2012/02/26(日) - 01:20
熱帯の穏やかな雰囲気に包まれてラインレースがスタートし、アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ)がスプリントを制して嬉しい今季1勝目を挙げた。しかしその半面、総合2位のアダム・フェーラン(オーストラリア、ドラパック)は落車し負傷してしまった。
行政新都市プトラジャヤからラインレースがスタート
第1ステージの個人タイムトライアルを終え、いよいよ第2ステージから街から街へ移動するラインレースが始まった。レーススタートは午前10時。1時間ほど前から会場に集まった選手たちに、燦々と熱帯の太陽が照りつける。暑いとはわかっていたものの、やっぱり暑い! 氷を首に当てたり、木陰に避難したりと、思い思いのスタイルで暑さをしのぎながらスタートを待った。
そんな中で、朝から絶好調だったのはリーダージャージを着るデーヴィット・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)。カメラマンや観客たちのリクエストに快く応え、笑顔を振りまいている。
もちろん私にもカメラサービスをしてくれたのだが、サングラスを外して…というリクエストに対して彼のとったポーズは写真のとおり...。
「いや、もっとノーマルなポーズがいいんだけど…」と言う私にすかさず「いや、これがノーマルだから!」と返してくる。レースについては「リーダージャージを守りたいけど、どうかな? チーム一丸となって一つ一つのステージを走っていくよ」と笑顔で語る。
一方では、ジャージのパンツをホテル行きのスーツケースの中に入れてしまい、他チームのパンツを借りてレースに出走する選手などもいて、陽気なレースリーダーを中心に、南国マレーシアの大らかな雰囲気のなかでレースは行政新都市(首都機能を移転中)のプトラジャヤをスタートした。
スタート直後は閉鎖された高速道路で、アタック合戦が繰り広げられたものの、10km地点を過ぎると比較的簡単に2人の逃げが形成された。逃げを容認して集団の緊張感が緩んだところで、目線を外に向けると、コースの両側には、マレーシア名物のアブラヤシのプランテーションが広がっている。
熱帯雨林を開拓して作られたこのプランテーションは、マレーシア全土に約20000平方kmも広がり、世界の生産量を大きく占めている。食用油だけでなく、現在注目されているバイオ燃料の材料にもなっているという。
今季初勝利を飾ったグアルディーニ
その後、逃げている2選手をスプリンター擁するチームやリーダーチームがゴール手前で吸収し、集団スプリントのすえアンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ)が前評判どおりにステージ“1勝目”を掴んだ。
「今年に入って、ステージレースは今回が4レース目。ここに来るまでまだ勝つことができていなかったから、今日の勝利を待ち望んでいたし、チームメイトに感謝しているよ。ツール・ド・ランカウイには勝つために戻ってきたんだ」とステージ優勝の喜びを語った。
「これまで勝てなかった」という彼の言葉を疑いたくなるが、チームは終盤から徹底的にレースをコントロールし、ゴールスプリントでは3選手が完璧な連係を見せて、余裕を感じるほどの勝利だった。昨年はステージ5勝を挙げた22歳のイタリアンスプリンター。リーダージャージの行方とともに、彼が何勝挙げるのかにも注目が集まっている。
愛三工業レーシングのエーススプリンター、西谷泰治は19位でフィニッシュ。
「残り数キロ地点で落車が起こったり、石畳があったと、前に出るタイミングが難しかった。また今日のレースを見ているとグアルディーニのような選手に真っ向な力勝負で勝つことは難しい。いかにうまく勝つかを考えていきたい。また明日から頑張ります!」と話し、滝のような汗をぬぐいながらホテルへと戻った。
総合2位のアダム・フェーランは落車
昨日のタイムトライアルで2位に付けているアダム・フェーラン(オーストラリア、ドラパック)は残り3km地点で落車してしまい、ゴールまで自走したが検査のために病院へ向かった。タイム差はつかないものの明日からの出走は未定。昨年末のチーム合宿で、前後の記憶を失うほどの大落車をし、復帰初戦として、ランカウイのスタートを切ったというバックグラウンドがある。
救急車で応急処置を受ける20歳の若手選手の目にうっすらと涙が浮かんだようにも見えた。昨日の表彰台での笑顔が切なく感じるが、明日また会場で会えることを期待したい。
