2011/07/22(金) - 12:24
超級山岳を3つ抱え、今大会の最難関と評される第17ステージ。ゴールを制したのはイゾアール峠でアタックしたアンディ・シュレク。ヴォクレールは15秒差で総合1位を死守。失速したコンタドールが総合争いから脱落した。
ステージ優勝・敢闘賞・総合2位のアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)
今日は僕のなかで最高の勝利だ。僕らはこれまで決定的瞬間を待ちながらレースに挑んでいた。そして今日は自分で動くことにした。だから早いうちからアタックした。なんとかして、かなり有利な状況に持ちこめた。この場所で勝つことは僕の夢だった。
このコースが発表されたとき、下調べにきた。そのとき、このステージで勝ちたいと思った。もうマイヨジョーヌの準備はできている。今日のステージでの勝利は、マイヨジョーヌを獲得できることの証明になるはずだ。
ステージ2位・総合3位のフランク・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)
これは僕たちが届けたいメッセージだ。これが僕たちなんだ。これが僕たちのレースだ。僕は自分自身も弟もチームも誇りに思う。全員がすべてを注ぎ込んで、今日の勝利に貢献したんだ。
マイヨヴェールを死守したトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)
この勝利のために全力を尽くして戦った。フィニッシュラインを越えてから、アンディ・シュレクがマイヨジョーヌを獲ったかも知れなかったことに気づいた。でも、わずか15秒差でマイヨジョーヌを維持した。アンディがアタックするのは明らかだった。アンディは逃げ集団に彼のチームメイトを2名送り込んでいたので、メイン集団で動きがあったときは、彼らをサポートに使えたんだ。そこで僕はエヴァンスの力をうまく利用した。エヴァンスは熱心に逃げを追いかけようとしていたからね。これもレースだよ。コンタドールが遅れたことは気づいていなかった。むしろ、彼は最後の2〜3kmで力強いアタックをするだろうと警戒していた。
終盤では(無線の)イヤフォンがなかった。それでフランク・シュレクに彼の弟が稼いだ時間差を尋ねたんだけど、彼の答えは「わからない」だった。だから時間差を3分以下とみなして、チームメイトのピエール・ロランに自分らで行くべきだと伝えたんだ。これが功を奏した。まるで奇跡だよ。ツール・ド・フランスの残りのステージは、僕がどうこうできるステージじゃない。僕と世界最高のクライマーたちを比べると、15秒なんてわずかな差でしかないからね。
総合4位のカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
ヴォクレールと彼のチームは牽くのを止めたんだ。彼はマイヨジョーヌを着ているのだから、これはちょっと奇妙なことだ。彼らは今週かなりの距離を牽いているのはわかる。でも、結局、彼のチームメイトもいたんだよ。彼らは僕に仕事するように目で合図した。でも、僕も独りだったんだ。総合成績が下がったことは、まったく嬉しくない。
僕たちの集団は遅れていた。残り15kmになっても、誰も動こうとはしなかった。マイヨジョーヌを着たフランス人選手にしては、かなり奇妙なことだ。パリも近いんだし……それに(彼のチームメイトは)新人賞ジャージの可能性すらあったのに。僕はヴォクレールの協力がなければ、(順位を)失なってしまう状況に陥っていた。風が強いこともあって、集団から抜け出すのもかなり難しかったし、それほど有利な時間差が得られるわけじゃなかった。でも、自分で牽いたんだ……9kmをね……バッソが2〜3秒ほど交代してくれたけど。ヨーロップカーの選手たちが少しでも先頭交代してくれたら、今日は新人賞ジャージを取れたと思うよ。自分がパリに到着する方法を考えるのではなく、僕らはパリに着く時間に目を向けたい。
明日は今日と同じことがたくさん起きる。より短く、そして鋭くなって。
総合5位のダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD)
今日は今年のツールの最難関ステージだった。実際、レースはかなり厳しかったけど、同時にとてもおもしろかった。僕も他の選手たちも熱心に努力したんだ。それでステージが終わったら、とても喜ばしい褒美を受け取った。総合成績が5位になったんだ。この成績は今後のステージに向けての士気も高めてくれる。明日のラルプ・デュエズは大きな話題になるはずだ。だからすぐにでも体力を回復したい。明日のステージは、短いけど、とても厳しい。とても危険な組み合わせなんだ。
総合6位のイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
僕にとってはいいステージだった。強力な追走集団に入ってゴールできたんだ。
