2009/05/27(水) - 05:39
28日(木)から始まる今年のツール・ド・熊野は、プロローグのTTが増えて4日間のステージレースになった。国内最高の山岳コースを含むレースに出場するのはカザフスタンや香港チャイナのTOJ組に加え、イランのタブリーズ・ペトロケミカルチームが参加する。ミズロフ、ミズバニ、アスカリ、ソウラビなど擁するこのチームはフォフォノフ、イグリンスキーらとどう戦うのか。
今年で第11回を数えるツール・ド・熊野はUCI2.2のレースとして5月28日(木)から31日(日)までの4日間で行われる。初日はプロローグで0.75kmの個人TT、2日目からはおよそ例年通りのコースだ。海外から6チーム、国内15チームの計21チームが世界遺産の地を舞台に走る。また、このレースは実業団Jサイクルツアー第2戦でもあり、国内チームも多数参戦する。
第2ステージは国内最高の山岳コース
プロローグ・タイムトライアル 0.75km 5月28日(木)
まずは初日、15時30分からの個人タイムトライアルによるプロローグで幕を開ける。新宮市役所前を往復するコースで4箇所のコーナーワークが見もの。テクニックに勝るスピードタイプの選手が好タイムを出す。唯一、1秒以下のタイムも計測され、同タイムの場合に有効となるので、機材の工夫は必須だ。ノーマルロードにDHバーとディスクホイールが最強か。17時30分から開会式セレモニーがある。
第1ステージ・赤木川清流コース 148.4km 5月29日(金)
午前10時45分にJR新宮駅前をパレードスタートしてコースへ向かう。1周16.3kmを8周するコースは平坦基調だが、折り返し前後にアップダウンがあり、更に今年からフィニッシュ手前にもう一つアップダウンが加えられた。10人前後の逃げが決まりやすく、ゴールは少人数のスプリントになることが多い。今年はゴール前の小さな上りがポイントになる。観戦はそのゴール前後で周回を見るのがいいだろう。
第2ステージ・熊野山岳コース 120.2km
国内最高の山岳コースと言われるのは、じつは下りの厳しさからきたものだ。標高差300mを一気に上る千枚田を2回、そして札立峠は400m以上を上り、そして下る。この下り区間がテクニカル。細く先の見えないコーナー、昼間でも薄暗い森の中。加えて雨が降ればコケで滑りやすい路面になる。上りの2分のアドバンテージも、下りのスペシャリストにとっては追いつく差だ。そしてラスト20kmはおよそ平坦、単独で逃げるには勇気の要る場面だ。昨年、新城幸也は下りで抜け出してラスト30kmを独走して優勝した。観戦は合計3回見られる千枚田頂上がいいだろう。
第3ステージ・太地半島周回コース 105.6km
最終日はジェットコースターのようなアップダウンとカーブが連続するコースだ。逃げが決まりやすく、毎年10人以下の集団が逃げ切っている。そして個人総合が入れ替わることが多いのも特徴だ。観戦はゴール地点を中心に歩き回るといいだろう。
イラン対カザフスタン、対する日本勢は
経歴だけ見るとイランとそしてカザフスタンが群を抜く。両者とも山岳に強く、展開しだいでは日本勢は苦戦する。しかしチームワークと地の利でこれに立ち向かうのが日本勢だ。
なお、昨年の覇者清水都貴を擁するEQA・梅丹本舗・グラファイトデザインは登録の関係で残念ながら出場しない。本来チームと選手はレースに出場することが最大の仕事。ここは出場を前提として課題を解決して欲しいところだった。
以下の選手名はエントリーリストによるもので、実際の出場選手は28日(木)の午前中に決定する。
タブリーズ・ペトロケミカルチーム(イラン)
