2011/11/14(月) - 13:25
市民レース最高の舞台であるツール・ド・おきなわ市民210km。2007年の独走勝利から5年。ふたたび高江からの約70kmの独走を決めて優勝を飾った高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形)が2度目の栄冠に輝いた。
ホビーレーサーの夢の舞台
「市民レースの最高峰」、あるいは「ホビーレースの甲子園」とも呼ばれるツール・ド・おきなわ市民210km。2010年度からコース変更により210kmに距離を伸ばし、難易度もアップした。
沖縄北部のやんばる地方の自然豊かな公道を利用したコース、そしてアップダウンの連続する厳しさなど、どの面をみてもこのレースに匹敵するホビーレースは他にないものだ。
このグレードアップした憧れの舞台で勝利することはホビーレーサーたちにとって最高の夢。おきなわ市民210kmは、趣味で自転車レースを楽しむ選手たちにとって大きな目標となっている。
2010年大会の市民210kmはなるしまフレンドの岩島啓太、小畑郁がワン・ツーフィニッシュを決めたが、今年はチームがUCIチャンピオンレースに出場権を得たため、二人はそちらに出場。昨年その2人と逃げた末に3位となった高橋義博はチームCBレーシングからイナーメ・アイランド信濃山形に移籍。ゼッケン1(401)をつける。
しかし高橋は今シーズンなかばに大腿骨骨折の大怪我を負い、調子を取り戻しつつあるもののまだ本調子ではないという。
スタートラインに着くのは468人の精鋭たち。過去大会の優勝者たちを筆頭に、優勝候補は複数いるのが現状だ。
スタートして本部半島に入り、リアルスタートが切られると同時に中尾峻(オーベスト)、一丸忠生(セカンドウィンド)、高橋史仁(大阪府立大学)の3人が抜け出し、差を開いて逃げに出る。
80km以上の海岸線の平坦路をこなし、普久川ダムの上りに入った先頭グループは安藤光平と鈴木和典(ともにオーベスト)、今田裕一(DOKYU)、大村寛(フジ・Cyclingtime)、永田将司(Team Via)、台湾の程永源、朱凡心ら7人がわずかに先行。メイン集団もオーベスト勢がコントロール。昨年強烈なペースで引き続けた西谷雅史を温存しながらも攻撃するオーベストのチーム作戦が試みられた。
先頭集団は上りを繰り返すごとに人数を絞りながらも、大きくは分解せず、2度目の普久川ダムの上りをクリア。ここで高岡亮寛が抜け出す。ゴールまで70kmを残すこの動きに先頭集団からは追う選手がいなかった。高岡は順調に差を開いていく。
延長された区間の最後の上りである羽地ダムの上りで、単独で逃げる高岡を清宮洋幸(竹芝サイクルレーシング)が3分の差でひとり追走する。そしてその30数秒後に7人の追走グループが続くという展開になった。
追走の7人のメンバーは、山本雅之(ブリヂストンサイクル西日本)、橋本健(イナーメ・アイランド信濃山形)、チュー・ファンシン(台湾車連)、宇津野邦之(日野自動車レーシング)、米内蒼馬(明星大学)、山本浩史(ペダル)、高橋聡一(シマノドリンキング)。
最後の厳しい上りで後続に4分近い差をつけた高岡は残り10kmに入り、逃げ切りが確実に。後続の7人はそれでも順調なローテーションを繰り返しながら高岡を追う。
7人は下りきって国道56号線に出たところで清宮を捉え、8人の集団となって走る。高岡のチームメイトの橋本健を含む全員で先頭交代を繰り返すが、それでも高岡との差はほとんど縮まることがなかった。
結果的に8人に4分37秒の大差をつけ、余裕いっぱいのガッツポーズを繰り返しながらゴールに飛び込んできた高岡。2007年に約40kmの独走で優勝して以来、5年ぶりの勝利となった。
2位争い8人のゴールスプリントは山本雅之(ブリヂストンサイクル西日本)がラスト500mで早めのロングスパートを開始し、追い込まれるもののゴールラインまで逃げきって2位を獲得。山本は中央大学自転車競技部の出身で、ブリヂストンサイクルに勤務するサラリーマン。
3位には高岡をアシストする動きに徹した橋本健(イナーメ・アイランド信濃山形)が入った。
優勝した高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形)のコメント
様子見のアタックをかけたら誰も着いてこなかった。タイムが3分、5分と開いたので、後ろのローテは順調じゃないことが判ったんです。「もうこれはいくしかない」と思ったんです。平坦と上りが繰り返すこのいやらしいコースに、何度も脚が攣っていました。
2007年に40kmの独走で勝ったとき、「これをもう一度やれ」と言われても不可能だと思ったけど、また勝つことができた。2008年と2009年に2位が続き、昨年は5位。ようやく勝てました。しかも今年はできすぎのレースでしたね。
3位にアシストしてくれたチームメイトの橋本が入ったのも嬉しいです」。
市民210km結果
1位 高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形)5時間33分04秒1
2位 山本雅之(ブリヂストンサイクル西日本)+4分37秒
3位 橋本健(イナーメ・アイランド信濃山形)
4位 チュー・ファンシン(台湾車連)
5位 宇津野邦之
6位 清宮洋幸(竹芝サイクルレーシング)
7位 米内蒼馬(明星大学)
8位 山本浩史(ペダル)
9位 高橋聡一(シマノドリンキング)+4分43秒
