2011/04/27(水) - 00:09
今年で10周年を迎えた愛媛県八幡浜市のMTB大会。過去には五輪選考レースも行われ、市民参加型のイベントとして定着した。東日本大震災で開催を自粛することも検討されたが、開催して欲しいとの選手からの要望が多く、意見を反映して開催にこぎつけシーズンがスタートした。今年も観戦に来た大勢の地元の人達の応援を受け選手達は走った。
エリート男子スタート photo:Akihiro.NAKAO
エリート男子は山本和弘がレースを支配する
八幡浜はUCI公認・クラス3ということで、国内では全日本選手権以外でUCIポイントの獲れるレースだ。今回はロンドン五輪へのUCIポイント獲得のため海外遠征を行っている山本和弘(キャノンデールレーシングチーム)がこのレースの為に帰国参戦した。2月から数多くのレースを海外でこなし、一段と成長した感じを受ける。
また他の選手では今季から小野寺健がスペシャライズドに移籍している。
山本和弘(キャノンデールレーシングチーム) photo:Akihiro.NAKAO
辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー) photo:Akihiro.NAKAO
八幡浜のコースは前半のつづら折が続く区間と、後半の桜坂・簡易舗装の登りと「ゴジラの背」と言われる木の根区間があり、前日の雨のためり易くなっている。今季からUCIルールにより競技時間が短く設定されているため、エリート男子は5.67kmを6周回となっている。
5周目転倒してフレームが破損しても走る門田基志(TEAM GIANT) photo:Akihiro.NAKAO
斉藤亮(チームコラテック) photo:Akihiro.NAKAO
エリート男子は12時30分にスタート。1周目は約17分のペースで、山本・門田基志(TEAM GIANT)・辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー)のパックで戻り、山本は後ろを伺う。後に小野寺・斉藤亮(チーム コラテック)と続く。
3周目は小野寺が先頭に立つものの、山本は落ち着いたペースで走る。
4周目になると展開が変わり、山本と斉藤のパックになって先頭を形成し、辻浦はパンクで後退。小野寺の後に門田が続く。
ゴジラの背を走る小野寺健(TEAM SPECIALIZED) photo:Akihiro.NAKAO
大江良憲(TEAM轍屋) photo:Akihiro.NAKAO
5周目には山本が斉藤を簡易舗装の登りでアタックして引き離しに成功。
最終周回に入り、山本が大きくリードを作りながらペースを上げ、ついて行けない斉藤の後は、門田とホイール交換した辻浦が追いかける。
ゴールでは山本がコース脇の観客とタッチを交わしながら両手を挙げ、満面の笑みで去年に続き2連覇を飾った。2位に斉藤、3位には落車でフレームを割りつつ辻浦を振り切った門田が地元での表彰台登壇となった。
山本和弘(キャノンデールレーシングチーム) photo:Akihiro.NAKAO山本和弘の喜びのインタビュー
「時差で体調があまり良くなくて、一周目から他の選手と同じペースで走っていました。でも周りがトラブルで落ちていきましたね。後半は斎藤とパックになりましたが、簡易舗装の登りでアタックして突放せました。彼もチェーンが落ちたようですがこれもレースのうち。今日は終始レースをコントロールできて良かったです。
久々の日本のレースは?
「今の自分の力を出して成長した姿を見せたいなと思います。海外のレースは先週から勝負できている感覚があって、初めは試し試しで自分のスタイルを探して、後半は噛み合ってきて力も出せるし戦えているなと感じました。UCIポイントも取れたし、これを続けて行きたい」
山本幸平や平野星矢(ともにチームブリヂストン・アンカー)を見てどう思う?