アンドレイ・ミズロフ、カデル・ミズバニ、ホセイン・アスカリ、メディ・ソウラビ、レザ・バケリ、ホセイン・カンナビがエントリー。ミズバニは今年、ツール・ド・シンカラ、ツアー・オブ・イランで個人総合優勝で現・アジアツアーリーダー。ソウラビも各レースで区間優勝などしている。そしてクライマーの元アスタナ・ミズロフなど役者が揃っている。第2ステージで主導権を握るだろう。
カザフスタンナショナルチーム(カザフスタン)
TOJのメンバーがそのままエントリー。ドミトリー・フォフォノフ、ヴァレンティン・イグリンスキー、ドミトリー・グルージェフ、ナザル・ユマベコフ、アレクサンドル・シュセモイン、ロマン・ジエンターエフだ。TOJでは主導権を握りつつも勝機に恵まれなかったカザフ。熊野ではその本領を発揮するだろう。
ホンコンチャイナ(香港)
07年ツアー・オブ・サウスチャイナシー覇者のタン・ワンイップがエース。ワン・カンポーはアジアカップトラックへ出場する。
チャイニースタイペイ・ナショナルチーム(台湾)
ライ・クンファをエースとする。スプリントに強い選手が多いのも特徴だ。
モンゴル・ナショナルチーム
オギの名で親しまれるウルジ・オルスキ・ジャムスランの名がある。07年までマルコポーロ、08年のアジア選手権では監督として来日している。
ネオテル(南アフリカ)
スイス登録のステッグコンピュータ・ネオテル・CKTが今年から変わったもの。スイス、ロシアなどの選手からなる。チームには日本の松尾修作も登録している。
NIFS in KANOYA
鹿屋体育大学が参加する。伊藤雅和、内間康平、越智雄貴、野中竜馬、野口正則だ。伊藤と内間を中心にコンチネンタルチームをも凌駕するほどの力を見せる。平地に山岳に、彼らに注目だ。
以下、チーム名のみ掲げる
愛三工業
チームブリヂストン・アンカー
シマノレーシング
マトリックスパワータグ
宇都宮ブリッツェン
チームニッポ-コルナゴ
パールイズミ・スミタ・ラバネロ
コムレイド・ジャイアント
なるしまフレンドレーシングチーム八王子
クラブシルベスト
グルッポ・アクアタマ
マッサ・フォーカス・アウトドアプロダクツ
ナカガワAS.K'デザイン
エスペランススタージュ/ウエーブワン
資料協力:NPO法人 SPORTS PRODUCE 熊野
写真・文:高木秀彰
今年で第11回を数えるツール・ド・熊野はUCI2.2のレースとして5月28日(木)から31日(日)までの4日間で行われる。初日はプロローグで0.75kmの個人TT、2日目からはおよそ例年通りのコースだ。海外から6チーム、国内15チームの計21チームが世界遺産の地を舞台に走る。また、このレースは実業団Jサイクルツアー第2戦でもあり、国内チームも多数参戦する。
第2ステージは国内最高の山岳コース
プロローグ・タイムトライアル 0.75km 5月28日(木)
まずは初日、15時30分からの個人タイムトライアルによるプロローグで幕を開ける。新宮市役所前を往復するコースで4箇所のコーナーワークが見もの。テクニックに勝るスピードタイプの選手が好タイムを出す。唯一、1秒以下のタイムも計測され、同タイムの場合に有効となるので、機材の工夫は必須だ。ノーマルロードにDHバーとディスクホイールが最強か。17時30分から開会式セレモニーがある。
第1ステージ・赤木川清流コース 148.4km 5月29日(金)
午前10時45分にJR新宮駅前をパレードスタートしてコースへ向かう。1周16.3kmを8周するコースは平坦基調だが、折り返し前後にアップダウンがあり、更に今年からフィニッシュ手前にもう一つアップダウンが加えられた。10人前後の逃げが決まりやすく、ゴールは少人数のスプリントになることが多い。今年はゴール前の小さな上りがポイントになる。観戦はそのゴール前後で周回を見るのがいいだろう。
第2ステージ・熊野山岳コース 120.2km