特別なことはなかった。でも、いいステージだった。(アンディ)シュレクのアタックはとても強力だった。あのタイミングでのアタックは評価したい。(アタックされたときは)追うこともあれば追わないこともある。そういうときは、戦術を選んだうえで、一番強い選手が勝つのだろうと思う。今は少し休みたい。明日は今日とは違う日だ——本当に厳しい登りが2つある。今日苦しんだ選手たちもいたようだけど、まだなにが起きるかわからない。現実に目を向けると、僕はマイヨジョーヌについてなにも語る立場にない。ただ、マイヨジョーヌは重要な象徴なんだ。これまでについては、僕はずっと最善を尽くしてきたと思っているよ。
大きく遅れたアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)
いい一日ではなかった。ラスト10kmではまったく力が出なかった。信じられないくらい気力が萎えていたんだ。原因はわからない。
危機的な状況だったかはわからない。でも、最後の数kmは本当に厳しかった。自転車で走るなんて簡単なことなのに、できなかった。だから、自分のペースで行くことにしただけなんだ。(総合優勝は)事実上、不可能だろう。
(アンディ・シュレクのアタックについて)僕らはタイム差を縮めようとしたんだ。でも、彼は抜け目なく動いていた。先行していた選手たちがよく働いたし、おそらく彼らといくつかの合意があったんだろうね。すばらしい戦術だったよ。彼を祝福したい。カデル・エヴァンスはすごく働いて、自分の責任を果たしていた。今大切なのは、回復してタンクにエネルギーを満たすことだ。明日のことを考えて、ゆっくり休まなければならない。
いろいろな状況を経験してきたけれど、これで終わりじゃない。実際、今日がもっとも悲しい日でもない。残り7〜8km地点では、すでに厳しい状態だった。集団に残っていたけど、そこからは自分のペースで行くことにしただけなんだ。ステージがスタートしたときに状態はよくなかったので、消炎剤を受け取りにメディカルカーに行ったんだ。でも、こういう結果になるとは思わなかったよ。
(アンディのアタックした結果について)つねに彼には注目している。でも、彼は自力でこの有利な状況に持ちこんだ。彼なら、この状況を維持できると思う。
ソースは現地取材、記者会見、主催者公式サイト、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation&text:Taiko.YAMASAKI + Seiya.YAMASAKI
ステージ優勝・敢闘賞・総合2位のアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)
今日は僕のなかで最高の勝利だ。僕らはこれまで決定的瞬間を待ちながらレースに挑んでいた。そして今日は自分で動くことにした。だから早いうちからアタックした。なんとかして、かなり有利な状況に持ちこめた。この場所で勝つことは僕の夢だった。
このコースが発表されたとき、下調べにきた。そのとき、このステージで勝ちたいと思った。もうマイヨジョーヌの準備はできている。今日のステージでの勝利は、マイヨジョーヌを獲得できることの証明になるはずだ。
ステージ2位・総合3位のフランク・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)
これは僕たちが届けたいメッセージだ。これが僕たちなんだ。これが僕たちのレースだ。僕は自分自身も弟もチームも誇りに思う。全員がすべてを注ぎ込んで、今日の勝利に貢献したんだ。
マイヨヴェールを死守したトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)
この勝利のために全力を尽くして戦った。フィニッシュラインを越えてから、アンディ・シュレクがマイヨジョーヌを獲ったかも知れなかったことに気づいた。でも、わずか15秒差でマイヨジョーヌを維持した。アンディがアタックするのは明らかだった。アンディは逃げ集団に彼のチームメイトを2名送り込んでいたので、メイン集団で動きがあったときは、彼らをサポートに使えたんだ。そこで僕はエヴァンスの力をうまく利用した。エヴァンスは熱心に逃げを追いかけようとしていたからね。これもレースだよ。コンタドールが遅れたことは気づいていなかった。むしろ、彼は最後の2〜3kmで力強いアタックをするだろうと警戒していた。
終盤では(無線の)イヤフォンがなかった。それでフランク・シュレクに彼の弟が稼いだ時間差を尋ねたんだけど、彼の答えは「わからない」だった。だから時間差を3分以下とみなして、チームメイトのピエール・ロランに自分らで行くべきだと伝えたんだ。これが功を奏した。まるで奇跡だよ。ツール・ド・フランスの残りのステージは、僕がどうこうできるステージじゃない。僕と世界最高のクライマーたちを比べると、15秒なんてわずかな差でしかないからね。
