2011/03/24(木) - 10:08
大会最長走行距離である182.67kmで開催されたツール・ド・台湾第4ステージ。ステージを制したのは、残り44キロを逃げ切ったフローリス・フーシンニン(オランダ、ドラパック)。そして2位以下の集団スプリントでは、綾部勇成(日本ナショナルチーム)が2番手のステージ3位でフィニッシュした。
連戦の疲労が出始めたプロトン フーシンニンが独走勝利
「非常にハードなレースだった。」
勝った選手、悔しい選手、レースを終えた選手からの言葉はすべて同じだった。中盤で2級山岳、その後高低差800メートルほどの1級山岳を越えて下ってゴールを迎えるレイアウト。台湾北部の新竹から南下して風光明媚な湖、日月潭(Sun Moon Lake)を目指す、182.67キロのレースは厳しいものとなった。
スタート後、40キロ付近でできた12人の逃げが決まり、レースは大きく動いた。リーダーチームのタブリーズが2人、ジャイアント・ケンダ、日本ナショナルチーム、チャンピオンシステムも2人ずつ、その他、ドラパックやシマノレーシングがこの逃げに加わり、大人数の先頭グループができあがった。
メイン集団との差は最大で5分程度。主要チームの多くが先頭にメンバーを送り込んだので、集団を牽引するのは、逃げに乗れなかったダンジェロ&アンティヌッチィ・NIPPOだ。
「逃げに乗れなかったことが、間違いなく今日のレースの明暗を分けてしまった」と振り返る同チーム。逃げの吸収に消極的な集団を1チームだけで牽引することになった。1つ目の山頂手前で集団を吸収するが、菊池誠晃はここで脱落しレースを終えてしまう。さらに、逃げを吸収するまでに相当な距離を牽いたため、チームには、最終的な局面で勝負できる体力は残っていなかった。
一方、1つになった集団から飛び出したのは、フローリス・フーシンニン(オランダ、ドラパック)。イランのタブリーズも追い上げるが、驚異的な強さでゴールまで逃げ切った。昨年はスキル・シマノに所属していた27才のオランダ人。「とても疲れたけど、優勝できて、とてもハッピーに思っているよ。昨日、チームメイトが2位だったので、今日はリベンジすると誓ったんだ」と話す。
総合リーダーに変動はなく、マルクス・アイベッガー(オーストリア、タブリーズ・ペトロケミカル)がイエロージャージをキープ。しかし、アジアツアーで屈指の力を見せつけるイランチームだが、ここにきて疲労の色が隠せない。「なんで先頭に追いつけなかったんだろう…?」他チームが不思議がるほど、リーダーチームである彼らは消耗しているようだ。
「残りの5ステージは、ジャージをキープするにはハードなレースになるだろうね」と話すアイベッカー。2位は同チームのソウラビだが、3位のマッキャン・デヴィッド(アイルランド、ジャイアント・ケンダ)までタイム差は19秒。4~6位に付けているドラパック勢の動きも気になるところ。
綾部勇成がステージ3位でフィニッシュ
「絶不調です……」とスタート地点で話していた綾部勇成(日本ナショナルチーム)がフローリスに次ぐメイン集団でのゴールスプリントで2番手となり、ステージ3位に入賞し、UCIポイントを獲得した。40名程度に絞られたメイン集団だったが、残り1キロ地点で台湾の選手がアタックしたが、残り500メートルで捕らえられる。そして綾部は登り基調となる残り300メートルで前に出ていたワン・カンポー(香港、香港ナショナルチーム)を追ったと言う。ステージ優勝したランカウイのレース同様、登りでのスプリントの強さが光った。
日本ナショナルチームは、逃げ集団に福島晋一と西谷泰治が加わり、ゴールスプリントでは、綾部だけでなく、清水都貴も6位(5番手)でフィニッシュ。調子が上向いてきているように感じる。
明日、第5ステージは台湾第二の都市、台中を大きく周回する111.22キロ、74キロ地点に1級山岳、ゴールも3級の頂上ゴールとなっており、またしても動きがありそうなステージだ。
ステージ順位
1 フローリス・フーシンニン(オランダ、ドラパック)4:35:30
2 ワン・カンポー(香港、香港ナショナル)+00:42
3 綾部勇成(日本ナショナル)
6 清水都貴(日本ナショナル)
9 鈴木真理(シマノレーシング)
11 村上純平(シマノレーシング)
