2012/03/12(月) - 10:27
2012年3月11日、今大会のクイーンステージとなるティレーノ~アドリアティコ第5ステージの上りゴールを制したのはヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)だった。
ティレーノ~アドリアティコ第5ステージは、マルティン・スクーロを出発し、2つの山岳ポイントを経由して標高1033mのプラーティ・ディ・ティーボの山頂ゴールを迎える、全196kmの今大会最難関ステージだ。有力勢による、総合を懸けた白熱の上り勝負が期待された。
前日エスケープグループに入り、最後まで1人逃げ続けたパヴェル・ブラット(ロシア、カチューシャ)はスタートせず。現地時間9時55分、太陽の光が降り注ぐアドリア海沿いの街マルティン・スクーロから全171名の選手たちがスタートを切った。
レース序盤に逃げグループを形成したのは、イェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・ベリソル)、エゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)、クリストフ・ホダールト(ベルギー、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)。
3名は協力しあい、集団に対して最大10分のリードを稼ぎ出した。
メイン集団は逃げとの差が拡大すると、ヴィンツェンツォ・ニーバリでの勝利を狙うリクイガス・キャノンデールがコントロールを開始し、タイム差を徐々に詰めていく展開に。63.8km地点に設定された標高424mのアトリ峠の山岳ポイントはホダールトが1位通過。
後方では山岳賞ジャージを着るステファノ・ピラッツィ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)がメイン集団の先頭でアトリ峠を通過し、1ポイントを獲得した。
続く161km地点の第2山岳に差し掛かった時点でもレースの構図は変わらず。平均勾配4.7%、距離20.3kmのピアーノ・ロゼト峠はマルティネスが先頭で通過した。この下りでホダールトが遅れ、先頭は2人となる。メイン集団ではホーナーがペースを上げ、メンバーのセレクションをかける。
頂上ゴールが設定せれた最終のプラーティ・ディ・ティーボに突入するとメイン集団のペースが急激に上がり、タイム差は一気に減少。ピーター・ベリトスで勝利を狙うオメガファーマ・クイックステップが牽く集団は、残り10.5kmで逃げる2人を飲み込んだ。
このペースアップによって25人ほどまで縮小したメイン集団からは、まず残り8km地点でホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)がアタック。しかし大きなリードは奪うことが出来ず、パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ)が替わって先頭に立った。
集団からはウラディミール・グセフ(ロシア、カチューシャ)と、総合10位につけるリナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)がティラロンゴを追走する動きをみせるものの、ペースの上がった集団は2人をキャッチ。
この動きでステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)が集団から脱落した。
残り4kmを切ると有力勢のみに絞られた集団から、満を持してニーバリがアタックしティラロンゴをパス。
後方からはロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ)とホーナーが追走するものの前を行くニーバリを捉えることが出来ず、ニーバリがプラーティ・ディ・ティーボの山頂ゴールへと独走で飛び込んだ。
ホーナーはクロイツィゲルと共に16秒遅れでゴール。ニーバリに12秒差、クロイツィゲルに対して5秒差でリーダージャージを守っている。
「昨日勝利を挙げたサガンを始め、チームはボクのために素晴らしい動きをしてくれたんだ。ステージを勝つことができて嬉しいよ。ホーナーとのタイム差は12秒。最終ステージのタイムトライアルに全力を尽くすよ。」とはステージ優勝をしたニーバリ。
総合首位を守ったホーナーは、「ボクとロマン(クロイツィゲル)のタイムトライアルは同等レベル。全力を尽くせば良い結果が見えてくるはず。」と語る。
総合上位3人がタイム差12秒以内にひしめき合う総合争い。翌第6ステージをまたぎ、明後日に控える最終の9.3kmのタイムトライアルでは、総合優勝を決める激しい戦いが繰り広げられる。
コメントはレース公式リリースより。
ティレーノ~アドリアティコ2012第5ステージ結果
1位 ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) 5h46'33"
2位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ) +16”
3位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・ニッサン)
4位 ジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +18"
5位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)
6位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(コルナゴ・CFSイノックス)
7位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル・ラモンディアール) +23"
8位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +37"
9位 クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)
10位 ワウテル・ポエルス(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +53"
個人総合成績
1位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・ニッサン) 24h28'39"
2位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ) +05"
3位 ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +12"
4位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル・ラモンディアール) +45"
5位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD) +47"
6位 ジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +48"
7位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +1'00"
8位 クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール) +1'10"
9位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(コルナゴ・CFSイノックス) +1'17"
10位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、グリーンエッジ) +1'23"
山岳賞
ステファノ・ピラッツィ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)
新人賞
キャメロン・マイヤー(オーストラリア、グリーンエッジ)