10位 今田裕一(DOKYUレーシングクラブ) +5分44秒
photo&text:Makoto.AYANO,Hideaki,TAKAGI
ホビーレーサーの夢の舞台
「市民レースの最高峰」、あるいは「ホビーレースの甲子園」とも呼ばれるツール・ド・おきなわ市民210km。2010年度からコース変更により210kmに距離を伸ばし、難易度もアップした。
沖縄北部のやんばる地方の自然豊かな公道を利用したコース、そしてアップダウンの連続する厳しさなど、どの面をみてもこのレースに匹敵するホビーレースは他にないものだ。
このグレードアップした憧れの舞台で勝利することはホビーレーサーたちにとって最高の夢。おきなわ市民210kmは、趣味で自転車レースを楽しむ選手たちにとって大きな目標となっている。
2010年大会の市民210kmはなるしまフレンドの岩島啓太、小畑郁がワン・ツーフィニッシュを決めたが、今年はチームがUCIチャンピオンレースに出場権を得たため、二人はそちらに出場。昨年その2人と逃げた末に3位となった高橋義博はチームCBレーシングからイナーメ・アイランド信濃山形に移籍。ゼッケン1(401)をつける。
しかし高橋は今シーズンなかばに大腿骨骨折の大怪我を負い、調子を取り戻しつつあるもののまだ本調子ではないという。
スタートラインに着くのは468人の精鋭たち。過去大会の優勝者たちを筆頭に、優勝候補は複数いるのが現状だ。
スタートして本部半島に入り、リアルスタートが切られると同時に中尾峻(オーベスト)、一丸忠生(セカンドウィンド)、高橋史仁(大阪府立大学)の3人が抜け出し、差を開いて逃げに出る。
80km以上の海岸線の平坦路をこなし、普久川ダムの上りに入った先頭グループは安藤光平と鈴木和典(ともにオーベスト)、今田裕一(DOKYU)、大村寛(フジ・Cyclingtime)、永田将司(Team Via)、台湾の程永源、朱凡心ら7人がわずかに先行。メイン集団もオーベスト勢がコントロール。昨年強烈なペースで引き続けた西谷雅史を温存しながらも攻撃するオーベストのチーム作戦が試みられた。
先頭集団は上りを繰り返すごとに人数を絞りながらも、大きくは分解せず、2度目の普久川ダムの上りをクリア。ここで高岡亮寛が抜け出す。ゴールまで70kmを残すこの動きに先頭集団からは追う選手がいなかった。高岡は順調に差を開いていく。
延長された区間の最後の上りである羽地ダムの上りで、単独で逃げる高岡を清宮洋幸(竹芝サイクルレーシング)が3分の差でひとり追走する。そしてその30数秒後に7人の追走グループが続くという展開になった。
追走の7人のメンバーは、山本雅之(ブリヂストンサイクル西日本)、橋本健(イナーメ・アイランド信濃山形)、チュー・ファンシン(台湾車連)、宇津野邦之(日野自動車レーシング)、米内蒼馬(明星大学)、山本浩史(ペダル)、高橋聡一(シマノドリンキング)。
最後の厳しい上りで後続に4分近い差をつけた高岡は残り10kmに入り、逃げ切りが確実に。後続の7人はそれでも順調なローテーションを繰り返しながら高岡を追う。
7人は下りきって国道56号線に出たところで清宮を捉え、8人の集団となって走る。高岡のチームメイトの橋本健を含む全員で先頭交代を繰り返すが、それでも高岡との差はほとんど縮まることがなかった。
結果的に8人に4分37秒の大差をつけ、余裕いっぱいのガッツポーズを繰り返しながらゴールに飛び込んできた高岡。2007年に約40kmの独走で優勝して以来、5年ぶりの勝利となった。
2位争い8人のゴールスプリントは山本雅之(ブリヂストンサイクル西日本)がラスト500mで早めのロングスパートを開始し、追い込まれるもののゴールラインまで逃げきって2位を獲得。山本は中央大学自転車競技部の出身で、ブリヂストンサイクルに勤務するサラリーマン。
3位には高岡をアシストする動きに徹した橋本健(イナーメ・アイランド信濃山形)が入った。
優勝した高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形)のコメント
様子見のアタックをかけたら誰も着いてこなかった。タイムが3分、5分と開いたので、後ろのローテは順調じゃないことが判ったんです。「もうこれはいくしかない」と思ったんです。平坦と上りが繰り返すこのいやらしいコースに、何度も脚が攣っていました。
2007年に40kmの独走で勝ったとき、「これをもう一度やれ」と言われても不可能だと思ったけど、また勝つことができた。2008年と2009年に2位が続き、昨年は5位。ようやく勝てました。しかも今年はできすぎのレースでしたね。
3位にアシストしてくれたチームメイトの橋本が入ったのも嬉しいです」。
市民210km結果
1位 高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形)5時間33分04秒1
2位 山本雅之(ブリヂストンサイクル西日本)+4分37秒
3位 橋本健(イナーメ・アイランド信濃山形)
4位 チュー・ファンシン(台湾車連)
5位 宇津野邦之
6位 清宮洋幸(竹芝サイクルレーシング)
7位 米内蒼馬(明星大学)
8位 山本浩史(ペダル)
9位 高橋聡一(シマノドリンキング)+4分43秒
10位 今田裕一(DOKYUレーシングクラブ) +5分44秒
photo&text:Makoto.AYANO,Hideaki,TAKAGI
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