総合4位のカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
ヴォクレールと彼のチームは牽くのを止めたんだ。彼はマイヨジョーヌを着ているのだから、これはちょっと奇妙なことだ。彼らは今週かなりの距離を牽いているのはわかる。でも、結局、彼のチームメイトもいたんだよ。彼らは僕に仕事するように目で合図した。でも、僕も独りだったんだ。総合成績が下がったことは、まったく嬉しくない。
僕たちの集団は遅れていた。残り15kmになっても、誰も動こうとはしなかった。マイヨジョーヌを着たフランス人選手にしては、かなり奇妙なことだ。パリも近いんだし……それに(彼のチームメイトは)新人賞ジャージの可能性すらあったのに。僕はヴォクレールの協力がなければ、(順位を)失なってしまう状況に陥っていた。風が強いこともあって、集団から抜け出すのもかなり難しかったし、それほど有利な時間差が得られるわけじゃなかった。でも、自分で牽いたんだ……9kmをね……バッソが2〜3秒ほど交代してくれたけど。ヨーロップカーの選手たちが少しでも先頭交代してくれたら、今日は新人賞ジャージを取れたと思うよ。自分がパリに到着する方法を考えるのではなく、僕らはパリに着く時間に目を向けたい。
明日は今日と同じことがたくさん起きる。より短く、そして鋭くなって。
総合5位のダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD)
今日は今年のツールの最難関ステージだった。実際、レースはかなり厳しかったけど、同時にとてもおもしろかった。僕も他の選手たちも熱心に努力したんだ。それでステージが終わったら、とても喜ばしい褒美を受け取った。総合成績が5位になったんだ。この成績は今後のステージに向けての士気も高めてくれる。明日のラルプ・デュエズは大きな話題になるはずだ。だからすぐにでも体力を回復したい。明日のステージは、短いけど、とても厳しい。とても危険な組み合わせなんだ。
総合6位のイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
僕にとってはいいステージだった。強力な追走集団に入ってゴールできたんだ。
特別なことはなかった。でも、いいステージだった。(アンディ)シュレクのアタックはとても強力だった。あのタイミングでのアタックは評価したい。(アタックされたときは)追うこともあれば追わないこともある。そういうときは、戦術を選んだうえで、一番強い選手が勝つのだろうと思う。今は少し休みたい。明日は今日とは違う日だ——本当に厳しい登りが2つある。今日苦しんだ選手たちもいたようだけど、まだなにが起きるかわからない。現実に目を向けると、僕はマイヨジョーヌについてなにも語る立場にない。ただ、マイヨジョーヌは重要な象徴なんだ。これまでについては、僕はずっと最善を尽くしてきたと思っているよ。
大きく遅れたアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)
いい一日ではなかった。ラスト10kmではまったく力が出なかった。信じられないくらい気力が萎えていたんだ。原因はわからない。
危機的な状況だったかはわからない。でも、最後の数kmは本当に厳しかった。自転車で走るなんて簡単なことなのに、できなかった。だから、自分のペースで行くことにしただけなんだ。(総合優勝は)事実上、不可能だろう。
(アンディ・シュレクのアタックについて)僕らはタイム差を縮めようとしたんだ。でも、彼は抜け目なく動いていた。先行していた選手たちがよく働いたし、おそらく彼らといくつかの合意があったんだろうね。すばらしい戦術だったよ。彼を祝福したい。カデル・エヴァンスはすごく働いて、自分の責任を果たしていた。今大切なのは、回復してタンクにエネルギーを満たすことだ。明日のことを考えて、ゆっくり休まなければならない。
いろいろな状況を経験してきたけれど、これで終わりじゃない。実際、今日がもっとも悲しい日でもない。残り7〜8km地点では、すでに厳しい状態だった。集団に残っていたけど、そこからは自分のペースで行くことにしただけなんだ。ステージがスタートしたときに状態はよくなかったので、消炎剤を受け取りにメディカルカーに行ったんだ。でも、こういう結果になるとは思わなかったよ。
(アンディのアタックした結果について)つねに彼には注目している。でも、彼は自力でこの有利な状況に持ちこんだ。彼なら、この状況を維持できると思う。
ソースは現地取材、記者会見、主催者公式サイト、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation&text:Taiko.YAMASAKI + Seiya.YAMASAKI
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