2012年1月25日、頂上ゴールが設定されたツール・ド・サンルイス(UCI2.1)第3ステージが行なわれ、アルベルト・コンタドール(スペイン、チームサクソバンク)がライバルを振り切り勝利した。2012年シーズン初勝利を飾ったコンタドールは同時に総合首位に立っている。

メイン集団の先頭を固めるチームサクソバンクメイン集団の先頭を固めるチームサクソバンク photo:Luis Barbosaツール・ド・サンルイス第3ステージは、1級山岳が2つ設定された168.2kmの難関山岳コース。標高2084mの1級山岳ネゴリ峠を越え、最後は標高1270mの1級山岳ミラドール・デル・ポトレロにゴールする。

チームサクソバンクやオメガファーマ・クイックステップ、リクイガス・キャノンデールがコントロールするメイン集団は、逃げを飲み込んだ状態で1級山岳ミラドール・デル・ポトレロに突入。

ニーバリやシューマッハーを含むメイン集団 アルベルト・コンタドール(スペイン、チームサクソバンク)が動くニーバリやシューマッハーを含むメイン集団 アルベルト・コンタドール(スペイン、チームサクソバンク)が動く photo:Luis Barbosa地元の期待を背負うダニエル・ディアス(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス)らがアタックを仕掛けるも、2010年大会覇者のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)やコンタドールを含むグループがペースを上げてこれを封じる。

平均勾配6.5%のこの登りでメイン集団は徐々に絞り込まれ、リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ)との最終スプリントを制したコンタドールが勝利した。

ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)のアタックにアルベルト・コンタドール(スペイン、チームサクソバンク)らが反応ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)のアタックにアルベルト・コンタドール(スペイン、チームサクソバンク)らが反応 photo:Luis Barbosaライプハイマーはタイム差無しのステージ2位。また、昨年ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPOに所属し、ツール・ド・熊野総合2位、ツール・ド・北海道総合優勝という成績を残したミゲール・ルビアーノチャベス(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)がステージ3位に入っている。

リーダージャージを手にしたコンタドールは、久々の勝利について「今日のステージは厳しかったけど、チームは完璧にレースをコントロールしていた。去年のツール・ド・フランス以降ずっとレースから離れていたので、自分のコンディションについて自信が無かった。正直今日勝てるとは予想していなかった」と、正直に打ち明ける。

ライプハイマーを振り切ったアルベルト・コンタドール(スペイン、チームサクソバンク)ライプハイマーを振り切ったアルベルト・コンタドール(スペイン、チームサクソバンク) photo:Luis Barbosa「でも実際走ってみると予想よりも調子がよかった。苦しみながらも手にしたこの勝利は重要な意味を持つ。このアルゼンチンで応援してくれる観客のみんなに勝利を捧げたい」。CAS(スポーツ仲裁裁判所)の判決が長引く中での、コンタドールの今シーズン初勝利。宮島正典が帯同するチームサクソバンクにとっても今シーズン初勝利となった。

第3ステージまでを終え、ツール・ド・サンルイスの総合争いはコンタドールから4秒遅れでライプハイマー、19秒遅れでステファン・シューマッハー(ドイツ、クリスティーナウォッチズ)、そして36秒遅れでニーバリが続く展開。

オレンジのリーダージャージの行方は、翌第4ステージの個人タイムトライアルに委ねられる。シーズン早々、コンタドール、ライプハイマー、そしてニーバリらによる総合争いが繰り広げられそうだ。

レース内容と選手コメントはレース公式サイト(www.tour-sanluis.com.ar)より。


ツール・ド・サンルイス2012第3ステージ結果
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、チームサクソバンク)      4h29'27"
2位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ミゲール・ルビアーノチャベス(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)  +05"
4位 ステファン・シューマッハー(ドイツ、クリスティーナウォッチズ)     +09"
5位 ダニエル・ディアス(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス)      +12"
6位 カイエタノ・サルミエント(コロンビア、リクイガス・キャノンデール)   +26"
7位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
8位 ホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)
9位 ルイス・マンシーリャ(チリ、チリチーム)
10位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)         +35"

個人総合成績
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、チームサクソバンク)      12h45'15"
2位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ) +04"
3位 ステファン・シューマッハー(ドイツ、クリスティーナウォッチズ)      +19"
4位 ダニエル・ディアス(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス)       +22"
5位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)    +36"
6位 ホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)
7位 カイエタノ・サルミエント(コロンビア、リクイガス・キャノンデール)
8位 ルイス・マンシーリャ(チリ、チリチーム)
9位 ダビ・アローヨ(スペイン、モビスター)                  +45"
10位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)

山岳賞
ミゲール・ルビアーノチャベス(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)

スプリント賞
エドウィン・アビラ(コロンビア、コロンビアチーム)

チーム総合成績
モビスター

text:Kei Tsuji
photo:Luis Barbosa

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