうちにスプリントに対してベストな状況に持っていくのがかなり難しくなっている。

リードアウトトレインはかなりハードな仕事だ。そしてかなりの緊張感がある。いっぽ間違えたら大事故だ。もっと落ち着けと自分に言い聞かせなければならないファイナルは今後も続くだろう。明日明後日はしれーーーっと逃げちゃいたいね。笑

ではでは明日からも応援宜しくお願いします(^_-)


コメントはプレスリリース、チーム公式サイト、選手個人サイト、TVインタビュー、twitterなどより抜粋。


text: Seiya.YAMASAKI
photo:Kei.Tsuji.CorVos

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