2011/08/14(日) - 09:40
プロトン内で総合優勝を巡るバトルが繰り広げられる中、逃げ切った3名によるスプリントでマッテーオ・ボノ(イタリア、ランプレ・ISD)が勝利。エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)が総合リードを守った。
最終日前日の第5ステージは、ベルギーのヘンクを発着する189.2km。中盤にかけてカテゴリー山岳が9カ所設定されているものの、ゴール前は平坦基調であり、実質的にスプリンター系の選手にとってステージ優勝のラストチャンスだ。
しかしレースは序盤から総合に関する動きが交錯。ハイスピードな展開で幕開けた。
スタートの時点で、リーダージャージを着るエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)に対し、12秒差でフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)が続く展開であり、3つのスプリントポイント(3秒、2秒、1秒)とゴール地点(10秒、6秒、4秒)のボーナスタイムの結果によっては総合順位が入れ替わる。
20km地点のスプリントポイントは、ボアッソンのボーナスタイム獲得を阻止すべく、ジルベールのチームメイトのアンドレ・グライペル(ドイツ、オメガファーマ・ロット)が先頭通過を果たす。2番手通過した総合4位のテイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)は、総合タイム差を27秒から25秒に縮めた。
その後もレーススピードは落ちず、70km地点でマッテーオ・ボノ(イタリア、ランプレ・ISD)、アルテム・オヴェチキン(ロシア、カチューシャ)、セルゲイ・レネフ(カザフスタン、アスタナ)の3名が飛び出してようやくレースは落ち着きを見せる。
逃げる3名がスプリントポイントのボーナスタイムを消化したため、メイン集団では大きな動きは見られず。チームスカイのコントロールによってタイム差は4分に抑え込まれた。
ゴールまでの距離が35kmを切ると、フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー)を中心としたBMCレーシングチーム勢がアタックに近い勢いでペースアップ。しかしリーダージャージ擁するチームスカイがこれを封じ込める。続いてオメガファーマ・ロットやスキル・シマノが集団牽引に加わったが、先頭3名とのタイム差は最後まで縮まらない。僅か6秒差での逃げ切りが決まった。
最後はレネフとの一騎打ちを制したボノが勝利。総合上位陣は6秒遅れのメイン集団内でゴールしたため、順位に変動は見られなかった。別府史之(レディオシャック)もこのメイン集団内でゴールしている。
1983年11月生まれの27歳ボノにとって、これが4年ぶりのプロレース勝利。最後の勝利は、2007年のツール・ド・ロマンディで別府史之と一緒に逃げ、雨のゴールスプリントで優勝したステージだ。
プロ3勝目を飾ったボノは「逃げ切れると思っていなかったよ。前半からハイスピードだったので、逃げが形成された時点で疲れきっていた。タフなステージだったよ。今日は一日中ペースを緩めることなく踏み続けたんだ」とコメントしている。
いよいよエネコ・ツアーの総合争いは第6ステージで決する。オランダのシッタートへレーンを発着する201.2kmには合計22カ所の登りが詰め込まれており、総合逆転を狙うジルベールがアタックを連発するはずだ。
レース内容と選手コメントは公式サイトならびにストリーミングより。
エネコ・ツアー2011第5ステージ結果
1位 マッテーオ・ボノ(イタリア、ランプレ・ISD) 4h12'14"
2位 セルゲイ・レネフ(カザフスタン、アスタナ)
3位 アルテム・オヴェチキン(ロシア、カチューシャ) +03"
4位 トーマス・ヴァイクス(リトアニア、アスタナ) +06"
5位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
6位 デニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ)
7位 ファンケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ、スキル・シマノ)
8位 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
9位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、レディオシャック)
10位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)
25位 別府史之(日本、レディオシャック)
個人総合成績
1位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) 18h01'26"
2位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +12"
3位 デーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・サーヴェロ) +18"
4位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) +25"
5位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ラボバンク) +47"
6位 ヨースト・ファンレイエン(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +54"
7位 ドミニク・コルニュ(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン) +57"
8位 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップ) +58"
9位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、レディオシャック) +59"
10位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、レオパード・トレック) +1'03"
35位 別府史之(日本、レディオシャック) +2'03"
ポイント賞
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
新人賞
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
チーム総合成績
レディオシャック
