2012年ツールのオープニング。6.4kmの短距離プロローグを制し、マイヨジョーヌを獲得したファビアン・カンチェラーラは、ケガからの復帰をサポートしてきた家族とチームへの感謝を口にした。

最後まで追い込むファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン)最後まで追い込むファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン) (c)Makoto.Ayanoマイヨジョーヌを獲得したファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン)

8年前にここで挙げた勝利の思い出をがあって、それはとても特別なものだったよ。(8年前)23歳で勝利して、そして8年後にまた同じ場所で勝利を挙げることができた。僕や家族、特にチームにとってとてもスペシャルな出来ごとになった。素晴らしいツールの開幕だね。

勝利できたことで多くのプレッシャーが無くなった。けれど僕らは皆さらなる成功を求めているし、それは決して簡単なことでは無いんだ。チーム全体で非常に大きな努力をここまでしてきたよ。

娘と、妻と、そのお腹の中にいる赤ちゃんに捧げる勝利だ。生まれてくる赤ちゃんのために、ライオンのぬいぐるみを家に持って帰ることができて嬉しいんだ。家庭はトレーニングやチーム以上に全ての基礎となるもの。僕は家族が一番に大事だし、誇りに思っている。

表彰台に上がったファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン)表彰台に上がったファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン) photo:Makoto.Ayanoプロローグを制し、マイヨジョーヌを獲得したファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン)プロローグを制し、マイヨジョーヌを獲得したファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン) (c)Makoto.Ayano


僕は特に今年の早い段階でケガをしていたから、この勝利はこの先の数日間の自信に繋がるよ。イエローを着ていることは誇りだし、ただただ素晴らしいことだ。僕らのツールが始まった。レディオシャック・ニッサンチームはレース展開の最前列に位置し、コントロールする。マイヨジョーヌが僕に特別なパワーを与えてくれるとは思わないけれど、ジャージを守るために最善を尽くしていく。


ステージ2位に入ったブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)ステージ2位に入ったブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:Makoto.Ayanoステージ2位に入ったブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)

調子の良さを感じているし、落ち着いてリラックスできている。とてもハッピーな気分さ。良いスタートを切ることができ、安定していたしトラブルも起こらなかった。本当にファンタスティックなこと。皆が一丸となってトレーニングに励んできた現れ。

僕は昨晩チームに、僕を倒すことのできる唯一の男はファビアンだと言ったんだ。彼はタイムトライアルの分野ではで世界最速のキングだよ。


ステージ3位に入ったシルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)ステージ3位に入ったシルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Makoto.Ayanoステージ3位のシルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)

素晴らしいレースをすることができたよ。パフォーマンスの良さを見せたかったんだ。シーズンの序盤からタイムトライアルでは調子が良かった。TTスペシャリストが僕のタイムを上回るのは予想していたけれど、とにかく嬉しく思っている。何も後悔はしていないんだ。

新しいフランスチャンピオンジャージの名に賭けて、本当に自分のベストの走りをすることがことができた。世界最高のTTスペシャリストを相手に、ツールで3位に入ったんだ。トニ(マルティン)については残念に思うよ。彼は今日本当に強くて、パンクがなければカンチェラーラと最後まで互角の勝負をしていたはず。

ツールはまだ本当に始まったばかりだ。僕はアタックでチャンスを見出していく走りをするつもり。今日は僕の誕生日なんだ。勝利は無かったけれど、お祝いしなくちゃね!


ステージ4位に入ったティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)ステージ4位に入ったティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) photo:Makoto.Ayanoステージ4位、マイヨブランを獲得したティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)

今日は(エドヴァルド)ボアッソンにやられてしまうかと思っていたけれど、マイヨブランを獲得できてすごく興奮しているよ。

ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)がマイヨブランを着るティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)がマイヨブランを着る photo:Makoto.Ayanoこのマイヨブランを守ることがゴールではない。つまり、チームの目標は一つ。パリでカデル(エヴァンス)にマイヨジョーヌを着せることなんだ。でも僕が山岳でカデルの好アシストをすることができれば、数日間は自然とジャージをキープすることができるはず。

今日のような良い結果を出すためにここまでずっと厳しい練習を続けてきたんだ。4位という結果は僕の調子の良さと、スケジュール通りにコンディションを合わせることができた現れだと思うんだ。

僕たちはカデルが再びツール制覇できることに、本当に強い自信を持っているよ。彼はここに至るまでドーフィネの表彰台にも登っているし、オンタイムで調子を合わせていることの証拠だと思う。カデルは飛ぶような速さを持っているし、今日僕は彼をサポート出来るだけの調子の良さを見せることができたと思う。


text:So.Isobe
photo:Makoto.Ayano

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