text:So.Isobe
photo:RCS sport
ティレーノ~アドリアティコ第5ステージは、マルティン・スクーロを出発し、2つの山岳ポイントを経由して標高1033mのプラーティ・ディ・ティーボの山頂ゴールを迎える、全196kmの今大会最難関ステージだ。有力勢による、総合を懸けた白熱の上り勝負が期待された。
前日エスケープグループに入り、最後まで1人逃げ続けたパヴェル・ブラット(ロシア、カチューシャ)はスタートせず。現地時間9時55分、太陽の光が降り注ぐアドリア海沿いの街マルティン・スクーロから全171名の選手たちがスタートを切った。
レース序盤に逃げグループを形成したのは、イェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・ベリソル)、エゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)、クリストフ・ホダールト(ベルギー、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)。
3名は協力しあい、集団に対して最大10分のリードを稼ぎ出した。
メイン集団は逃げとの差が拡大すると、ヴィンツェンツォ・ニーバリでの勝利を狙うリクイガス・キャノンデールがコントロールを開始し、タイム差を徐々に詰めていく展開に。63.8km地点に設定された標高424mのアトリ峠の山岳ポイントはホダールトが1位通過。
後方では山岳賞ジャージを着るステファノ・ピラッツィ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)がメイン集団の先頭でアトリ峠を通過し、1ポイントを獲得した。
続く161km地点の第2山岳に差し掛かった時点でもレースの構図は変わらず。平均勾配4.7%、距離20.3kmのピアーノ・ロゼト峠はマルティネスが先頭で通過した。この下りでホダールトが遅れ、先頭は2人となる。メイン集団ではホーナーがペースを上げ、メンバーのセレクションをかける。
頂上ゴールが設定せれた最終のプラーティ・ディ・ティーボに突入するとメイン集団のペースが急激に上がり、タイム差は一気に減少。ピーター・ベリトスで勝利を狙うオメガファーマ・クイックステップが牽く集団は、残り10.5kmで逃げる2人を飲み込んだ。
このペースアップによって25人ほどまで縮小したメイン集団からは、まず残り8km地点でホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)がアタック。しかし大きなリードは奪うことが出来ず、パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ)が替わって先頭に立った。
集団からはウラディミール・グセフ(ロシア、カチューシャ)と、総合10位につけるリナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)がティラロンゴを追走する動きをみせるものの、ペースの上がった集団は2人をキャッチ。
この動きでステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)が集団から脱落した。
残り4kmを切ると有力勢のみに絞られた集団から、満を持してニーバリがアタックしティラロンゴをパス。
後方からはロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ)とホーナーが追走するものの前を行くニーバリを捉えることが出来ず、ニーバリがプラーティ・ディ・ティーボの山頂ゴールへと独走で飛び込んだ。
ホーナーはクロイツィゲルと共に16秒遅れでゴール。ニーバリに12秒差、クロイツィゲルに対して5秒差でリーダージャージを守っている。
「昨日勝利を挙げたサガンを始め、チームはボクのために素晴らしい動きをしてくれたんだ。ステージを勝つことができて嬉しいよ。ホーナーとのタイム差は12秒。最終ステージのタイムトライアルに全力を尽くすよ。」とはステージ優勝をしたニーバリ。
総合首位を守ったホーナーは、「ボクとロマン(クロイツィゲル)のタイムトライアルは同等レベル。全力を尽くせば良い結果が見えてくるはず。」と語る。
総合上位3人がタイム差12秒以内にひしめき合う総合争い。翌第6ステージをまたぎ、明後日に控える最終の9.3kmのタイムトライアルでは、総合優勝を決める激しい戦いが繰り広げられる。
コメントはレース公式リリースより。
ティレーノ~アドリアティコ2012第5ステージ結果
1位 ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) 5h46'33"
2位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ) +16”
3位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・ニッサン)
4位 ジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +18"
5位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)
6位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(コルナゴ・CFSイノックス)
7位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル・ラモンディアール) +23"
8位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +37"
9位 クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)
10位 ワウテル・ポエルス(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +53"
個人総合成績
1位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・ニッサン) 24h28'39"
2位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ) +05"
3位 ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +12"
4位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル・ラモンディアール) +45"
5位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD) +47"
6位 ジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +48"
7位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +1'00"
8位 クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール) +1'10"
9位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(コルナゴ・CFSイノックス) +1'17"
10位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、グリーンエッジ) +1'23"
山岳賞
ステファノ・ピラッツィ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)
新人賞
キャメロン・マイヤー(オーストラリア、グリーンエッジ)
text:So.Isobe
photo:RCS sport
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