2012/07/16(月) - 16:09
ピレネー山脈に入った第14ステージ。11名の逃げ集団が容認され、残り11kmで飛び出したLLサンチェスがステージを制した。メイン集団は最後の1級山岳山頂付近で発生した妨害活動により30名近くがパンク。この事態に気づいたウィギンズにより集団は停戦状態となり、総合への影響はなかった。
ステージ優勝のルイスレオン・サンチェス(スペイン、ラボバンク)
このツールがスタートしたときから、逃げ集団に入ってステージ優勝を狙うという考えは捨てなかった。最初の週にケガをしたけど、諦めずに残った。最初はあらゆることが僕たちの思い通りにはならなかった。でも、今日がまるで僕のために作られたステージだというのも知っていた。だから、今日は結果を出すつもりだった。同じ逃げ集団にサガンとジルベールも入っているのを見て、彼らに真っ向勝負を挑むのは、まず無理だと思った。僕に残された選択肢は、ゴールまで距離があるところでアタックすることだった。だから、チームメイトのクルイスウィクと一緒にミュール・ド・ペゲールの山頂で加速し、ゴールが近くなってから単独でアタックした。
逃げに入ろうというチャレンジは続けるつもりだ。もちろん、さらにステージ優勝するためだ。オリンピックのことも考えている。今はもうケガが良くなってきていて、手首はまったく痛まない。結果を出したいと思う。
僕はずっと標高の高い山岳ステージで苦労してきた。だから、グランツールで総合優勝を狙おうとすると、かなり厄介なことになる。インデュライン以来、スペイン人の関心が主に3週間のレースに向かっているのは知っている。でも、僕にはこういうレースを勝ち抜くだけの脚はない。総合10位以内がせいぜいだろう。こうして僕はツール・ド・フランスでステージ通算4勝した。これからもステージ優勝を積み重ねていくつもりだ。
総合1位のブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)
あまり路面を見ていなかった。ほんの数秒のうちに、パンクが続出したのを聞いただけだ。そうなるまでは気づかなかった。誰も他人の不幸から利益を得たいとは思わない。だから、僕たちは登りの途中で待つことにしたんだ。レースは続けたけど、誰かの不幸につけ込まなかっただけだ。
何が起こったのかわからない。テレビで見ていた人のほうが、おそらく僕より知っていると思う。
道路に画鋲が撒かれたというウワサを聞いた。レースとは無関係のものがレースに影響するなんて残念だ。本当に嘆かわしい。
人によって、この状況の捉え方は異なるだろう。でも、個人的には僕はこんな抜け駆けはしたくない。待つことが最上の方法だと考えた。登りで時間を詰めることができなくても、誰かのパンクを利用しようとはしないだろう——通常のパンクとは異なる事態、つまり今日のようにレースに無関係のことがレースを左右する事態が起きたなら、なおさらだ。
あまりにも多くのパンクが同時に起きたのだから、何かが起こったのは明らかだった。僕たちは頑張って登って、何も問題がなかった。だから、待つことが当然のように思えた。僕たちは逃げ集団から17分遅れていて、そういうときにみんなが一斉にパンクした。だから2〜3kmのあいだはスピードを落として彼らがホイールを交換できるようにするのは当たり前だった。登りの道はとても幅が狭かったのでチームカーは後ろに離れていたから、待つことが正しいと思えた。
このような妨害がレースに影響を与えるのは誰も望まない。集団としては、待つことしかできなかった。ステージ優勝の可能性もないし、山岳も終わっていた。競争できることは、なにひとつなかった……。
山岳賞のフレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、アスタナ)
こんなに難しい日になるとは思わなかった。今日は逃げのステージになるはずだった。最終的にそうなってしまったけど。でも、不運なことに、妨害行為によって終盤に起きたトラブルのせいで、とてもピリピリした緊張感に満ちた危険なステージになってしまった。こんな悪いことがなければ、僕にとっては良い日だったのに。
