2011/05/22(日) - 13:31
ジロ・デ・イタリア2011第14ステージ、悪坂ゾンコランを制したのはイゴール・アントン。総合1位のコンタドールはニーバリをさらに引き離してステージ2位でゴールし、飽くなき勝利への意欲を見せた。
ゾンコランを制したイゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
――今日の勝利について
コンタドールに勝つには、彼に注意しつつ登りに専念するしかない。とても大変だったけれど、チームも自分自身もよくやった。エトナ山のステージでは抱かなかった気分……今日は大きく勝負する気になったんだ。それで勝てたんだ!
――つらかった瞬間は?
登りのあいだ、ずっと後ろが気になった。一番つらかった場所はゴールまで5kmの地点だった。でも、今まで以上に集中して登ることができた。
――勝利を捧げる相手は?
ぼくのキャリアで最も重要な勝利なのはまちがいない。ジロは伝説だし、マルコ・パンターニはぼくにとって神話なんだ。
――ブエルタでのケガを治療してくれたドクターについて
今も鎖骨と大腿骨に金属プレートが入ってる。そうだね、ドクターたちにも感謝しないと。彼らは、ぼくが復帰できるようにいつも最善を尽くしてきたんだ。
――昨年落車リタイアしたブエルタについて
落車がなければ、ブエルタで総合優勝できたと思う。絶対にそうなったかとは言えないけど、あのときはコンディションもよかったし、調子も上向きだったんだ。
――ファンについて
ファンのおかげで自信がもてた。狭かったけど、栄光への道をつけてくれた。
――コンタドールについて
コンタドールをずっと背後に置いておけたことにかなり満足している。けど、彼は最初から最強の選手だし、それはすでに証明済みだ。いずれにせよ、ほかのステージでも勝つようにがんばりたい。
――ジロについて
伝統あるジロ・デ・イタリアの主役になれて、とても誇らしい。コンタドールはとても戦略的だ。だから、ぼくがジロで総合優勝するなんて、まじめには考えないよ。総合成績をキープにベストを尽くしてみるよ。(記者会見)
(最後の登りは)自分のリズムで登った。後ろでなにが起こっているかは、見ていなかった。唯一のライバルは、ぼく自身だったから。あまり調子がよくないと感じたときもあったけど、最後まで走り続けることができた。
このステージで勝利できて、ほんとうに嬉しい。この山の勝者シモーニ(2003年)とバッソ(2010年)の仲間入りができた。大きな名誉だよ。
マリアローザを維持したアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)
――今日のレースについて
驚きに満ちた一日で、とてもやりがいがあった。このステージはすごかった。ぼくの戦略は総合成績を考えるだけだった。だから、最初にスカルポーニに付いて登って、次にニーバリに付いて登ったんだ。
――ニーバリについて
ヴィンチェンツォは本当に強かった。偉大な選手で、すばらしい実績もある。彼を尊敬してるからこそ、わずかでも貴重なタイム差をつけたかった。この差が最終的にミラノで効いてくるんだ。
――ファンについて
イタリアの観客には本当に満足している。ここはニーバリの地元だし、ファンはみんなここで彼を応援するのが当たり前だ。でも、観客のみんなは、ぼくに対しても特別扱いしてくれるんだ。
――今日のレースにモンテ・クロスティスがあったら?
