2011/02/16(水) - 16:12
中東オマーンを舞台にした第2回ツアー・オブ・オマーン(UCI2.1)が2月15日開幕。初日の第1ステージは大集団によるスプリントに持ち込まれ、トラック世界選手権で5つの金メダルを獲得しているテオ・ボス(オランダ、ラボバンク)が勝利した。ツアー・オブ・オマーンは2月20日まで、山岳や個人TTを含む6ステージで開催される。
昨年初開催され、今年で2年目を迎えるツアー・オブ・オマーン。その名の通り、アラビア半島の東部に位置するオマーンを舞台にしたステージレース。真っ平らなカタールとは異なり、山岳ステージや、個人タイムトライアルが行なわれるのが特徴だ。
直前のツアー・オブ・カタールと連戦で出場する選手が多く、今年はレオパード・トレック、ガーミン・サーヴェロ、カチューシャ、チームスカイ、アスタナ、ラボバンク、クイックステップ、HTC・ハイロード、BMCレーシングチーム、ランプレ・ISDなど、10プロチームを含む16チームが出場。
ツール・ド・フランスと同じASOが主催しているレースだけに、UCIクラス1レースとしてはかなり豪華なラインナップだ。
昨年総合優勝を飾ったファビアン・カンチェラーラ(スイス、レオパード・トレック)やアルカンシェルを着るトル・フースホフト(ノルウェー、ガーミン・サーヴェロ)が顔を揃え、国際的な注目度も高い。
他にもマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)、ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レオパード・トレック)、ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、ガーミン・サーヴェロ)、トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)ら、トップスプリンターが一堂に会した。
初日の第1ステージはアルサワディからアルセーブまでの158km。向かい風の中、30km地点でタネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ)、ピーター・セリー(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)、マーク・マクナリー(イギリス、アンポスト・ショーンケリー)の3名が飛び出した。
タイム差は50km地点で最大4分55秒をマーク。2つの中間スプリントはセリーが連取し、スプリントポイントとボーナスタイムを加算した。
メイン集団をコントロールしたのはラボバンク、チームスカイ、HTC・ハイロード。確実にゴールスプリントに持ち込みたいスプリンターチームの集団牽引により、逃げグループのリードはラスト20kmで1分18秒に。3名の健闘虚しく、ラスト10kmを切ると全員吸収された。
メンバーを揃えてトレインを組むHTC・ハイロードとラボバンクが集団先頭で競り合ったが、ラスト1kmを切るとスキル・シマノが主導権を獲得。しかしエーススプリンターのロジェ・クルーゲ(ドイツ、スキル・シマノ)は伸びず、その後方から飛び出した長身のボスが先頭に立った。
少し出遅れたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)が得意の加速でボスを追い上げたが、僅かに届かない。ハンドルを投げ込んでゴールしたボスとカヴ。片手を突き上げたのはボスだった。
トラック競技のスプリント、ケイリン、1kmTTで合計5つの世界タイトルを手にしているトラックスター、テオ・ボス。日本の国際競輪にも4年間出場しており、2007年のワールドグランプリを含む7勝を飾っている。
2008年にラボバンク・コンチネンタルチームでプロ入りし、昨年サーヴェロ・テストチームへ。クラシカ・デ・アルメリア、ブエルタ・ア・ムルシア第5ステージ、ブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオン第1ステージ&第2ステージで優勝。今年古巣のラボバンクに戻った。
ボスは年を追う毎にロードレースのゴールスプリントに順応しているという印象。今やオスカル・フレイレ(スペイン)に並ぶラボバンクのエーススプリンターだ。「世界トップスプリンターたちを相手に勝利を挙げたことは、自分のキャリアの中で新たなステップだ。チームメイトのグレーム・ブラウンのハードワークを最大限活かしてスプリントに持ち込んだ。カヴェンディッシュが迫っていたけど何とか先着。本当に最高の瞬間だったよ。」
ボーナスタイムを獲得したボスは総合リーダーの証であるレッドジャージを獲得。しかし本人は「レッドジャージに袖を通すことができて誇らしい気持ちだ。でも山岳ステージや個人タイムトライアルが残っている。全力を尽くして総合リードを守りたいけど、それが難しいのは分かっている」と、総合争いについて控えめなコメントを残している。
レース展開や選手コメントはレース公式サイトより。
ツアー・オブ・オマーン2011第1ステージ結果
1位 テオ・ボス(オランダ、ラボバンク) 3h38'29"
2位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)
3位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、スキル・シマノ)
4位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
5位 デニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ)
6位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ)
7位 ダニーロ・ホンド(ドイツ、ランプレ・ISD)
8位 ラッセル・ダウニング(イギリス、チームスカイ)
9位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、クイックステップ)
10位 マシュー・ヘイマン(オーストラリア、チームスカイ)
個人総合成績
1位 テオ・ボス(オランダ、ラボバンク) 3h38'19"
2位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード) +04"
3位 ピーター・セリー(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
4位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、スキル・シマノ) +06"
5位 マーク・マクナリー(イギリス、アンポスト・ショーンケリー) +07"
6位 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ)
7位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) +10"
8位 デニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ)
9位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ)
10位 ダニーロ・ホンド(ドイツ、ランプレ・ISD)
ポイント賞
テオ・ボス(オランダ、ラボバンク)
新人賞
ピーター・セリー(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
チーム総合成績
チームスカイ
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, A.S.O.
