2011/04/28(木) - 15:16
雨の中、1級山岳を越える厳しいレースとなった第4ステージを制したのはアレッサンドロ・ペタッキ(ランプレISD)。ジロ・デ・イタリアに向けて山岳トレーニングを強化したと言うが、その登坂力を生かしての勝利だった。一方、総合リーダーはバルトス・フザルスキー(ネットアップ)へと移った。
緩い登りゴールを制したペタッキ
昨日までの晴天から一転、どんよりとした灰色の空のもとでスタートしたツアー・オブ・ターキー第4ステージ。海沿いのマルマリスから内陸のパムッカレまで207kmの道のりだ。36km地点に1級山岳が設定されているが、全体を通して起伏に富んだコースレイアウトであるうえ、内陸に入ると雨が降りだし、かなり厳しいステージとなった。
スタートしてすぐに1級山岳へと向かう登りが始まった。そこで集団は縦に大きく伸びる。そして、決定的な逃げはできないものの、ステージを狙う30人ほどの先頭集団と残りの約120人の後続集団に分かれて、タイム差が大きく開いた。
ゴールを前にFDJがいい形を作った。レース途中でリーダージャージを着るマニュエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)がリタイアしたため、スタート時に6秒差の総合3位に付けていたウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、FDJ)の総合首位を狙う意図だ。しかし、軽く登るゴールを前に彼らは後退してしまう。そこで飛び出したのは、アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)だ。今回のレースではスプリントで3敗していたペタッキが、第4ステージにしてようやく勝利を掴んだ。
「いくら登りでも、道が悪すぎるから、トルクをかけられる選手でないと進まない。軽量なピュアクライマーにはトルコは向いていない」と話す宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)。その言葉のとおり、今日の過酷なレースでリードしていたのはアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)だった。
アレッサンドロ・ペタッキのコメント
「長い登りのハードなステージだったが、常に先頭集団にいることを意識して走った。ここに来る前にチームメイトのミケーレ・スカルポーニ(イタリア)とエトナ火山でジロ・デ・イタリアに向けた登りのトレーニングをしていた。11日間の日程で、エトナ火山を6回登り、登りに強くなったし、身体も絞れている。ジロを前にいいコンディションが作れていると思う。
今日のステージは、登りでのゴールだったことが幸いだ。FDJの選手たちがいい形を作っていたので、それに付いていき、残り300mを切ったところでスプリントをかけた。先頭集団に2人のチームメイトが残ってくれていたことにも感謝している。彼らは素晴らしい仕事をしてくれた」
総合首位はビッグサプライズ? バルトス・フザルスキーの手に
また、ペタッキに続いて2位でゴールしたのは、10秒差の総合15位に付けていたバルトス・フザルスキー(ポーランド、ネットアップ)。6秒のボーナスタイムを獲得し、総合首位に躍り出た。
バルトス・フザルスキーのコメント
「リーダーになれたことを驚いている。ゴール前ではチームメイトのために動いていた。でも残り300mを切って彼が付いてこなかったので、できるかぎりの力でゴールスプリントに挑んだんだ。ペタッキに叶わなかったことに悔いはないだってこれまで多くのスプリントで勝っている彼に比べて、自分は勝利に近づいたことすらなかったのだから。
こんな日が来るなんて信じられないよ! 自分は強いスプリンターではない。でも、自分は強いチームをもっている。明日からも再び雨となり、厳しいステージがやってくるかもしれない。自分は予期しないリーダーかもしれないけど、間違いなく明日はリーダーなんだよ!」
宮澤崇史は後続集団でエースをアシスト
宮澤崇史は46分差のメイン集団でゴール。「今日はエースのアンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)をゴールまで連れて行くのが仕事でした。彼も無事に走りきったので、今日の仕事は達成です。途中落車してリアメカが壊れてしまい、ほかの選手の代車で走ったこともあって、とてもハードで疲れたステージだったけど、食事をして身体が熱くなっているのは回復している証拠。また明日から頑張ります」と話した。
ツアー・オブ・ターキー第4ステージ結果
1位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)
2位 バルトス・フザルスキー(ポーランド、ネットアップ)
3位 アレクサンドル・エフィムキン(ロシア、タイプ1)+1"
4位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・サーヴェロ)
5位 ルーベンス・ベルトリアーティ(スイス、タイプ1)
6位 エゴイ・グラシア(スペイン、カハルラル)
7位 リカルド・チアリーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)
8位 ニコラ・ウデ (フランス、コフィディス)
9位 ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、FDJ)
10位 アダム・ハンセン(オーストラリア、オメガファーマ・ロット)
103位 宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)+46'54"
総合成績
1位 バルトス・フザルスキー(ポーランド、ネットアップ)16h58'06"
2位 ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、FDJ)+03"
3位 リカルド・チアリーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)+07"
4位 エゴイ・グラシア(スペイン、カハルラル)
5位 ヘスス・デル(スペイン、ネットアップ)
6位 アントニー・ルー(フランス、FDJ)
7位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・サーヴェロ)
8位 ダニエル・ペトロフ(ブルガリア、コンヤ・トーキーシュケルスポル・ヴィヴェロ)
9位 ロメン・ジングル(ベルギー、コフィディス)
10位 ニコラ・ウデ (フランス、コフィディス)
チーム成績首位
FDJ
ポイント賞
アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)
山岳賞
