アップダウンに富んだシーサイド~パソ・ロブレズの217.4kmで争われたツアー・カリ第5ステージは、総合の逆転を目論む選手たちの逃げができるもレディオシャック勢がこれを制圧。勝負はゴールスプリントに持ち込まれ、ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)がツアー・カリ通算3勝目、シーズン5勝目となる勝利を挙げた。
ゴールデンジャージを着るクリストファー・ホーナー(アメリカ、チームレディオシャック) (c)CorVosシーサイド~パソ・ロブレズの217.4kmの距離で争われる第5ステージはKOMポイントが4か所設定された起伏に富んだコースだ。
中間スプリントポイントも2か所あり、逃げを狙う選手にチャンスのあるステージ。当初計画されたコースが春先のがけ崩れのため変更になったが、難易度は変わらない新コースが設定された。しかし中盤の平坦区間が長く、最初のキャーメルヴァレーで遅れる選手にとっても復帰のチャンスがあり、勝負は中盤以降にかけての動きが鍵を握った。
フィニッシュまでの後半10数kmは細かなアップダウンが続き、ゴール地点のパソ・ロブレズへは下り基調。シャッフルを経た中~小規模のスプリント集団が形成されることも予想された。
シーサイドをスタートしていく集団 (c)CorVosこの日もスタートから総合順位をひっくり返そうとする有力プロツアーチーム、そして目立つことを考える非プロチームらがスタートからアグレッシブにアタックを掛ける。ハイスピードな展開の末、逃げ出したのは11人。
ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・トランジションズ)
クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
マーティン・ベリトス(スロバキア、HTCハイロード)
ジェフ・ラウダー(アメリカ、BMCレーシング)
ステファン・デニフル(オーストリア、レオパード・トレック)
マーティン・チャリンギ(オランダ、ラボバンク)
オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)
ジョナサン・パトリック・マカーティー(アメリカ、チームスパイダーテック)
オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)、ジェフ・ルーダー(アメリカ、BMCレーシング)、ステファン・デニフル(オーストリア、レオパード・トレック)ら、10名が逃げに乗った (c)CorVosクリス・ボールドウィン(アメリカ、ビッセル)
ジェス・アンソニー(アメリカ、ケリー・ベネフィット)
ローリー・サザーランド(アメリカ、ユナイテッド・ヘルスケア)
逃げの11人の中でもっとも総合成績がいいのはジャパンカップ2010覇者のダン・マーティンの(ホーナーから)2分05秒遅れ。パトリック・マカーティーは山岳賞ジャージを維持する狙いだ。
この11人の逃げは最大3分のタイム差を持って許される。大きなタイム差にならないように後方メイン集団のスピードをコントロールするのは今日もリーダージャージのクリス・ホーナー擁するレディオシャックだ。
11人の逃げに入ったオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク) (c)CorVos序盤から逃げ続けたこの11人、ラスト35kmの段階でタイム差は1分40秒にまで詰め寄られ、レディオシャック勢の射程距離内に抑えられる。ゴールのコースプロフィール的にスプリンターにチャンスのあるこのステージで、協力的になったのはペーター・サガン擁するリクイガスだ。この2チームが主になって、タイム差をさらに詰めていく。
ゴールまで27km。逃げを続けるのはフレイレとデニフルの2人になった。タイム差は2分30秒ほど。諦めたダン・マーティンらは残り11km地点で集団に戻った。
そして、逃げるふたりのうちデニフルがラスト16kmでパンクが原因の落車。フレイレは一人旅を強いられることになった。
プロトン内ではチームごとに固まっている (c)CorVos残り10km、スプリンターのフレイレが集団に1分25秒差で単独走るという珍しい光景が続く。しかしペースの上がる後方集団の前に、残り7kmで1分、残り5kmで25秒と、もはや捕まるまでのカウントダウンの状態に。
粘ったフレイレは結局ラスト2.4kmで捕まり、ここからはスプリント狙いのチームの主導権争いとなる。サガン擁するリクイガス、スウィフトとヘンダーソン擁するスカイ、ゴス擁するHTCの争い。
この争いでゴスは脚を痙攣させてずるずると後退。
ジョージ・ヒンカピー(アメリカ、BMCレーシング)、ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)らのアタックは封じられ、30人弱のスプリント勝負へ。
スプリントするペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)、ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)、リー・ハワード(オーストラリア、HTC・ハイロード)ら (c)CorVos