今年のツールでの最高の思い出は、ピエール・ロランと一緒に逃げて、彼より先に超級山岳でポイントを獲得したことだ(訳註:第11ステージのクロワ・ド・フェール峠)。つまり、あの当日と、僕が単独でアタックする前の数日間のことだ。僕にとって、これからずっと取っておきたい思い出だ。
今日はクレイジーなくらいにパンクが多かった。ステージが終わってから、それが妨害行為のせいだとわかった。ひどい! さらに悪いことに、ルームメイトのキセロフスキーが落車で鎖骨を折った。今日から部屋でひとりぼっちになってしまう……。
新人賞のティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)
カデル(エヴァンス)がパンクしたのは聞いたけど、状況がまったくわからなかった。あの場に他にチームメイトがいるからと僕は考えた。後になってカデルを待つべきだったと思った。(無線が)騒々しく混乱していたので、カデルがパンクしたらしいことは推測できたけど、それ以上はわからなかった……。
さっき言ったけど、あの場にもっとチームメイトがいればよかったと思う。無線からはあまり多くはわからなかった。叫び声ばかりで、いわゆる無秩序状態だった。
誰かが鋲か何かを道路に撒いたようだけど、正確にはわからない。
妨害行為で落車したリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ)
不運なことに、最後の山岳ポイントの直後にロベルト・キセロフスキーと一緒に落車した。ロベルトの早期回復を祈る(訳註:キセロフスキーは鎖骨骨折でリタイア)。路上に画鋲を置くなんて犯罪だ。
待たずにアタックした総合9位のピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)
ミュール・ド・ペゲールでアタックして、総合成績のタイム差を詰めたかった。みんなはあの下りでアタックしたことを非難するけど、後ろのほうのメカニカルな問題は知らなかったんだ——イヤホンも作動してなかったし。僕は誰かの不幸を利用してまで総合上位になりたいタイプの選手ではない。
コメントはプレスリリース、チーム公式サイト、選手個人サイト、TVインタビュー、twitterなどより。
text: Taiko YAMASAKI + Seiya YAMASAKI
ステージ優勝のルイスレオン・サンチェス(スペイン、ラボバンク)
このツールがスタートしたときから、逃げ集団に入ってステージ優勝を狙うという考えは捨てなかった。最初の週にケガをしたけど、諦めずに残った。最初はあらゆることが僕たちの思い通りにはならなかった。でも、今日がまるで僕のために作られたステージだというのも知っていた。だから、今日は結果を出すつもりだった。同じ逃げ集団にサガンとジルベールも入っているのを見て、彼らに真っ向勝負を挑むのは、まず無理だと思った。僕に残された選択肢は、ゴールまで距離があるところでアタックすることだった。だから、チームメイトのクルイスウィクと一緒にミュール・ド・ペゲールの山頂で加速し、ゴールが近くなってから単独でアタックした。
逃げに入ろうというチャレンジは続けるつもりだ。もちろん、さらにステージ優勝するためだ。オリンピックのことも考えている。今はもうケガが良くなってきていて、手首はまったく痛まない。結果を出したいと思う。
僕はずっと標高の高い山岳ステージで苦労してきた。だから、グランツールで総合優勝を狙おうとすると、かなり厄介なことになる。インデュライン以来、スペイン人の関心が主に3週間のレースに向かっているのは知っている。でも、僕にはこういうレースを勝ち抜くだけの脚はない。総合10位以内がせいぜいだろう。こうして僕はツール・ド・フランスでステージ通算4勝した。これからもステージ優勝を積み重ねていくつもりだ。
総合1位のブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)
あまり路面を見ていなかった。ほんの数秒のうちに、パンクが続出したのを聞いただけだ。そうなるまでは気づかなかった。誰も他人の不幸から利益を得たいとは思わない。だから、僕たちは登りの途中で待つことにしたんだ。レースは続けたけど、誰かの不幸につけ込まなかっただけだ。