ルイスフェリップ・ラヴェルデ(コロンビア、コロンビアエスパシオン・カフェデコロンビア)
photo&text:Sonoko.TANAKA
緩い登りゴールを制したペタッキ
昨日までの晴天から一転、どんよりとした灰色の空のもとでスタートしたツアー・オブ・ターキー第4ステージ。海沿いのマルマリスから内陸のパムッカレまで207kmの道のりだ。36km地点に1級山岳が設定されているが、全体を通して起伏に富んだコースレイアウトであるうえ、内陸に入ると雨が降りだし、かなり厳しいステージとなった。
スタートしてすぐに1級山岳へと向かう登りが始まった。そこで集団は縦に大きく伸びる。そして、決定的な逃げはできないものの、ステージを狙う30人ほどの先頭集団と残りの約120人の後続集団に分かれて、タイム差が大きく開いた。
ゴールを前にFDJがいい形を作った。レース途中でリーダージャージを着るマニュエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)がリタイアしたため、スタート時に6秒差の総合3位に付けていたウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、FDJ)の総合首位を狙う意図だ。しかし、軽く登るゴールを前に彼らは後退してしまう。そこで飛び出したのは、アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)だ。今回のレースではスプリントで3敗していたペタッキが、第4ステージにしてようやく勝利を掴んだ。
「いくら登りでも、道が悪すぎるから、トルクをかけられる選手でないと進まない。軽量なピュアクライマーにはトルコは向いていない」と話す宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)。その言葉のとおり、今日の過酷なレースでリードしていたのはアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)だった。
アレッサンドロ・ペタッキのコメント
「長い登りのハードなステージだったが、常に先頭集団にいることを意識して走った。ここに来る前にチームメイトのミケーレ・スカルポーニ(イタリア)とエトナ火山でジロ・デ・イタリアに向けた登りのトレーニングをしていた。11日間の日程で、エトナ火山を6回登り、登りに強くなったし、身体も絞れている。ジロを前にいいコンディションが作れていると思う。
今日のステージは、登りでのゴールだったことが幸いだ。FDJの選手たちがいい形を作っていたので、それに付いていき、残り300mを切ったところでスプリントをかけた。先頭集団に2人のチームメイトが残ってくれていたことにも感謝している。彼らは素晴らしい仕事をしてくれた」
総合首位はビッグサプライズ? バルトス・フザルスキーの手に
また、ペタッキに続いて2位でゴールしたのは、10秒差の総合15位に付けていたバルトス・フザルスキー(ポーランド、ネットアップ)。6秒のボーナスタイムを獲得し、総合首位に躍り出た。
バルトス・フザルスキーのコメント
「リーダーになれたことを驚いている。ゴール前ではチームメイトのために動いていた。でも残り300mを切って彼が付いてこなかったので、できるかぎりの力でゴールスプリントに挑んだんだ。ペタッキに叶わなかったことに悔いはないだってこれまで多くのスプリントで勝っている彼に比べて、自分は勝利に近づいたことすらなかったのだから。
こんな日が来るなんて信じられないよ! 自分は強いスプリンターではない。でも、自分は強いチームをもっている。明日からも再び雨となり、厳しいステージがやってくるかもしれない。自分は予期しないリーダーかもしれないけど、間違いなく明日はリーダーなんだよ!」
宮澤崇史は後続集団でエースをアシスト
宮澤崇史は46分差のメイン集団でゴール。「今日はエースのアンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)をゴールまで連れて行くのが仕事でした。彼も無事に走りきったので、今日の仕事は達成です。途中落車してリアメカが壊れてしまい、ほかの選手の代車で走ったこともあって、とてもハードで疲れたステージだったけど、食事をして身体が熱くなっているのは回復している証拠。また明日から頑張ります」と話した。
ツアー・オブ・ターキー第4ステージ結果
1位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)
2位 バルトス・フザルスキー(ポーランド、ネットアップ)
3位 アレクサンドル・エフィムキン(ロシア、タイプ1)+1"
4位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・サーヴェロ)
5位 ルーベンス・ベルトリアーティ(スイス、タイプ1)
6位 エゴイ・グラシア(スペイン、カハルラル)
7位 リカルド・チアリーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)
8位 ニコラ・ウデ (フランス、コフィディス)
9位 ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、FDJ)
10位 アダム・ハンセン(オーストラリア、オメガファーマ・ロット)
103位 宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)+46'54"
総合成績
1位 バルトス・フザルスキー(ポーランド、ネットアップ)16h58'06"
2位 ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、FDJ)+03"
3位 リカルド・チアリーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)+07"
4位 エゴイ・グラシア(スペイン、カハルラル)
5位 ヘスス・デル(スペイン、ネットアップ)
6位 アントニー・ルー(フランス、FDJ)
7位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・サーヴェロ)
8位 ダニエル・ペトロフ(ブルガリア、コンヤ・トーキーシュケルスポル・ヴィヴェロ)
9位 ロメン・ジングル(ベルギー、コフィディス)
10位 ニコラ・ウデ (フランス、コフィディス)
チーム成績首位
FDJ
ポイント賞
アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)
山岳賞
ルイスフェリップ・ラヴェルデ(コロンビア、コロンビアエスパシオン・カフェデコロンビア)
photo&text:Sonoko.TANAKA
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