勝利を噛み締めるペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) (c)CorVosまず先行したのは昨年のツアー・オブ・ジャパンでも大活躍したリー・ハワード(オーストラリア、HTC・ハイロード)だった。
しかしこれを追い込んだのはピーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)。昨年の大会でステージ2勝を挙げているサガンが、今大会初めての勝利を挙げた。
サガンは今シーズン5勝目。2月末のジロ・ディ・サルデーニャではステージ3勝と総合優勝を挙げている。ツアー・カリでは昨年2勝をあげながら、今大会ではなかなか勝てなかった。しかし中級山岳もスプリントもこなせるというそのポテンシャルの高さを改めて披露する形になった。引き続ポイント賞のグリーンジャージを着ることになる。
ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)のコメント
「チームメイトに感謝したい。彼らのサポートなしにはこの勝利はなかった。また、スポンサーのキャノンデール社のサポートにも感謝している。このアメリカでのレースで、この勝利は彼らにとっても重要なものだ。
6月のツール・ド・スイスに照準を合わせていること、そして通年にわたって調子を維持しなくてはいけないため、今の体調は必ずしもベストではない」。
敢闘賞が贈られたオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク) (c)CorVos
待望のステージ優勝を果たしたペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) (c)CorVos
ツアー・オブ・カリフォルニア2011第5ステージ結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)5h16'03"
2位 リー・ハワード(オーストラリア、HTC・ハイロード)
3位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
4位 ポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク)
5位 アレクサンダー・キャンデラリオ(アメリカ、ケリー・ベネフィット)
6位 ヨナス・ヨルゲンセン(デンマーク、サクソバンク)
7位 コーエン・ フェルメルトフォールト(オランダ)
8位 タイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)
9位 フランクケビン・ピップ(アメリカ、ビッセル)
10位 アレクサンダー・ゴットフリード)
個人総合成績
1位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、チームレディオシャック) 16h45'35"
2位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、チームレディオシャック) +1'15"
3位 トーマス・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ) +1'22"
4位 クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ) +1'29"
5位 ローリー・サザーランド(オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア) +1'30"
6位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)
7位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・サーヴェロ) +1'36"
8位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、レオパード・トレック) +1'50"
9位 ローレンス・テンダム(オランダ、ラボバンク) +2'00"
10位 タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア)
スプリント賞
ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)
山岳賞
ジョナサン・パトリック・マカーティー(アメリカ、チームスパイダーテック)
新人賞(1988年1月1日以降生まれが対象)
タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア)
敢闘賞
オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)
text:Makoto.AYANO,Alisa.Okazaki
photo:CorVos