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
最終日前日の第5ステージは、ベルギーのヘンクを発着する189.2km。中盤にかけてカテゴリー山岳が9カ所設定されているものの、ゴール前は平坦基調であり、実質的にスプリンター系の選手にとってステージ優勝のラストチャンスだ。
しかしレースは序盤から総合に関する動きが交錯。ハイスピードな展開で幕開けた。
スタートの時点で、リーダージャージを着るエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)に対し、12秒差でフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)が続く展開であり、3つのスプリントポイント(3秒、2秒、1秒)とゴール地点(10秒、6秒、4秒)のボーナスタイムの結果によっては総合順位が入れ替わる。
20km地点のスプリントポイントは、ボアッソンのボーナスタイム獲得を阻止すべく、ジルベールのチームメイトのアンドレ・グライペル(ドイツ、オメガファーマ・ロット)が先頭通過を果たす。2番手通過した総合4位のテイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)は、総合タイム差を27秒から25秒に縮めた。
その後もレーススピードは落ちず、70km地点でマッテーオ・ボノ(イタリア、ランプレ・ISD)、アルテム・オヴェチキン(ロシア、カチューシャ)、セルゲイ・レネフ(カザフスタン、アスタナ)の3名が飛び出してようやくレースは落ち着きを見せる。
逃げる3名がスプリントポイントのボーナスタイムを消化したため、メイン集団では大きな動きは見られず。チームスカイのコントロールによってタイム差は4分に抑え込まれた。
ゴールまでの距離が35kmを切ると、フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー)を中心としたBMCレーシングチーム勢がアタックに近い勢いでペースアップ。しかしリーダージャージ擁するチームスカイがこれを封じ込める。続いてオメガファーマ・ロットやスキル・シマノが集団牽引に加わったが、先頭3名とのタイム差は最後まで縮まらない。僅か6秒差での逃げ切りが決まった。
最後はレネフとの一騎打ちを制したボノが勝利。総合上位陣は6秒遅れのメイン集団内でゴールしたため、順位に変動は見られなかった。別府史之(レディオシャック)もこのメイン集団内でゴールしている。
1983年11月生まれの27歳ボノにとって、これが4年ぶりのプロレース勝利。最後の勝利は、2007年のツール・ド・ロマンディで別府史之と一緒に逃げ、雨のゴールスプリントで優勝したステージだ。
プロ3勝目を飾ったボノは「逃げ切れると思っていなかったよ。前半からハイスピードだったので、逃げが形成された時点で疲れきっていた。タフなステージだったよ。今日は一日中ペースを緩めることなく踏み続けたんだ」とコメントしている。
いよいよエネコ・ツアーの総合争いは第6ステージで決する。オランダのシッタートへレーンを発着する201.2kmには合計22カ所の登りが詰め込まれており、総合逆転を狙うジルベールがアタックを連発するはずだ。
レース内容と選手コメントは公式サイトならびにストリーミングより。
エネコ・ツアー2011第5ステージ結果
1位 マッテーオ・ボノ(イタリア、ランプレ・ISD) 4h12'14"
2位 セルゲイ・レネフ(カザフスタン、アスタナ)
3位 アルテム・オヴェチキン(ロシア、カチューシャ) +03"
4位 トーマス・ヴァイクス(リトアニア、アスタナ) +06"
5位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
6位 デニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ)
7位 ファンケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ、スキル・シマノ)
8位 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
9位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、レディオシャック)
10位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)
25位 別府史之(日本、レディオシャック)
個人総合成績
1位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) 18h01'26"
2位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +12"
3位 デーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・サーヴェロ) +18"
4位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) +25"
5位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ラボバンク) +47"
6位 ヨースト・ファンレイエン(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +54"
7位 ドミニク・コルニュ(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン) +57"
8位 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップ) +58"
9位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、レディオシャック) +59"
10位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、レオパード・トレック) +1'03"
35位 別府史之(日本、レディオシャック) +2'03"
ポイント賞
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
新人賞
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
チーム総合成績
レディオシャック
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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