ベルギー・コクサイデで開催されるUCIシクロクロス世界選手権。初日の1月28日の第1プログラムはジュニア。砂地のレースを制したのは長身のオランダ人選手ファンデルプール。日本期待の沢田時は19位、横山航太は41位、中井路雅は42位だった。

コクサイデ名物の砂地でベルギー勢をリードし始めるマシュー・ファンデルプール(オランダ)コクサイデ名物の砂地でベルギー勢をリードし始めるマシュー・ファンデルプール(オランダ) (c)CorVosジュニアに出場する日本人選手は沢田時(チームブリヂストン・アンカー)、横山航太(快レーシング)、中井路雅(瀬田工業高校)の3人。

レースはスタート直後に日本の中井路雅が3人が絡みあう落車に見まわれ、スタートラインを切る前にストップを強いられる。

序盤からジュニアと思えないほどの高速レースは、ベルギー勢4人に加え、フランス、オランダがそれぞれ1人づつ入る6人の強力なパックがリードする展開になった。

ベルギーの4選手は数の力を生かしてオランダのマシュー・ファン・デル・プールに代わる代わる攻勢をかける。沢田は19位前後のパック(集団)で走る。

残り3周、ベルギー4人にオランダひとりの先頭グループ。ラスト2周になってここからファンデルプール(オランダ)が力強く抜け出し、差を開く。
ファン・デル・プールはそのままベルギー勢に対し9秒差で最終ラップに入る。盛り返す沢田は14~17位争いのグループに上がってくる。

ファン・デル・プールは最終ラップを危なげなく逃げきり、2位のウォート・ファン・アールト(ベルギー)に8秒の差を持って優勝した。
3位争いはベルギー2人対フランスひとり。スプリントでカンタン・ヤウレギ(フランス)がベルギー2人を交わし、3位に。

沢田時は最後の砂地で前が詰まり、スプリント争いに持ち込めずに19位でフィニッシュ。横山航太は41位、中井路雅は42位でフィニッシュした。

砂地の下りをこなす沢田時砂地の下りをこなす沢田時 (c)Riccardo Scanferla41位の横山航太41位の横山航太 (c)Riccardo Scanferla42位の中井路雅42位の中井路雅 (c)Riccardo Scanferla


父アドリーの勝利から16年。ジュニアの世界チャンピオンとなったマシュー・ファンデルプール(オランダ)父アドリーの勝利から16年。ジュニアの世界チャンピオンとなったマシュー・ファンデルプール(オランダ) (c)CorVos優勝したマシュー・ファン・デル・プール(オランダ)の父は1996年シクロクロス世界チャンピオンのアドリー・ファンデルプール。父アドリーはロードレースとシクロクロスの兼用選手で、1986年にはロンド・ファン・フラーンデレンを、1990年にはアムステルゴールドレースを制している。また、ツール・ド・フランスでも1987年にステージ優勝を飾っている。
そして1996年に、ここコクサイデで開催されたシクロクロスワールドカップではアルカンシェルを着て優勝を飾っている。それから16年たった今、息子マシューがジュニアのアルカンシェルを獲得した。

優勝したマシューは、スタート直後には脚の調子が悪く、胃痙攣にも見舞われたが、後半になるにつれて調子が持ち直したと語った。

沢田時のコメント
結果的に昨年の16位を2位下げる19位に終わった沢田時は、次のように話す。
「スタートは最悪ではなかったけれど、集団の後方になってしまった。回りとの力の差を感じたけれど、出しきった。パック(集団)の後ろでは砂地で自転車に乗っていくことで順位を上げていくことができるけど、ランニング区間に切り替わる所では後ろにいては厳しい所があった。最後にスプリントに持ち込めれば14位も狙えた位置だったけど、砂地で前が詰まってしまい、18位でゴールしました。
18位は、実力通りと言っては悔しいけれど、そのとおり。結果をしっかり受け止めて、来年はアンダー(U23)に上がるので、つなげていきたいと思います。
3月からフランスでマウンテンバイクの活動に入ります。この世界選がいい刺激になったので、しっかり活動していきたいです」。

41位の横山航太のコメント
世界は遠いですね。来年もジュニアなのでトップの選手たちと走るのはいい経験いなりました。来年も頑張りたいですね。

42位の中井路雅のコメント
スタートで落車してしまい、リズムに乗れなかった。後半は走れたので良かったとは思います。


シクロクロス世界選手権2012ジュニア表彰式 優勝はマシュー・ファン・デル・プール(オランダ)シクロクロス世界選手権2012ジュニア表彰式 優勝はマシュー・ファン・デル・プール(オランダ) (c)CorVosシクロクロス世界選手権2012ジュニア 結果 

1位 マシュー・ファンデルプール(オランダ) 00:42:36
2位 ウォート・ファン・アールト(ベルギー)   +00:08
3位 カンタン・ヤウレギ(フランス) +00:21
4位 クアンタン・ヘルマンス(ベルギー)
5位 ダーン・ソエト(ベルギー)
6位 ヨルビン・ファン・チシェルト(ベルギー) +00:48
7位 シルヴィオ・ヘルクロッツ(ドイツ)  +01:00
8位 ダーン・ヒューイベルグス(ベルギー)  +01:25
9位 ロメン・セイグル(フランス) +01:32
10位 ヴィクトル・コレツキー(フランス) +02:11

ジュニア世界チャンピオンとなったマシュー・ファンデルプール(オランダ)ジュニア世界チャンピオンとなったマシュー・ファンデルプール(オランダ) (c)CorVos19位 沢田時 +03:16
41位 横山航太 +06:52
42位 中井路雅 +07:08

※日本人選手たちの戦いの様子は現地レポートで追ってお伝えします。

沢田時は18位とお伝えしましたがUCI公式発表により19位となりました。(記事は訂正済み)


text:Makoto.AYANO
photo:CorVos,Riccardo Scanferla

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