「本当に海外慣れしているな、と思いますね。レースに対する準備の仕方も星矢なら2年目、幸平だと6年目にもなるので、海外のレースに居る事が当たり前だと感じる。それを見ながら吸収して自分のものにしているところですね。片山梨絵選手(SPECIALIZED)も近くに住んでいるので、レース会場でお互い話したりとか、すごい勉強になっています」
東日本大震災を海外で知って
「海外のテレビでも凄い流れていたし、レース会場にいっても日本人の僕に周りからも大丈夫か?と声をかけられたり、やっと日本に帰って来てどういう状況かわかって大変な地震だったなと思いました。被災地に向けたメッセージのシールを貼ってレースを走りたいですね」
「またフランスに戻り、5月から大切なレースが続くので応援よろしくお願いします」
エキスパート・ジュニアは若手の争い
今回はエキスパートとジュニアにクラスを分けて同時出走。エキスパートはユース年齢でエリートに上がれない横山航太(CLUB Grow)が同じくユースの二村航平(パワースポーツ・シック)を大きく離し、3番手にジュニアクラスの小橋勇利(松山工業高校)と、少し遅れて沢田時(HARO/ENDLESS/ProRide)。小橋は昨年のインターハイロードで高校一年で優勝するなど、強い選手だ。エキスパートを優勝した横山とジュニア優勝の小橋共々表彰台で「世界で戦いたい」とアピールした。
エリート女子は中込由香里(SY-NakSPECIALIZE)と田近郁美(GOD HILL)が争い、中込が優勝した。
エキスパート優勝・横山航太(CLUB Grow) photo:Akihiro.NAKAO
エリート女子優勝・中込由香里(SY-NakSPECIALIZE) photo:Akihiro.NAKAO
ジュニア男子優勝・小橋勇利(松山工業高校) photo:Akihiro.NAKAO
ジュニア女子優勝・岩出愛未(club SY-Nak) photo:Akihiro.NAKAO
結果
エキスパート表彰 photo:Akihiro.NAKAOエリート男子
1位 山本 和弘(キャノンデールレーシングチーム)1:43:16.22
2位 斉藤 亮(チーム コラテック)+36.10
3位 門田 基志(TEAM GIANT )+1:58.90
4位 辻浦 圭一(チームブリヂストン・アンカー)+2:02.10
5位 大江 良憲(TEAM轍屋)+3:57.55
6位 松本 駿(マシュンドットコム)+3:57.85
7位 小野寺 健(Team Specialized)+4:56.02
8位 野田 拓司(FFC)+5:52.44
9位 合田 正之(サイクルクラブ3UP)+7:03.05
10位 山田 主(CLUB Grow)+8:20.18 18.29
エリート女子表彰 photo:Akihiro.NAKAOエリート女子
1位 中込 由香里(SY-Nak SPECIALIZED)1:30:05.11
2位 田近 郁美(GOD HILL)+20.05
3位 山本 佳苗(BMC)+8:27.00
4位 西尾 美子(焼鳥山鳥R)+11:19.01
5位 広瀬 由紀(ckirin.com)+12:54.70
エキスパート
1位 横山 航太(CLUB Grow)1:12:05.77
2位 二村 航平(パワースポーツ・シック)+3:20.98
3位 大渕 宏紀(Team-NR)+5:55.55
4位 島田 真琴(シマノドリンキング)+6:12.21
ジュニア男子表彰 photo:Akihiro.NAKAO5位 竹田 佳行(kei's power!)+7:06.55
ジュニア男子
1位 小橋 勇利(松山工業高校)1:16:10.97
2位 沢田 時(HARO ENDLESS ProRide)+51.49
3位 後呂 有哉(岩井商会レーシング) +1:41.30
ジュニア女子
1位 岩出 愛未(club SY-Nak) 1:14:30.57
2位 岩清水 絵瑠(八代農業高等学校泉分校) +3:32.74
スポーツ男子
ジュニア女子表彰 photo:Akihiro.NAKAO1位 日野林 雄大(松山工業高校)0:39:42.81
2位 西村 隆幸(のぼこん)+59.41
3位 潤 昭治(瀬戸口近代車商会)+1:44.37
4位 山田 将輝(Limited 846) +2:05.03
5位 渡邉 宏誠(焼鳥山鳥R)+2:17.04
スポーツ女子
1位 中村 千鶴(アライアンスACR)0:25:24.74
2位 中島 崚歩(Team mt.Top!R) +1:58.44
3位 石井 菜月(焼鳥山鳥RR)+2:53.16
photo&text:Akihiro.NAKAO
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エリート男子は山本和弘がレースを支配する
八幡浜はUCI公認・クラス3ということで、国内では全日本選手権以外でUCIポイントの獲れるレースだ。今回はロンドン五輪へのUCIポイント獲得のため海外遠征を行っている山本和弘(キャノンデールレーシングチーム)がこのレースの為に帰国参戦した。2月から数多くのレースを海外でこなし、一段と成長した感じを受ける。
また他の選手では今季から小野寺健がスペシャライズドに移籍している。
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八幡浜のコースは前半のつづら折が続く区間と、後半の桜坂・簡易舗装の登りと「ゴジラの背」と言われる木の根区間があり、前日の雨のためり易くなっている。今季からUCIルールにより競技時間が短く設定されているため、エリート男子は5.67kmを6周回となっている。
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エリート男子は12時30分にスタート。1周目は約17分のペースで、山本・門田基志(TEAM GIANT)・辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー)のパックで戻り、山本は後ろを伺う。後に小野寺・斉藤亮(チーム コラテック)と続く。
3周目は小野寺が先頭に立つものの、山本は落ち着いたペースで走る。
4周目になると展開が変わり、山本と斉藤のパックになって先頭を形成し、辻浦はパンクで後退。小野寺の後に門田が続く。
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5周目には山本が斉藤を簡易舗装の登りでアタックして引き離しに成功。
最終周回に入り、山本が大きくリードを作りながらペースを上げ、ついて行けない斉藤の後は、門田とホイール交換した辻浦が追いかける。
ゴールでは山本がコース脇の観客とタッチを交わしながら両手を挙げ、満面の笑みで去年に続き2連覇を飾った。2位に斉藤、3位には落車でフレームを割りつつ辻浦を振り切った門田が地元での表彰台登壇となった。
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「時差で体調があまり良くなくて、一周目から他の選手と同じペースで走っていました。でも周りがトラブルで落ちていきましたね。後半は斎藤とパックになりましたが、簡易舗装の登りでアタックして突放せました。彼もチェーンが落ちたようですがこれもレースのうち。今日は終始レースをコントロールできて良かったです。
久々の日本のレースは?