国内最高の山岳コースと言われるのは、じつは下りの厳しさからきたものだ。標高差300mを一気に上る千枚田を2回、そして札立峠は400m以上を上り、そして下る。この下り区間がテクニカル。細く先の見えないコーナー、昼間でも薄暗い森の中。加えて雨が降ればコケで滑りやすい路面になる。上りの2分のアドバンテージも、下りのスペシャリストにとっては追いつく差だ。そしてラスト20kmはおよそ平坦、単独で逃げるには勇気の要る場面だ。昨年、新城幸也は下りで抜け出してラスト30kmを独走して優勝した。観戦は合計3回見られる千枚田頂上がいいだろう。
第3ステージ・太地半島周回コース 105.6km
最終日はジェットコースターのようなアップダウンとカーブが連続するコースだ。逃げが決まりやすく、毎年10人以下の集団が逃げ切っている。そして個人総合が入れ替わることが多いのも特徴だ。観戦はゴール地点を中心に歩き回るといいだろう。
イラン対カザフスタン、対する日本勢は
経歴だけ見るとイランとそしてカザフスタンが群を抜く。両者とも山岳に強く、展開しだいでは日本勢は苦戦する。しかしチームワークと地の利でこれに立ち向かうのが日本勢だ。
なお、昨年の覇者清水都貴を擁するEQA・梅丹本舗・グラファイトデザインは登録の関係で残念ながら出場しない。本来チームと選手はレースに出場することが最大の仕事。ここは出場を前提として課題を解決して欲しいところだった。
以下の選手名はエントリーリストによるもので、実際の出場選手は28日(木)の午前中に決定する。
タブリーズ・ペトロケミカルチーム(イラン)
アンドレイ・ミズロフ、カデル・ミズバニ、ホセイン・アスカリ、メディ・ソウラビ、レザ・バケリ、ホセイン・カンナビがエントリー。ミズバニは今年、ツール・ド・シンカラ、ツアー・オブ・イランで個人総合優勝で現・アジアツアーリーダー。ソウラビも各レースで区間優勝などしている。そしてクライマーの元アスタナ・ミズロフなど役者が揃っている。第2ステージで主導権を握るだろう。
カザフスタンナショナルチーム(カザフスタン)
TOJのメンバーがそのままエントリー。ドミトリー・フォフォノフ、ヴァレンティン・イグリンスキー、ドミトリー・グルージェフ、ナザル・ユマベコフ、アレクサンドル・シュセモイン、ロマン・ジエンターエフだ。TOJでは主導権を握りつつも勝機に恵まれなかったカザフ。熊野ではその本領を発揮するだろう。
ホンコンチャイナ(香港)
07年ツアー・オブ・サウスチャイナシー覇者のタン・ワンイップがエース。ワン・カンポーはアジアカップトラックへ出場する。
チャイニースタイペイ・ナショナルチーム(台湾)
ライ・クンファをエースとする。スプリントに強い選手が多いのも特徴だ。
モンゴル・ナショナルチーム
オギの名で親しまれるウルジ・オルスキ・ジャムスランの名がある。07年までマルコポーロ、08年のアジア選手権では監督として来日している。
ネオテル(南アフリカ)
スイス登録のステッグコンピュータ・ネオテル・CKTが今年から変わったもの。スイス、ロシアなどの選手からなる。チームには日本の松尾修作も登録している。
NIFS in KANOYA
鹿屋体育大学が参加する。伊藤雅和、内間康平、越智雄貴、野中竜馬、野口正則だ。伊藤と内間を中心にコンチネンタルチームをも凌駕するほどの力を見せる。平地に山岳に、彼らに注目だ。
以下、チーム名のみ掲げる
愛三工業
チームブリヂストン・アンカー
シマノレーシング
マトリックスパワータグ
宇都宮ブリッツェン
チームニッポ-コルナゴ
パールイズミ・スミタ・ラバネロ
コムレイド・ジャイアント
なるしまフレンドレーシングチーム八王子
クラブシルベスト
グルッポ・アクアタマ
マッサ・フォーカス・アウトドアプロダクツ
ナカガワAS.K'デザイン
エスペランススタージュ/ウエーブワン
資料協力:NPO法人 SPORTS PRODUCE 熊野
写真・文:高木秀彰