2011/03/02(水) - 09:48
5月7日にイタリア・トリノで開幕するジロ・デ・イタリアに、2008年大会覇者のアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)が出場する。ドーピング疑惑がかかりながらも、処罰を免れたコンタドール。サクソバンク・サンガードのチームリーダーとして、これまで7人しか達成していないダブルツールに挑む。
2008年ジロ・デ・イタリア プラン・デ・コロネスを駆け上がるマリアローザのアルベルト・コンタドール(スペイン、当時アスタナ) photo:Cor Vos「ジロはシーズン前半最大の目標だ。先週インターネットでコースマップをチェックしたけど、とても厳しいコースだ。本当に信じられないぐらい厳しい。クイーンステージ(最難関ステージ)が6つもある。」コンタドールはガゼッタ・デッロ・スポルト紙にそう語った。
2011年のジロは5月7日から5月29日までの23日間、イタリアとオーストリアを舞台に開催される。トリノのチームTTで開幕し、ミラノの個人TTで閉幕。山岳ステージは合計7つ設定されており、特に第2週の終盤に登場するグロースグロックナー、モンテ・ゾンコラン、ヴァル・ディ・ファッサの3連続頂上ゴールがマリアローザの行方を大きく占う。
2008年ジロ・デ・イタリア 優勝トロフィーにキスするアルベルト・コンタドール(スペイン、当時アスタナ) photo:Cor Vosコンタドールは過去に1度だけジロに出場している。開幕1週間前に急遽出場が決まった2008年大会だ。直前までビーチでバカンスを楽しんでいたというコンタドールは、後半にかけて調子を上げてジロ初制覇。個人TTでリードを広げ、山岳ステージでライバルたちの攻撃を抑え込むという王道の走りを見せた。
「これまでのグランツールの中で、2008年のジロが最も刺激的で楽しい大会だった。他の国にはない情熱が、イタリアの観客から伝わってくるんだ。彼らはただ単に沿道に出てレースの通過を見ているのではなく、ロードレースの真髄を理解している。」
2010年ツール・ド・フランス 3度目の総合優勝に輝いたアルベルト・コンタドール(スペイン、当時アスタナ) photo:Makoto Ayano2007年、2009年、2010年のツールで総合優勝しているコンタドールは、今年初めてジロとツールを連戦する予定だ。コンタドール曰く、これまで7人しか達成していないダブルツール(ジロとツールを同年制覇)は実現可能。「それが僕のプランだ。ツールに出場できるという前提の話だけど。」
2010年ツール期間中のドーピング検査で、禁止薬物クレンブテロールの陽性反応が検出されたコンタドール。出場停止処分が濃厚と見られたが、今年の2月15日にスペイン自転車競技連盟(RFEC)がコンタドールの処分取り消しを決定した。
ヴォルタ・アン・アルガルヴェでレースに復帰したアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード) photo:Cor Vos「先入観や外部からのプレッシャーを受けることなく、こちら側の証拠書類が適切に処理されたことを歓迎している。」と語るコンタドールは、処分取り消し決定直後のヴォルタ・アン・アルガルヴェでレースに復帰した。
しかしコンタドールは完全に無罪放免になったわけではない。UCI(国際自転車競技連合)とWADA(世界アンチドーピング機構)はCAS(スポーツ仲裁裁判所)に控訴すると見られている。仮にCASがコンタドール有罪の判決を下した場合、コンタドールは1年間、もしくは2年間の出場停止処分を受ける。更に2010年に獲得した3着目のマイヨジョーヌを失い、ダブルツールの夢は断たれる。
ガゼッタ紙によると、コンタドール側がスペイン自転車競技連盟に提出した証拠書類は600ページに及ぶ。現在UCIはスペイン自転車競技連盟から受け取った捜査書類を精査中。近日中に判断を下すと見られている。
ジロに向けてコンタドールはブエルタ・ア・ムルシア(UCI2.1)、ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)、ブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオン(UCI2.1)、そしてフレーシュ・ワロンヌ(UCIワールドツアー)に出場する予定だ。
text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji
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2011年のジロは5月7日から5月29日までの23日間、イタリアとオーストリアを舞台に開催される。トリノのチームTTで開幕し、ミラノの個人TTで閉幕。山岳ステージは合計7つ設定されており、特に第2週の終盤に登場するグロースグロックナー、モンテ・ゾンコラン、ヴァル・ディ・ファッサの3連続頂上ゴールがマリアローザの行方を大きく占う。
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「これまでのグランツールの中で、2008年のジロが最も刺激的で楽しい大会だった。他の国にはない情熱が、イタリアの観客から伝わってくるんだ。彼らはただ単に沿道に出てレースの通過を見ているのではなく、ロードレースの真髄を理解している。」
2010年ツール期間中のドーピング検査で、禁止薬物クレンブテロールの陽性反応が検出されたコンタドール。出場停止処分が濃厚と見られたが、今年の2月15日にスペイン自転車競技連盟(RFEC)がコンタドールの処分取り消しを決定した。
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しかしコンタドールは完全に無罪放免になったわけではない。UCI(国際自転車競技連合)とWADA(世界アンチドーピング機構)はCAS(スポーツ仲裁裁判所)に控訴すると見られている。仮にCASがコンタドール有罪の判決を下した場合、コンタドールは1年間、もしくは2年間の出場停止処分を受ける。更に2010年に獲得した3着目のマイヨジョーヌを失い、ダブルツールの夢は断たれる。
ガゼッタ紙によると、コンタドール側がスペイン自転車競技連盟に提出した証拠書類は600ページに及ぶ。現在UCIはスペイン自転車競技連盟から受け取った捜査書類を精査中。近日中に判断を下すと見られている。
ジロに向けてコンタドールはブエルタ・ア・ムルシア(UCI2.1)、ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)、ブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオン(UCI2.1)、そしてフレーシュ・ワロンヌ(UCIワールドツアー)に出場する予定だ。
text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji
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