2011/03/28(月) - 07:44
第8ステージは悪天候でのスプリントとなったが、それを制したのは西谷泰治(日本ナショナル)だった。悩まされていたスランプを打ち破る大きな勝利を手にした。日本ナショナルチームは福島晋一に次いで、今大会ステージ2勝目を挙げた。
雨のスプリントを制した西谷泰治
ツール・ド・台湾、第8ステージは台東から花蓮まで165.88kmで開催された。スタート後、71km地点で1級山岳を越え、その後アップダウンを繰り返す。さらにゴールも3級山岳の頂上ゴールとなっている。
降りしきる雨の中、ゴールに飛び込んできたのは40人ほどの大集団。横に広がってゴールラインへ向かう選手のなかで、1番伸びがよかったのは中央に位置する西谷泰治(日本ナショナル)だった。その横には綾部勇成(日本ナショナル)の姿も見える。危なげないスプリントで、西谷がステージ優勝を手にした。
明日の最終日、超級山岳での頂上ゴールに向けて、総合を狙う有力選手は力を温存したかった今日のステージ。したがって、ステージ優勝を狙う選手にとっては有利な日だった。しかし、本格的な山岳コースに加え、風や雨といった悪天候に見舞われて、決して容易いステージではなかった。
序盤から、逃げができては潰される展開だったが、ナショナルチームの動きは、福島晋一と清水都貴がそれぞれに逃げに乗ったりと、とても積極的だった。「逃げないと監督に怒られるんですよ!」なんて選手たちは笑って話すが、今回のナショナルチームは経験豊かな福島を中心に、非常によくまとまっている。その延長線上に、今日のステージ優勝があったのだ。
「トラウマを克服できた!」嬉しさ溢れる西谷
「ようやく勝てました!」ゴール後の西谷の表情には、どこか安堵の気持ちが滲んでいるように感じた。1月のランカウイ以降、体調をうまくコントロールできず、コンディションが上がっていなかった。さらには、昨年1月のランカウイでのステージ優勝以来、大きな勝利にも恵まれていなかった。10月のツアー・オブ・ハイナンでは「自分の実力に失望しています」とまで話していただけに、今日の勝利は大きな大きな嬉しい勝利となった。
「昨日のレースでいい感覚を掴んで、今日は山岳があったのであまり得意なコースではなかったけど、最後までいい感じで走れたので、これが最後のチャンスだと思ってスプリントに参加しました。今日の結果は本当に嬉しいです。トラウマを克服したような感じで……。また今回ナショナルチームで参加させてもらっているので、ポイントを1点でも多く取りたいと思っていたので、本当に良かったです」とコメント。
明日、第9ステージで終幕するツール・ド・台湾
いよいよ明日は最終ステージ。超級山岳での山頂ゴールとなるため、総合を狙う選手は最後まで気を抜くことができない。また4位以下のタイム差が少ないため、7位の佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)、8位の村上純平(シマノレーシング)、14位の吉田隼人(日本ナショナル)らは順位をジャンプアップさせることが可能だ。なお総合7位につけていた鈴木真理(シマノレーシング)は、昨夜からの体調不良で総合上位争いからは脱落している。
レースをコントロールしているのは、総合1位のソウラビ・メディ(イラン)と、6秒差で2位のマルクス・アイベッガー(オーストリア)を擁するタブリーズ・ペトロケミカルチーム。今日のレースでは、オランダチームがタブリーズと共謀したことにより、ペナルティを受けるという、怪しい動きも見られたが、3位のマッキャン・デヴィッド(アイルランド、ジャイアント・ケンダ)との18秒差を守り抜くことができるのだろうか? 多くの選手にとって、明日は厳しいステージとなるだろう。
ステージ順位
1位 西谷泰治(日本ナショナル)4:06:21
2位 マッキャン・デヴィッド(アイルランド、ジャイアント・ケンダ)
3位 綾部 勇成(日本ナショナル)
8位 村上純平(シマノレーシング)
17位 鈴木謙(シマノレーシング)
20位 清水都貴(日本ナショナル)
30位 西薗良太(シマノレーシング)
35位 佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)
36位 福島晋一(日本ナショナル)
39位 吉田隼人(日本ナショナル)
46位 青柳憲輝(シマノレーシング) +01:34
65位 畑中勇介(シマノレーシング) +10:44
67位 伊丹健治(日本ナショナル)
84位 鈴木真理(シマノレーシング)+16:20
総合順位
1位 ソウラビ・メディ(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)24:24:46
2位 マルクス・アイベッガー(オーストリア、タブリーズ・ペトロケミカル)+0:06
3位 マッキャン・デヴィッド(アイルランド、ジャイアント・ケンダ)+0:18
7位 佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO) +1:35
8位 村上純平(シマノレーシング) +1:37
12位 鈴木讓(シマノレーシング) +1:43
14位 吉田隼人(日本ナショナル) +1:44
20位 綾部勇成(日本ナショナル)+2:18
23位 西薗良太(シマノレーシング) +2:26
25位 清水都貴(日本ナショナル)+2:28
30位 西谷泰治(日本ナショナル) +4:40
31位 青柳憲輝(シマノレーシング)+5:05
42位 伊丹健治(日本ナショナル) +13:13
51位 畑中勇介(シマノレーシング)+15:42
54位 鈴木真理(シマノレーシング)+17:53
72位 福島晋一(日本ナショナル) +35:16
ポイントリーダー
オジャヴィ・マート(エストニア、チャンピオンシステム)
山岳ポイントリーダー
ソウラビ・メディ(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)
アジアンリーダー
ソウラビ・メディ(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)