まったく別のレースになったはずだ。クロスティスがあれば、力のある選手たちがアタックしようとして、逃げ狙いのアタック合戦がたくさん見られただろうね。
――明日について
今はホテルに帰ることだけだ。明日のステージについて考えるのは明日にするよ。
4位でゴールしたミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)
最後の登りでは、できるだけいつものペースでペダルを回した。コツコツと回すことで、登りではよい調子でいけた。そして、余力を残すことにした。コンタドールとニーバリは、ぼくより少しだけよかった。でも、差を最小限に抑えるのには成功したよ。
アタックを試みたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
ゴールまで距離があるうちからアタックした。他の選手たちが逃してくれるかを確認する意味もあった。総合で上位につけているわけじゃないからね。でも、残念ながら、彼らはすぐ後ろに迫ってきた。この瞬間、毎回のレースで上位を期待するのは無駄だと思った。もっといい選手たちがいるからね。
とりあえず、今の目標はステージ1勝。だから、同じ理由でまた長距離のアタックをしかけるつもりだ。唯一よかった点は、今日はこの数日のうちでも調子がよかったことだ。ジロの最終週も自信をもって挑めそうだ。
総合10位に後退したダビ・アローヨ(スペイン、モビスターチーム)
ゾンコランに登るのは、これで3度目だ。正直なところ、いつも息ができなくて死にそうになる。ぼくとゾンコランのあいだには幸せな結婚生活は訪れそうにないよ。ゾンコランの登りでの急勾配は、瞬発力のある選手に向いているのかもしれない。ぼくは脚に酸素を送り込めないので、ゆっくりと登りはじめて、自分のペースで登るだけなんだ。
ホアキン・ロドリゲスのアタックで、ぼくにとってはひどい事態になって、今日はぼくの最高の日じゃないことを悟った。この登りに惚れ込む人はいないだろう。それでもチームはすばらしい貢献をしてくれているし、この登りを終えても気力はまだ失っていない。物事は翌日には好転させることもできる。
ぼくたちは今日という日に出会った。明日は大きな別の試練がある。ぼくたちは前を向いて戦い続ける必要がある。まだ道のりは長いのだから。
総合9位に後退したロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ)
今日のジロは厳しかった! ステージは短くなったけど、結果は変わらなかったね! イゴール・アントンは強かった! まあ、明日がある。ぼくにとって、いい日でありますように!
57位でゴールした別府史之(日本、レディオシャック)
ゾンコランの山頂ゴールステージ。36x28のギヤで挑んだ。まるで富士山の須走口のような感じで沢山の観客が応援してくれてとっても楽しかった。明日は距離も230kmで1日の獲得標高が6000m以上という本当に厳しいステージになる。応援よろしく!
translation & text : Taiko.YAMASAKI + Seiya.YAMASAKI
photo:Kei Tsuji,Riccardo Scanferla,CorVos
ゾンコランを制したイゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
――今日の勝利について
コンタドールに勝つには、彼に注意しつつ登りに専念するしかない。とても大変だったけれど、チームも自分自身もよくやった。エトナ山のステージでは抱かなかった気分……今日は大きく勝負する気になったんだ。それで勝てたんだ!
――つらかった瞬間は?
登りのあいだ、ずっと後ろが気になった。一番つらかった場所はゴールまで5kmの地点だった。でも、今まで以上に集中して登ることができた。
――勝利を捧げる相手は?
ぼくのキャリアで最も重要な勝利なのはまちがいない。ジロは伝説だし、マルコ・パンターニはぼくにとって神話なんだ。
――ブエルタでのケガを治療してくれたドクターについて
今も鎖骨と大腿骨に金属プレートが入ってる。そうだね、ドクターたちにも感謝しないと。彼らは、ぼくが復帰できるようにいつも最善を尽くしてきたんだ。
――昨年落車リタイアしたブエルタについて
落車がなければ、ブエルタで総合優勝できたと思う。絶対にそうなったかとは言えないけど、あのときはコンディションもよかったし、調子も上向きだったんだ。
――ファンについて
ファンのおかげで自信がもてた。狭かったけど、栄光への道をつけてくれた。
――コンタドールについて
コンタドールをずっと背後に置いておけたことにかなり満足している。けど、彼は最初から最強の選手だし、それはすでに証明済みだ。いずれにせよ、ほかのステージでも勝つようにがんばりたい。
――ジロについて
伝統あるジロ・デ・イタリアの主役になれて、とても誇らしい。コンタドールはとても戦略的だ。だから、ぼくがジロで総合優勝するなんて、まじめには考えないよ。総合成績をキープにベストを尽くしてみるよ。(記者会見)
(最後の登りは)自分のリズムで登った。後ろでなにが起こっているかは、見ていなかった。唯一のライバルは、ぼく自身だったから。あまり調子がよくないと感じたときもあったけど、最後まで走り続けることができた。
このステージで勝利できて、ほんとうに嬉しい。この山の勝者シモーニ(2003年)とバッソ(2010年)の仲間入りができた。大きな名誉だよ。
マリアローザを維持したアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)
――今日のレースについて
驚きに満ちた一日で、とてもやりがいがあった。このステージはすごかった。ぼくの戦略は総合成績を考えるだけだった。だから、最初にスカルポーニに付いて登って、次にニーバリに付いて登ったんだ。
――ニーバリについて
ヴィンチェンツォは本当に強かった。偉大な選手で、すばらしい実績もある。彼を尊敬してるからこそ、わずかでも貴重なタイム差をつけたかった。この差が最終的にミラノで効いてくるんだ。
――ファンについて
イタリアの観客には本当に満足している。ここはニーバリの地元だし、ファンはみんなここで彼を応援するのが当たり前だ。でも、観客のみんなは、ぼくに対しても特別扱いしてくれるんだ。
――今日のレースにモンテ・クロスティスがあったら?
