2011/04/09(土) - 08:28
集団スプリントを制し、片手を突き上げたオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)。しかしスプリント中に違反行為があったとして、フレイレには降格処分が下された。これによりフランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ・ISD)が2年連続ステージ優勝を手にした。
この日は合計7つのカテゴリー山岳をクリア photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com2011年4月8日に開催されたブエルタ・アル・パイスバスコ第5ステージ。コースはエイバルからサジャまでの179kmで、合計7つのカテゴリー山岳が設定されている。しかしそれぞれの山岳の難易度は、前日までの本格山岳ステージよりも低め。最後の3級山岳はゴールから12km離れている。
この日の逃げが決まったのは、29km地点の1級山岳ウルキオラ峠を越えてから。山岳賞ジャージを着るミハエル・アルバジーニ(スイス、HTC・ハイロード)に、ダリオ・カタルド(イタリア、クイックステップ)とケヴィン・シールドライヤース(ベルギー、クイックステップ)の2名が合流した。
逃げるミハエル・アルバジーニ(スイス、HTC・ハイロード)ら3名 photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com最大5分のリードを得たエスケープトリオに対し、メイン集団はスプリントに持ち込みたいラボバンクがコントロール。アルバジーニは合計5つのカテゴリー山岳を先頭通過し、山岳賞争いにおいて確固たるリードを築いた。
結局、先頭の3名は最後の3級山岳ベシ峠で吸収。ここから更なるカウンターアタックがかかり、ダビ・ロペスガルシア(スペイン、モビスター)、ワウテル・ポエルス(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)、イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、オメガファーマ・ロット)が先行する。
メイン集団をコントロールするレディオシャックとラボバンク photo:Cor Vosロペスガルシアら3名は15秒のリードでラスト10kmに突入。しかしラボバンク、ランプレ・ISD、レディオシャックが懸命に牽くメイン集団に、ラスト4.5kmで封じ込められる。マルコ・ピノッティ(イタリア、HTC・ハイロード)の奇襲アタックも功を奏さず、集団一つのままラスト1kmアーチを通過した。
トレインを組んで完全に主導権を握るチームは現れず、ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ラボバンク)が強力なスパートでフレイレを先頭に引き上げる。ラスト200mでアレクサンドル・コロブネフ(ロシア、カチューシャ)がスプリントを開始すると、フレイレとガヴァッツィがスプリントで応戦。
スプリントを繰り広げるオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)やフランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ・ISD) photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com先行するフレイレとガヴァッツィ。最後まで勢いを保ち続けたフレイレが先頭に立ち、そのまま片手を突き上げてゴールした。
しかしフレイレが表彰台に登ることはなかった。ラスト1kmを切ってから、ラボバンクのLLサンチェスとフレイレが他選手を手で押しやり、更にスプリント開始時にLLサンチェスがフレイレを手で前に押し出したと判断され、フレイレは降格処分に。2番手でゴールしたガヴァッツィがステージ優勝に輝いた。
ゴール後、勝利を言い渡されるフランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ・ISD) photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com今シーズン3勝目を逃したフレイレは「間違いなくラスト200mでは僕が一番速かった。チームメイト(LLサンチェス)は確かに僕に触れたけど、それがスプリントに影響したとは思えない。彼の一押しではなく、僕自身のスプリントで手にした勝利なのに」と、降格処分への不満をぶつける。
一方、勝利を手にしたガヴァッツィは「2位で満足していたのに、1位に昇格した。本当に嬉しいよ。オスカルとは別方向からスプリントしたので、何が起こったのかは見えなかったけど」と語る。これが今シーズン初勝利だ。
2年連続ステージ優勝に輝いたフランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ・ISD) photo:vueltapaisvasco.diariovasco.comガヴァッツィは昨年のブエルタ・アル・パイスバスコでもステージ優勝を飾っている。当時はフレイレを力勝負で負かしての勝利だった。登りもこなせる軽量スプリンターとして期待される26歳であり、ジャパンカップでは2007年に3位、2008年に5位という成績を残している。
この日も総合成績は動かず、ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)がリーダージャージをキープ。僅差の総合争いは翌日の最終個人タイムトライアルで決する。舞台となるのは高低差230mの登りを含む24kmのコース。総合20秒以内に11人がひしめいており、誰が総合タイトルを穫ってもおかしくない状態だ。
レース展開と選手コメントはレース公式サイト、ならびにストリーミング映像より。
ブエルタ・アル・パイスバスコ2011第5ステージ結果
1位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ・ISD) 4h27'03"
2位 クリストフ・ファンデワール(ベルギー、クイックステップ)
3位 ジョン・ガドレ(フランス、アージェードゥーゼル)
4位 ピム・リヒハルト(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
5位 エゴイス・ガルシア(スペイン、カハルーラル)
6位 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、モビスター)
7位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・サーヴェロ)
8位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
9位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック)
10位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)
個人総合成績
1位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 21h39'46"