photo&text:Sonoko.TANAKA
雨のスプリントを制した西谷泰治
ツール・ド・台湾、第8ステージは台東から花蓮まで165.88kmで開催された。スタート後、71km地点で1級山岳を越え、その後アップダウンを繰り返す。さらにゴールも3級山岳の頂上ゴールとなっている。
降りしきる雨の中、ゴールに飛び込んできたのは40人ほどの大集団。横に広がってゴールラインへ向かう選手のなかで、1番伸びがよかったのは中央に位置する西谷泰治(日本ナショナル)だった。その横には綾部勇成(日本ナショナル)の姿も見える。危なげないスプリントで、西谷がステージ優勝を手にした。
明日の最終日、超級山岳での頂上ゴールに向けて、総合を狙う有力選手は力を温存したかった今日のステージ。したがって、ステージ優勝を狙う選手にとっては有利な日だった。しかし、本格的な山岳コースに加え、風や雨といった悪天候に見舞われて、決して容易いステージではなかった。
序盤から、逃げができては潰される展開だったが、ナショナルチームの動きは、福島晋一と清水都貴がそれぞれに逃げに乗ったりと、とても積極的だった。「逃げないと監督に怒られるんですよ!」なんて選手たちは笑って話すが、今回のナショナルチームは経験豊かな福島を中心に、非常によくまとまっている。その延長線上に、今日のステージ優勝があったのだ。
「トラウマを克服できた!」嬉しさ溢れる西谷
「ようやく勝てました!」ゴール後の西谷の表情には、どこか安堵の気持ちが滲んでいるように感じた。1月のランカウイ以降、体調をうまくコントロールできず、コンディションが上がっていなかった。さらには、昨年1月のランカウイでのステージ優勝以来、大きな勝利にも恵まれていなかった。10月のツアー・オブ・ハイナンでは「自分の実力に失望しています」とまで話していただけに、今日の勝利は大きな大きな嬉しい勝利となった。
「昨日のレースでいい感覚を掴んで、今日は山岳があったのであまり得意なコースではなかったけど、最後までいい感じで走れたので、これが最後のチャンスだと思ってスプリントに参加しました。今日の結果は本当に嬉しいです。トラウマを克服したような感じで……。また今回ナショナルチームで参加させてもらっているので、ポイントを1点でも多く取りたいと思っていたので、本当に良かったです」とコメント。
明日、第9ステージで終幕するツール・ド・台湾
いよいよ明日は最終ステージ。超級山岳での山頂ゴールとなるため、総合を狙う選手は最後まで気を抜くことができない。また4位以下のタイム差が少ないため、7位の佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)、8位の村上純平(シマノレーシング)、14位の吉田隼人(日本ナショナル)らは順位をジャンプアップさせることが可能だ。なお総合7位につけていた鈴木真理(シマノレーシング)は、昨夜からの体調不良で総合上位争いからは脱落している。
レースをコントロールしているのは、総合1位のソウラビ・メディ(イラン)と、6秒差で2位のマルクス・アイベッガー(オーストリア)を擁するタブリーズ・ペトロケミカルチーム。今日のレースでは、オランダチームがタブリーズと共謀したことにより、ペナルティを受けるという、怪しい動きも見られたが、3位のマッキャン・デヴィッド(アイルランド、ジャイアント・ケンダ)との18秒差を守り抜くことができるのだろうか? 多くの選手にとって、明日は厳しいステージとなるだろう。
ステージ順位
1位 西谷泰治(日本ナショナル)4:06:21
2位 マッキャン・デヴィッド(アイルランド、ジャイアント・ケンダ)
3位 綾部 勇成(日本ナショナル)
8位 村上純平(シマノレーシング)
17位 鈴木謙(シマノレーシング)
20位 清水都貴(日本ナショナル)
30位 西薗良太(シマノレーシング)
35位 佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)
36位 福島晋一(日本ナショナル)
39位 吉田隼人(日本ナショナル)
46位 青柳憲輝(シマノレーシング) +01:34
65位 畑中勇介(シマノレーシング) +10:44
67位 伊丹健治(日本ナショナル)
84位 鈴木真理(シマノレーシング)+16:20
総合順位
1位 ソウラビ・メディ(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)24:24:46
2位 マルクス・アイベッガー(オーストリア、タブリーズ・ペトロケミカル)+0:06
3位 マッキャン・デヴィッド(アイルランド、ジャイアント・ケンダ)+0:18
7位 佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO) +1:35
8位 村上純平(シマノレーシング) +1:37
12位 鈴木讓(シマノレーシング) +1:43
14位 吉田隼人(日本ナショナル) +1:44
20位 綾部勇成(日本ナショナル)+2:18
23位 西薗良太(シマノレーシング) +2:26
25位 清水都貴(日本ナショナル)+2:28
30位 西谷泰治(日本ナショナル) +4:40
31位 青柳憲輝(シマノレーシング)+5:05
42位 伊丹健治(日本ナショナル) +13:13
51位 畑中勇介(シマノレーシング)+15:42
54位 鈴木真理(シマノレーシング)+17:53
72位 福島晋一(日本ナショナル) +35:16
ポイントリーダー
オジャヴィ・マート(エストニア、チャンピオンシステム)
山岳ポイントリーダー
ソウラビ・メディ(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)
アジアンリーダー
ソウラビ・メディ(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)
photo&text:Sonoko.TANAKA
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