何が起こったのかわからない。テレビで見ていた人のほうが、おそらく僕より知っていると思う。
道路に画鋲が撒かれたというウワサを聞いた。レースとは無関係のものがレースに影響するなんて残念だ。本当に嘆かわしい。
人によって、この状況の捉え方は異なるだろう。でも、個人的には僕はこんな抜け駆けはしたくない。待つことが最上の方法だと考えた。登りで時間を詰めることができなくても、誰かのパンクを利用しようとはしないだろう——通常のパンクとは異なる事態、つまり今日のようにレースに無関係のことがレースを左右する事態が起きたなら、なおさらだ。
あまりにも多くのパンクが同時に起きたのだから、何かが起こったのは明らかだった。僕たちは頑張って登って、何も問題がなかった。だから、待つことが当然のように思えた。僕たちは逃げ集団から17分遅れていて、そういうときにみんなが一斉にパンクした。だから2〜3kmのあいだはスピードを落として彼らがホイールを交換できるようにするのは当たり前だった。登りの道はとても幅が狭かったのでチームカーは後ろに離れていたから、待つことが正しいと思えた。
このような妨害がレースに影響を与えるのは誰も望まない。集団としては、待つことしかできなかった。ステージ優勝の可能性もないし、山岳も終わっていた。競争できることは、なにひとつなかった……。
山岳賞のフレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、アスタナ)
こんなに難しい日になるとは思わなかった。今日は逃げのステージになるはずだった。最終的にそうなってしまったけど。でも、不運なことに、妨害行為によって終盤に起きたトラブルのせいで、とてもピリピリした緊張感に満ちた危険なステージになってしまった。こんな悪いことがなければ、僕にとっては良い日だったのに。
今年のツールでの最高の思い出は、ピエール・ロランと一緒に逃げて、彼より先に超級山岳でポイントを獲得したことだ(訳註:第11ステージのクロワ・ド・フェール峠)。つまり、あの当日と、僕が単独でアタックする前の数日間のことだ。僕にとって、これからずっと取っておきたい思い出だ。
今日はクレイジーなくらいにパンクが多かった。ステージが終わってから、それが妨害行為のせいだとわかった。ひどい! さらに悪いことに、ルームメイトのキセロフスキーが落車で鎖骨を折った。今日から部屋でひとりぼっちになってしまう……。
新人賞のティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)
カデル(エヴァンス)がパンクしたのは聞いたけど、状況がまったくわからなかった。あの場に他にチームメイトがいるからと僕は考えた。後になってカデルを待つべきだったと思った。(無線が)騒々しく混乱していたので、カデルがパンクしたらしいことは推測できたけど、それ以上はわからなかった……。
さっき言ったけど、あの場にもっとチームメイトがいればよかったと思う。無線からはあまり多くはわからなかった。叫び声ばかりで、いわゆる無秩序状態だった。
誰かが鋲か何かを道路に撒いたようだけど、正確にはわからない。
妨害行為で落車したリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ)
不運なことに、最後の山岳ポイントの直後にロベルト・キセロフスキーと一緒に落車した。ロベルトの早期回復を祈る(訳註:キセロフスキーは鎖骨骨折でリタイア)。路上に画鋲を置くなんて犯罪だ。
待たずにアタックした総合9位のピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)
ミュール・ド・ペゲールでアタックして、総合成績のタイム差を詰めたかった。みんなはあの下りでアタックしたことを非難するけど、後ろのほうのメカニカルな問題は知らなかったんだ——イヤホンも作動してなかったし。僕は誰かの不幸を利用してまで総合上位になりたいタイプの選手ではない。
コメントはプレスリリース、チーム公式サイト、選手個人サイト、TVインタビュー、twitterなどより。
text: Taiko YAMASAKI + Seiya YAMASAKI