アルベルト・コンタドール(サクソバンク・ティンコフバンク)がブエルタ開幕直前のパンプローナでの記者会見で意気込みを語った。

アルベルト・コンタドール(サクソバンク・ティンコフバンク)アルベルト・コンタドール(サクソバンク・ティンコフバンク) (c)CorVosコンタドール: 僕の目標は、勝利に向かって闘うこと。勝ったとしても負けたとしても、僕は今、ブエルタに勝つことを思い描きながらスタートを切る。
僕は自分のことを優勝候補だとは言わない。それはメディアやファンたちが持つ意見にすぎないからだ。僕からは、「僕は強いライバルたちと向き合わなくてはいけない」とだけ言える。
僕は今やる気に満ちている。開幕TTは素晴らしいコースだと思う。僕は大きなモチベーションを持って走りだす。自転車競技を始めて以来、サンフェルミン祭のときにパンプローナを訪れたことがない。ブエルタでここを訪れるのは大きな喜びだね。

6ヶ月間のレース活動中断期間について

6ヶ月間だけじゃなく、この2年間は僕にとても大きな影響をもたらした。その間に起こったことは、何も忘れることができない。でもとにかく僕は怒っているわけじゃない。僕は今精神的に非常に良い状態で、良いレースをすることに集中している。
6ヶ月間、僕は以前の体調を少しでも損なわないようにハードにトレーニングしてきた。僕が思うに、ジロ・デ・イタリアやツール・ド・フランスを走ったライバルたちよりも僕はフレッシュかもしれない。でもそれは議論の余地があること。なぜなら、トレーニングだけで体調を保つことは、レースを走ってそうするよりもずっと難しい面があるからだ。

アルベルト・コンタドール(サクソバンク・ティンコフバンク)と、忠実なアシストのダニエル・ナバーロとベンハミン・ノバルアルベルト・コンタドール(サクソバンク・ティンコフバンク)と、忠実なアシストのダニエル・ナバーロとベンハミン・ノバル (c)CorVos僕とライバルたちの違いは、僕が彼らよりも精神的にリラックスしているであろうこと。彼らはレース序盤で僕よりもフィジカル面で調子が良いだろうけど、レース後半にかけては僕のほうがフレッシュさを残すことになるだろう。
自分の調子について疑わしいのは、この2週間のレーススケジュールによる。エネコ・ツアーを走ったけれど、その間、長い上りは一切こなしていないから。
僕はブエルタの最初の1週間はベストではないかもしれない。でもその後に調子が良くなることを期待している。

アストゥリアス地方での第14・15・16ステージに自信

セオリー通りなら、アストゥリアス地方での40kmの個人TTと3つの山岳ステージがレースの行方を決めるだろう。でも、最終日前のステージのボラ・デル・ムンドで何かが起きるかもしれない。
2011年ジロ・デ・イタリアでは、僕は早くにリードを広げた。でも3週間ステージレースはそれぞれが別のレース。何が起こるかは予想がつかない。だから毎日の様子を見ながら走りたい。

この先に起こることを計算することは難しい。なぜならとてもスペクタクル溢れるレースになるはずだから。
このブエルタはジロやツールに比べて走行距離が短い。だから最後の登りにも多くの選手がフレッシュな状態で臨めるかもしれない。そしてこのブエルタのコースは美しい。たぶん以前のブエルタよりずっといいと思う。


6ヶ月のレース活動停止期間を経てアルベルト・コンタドール(サクソバンク・ティンコフバンク)がレースに帰ってきた6ヶ月のレース活動停止期間を経てアルベルト・コンタドール(サクソバンク・ティンコフバンク)がレースに帰ってきた (c)CorVos最大のライバル、フルームについて

総合争いでは、僕には多くのライバルが居る。そのうちの3人、メンショフ、バルベルデ、コーボはブエルタの勝利を経験している。昨年のブエルタ、そして今年のツール・ド・フランスを見ると、クリス・フルーム(チームスカイ)が最強のライバルだと言わざるをえない。彼はタイムトライアルが得意で、すごく強力なチームを持っている。昨年彼はもしチームの作戦が違ったなら、ブエルタに勝つことができた。今年のツールで彼がウィギンズに対して勝つことができたかは分からない。ウィギンズはベストなTTマンだったから。

僕はブエルタでクリスと闘えることが嬉しいんだ。彼の存在はブエルタのレースの質を一段と高めてくれるはずだよ。


text:Makoto.AYANO
photo:Unipublic,CorVos