photo&text:Sonoko.Tanaka
行政新都市プトラジャヤからラインレースがスタート
第1ステージの個人タイムトライアルを終え、いよいよ第2ステージから街から街へ移動するラインレースが始まった。レーススタートは午前10時。1時間ほど前から会場に集まった選手たちに、燦々と熱帯の太陽が照りつける。暑いとはわかっていたものの、やっぱり暑い! 氷を首に当てたり、木陰に避難したりと、思い思いのスタイルで暑さをしのぎながらスタートを待った。
そんな中で、朝から絶好調だったのはリーダージャージを着るデーヴィット・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)。カメラマンや観客たちのリクエストに快く応え、笑顔を振りまいている。
もちろん私にもカメラサービスをしてくれたのだが、サングラスを外して…というリクエストに対して彼のとったポーズは写真のとおり...。
「いや、もっとノーマルなポーズがいいんだけど…」と言う私にすかさず「いや、これがノーマルだから!」と返してくる。レースについては「リーダージャージを守りたいけど、どうかな? チーム一丸となって一つ一つのステージを走っていくよ」と笑顔で語る。
一方では、ジャージのパンツをホテル行きのスーツケースの中に入れてしまい、他チームのパンツを借りてレースに出走する選手などもいて、陽気なレースリーダーを中心に、南国マレーシアの大らかな雰囲気のなかでレースは行政新都市(首都機能を移転中)のプトラジャヤをスタートした。
スタート直後は閉鎖された高速道路で、アタック合戦が繰り広げられたものの、10km地点を過ぎると比較的簡単に2人の逃げが形成された。逃げを容認して集団の緊張感が緩んだところで、目線を外に向けると、コースの両側には、マレーシア名物のアブラヤシのプランテーションが広がっている。
熱帯雨林を開拓して作られたこのプランテーションは、マレーシア全土に約20000平方kmも広がり、世界の生産量を大きく占めている。食用油だけでなく、現在注目されているバイオ燃料の材料にもなっているという。
今季初勝利を飾ったグアルディーニ
その後、逃げている2選手をスプリンター擁するチームやリーダーチームがゴール手前で吸収し、集団スプリントのすえアンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ)が前評判どおりにステージ“1勝目”を掴んだ。
「今年に入って、ステージレースは今回が4レース目。ここに来るまでまだ勝つことができていなかったから、今日の勝利を待ち望んでいたし、チームメイトに感謝しているよ。ツール・ド・ランカウイには勝つために戻ってきたんだ」とステージ優勝の喜びを語った。
「これまで勝てなかった」という彼の言葉を疑いたくなるが、チームは終盤から徹底的にレースをコントロールし、ゴールスプリントでは3選手が完璧な連係を見せて、余裕を感じるほどの勝利だった。昨年はステージ5勝を挙げた22歳のイタリアンスプリンター。リーダージャージの行方とともに、彼が何勝挙げるのかにも注目が集まっている。
愛三工業レーシングのエーススプリンター、西谷泰治は19位でフィニッシュ。
「残り数キロ地点で落車が起こったり、石畳があったと、前に出るタイミングが難しかった。また今日のレースを見ているとグアルディーニのような選手に真っ向な力勝負で勝つことは難しい。いかにうまく勝つかを考えていきたい。また明日から頑張ります!」と話し、滝のような汗をぬぐいながらホテルへと戻った。
総合2位のアダム・フェーランは落車
昨日のタイムトライアルで2位に付けているアダム・フェーラン(オーストラリア、ドラパック)は残り3km地点で落車してしまい、ゴールまで自走したが検査のために病院へ向かった。タイム差はつかないものの明日からの出走は未定。昨年末のチーム合宿で、前後の記憶を失うほどの大落車をし、復帰初戦として、ランカウイのスタートを切ったというバックグラウンドがある。
救急車で応急処置を受ける20歳の若手選手の目にうっすらと涙が浮かんだようにも見えた。昨日の表彰台での笑顔が切なく感じるが、明日また会場で会えることを期待したい。
photo&text:Sonoko.Tanaka
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