中間スプリントポイントも2か所あり、逃げを狙う選手にチャンスのあるステージ。当初計画されたコースが春先のがけ崩れのため変更になったが、難易度は変わらない新コースが設定された。しかし中盤の平坦区間が長く、最初のキャーメルヴァレーで遅れる選手にとっても復帰のチャンスがあり、勝負は中盤以降にかけての動きが鍵を握った。
フィニッシュまでの後半10数kmは細かなアップダウンが続き、ゴール地点のパソ・ロブレズへは下り基調。シャッフルを経た中~小規模のスプリント集団が形成されることも予想された。

ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・トランジションズ)
クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
マーティン・ベリトス(スロバキア、HTCハイロード)
ジェフ・ラウダー(アメリカ、BMCレーシング)
ステファン・デニフル(オーストリア、レオパード・トレック)
マーティン・チャリンギ(オランダ、ラボバンク)
オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)
ジョナサン・パトリック・マカーティー(アメリカ、チームスパイダーテック)

ジェス・アンソニー(アメリカ、ケリー・ベネフィット)
ローリー・サザーランド(アメリカ、ユナイテッド・ヘルスケア)
逃げの11人の中でもっとも総合成績がいいのはジャパンカップ2010覇者のダン・マーティンの(ホーナーから)2分05秒遅れ。パトリック・マカーティーは山岳賞ジャージを維持する狙いだ。
この11人の逃げは最大3分のタイム差を持って許される。大きなタイム差にならないように後方メイン集団のスピードをコントロールするのは今日もリーダージャージのクリス・ホーナー擁するレディオシャックだ。

ゴールまで27km。逃げを続けるのはフレイレとデニフルの2人になった。タイム差は2分30秒ほど。諦めたダン・マーティンらは残り11km地点で集団に戻った。
そして、逃げるふたりのうちデニフルがラスト16kmでパンクが原因の落車。フレイレは一人旅を強いられることになった。

粘ったフレイレは結局ラスト2.4kmで捕まり、ここからはスプリント狙いのチームの主導権争いとなる。サガン擁するリクイガス、スウィフトとヘンダーソン擁するスカイ、ゴス擁するHTCの争い。
この争いでゴスは脚を痙攣させてずるずると後退。
ジョージ・ヒンカピー(アメリカ、BMCレーシング)、ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)らのアタックは封じられ、30人弱のスプリント勝負へ。


しかしこれを追い込んだのはピーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)。昨年の大会でステージ2勝を挙げているサガンが、今大会初めての勝利を挙げた。
サガンは今シーズン5勝目。2月末のジロ・ディ・サルデーニャではステージ3勝と総合優勝を挙げている。ツアー・カリでは昨年2勝をあげながら、今大会ではなかなか勝てなかった。しかし中級山岳もスプリントもこなせるというそのポテンシャルの高さを改めて披露する形になった。引き続ポイント賞のグリーンジャージを着ることになる。
ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)のコメント
「チームメイトに感謝したい。彼らのサポートなしにはこの勝利はなかった。また、スポンサーのキャノンデール社のサポートにも感謝している。このアメリカでのレースで、この勝利は彼らにとっても重要なものだ。
6月のツール・ド・スイスに照準を合わせていること、そして通年にわたって調子を維持しなくてはいけないため、今の体調は必ずしもベストではない」。


ツアー・オブ・カリフォルニア2011第5ステージ結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)5h16'03"
2位 リー・ハワード(オーストラリア、HTC・ハイロード)
3位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
4位 ポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク)
5位 アレクサンダー・キャンデラリオ(アメリカ、ケリー・ベネフィット)
6位 ヨナス・ヨルゲンセン(デンマーク、サクソバンク)
7位 コーエン・ フェルメルトフォールト(オランダ)
8位 タイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)
9位 フランクケビン・ピップ(アメリカ、ビッセル)
10位 アレクサンダー・ゴットフリード)
個人総合成績
1位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、チームレディオシャック) 16h45'35"
2位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、チームレディオシャック) +1'15"
3位 トーマス・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ) +1'22"
4位 クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ) +1'29"
5位 ローリー・サザーランド(オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア) +1'30"
6位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)
7位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・サーヴェロ) +1'36"
8位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、レオパード・トレック) +1'50"
9位 ローレンス・テンダム(オランダ、ラボバンク) +2'00"
10位 タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア)
スプリント賞
ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)
山岳賞
ジョナサン・パトリック・マカーティー(アメリカ、チームスパイダーテック)
新人賞(1988年1月1日以降生まれが対象)
タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア)
敢闘賞
オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)
text:Makoto.AYANO,Alisa.Okazaki
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