ツール・ド・シンカラ第6ステージを制したのは、アジアツアーで確実に勝てる選手として成長を続ける中島康晴(愛三工業レーシング)。得意の逃げ切りで、トップでフィニッシュラインに飛び込んだ。リーダージャージはオスカル・プジョル(スペイン、アザド大学)がキープする。

先頭集団で積極的に動いた中島康晴

逃げ切り優勝を挙げた中島康晴(愛三工業レーシング)逃げ切り優勝を挙げた中島康晴(愛三工業レーシング) (c) Sonoko Tanakaパリアマンからパイナンまで、143.9kmで開催された第6ステージは平坦基調ながら、78km、92.5km地点に3級山岳が組み込まれたコースレイアウト。速報にてお伝えしたとおり、序盤にできた9選手の逃げから6選手が逃げ切り、中島康晴(愛三工業レーシング)が見事な勝利を挙げた。昨年の第4ステージに続くツール・ド・シンカラ2勝目となり、大会での人気や知名度も高まっている。

集団は、リーダーチームのアザド大学やゴールスプリントに持ち込みたいトレンガヌが集団の先頭を引き、残り5kmで50秒という際どいタイム差まで詰まったが、結局はあとわずか、6秒差で6選手が逃げ切った。レースリーダーのオスカル・プジョル(スペイン、アザド大学)メイングループで走るレースリーダーのオスカル・プジョル(スペイン、アザド大学)メイングループで走るレースリーダーのオスカル・プジョル(スペイン、アザド大学) (c) Sonoko Tanakaは「イエローを失うのではないかという不安は常にあった。チームがよく動いてくれたんだ」と話す。ゴール後は無事にジャージを守れた嬉しさや安堵感から、チームメイトと抱き合って喜んだ。

ステージ優勝を挙げた中島康晴はこう話す。
「チームは、第2ステージから第4ステージとリーダージャージを守るために動いていたので疲れていましたが、もう一度ステージ優勝をしたいと強く思っていました。そしてスプリンター不在の今回のチームにとって、チャンスがあるのは今日の第6ステージだと、昨夜ミーティングで話をしたんです」

序盤からの激しいアタック合戦で前方に位置する愛三工業レーシング序盤からの激しいアタック合戦で前方に位置する愛三工業レーシング (c) Sonoko Tanaka
イエロージャージを守ったオスカル・プジョル(スペイン、アザド大学)イエロージャージを守ったオスカル・プジョル(スペイン、アザド大学) (c) Sonoko Tanaka「最初、9人で逃げましたが、あまりうまくローテーションが回らず、まずはきれいなローテーションを回すこと、ゴールまで走りきることを意識しながら走りました。2つ目の山岳ポイントをすぎて、またローテーションがうまく回らなくなってきたので、2人で飛び出し、そこに率先して先頭を引いていた4選手が合流、先頭は6人になりました。そしてゴールまで走りきり、6人でのスプリントをラスト150mで先行し、勝つことができました」

「昨日も逃げに乗り、今日はとても疲れていたので、本当にきついレースでした。でも最後に優勝でき、本当に嬉しく思っています。昨年に続く2勝目が挙げられて良かったです」

プレスカンファレンスに出席した中島康晴(愛三工業レーシング)プレスカンファレンスに出席した中島康晴(愛三工業レーシング) (c) Sonoko Tanakaまた中島に続いて、ステージ2位には平井栄一(日本ナショナル)が入った。「トップまでの差は僅差だったので、悔しい気持ちでいっぱいですが、UCIポイントが取れたことは嬉しく思っています」とコメントする。

総合上位選手の順位に大きな変動はなし。明日、最終ステージはパダンの街中で開催される平坦のサーキットレース。第1ステージ以来のゴールスプリントが予想されている。


ツール・ド・シンカラ2012第6ステージ結果

1位 中島康晴(愛三工業)3h25'06"
2位 平井栄一(日本ナショナル)
3位 アリン・イスワナ(インドネシア、プトラペルジャンガン)
4位 ハリ・フィトリアント(インドネシア、ポリゴンスイートナイス)
5位 チョーンフアット・ゴウ(シンガポール、OCBCシンガポール)
6位 パトリア・ラストラ(インドネシア、クロッシー・ミケ)+04"
11位 木守望(愛三工業)+06"
37位 寺崎武郎(日本ナショナル)
39位 山本元喜(日本ナショナル)
51位 秋丸湧哉(日本ナショナル)
56位 伊藤雅和(愛三工業)
86位 鈴木謙一(愛三工業)
94位 清水太己(日本ナショナル)+1'14"
DNF 六峰亘(日本ナショナル) 

個人総合順位
1位 オスカル・プジョル(スペイン、アザド大学)+19h05'02"
2位 ジェイ・クロフォード(オーストラリア、ジェネシス)+1'08"
3位 フェン・チュンカイ(台湾、アクション)+1'15"
4位 アレクサンドル・クレメンツ(オーストラリア、オーストラリアナショナル)+1'29"
5位 ダディ・スラディ(インドネシア、プトラペルジャンガン)+1'31"
6位 ジョン・エブソン(デンマーク、CCN)+2'30"
8位 山本元喜(日本ナショナル)+4'57"
10位 寺崎武郎(日本ナショナル)+6'10"
18位 鈴木謙一(愛三工業)+11'19"
21位 伊藤雅和(愛三工業)+12'48"
28位 秋丸湧哉(日本ナショナル)+15'10"
48位 中島康晴(愛三工業)+30'41"
70位 平井栄一(日本ナショナル)+45'36"
73位 六峰亘(日本ナショナル)+49'01"
83位 清水太己(日本ナショナル)+1h05'09"
85位 木守望(愛三工業)+1h09'32"

ポイント賞
オスカル・プジョル(スペイン、アザド大学)

山岳賞
オスカル・プジョル(スペイン、アザド大学)

チーム総合首位

プトラペルジャンガン


photo & text : Sonoko Tanaka

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