「今の自分の力を出して成長した姿を見せたいなと思います。海外のレースは先週から勝負できている感覚があって、初めは試し試しで自分のスタイルを探して、後半は噛み合ってきて力も出せるし戦えているなと感じました。UCIポイントも取れたし、これを続けて行きたい」
山本幸平や平野星矢(ともにチームブリヂストン・アンカー)を見てどう思う?
「本当に海外慣れしているな、と思いますね。レースに対する準備の仕方も星矢なら2年目、幸平だと6年目にもなるので、海外のレースに居る事が当たり前だと感じる。それを見ながら吸収して自分のものにしているところですね。片山梨絵選手(SPECIALIZED)も近くに住んでいるので、レース会場でお互い話したりとか、すごい勉強になっています」
東日本大震災を海外で知って
「海外のテレビでも凄い流れていたし、レース会場にいっても日本人の僕に周りからも大丈夫か?と声をかけられたり、やっと日本に帰って来てどういう状況かわかって大変な地震だったなと思いました。被災地に向けたメッセージのシールを貼ってレースを走りたいですね」
「またフランスに戻り、5月から大切なレースが続くので応援よろしくお願いします」
エキスパート・ジュニアは若手の争い
今回はエキスパートとジュニアにクラスを分けて同時出走。エキスパートはユース年齢でエリートに上がれない横山航太(CLUB Grow)が同じくユースの二村航平(パワースポーツ・シック)を大きく離し、3番手にジュニアクラスの小橋勇利(松山工業高校)と、少し遅れて沢田時(HARO/ENDLESS/ProRide)。小橋は昨年のインターハイロードで高校一年で優勝するなど、強い選手だ。エキスパートを優勝した横山とジュニア優勝の小橋共々表彰台で「世界で戦いたい」とアピールした。
エリート女子は中込由香里(SY-NakSPECIALIZE)と田近郁美(GOD HILL)が争い、中込が優勝した。
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結果
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1位 山本 和弘(キャノンデールレーシングチーム)1:43:16.22
2位 斉藤 亮(チーム コラテック)+36.10
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6位 松本 駿(マシュンドットコム)+3:57.85
7位 小野寺 健(Team Specialized)+4:56.02
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1位 中込 由香里(SY-Nak SPECIALIZED)1:30:05.11
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4位 西尾 美子(焼鳥山鳥R)+11:19.01
5位 広瀬 由紀(ckirin.com)+12:54.70
エキスパート
1位 横山 航太(CLUB Grow)1:12:05.77
2位 二村 航平(パワースポーツ・シック)+3:20.98
3位 大渕 宏紀(Team-NR)+5:55.55
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ジュニア男子
1位 小橋 勇利(松山工業高校)1:16:10.97
2位 沢田 時(HARO ENDLESS ProRide)+51.49
3位 後呂 有哉(岩井商会レーシング) +1:41.30
ジュニア女子
1位 岩出 愛未(club SY-Nak) 1:14:30.57
2位 岩清水 絵瑠(八代農業高等学校泉分校) +3:32.74
スポーツ男子
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2位 西村 隆幸(のぼこん)+59.41
3位 潤 昭治(瀬戸口近代車商会)+1:44.37
4位 山田 将輝(Limited 846) +2:05.03
5位 渡邉 宏誠(焼鳥山鳥R)+2:17.04
スポーツ女子
1位 中村 千鶴(アライアンスACR)0:25:24.74
2位 中島 崚歩(Team mt.Top!R) +1:58.44
3位 石井 菜月(焼鳥山鳥RR)+2:53.16
photo&text:Akihiro.NAKAO
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