2012/02/16(木) - 21:17
カタールに続きツアー・オブ・オマーンに参戦するブリヂストンアンカーの参戦レポートをお届けする。スタートの前夜、「どこかのステージで"10位以内"を狙いたい」と意気込む久保監督に話を聞いた。
ツアー・オブ・カタールでは、新生ブリヂストンアンカーは未知の領域へと足を踏み入れ、まずこの舞台で自分たちに何できるのかを、探ることから始めなければならなかった。
日を追う毎にチームは成長し、それと共に「不安」から始まった世界への挑戦は、「気づき」、そして「確信」へと目覚ましい成長を遂げて見せた。そして世界への挑戦の第2幕、ここオマーンでブリヂストンアンカーは何を見つけることになるのか?
チームがオマーン入りしたのは2月11日の深夜だった。レースは14日にスタートとなるので、準備に2日間が充てられる。それはもちろん十分ではないが、他のチームも同じスケジュールでの移動となるので、そこはイコール・コンディションと言える。
ただ強豪の14チームは、例えばカタールの平たんなコースのスペシャリストから、登りのスペシャリストへという具合に、何名かの選手を入れ換えていた。しかしブリヂストンアンカーは、負傷のブレーズ選手に代わる補充選手を入れることを断念し、7名での参戦を決断していた。
すべての選手が激しく消耗するという、強い横風のレースであるツアー・オブ・カタールを走ってきた選手の疲労も心配されたが、スタッフや選手自身に聞くと、「少し疲れは残っていますが、大丈夫です」と、力強い言葉が返ってきた。
深夜の到着だったにも関わらず、12日早朝から各スタッフが手際よく担当の仕事をこなしていく。そして午後にはバイクセッティングが完了し、選手は1日目のプラクティスに出発した。初日は主にフィジカル・コンディションの回復とオマーンの気温や路面などの環境を確認。
そして翌13日には宿泊拠点から30Kmほど離れた、コース・プロファイル上では山岳ステージ前日のアップダウンが厳しい第4ステージのロケーションを頭に叩き込んだ。またそれと同時に、カタールでは使っていなかった"登りのリズム"を呼び起こし、2日間のプラクティスを終えた。
スタート前夜、久保信人監督にツアー・オブ・オマーンでの目標について聞く。
久保監督「自分たちは、カタールのハイレベルなレースで、どれくらい"できるのか"を把握することができた。このオマーンではどこかのステージで"10位以内に選手を入れること"を目標としたい。
大それた目標とも思えるかも知れないが、不可能ではないと思っている。選手たち自身もそう自覚しているはず。今回はカタールより上の成績、もしくは内容を全員が目指している。オマーンは、逃げに乗るという、印象を残すレース展開というだけではなく、それにプラスし記録を残すレースを作りたい」。
具体的なオマーンでの展開概要については、
「前半の平たんなステージでは、カタールと同じ"風とコーナー"がポイントとなる。そしてカタールにはまったくなかった、後半に来る山のステージでポイントなるのは、"登りの入り口"。入り組んだ狭いテクニカルな街の道路から突然現れる坂、これに注意を払わなければならない。他のチームより、いかに早く登りの得意な選手をそこに送り込める かがカギになると考えている」。
「登りはあまり得意でないと考える選手が、登りが得意と考える選手をベストな位置に連れて行く、アシストの働きが必要となる。今回は、個々の戦いの要素が多分にあるのだが、"チームの連携"も含めて試したい」と語った。
またカタールより5℃ほど上回る、日中30℃を超える気温については、「問題があるとは考えていない」ということだ。
カタールで急成長を遂げた選手、そして久保監督が感じている"手応え"と"新たな挑戦への意欲"がこちらに伝わるとても良いインタビューだった。
明日からのブリヂストンアンカーに何が待っているのか、期待が大きく膨らむ。
text & photo : Minoru Omae(大前 稔)
ツアー・オブ・カタールでは、新生ブリヂストンアンカーは未知の領域へと足を踏み入れ、まずこの舞台で自分たちに何できるのかを、探ることから始めなければならなかった。
日を追う毎にチームは成長し、それと共に「不安」から始まった世界への挑戦は、「気づき」、そして「確信」へと目覚ましい成長を遂げて見せた。そして世界への挑戦の第2幕、ここオマーンでブリヂストンアンカーは何を見つけることになるのか?
チームがオマーン入りしたのは2月11日の深夜だった。レースは14日にスタートとなるので、準備に2日間が充てられる。それはもちろん十分ではないが、他のチームも同じスケジュールでの移動となるので、そこはイコール・コンディションと言える。
ただ強豪の14チームは、例えばカタールの平たんなコースのスペシャリストから、登りのスペシャリストへという具合に、何名かの選手を入れ換えていた。しかしブリヂストンアンカーは、負傷のブレーズ選手に代わる補充選手を入れることを断念し、7名での参戦を決断していた。
すべての選手が激しく消耗するという、強い横風のレースであるツアー・オブ・カタールを走ってきた選手の疲労も心配されたが、スタッフや選手自身に聞くと、「少し疲れは残っていますが、大丈夫です」と、力強い言葉が返ってきた。
深夜の到着だったにも関わらず、12日早朝から各スタッフが手際よく担当の仕事をこなしていく。そして午後にはバイクセッティングが完了し、選手は1日目のプラクティスに出発した。初日は主にフィジカル・コンディションの回復とオマーンの気温や路面などの環境を確認。
そして翌13日には宿泊拠点から30Kmほど離れた、コース・プロファイル上では山岳ステージ前日のアップダウンが厳しい第4ステージのロケーションを頭に叩き込んだ。またそれと同時に、カタールでは使っていなかった"登りのリズム"を呼び起こし、2日間のプラクティスを終えた。
スタート前夜、久保信人監督にツアー・オブ・オマーンでの目標について聞く。
久保監督「自分たちは、カタールのハイレベルなレースで、どれくらい"できるのか"を把握することができた。このオマーンではどこかのステージで"10位以内に選手を入れること"を目標としたい。
大それた目標とも思えるかも知れないが、不可能ではないと思っている。選手たち自身もそう自覚しているはず。今回はカタールより上の成績、もしくは内容を全員が目指している。オマーンは、逃げに乗るという、印象を残すレース展開というだけではなく、それにプラスし記録を残すレースを作りたい」。
具体的なオマーンでの展開概要については、
「前半の平たんなステージでは、カタールと同じ"風とコーナー"がポイントとなる。そしてカタールにはまったくなかった、後半に来る山のステージでポイントなるのは、"登りの入り口"。入り組んだ狭いテクニカルな街の道路から突然現れる坂、これに注意を払わなければならない。他のチームより、いかに早く登りの得意な選手をそこに送り込める かがカギになると考えている」。
「登りはあまり得意でないと考える選手が、登りが得意と考える選手をベストな位置に連れて行く、アシストの働きが必要となる。今回は、個々の戦いの要素が多分にあるのだが、"チームの連携"も含めて試したい」と語った。
またカタールより5℃ほど上回る、日中30℃を超える気温については、「問題があるとは考えていない」ということだ。
カタールで急成長を遂げた選手、そして久保監督が感じている"手応え"と"新たな挑戦への意欲"がこちらに伝わるとても良いインタビューだった。
明日からのブリヂストンアンカーに何が待っているのか、期待が大きく膨らむ。
text & photo : Minoru Omae(大前 稔)
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