17 佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)
31 鈴木讓(シマノレーシング)
33 吉田隼人(日本ナショナル)
35 青柳憲輝(シマノレーシング)
36 伊丹健治(日本ナショナル)
40 西薗良太(シマノレーシング)
47 畑中勇介(シマノレーシング)+01:27
50 西谷泰治(日本ナショナル)+01:35
84 福島晋一(日本ナショナル)+15:04
- 菊池誠晃(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)DNF
総合順位
1 マルクス・アイベッガー(オーストリア、タブリーズ・ペトロケミカル)11:32:00
2 ソウラビ・メディ(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)+0:09
3 マッキャン・デヴィッド(アイルランド、ジャイアント・ケンダ)+0:19
7 鈴木真理(シマノレーシング)+1:27
9 佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO) +1:29
10 村上純平(シマノレーシング) +1:31
13 鈴木讓(シマノレーシング) +1:37
19 吉田隼人(日本ナショナル) +1:38
26 綾部 勇成(日本ナショナル)+2:16
29 青柳憲輝(シマノレーシング)+2:17
32 西薗良太(シマノレーシング) +2:20
34 伊丹健治(日本ナショナル) +2:23
35 清水都貴(日本ナショナル)+2:25
40 畑中勇介(シマノレーシング)+3:06
41 西谷泰治(日本ナショナル) +3:07
86 福島晋一(日本ナショナル) +35:12
ポイントリーダー
オジャヴェ・マート(エストニア、チャンピオンシステム)
山岳ポイントリーダー
ソウラビ・メディ(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)
アジアンリーダー
ソウラビ・メディ(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)
photo&text:Sonoko.TANAKA
連戦の疲労が出始めたプロトン フーシンニンが独走勝利
「非常にハードなレースだった。」
勝った選手、悔しい選手、レースを終えた選手からの言葉はすべて同じだった。中盤で2級山岳、その後高低差800メートルほどの1級山岳を越えて下ってゴールを迎えるレイアウト。台湾北部の新竹から南下して風光明媚な湖、日月潭(Sun Moon Lake)を目指す、182.67キロのレースは厳しいものとなった。
スタート後、40キロ付近でできた12人の逃げが決まり、レースは大きく動いた。リーダーチームのタブリーズが2人、ジャイアント・ケンダ、日本ナショナルチーム、チャンピオンシステムも2人ずつ、その他、ドラパックやシマノレーシングがこの逃げに加わり、大人数の先頭グループができあがった。
メイン集団との差は最大で5分程度。主要チームの多くが先頭にメンバーを送り込んだので、集団を牽引するのは、逃げに乗れなかったダンジェロ&アンティヌッチィ・NIPPOだ。
「逃げに乗れなかったことが、間違いなく今日のレースの明暗を分けてしまった」と振り返る同チーム。逃げの吸収に消極的な集団を1チームだけで牽引することになった。1つ目の山頂手前で集団を吸収するが、菊池誠晃はここで脱落しレースを終えてしまう。さらに、逃げを吸収するまでに相当な距離を牽いたため、チームには、最終的な局面で勝負できる体力は残っていなかった。
一方、1つになった集団から飛び出したのは、フローリス・フーシンニン(オランダ、ドラパック)。イランのタブリーズも追い上げるが、驚異的な強さでゴールまで逃げ切った。昨年はスキル・シマノに所属していた27才のオランダ人。「とても疲れたけど、優勝できて、とてもハッピーに思っているよ。昨日、チームメイトが2位だったので、今日はリベンジすると誓ったんだ」と話す。
総合リーダーに変動はなく、マルクス・アイベッガー(オーストリア、タブリーズ・ペトロケミカル)がイエロージャージをキープ。しかし、アジアツアーで屈指の力を見せつけるイランチームだが、ここにきて疲労の色が隠せない。「なんで先頭に追いつけなかったんだろう…?」他チームが不思議がるほど、リーダーチームである彼らは消耗しているようだ。
