再びアンドレ・グライペル(ドイツ、オメガファーマ・ロット)の勝利。ベルギーの西フランドル地方を舞台にしたエネコ・ツアー第2ステージで、グライペルがスプリント2連勝を飾った。別府史之(レディオシャック)は95位でフィニッシュしている。

BMCレーシングチームがメイン集団をコントロールBMCレーシングチームがメイン集団をコントロール photo:Cor Vosエネコ・ツアーはオランダからベルギーへ。第2ステージはアールテルからアルドーイェまで、概ねフラットな173.7km。フランドル名物の石畳の激坂は登場しないが、全体的に道が細く、中央分離帯やロータリーが連続するため気が抜けない。

この日はサム・ビューリー(ニュージーランド、レディオシャック)ら4名の逃げが決まる。スキル・シマノに所属する中国人選手ハン・フェンは2日連続の逃げだ。

チームスカイやBMCレーシングチームがコントロールするメイン集団チームスカイやBMCレーシングチームがコントロールするメイン集団 photo:Cor Vos先頭4名は最大5分のアドバンテージを得たが、スプリンターチームがこの数少ない大集団スプリントのチャンスを逃すはずは無い。この日もリーダージャージ擁するBMCレーシングチームにチームスカイとオメガファーマ・ロットが協力する形でタイム差を詰めた。

先頭が2名に絞られてタイム差が30秒を切ると、メイン集団からミッチェル・ドッカー(オーストラリア、スキル・シマノ)、ラルスイティング・バク(デンマーク、HTC・ハイロード)、アレクセイ・サラモティンス(ラトビア、コフィディス)がカウンターアタック。こうして逃げは再編成されたが、ラスト23kmで逃げは全て吸収される。

アルドーイェの周回コースに差し掛かるアルドーイェの周回コースに差し掛かる photo:Cor Vosメイン集団はスピードを上げてアルドーイェの周回コースへ。全日本チャンピオンジャージの別府史之も集団前方でマキュアンのためにポジション取り。スプリントに向けて完全に主導権を握るチームはこの日もおらず、各チームが入り乱れた状態でフラムルージュを迎えた。

スキル・シマノによる懸命のリードアウトが終わると、緩やかな最終コーナーでスプリントが始まる。近郊のゲントに住むタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)が好位置でスプリントを開始したが、その横からグライペルが力強い加速で上がってくる。エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)のスプリントも届かず、グライペルがバイク1台分のリードで勝利した。

スプリントで2連勝を飾ったアンドレ・グライペル(ドイツ、オメガファーマ・ロット)スプリントで2連勝を飾ったアンドレ・グライペル(ドイツ、オメガファーマ・ロット) photo:Cor Vosスプリント2連勝、今シーズン8勝目を飾ったグライペルは「今日のゴールは道幅が有り、誰にもチャンスがあった。今日は集団後方に位置取って、ラスト5kmあたりで前方に上がったんだ。向かい風だったので力をセーブしながら走った。最後はシーベルグとルーランズが最高の位置まで引き上げてくれたよ」とコメント。ボーナスタイムにより総合5位までジャンプアップしている。

ステージ6位に入ったテイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)がリーダージャージをキープ。しかしボアッソンがステージ3位でボーナスタイム4秒を獲得したため、両者の総合タイム差は3秒にまで縮まっている。

レースは翌日から丘陵地帯に突入する。第3ステージにはフレーシュ・ワロンヌ名物のミュール・ド・ユイ(ユイの壁)や、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュでお馴染みのサンロッシュが登場。「アルデンヌ・クラシック」さながらのコースでクラシックハンターたちが動きだす。

レース内容は公式サイトならびにストリーミング、選手コメントはベルギーのSporzaより。

エネコ・ツアー2011第2ステージ結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、オメガファーマ・ロット)      4h07'21" 
2位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)
3位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
4位 ジャンピエール・ドルッカー(ルクセンブルク、ベランダスヴィレムス)
5位 バーデン・クック(オーストラリア、サクソバンク・サンガード)
6位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)
7位 トム・フィーラース(オランダ、スキル・シマノ)
8位 グレガ・ボーレ(スロベニア、ランプレ・ISD)
9位 ミカエル・ファンスタイエン(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
10位 マーク・レンショー(オーストラリア、HTC・ハイロード)
95位 別府史之(日本、レディオシャック)

個人総合成績
1位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)     8h35'38"
2位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)       +03"
3位 デーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・サーヴェロ)      +08"
4位 アレックス・ラスムッセン(デンマーク、HTC・ハイロード)     +09"
5位 アンドレ・グライペル(ドイツ、オメガファーマ・ロット)      +10"
6位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)
7位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ラボバンク)           +11"
8位 ジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック)   +12"
9位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)    +15"
10位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)       +17"
64位 別府史之(日本、レディオシャック)                +36"

ポイント賞
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)

新人賞
テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)

チーム総合成績
ラボバンク

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos

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