2位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック)
3位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)
4位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック) +01"
5位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・サーヴェロ) +06"
6位 シャビエル・トンド(スペイン、モビスター)
7位 ダビ・ロペスガルシア(スペイン、モビスター)
8位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)
9位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター) +09"
10位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ) +10"
ポイント賞
アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック)
スプリント賞
ブラム・タンキンク(オランダ、ラボバンク)
山岳賞
ミハエル・アルバジーニ(スイス、HTC・ハイロード)
チーム総合成績
モビスター
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, vueltapaisvasco.diariovasco.com
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この日の逃げが決まったのは、29km地点の1級山岳ウルキオラ峠を越えてから。山岳賞ジャージを着るミハエル・アルバジーニ(スイス、HTC・ハイロード)に、ダリオ・カタルド(イタリア、クイックステップ)とケヴィン・シールドライヤース(ベルギー、クイックステップ)の2名が合流した。
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結局、先頭の3名は最後の3級山岳ベシ峠で吸収。ここから更なるカウンターアタックがかかり、ダビ・ロペスガルシア(スペイン、モビスター)、ワウテル・ポエルス(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)、イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、オメガファーマ・ロット)が先行する。
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トレインを組んで完全に主導権を握るチームは現れず、ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ラボバンク)が強力なスパートでフレイレを先頭に引き上げる。ラスト200mでアレクサンドル・コロブネフ(ロシア、カチューシャ)がスプリントを開始すると、フレイレとガヴァッツィがスプリントで応戦。
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しかしフレイレが表彰台に登ることはなかった。ラスト1kmを切ってから、ラボバンクのLLサンチェスとフレイレが他選手を手で押しやり、更にスプリント開始時にLLサンチェスがフレイレを手で前に押し出したと判断され、フレイレは降格処分に。2番手でゴールしたガヴァッツィがステージ優勝に輝いた。
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この日も総合成績は動かず、ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)がリーダージャージをキープ。僅差の総合争いは翌日の最終個人タイムトライアルで決する。舞台となるのは高低差230mの登りを含む24kmのコース。総合20秒以内に11人がひしめいており、誰が総合タイトルを穫ってもおかしくない状態だ。
レース展開と選手コメントはレース公式サイト、ならびにストリーミング映像より。
ブエルタ・アル・パイスバスコ2011第5ステージ結果
1位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ・ISD) 4h27'03"
2位 クリストフ・ファンデワール(ベルギー、クイックステップ)
3位 ジョン・ガドレ(フランス、アージェードゥーゼル)
4位 ピム・リヒハルト(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
5位 エゴイス・ガルシア(スペイン、カハルーラル)
6位 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、モビスター)
7位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・サーヴェロ)
8位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
9位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック)
10位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)
個人総合成績
1位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 21h39'46"
2位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック)
3位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)
4位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック) +01"
5位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・サーヴェロ) +06"
6位 シャビエル・トンド(スペイン、モビスター)
7位 ダビ・ロペスガルシア(スペイン、モビスター)
8位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)
9位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター) +09"
10位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ) +10"
ポイント賞
アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック)
スプリント賞
ブラム・タンキンク(オランダ、ラボバンク)
山岳賞
ミハエル・アルバジーニ(スイス、HTC・ハイロード)
チーム総合成績
モビスター
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, vueltapaisvasco.diariovasco.com
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