ジロ・デ・イタリアを前に、ヨーロッパとアジアの境目トルコでもステージレースが開幕。有力スプリンターが揃うツアー・オブ・ターキー2011を、現地からフォトグラファーの田中苑子が伝える。

ヨーロッパからアジアへ トルコの伝統レースが開幕

4月24日から、ヨーロッパの東に位置するトルコで第47回プレデンシャル・ツアー・オブ・ターキー(2.HC)が8日間、総走行距離1,360kmで開催されている。約半世紀の歴史をもつ、トルコを代表するステージレースで、昨年よりレースカテゴリーがUCIヨーロッパツアー、オークラスに上がり、ヨーロッパや北米から多くのビッグチームが参加している。

初日、第1ステージはトルコの首都であるイスタンブールで開催され、その後、空路で南部のリゾート地クシャダスに移動。そこから最終ステージまで地中海沿いを東へと走るコースとなっている。各チームともスプリンターが多くエントリーしているが、全日程を通して5つの1級山岳が含まれ、総合優勝するためには登坂力も求められるレースとなっている。

トルコの町並みをゆく集団トルコの町並みをゆく集団 photo:www.tourofturkey.org

トップスプリンターが続々エントリー

第1ステージ、集団スプリントで先頭に立つアンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼ・ヴィーニ)第1ステージ、集団スプリントで先頭に立つアンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼ・ヴィーニ) photo:www.tourofturkey.org注目選手を見ていこう。昨年の総合優勝はジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ/当時)だが、今年は5月7日から開幕するジロ・デ・イタリアに集中するため、エントリーせず。チームのエースとなるのは、ISD・ネーリからスポンサーが代わりファルネーゼヴィーニ・ネーリとなった同チームが誇るスプリンター、アンドレア・グアルディーニ(イタリア)。プロ初戦となったツール・ド・ランカウイで圧倒的な力でステージ5勝を挙げたイタリアの新星だ。

さらに、アンドレ・グライペル(ドイツ、オメガファーマ・ロット)、タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)、アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)、アラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)、ケニー・ファンヒュメル(オランダ、スキル・シマノ)など、世界トップクラスのスプリンターがスタートラインに立った。

日本からは、全日本チャンピオンの宮澤崇史がエントリー。現在、暫定のジロ・デ・イタリア出走リストに名前がない宮澤。「まだ選ばれる可能性はある」と話し、ジロのメンバー入りも視野に入れて出走する。


第1ステージはアンドレア・グアルディーニが制す

イスタンブールの周回コースで開催された114.1kmの第1ステージ。混戦のスプリントとなったレースを制したのはアンドレア・グアルディーニだった。名だたるスプリンターを抑えての勝利、そしてトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)、アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク)の今季6勝を超え、全プロ選手で最多となる今季7勝目(ランカウイ5勝+ツアー・オブ・カタール1勝)をマーク。ターコイズブルーに彩られたリーダージャージに袖を通した。

今期7勝目をマークしたアンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼ・ヴィーニ)今期7勝目をマークしたアンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼ・ヴィーニ) photo:www.tourofturkey.org

グアルディーニのコメント
「勝つのが本当に難しいステージだった。残り1kmから400mで、自分は少し後ろにいたため、遠い位置からスプリントを掛けなくてはいけなかった。でも幸運なことに、先頭に立つことができた。これまでに多くのレースで勝っているタイラー・ファラーのような偉大なチャンピオンに勝てた素晴らしい勝利だったと思う。今日の勝利を、チームと、自分のキャプテンであるヴィスコンティに捧げたい」


ツアー・オブ・ターキー第1ステージ結果
1位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)2h35'54"
2位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)
3位 ケニー・ファンヒュメル(オランダ、スキル・シマノ)
4位 マニュエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
5位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)
6位 ステファン・ファンダイク(オランダ、ヴェランダズヴィレムス・アクセント)
7位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ)
8位 ファンホセ・ロバート(スペイン、アンダルシア・カハグラナダ)
9位 ディエゴ・ミラン(スペイン、カハルラル)
10位 イェンピー・ドルッカー(ルクセンブルク、ヴェランダズヴィレムス・アクセント)
18位 宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)

総合成績
1位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)2h35'44"
2位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)+4"
3位 ケニー・ファンヒュメル(オランダ、スキル・シマノ)+6"
4位 マニュエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)+10"
5位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)
6位 ステファン・ファンダイク(オランダ、ヴェランダズヴィレムス・アクセント)
7位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ)
8位 ファンホセ・ロバート(スペイン、アンダルシア・カハグラナダ)
9位 ディエゴ・ミラン(スペイン、カハルラル)
10位 イェンピー・ドルッカー(ルクセンブルク、ヴェランダズヴィレムス・アクセント)
18位 宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)

チーム成績首位
デローザ・チェラミカフラミニア

ポイント賞
アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)


text:Sonoko Tanaka
photo:www.tourofturkey.org
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