まったく別のレースになったはずだ。クロスティスがあれば、力のある選手たちがアタックしようとして、逃げ狙いのアタック合戦がたくさん見られただろうね。
――明日について
今はホテルに帰ることだけだ。明日のステージについて考えるのは明日にするよ。
4位でゴールしたミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)
最後の登りでは、できるだけいつものペースでペダルを回した。コツコツと回すことで、登りではよい調子でいけた。そして、余力を残すことにした。コンタドールとニーバリは、ぼくより少しだけよかった。でも、差を最小限に抑えるのには成功したよ。
アタックを試みたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
ゴールまで距離があるうちからアタックした。他の選手たちが逃してくれるかを確認する意味もあった。総合で上位につけているわけじゃないからね。でも、残念ながら、彼らはすぐ後ろに迫ってきた。この瞬間、毎回のレースで上位を期待するのは無駄だと思った。もっといい選手たちがいるからね。
とりあえず、今の目標はステージ1勝。だから、同じ理由でまた長距離のアタックをしかけるつもりだ。唯一よかった点は、今日はこの数日のうちでも調子がよかったことだ。ジロの最終週も自信をもって挑めそうだ。
総合10位に後退したダビ・アローヨ(スペイン、モビスターチーム)
ゾンコランに登るのは、これで3度目だ。正直なところ、いつも息ができなくて死にそうになる。ぼくとゾンコランのあいだには幸せな結婚生活は訪れそうにないよ。ゾンコランの登りでの急勾配は、瞬発力のある選手に向いているのかもしれない。ぼくは脚に酸素を送り込めないので、ゆっくりと登りはじめて、自分のペースで登るだけなんだ。
ホアキン・ロドリゲスのアタックで、ぼくにとってはひどい事態になって、今日はぼくの最高の日じゃないことを悟った。この登りに惚れ込む人はいないだろう。それでもチームはすばらしい貢献をしてくれているし、この登りを終えても気力はまだ失っていない。物事は翌日には好転させることもできる。
ぼくたちは今日という日に出会った。明日は大きな別の試練がある。ぼくたちは前を向いて戦い続ける必要がある。まだ道のりは長いのだから。
総合9位に後退したロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ)
今日のジロは厳しかった! ステージは短くなったけど、結果は変わらなかったね! イゴール・アントンは強かった! まあ、明日がある。ぼくにとって、いい日でありますように!
57位でゴールした別府史之(日本、レディオシャック)
ゾンコランの山頂ゴールステージ。36x28のギヤで挑んだ。まるで富士山の須走口のような感じで沢山の観客が応援してくれてとっても楽しかった。明日は距離も230kmで1日の獲得標高が6000m以上という本当に厳しいステージになる。応援よろしく!
translation & text : Taiko.YAMASAKI + Seiya.YAMASAKI
photo:Kei Tsuji,Riccardo Scanferla,CorVos
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