「残りの5ステージは、ジャージをキープするにはハードなレースになるだろうね」と話すアイベッカー。2位は同チームのソウラビだが、3位のマッキャン・デヴィッド(アイルランド、ジャイアント・ケンダ)までタイム差は19秒。4~6位に付けているドラパック勢の動きも気になるところ。
綾部勇成がステージ3位でフィニッシュ
「絶不調です……」とスタート地点で話していた綾部勇成(日本ナショナルチーム)がフローリスに次ぐメイン集団でのゴールスプリントで2番手となり、ステージ3位に入賞し、UCIポイントを獲得した。40名程度に絞られたメイン集団だったが、残り1キロ地点で台湾の選手がアタックしたが、残り500メートルで捕らえられる。そして綾部は登り基調となる残り300メートルで前に出ていたワン・カンポー(香港、香港ナショナルチーム)を追ったと言う。ステージ優勝したランカウイのレース同様、登りでのスプリントの強さが光った。
日本ナショナルチームは、逃げ集団に福島晋一と西谷泰治が加わり、ゴールスプリントでは、綾部だけでなく、清水都貴も6位(5番手)でフィニッシュ。調子が上向いてきているように感じる。
明日、第5ステージは台湾第二の都市、台中を大きく周回する111.22キロ、74キロ地点に1級山岳、ゴールも3級の頂上ゴールとなっており、またしても動きがありそうなステージだ。
ステージ順位
1 フローリス・フーシンニン(オランダ、ドラパック)4:35:30
2 ワン・カンポー(香港、香港ナショナル)+00:42
3 綾部勇成(日本ナショナル)
6 清水都貴(日本ナショナル)
9 鈴木真理(シマノレーシング)
11 村上純平(シマノレーシング)
17 佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)
31 鈴木讓(シマノレーシング)
33 吉田隼人(日本ナショナル)
35 青柳憲輝(シマノレーシング)
36 伊丹健治(日本ナショナル)
40 西薗良太(シマノレーシング)
47 畑中勇介(シマノレーシング)+01:27
50 西谷泰治(日本ナショナル)+01:35
84 福島晋一(日本ナショナル)+15:04
- 菊池誠晃(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)DNF
総合順位
1 マルクス・アイベッガー(オーストリア、タブリーズ・ペトロケミカル)11:32:00
2 ソウラビ・メディ(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)+0:09
3 マッキャン・デヴィッド(アイルランド、ジャイアント・ケンダ)+0:19
7 鈴木真理(シマノレーシング)+1:27
9 佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO) +1:29
10 村上純平(シマノレーシング) +1:31
13 鈴木讓(シマノレーシング) +1:37
19 吉田隼人(日本ナショナル) +1:38
26 綾部 勇成(日本ナショナル)+2:16
29 青柳憲輝(シマノレーシング)+2:17
32 西薗良太(シマノレーシング) +2:20
34 伊丹健治(日本ナショナル) +2:23
35 清水都貴(日本ナショナル)+2:25
40 畑中勇介(シマノレーシング)+3:06
41 西谷泰治(日本ナショナル) +3:07
86 福島晋一(日本ナショナル) +35:12
ポイントリーダー
オジャヴェ・マート(エストニア、チャンピオンシステム)
山岳ポイントリーダー
ソウラビ・メディ(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)
アジアンリーダー
ソウラビ・メディ(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)
photo&text:Sonoko.TANAKA
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