昨年初開催され、今年で2年目を迎えるツアー・オブ・オマーン。その名の通り、アラビア半島の東部に位置するオマーンを舞台にしたステージレース。真っ平らなカタールとは異なり、山岳ステージや、個人タイムトライアルが行なわれるのが特徴だ。
直前のツアー・オブ・カタールと連戦で出場する選手が多く、今年はレオパード・トレック、ガーミン・サーヴェロ、カチューシャ、チームスカイ、アスタナ、ラボバンク、クイックステップ、HTC・ハイロード、BMCレーシングチーム、ランプレ・ISDなど、10プロチームを含む16チームが出場。
ツール・ド・フランスと同じASOが主催しているレースだけに、UCIクラス1レースとしてはかなり豪華なラインナップだ。
昨年総合優勝を飾ったファビアン・カンチェラーラ(スイス、レオパード・トレック)やアルカンシェルを着るトル・フースホフト(ノルウェー、ガーミン・サーヴェロ)が顔を揃え、国際的な注目度も高い。
他にもマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)、ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レオパード・トレック)、ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、ガーミン・サーヴェロ)、トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)ら、トップスプリンターが一堂に会した。
初日の第1ステージはアルサワディからアルセーブまでの158km。向かい風の中、30km地点でタネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ)、ピーター・セリー(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)、マーク・マクナリー(イギリス、アンポスト・ショーンケリー)の3名が飛び出した。
タイム差は50km地点で最大4分55秒をマーク。2つの中間スプリントはセリーが連取し、スプリントポイントとボーナスタイムを加算した。
メイン集団をコントロールしたのはラボバンク、チームスカイ、HTC・ハイロード。確実にゴールスプリントに持ち込みたいスプリンターチームの集団牽引により、逃げグループのリードはラスト20kmで1分18秒に。3名の健闘虚しく、ラスト10kmを切ると全員吸収された。
メンバーを揃えてトレインを組むHTC・ハイロードとラボバンクが集団先頭で競り合ったが、ラスト1kmを切るとスキル・シマノが主導権を獲得。しかしエーススプリンターのロジェ・クルーゲ(ドイツ、スキル・シマノ)は伸びず、その後方から飛び出した長身のボスが先頭に立った。
少し出遅れたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)が得意の加速でボスを追い上げたが、僅かに届かない。ハンドルを投げ込んでゴールしたボスとカヴ。片手を突き上げたのはボスだった。
トラック競技のスプリント、ケイリン、1kmTTで合計5つの世界タイトルを手にしているトラックスター、テオ・ボス。日本の国際競輪にも4年間出場しており、2007年のワールドグランプリを含む7勝を飾っている。
2008年にラボバンク・コンチネンタルチームでプロ入りし、昨年サーヴェロ・テストチームへ。クラシカ・デ・アルメリア、ブエルタ・ア・ムルシア第5ステージ、ブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオン第1ステージ&第2ステージで優勝。今年古巣のラボバンクに戻った。
ボスは年を追う毎にロードレースのゴールスプリントに順応しているという印象。今やオスカル・フレイレ(スペイン)に並ぶラボバンクのエーススプリンターだ。「世界トップスプリンターたちを相手に勝利を挙げたことは、自分のキャリアの中で新たなステップだ。チームメイトのグレーム・ブラウンのハードワークを最大限活かしてスプリントに持ち込んだ。カヴェンディッシュが迫っていたけど何とか先着。本当に最高の瞬間だったよ。」
ボーナスタイムを獲得したボスは総合リーダーの証であるレッドジャージを獲得。しかし本人は「レッドジャージに袖を通すことができて誇らしい気持ちだ。でも山岳ステージや個人タイムトライアルが残っている。全力を尽くして総合リードを守りたいけど、それが難しいのは分かっている」と、総合争いについて控えめなコメントを残している。
レース展開や選手コメントはレース公式サイトより。
ツアー・オブ・オマーン2011第1ステージ結果
1位 テオ・ボス(オランダ、ラボバンク) 3h38'29"
2位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)
3位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、スキル・シマノ)
4位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
5位 デニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ)
6位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ)
7位 ダニーロ・ホンド(ドイツ、ランプレ・ISD)
8位 ラッセル・ダウニング(イギリス、チームスカイ)
9位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、クイックステップ)
10位 マシュー・ヘイマン(オーストラリア、チームスカイ)
個人総合成績
1位 テオ・ボス(オランダ、ラボバンク) 3h38'19"
2位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード) +04"
3位 ピーター・セリー(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
4位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、スキル・シマノ) +06"
5位 マーク・マクナリー(イギリス、アンポスト・ショーンケリー) +07"
6位 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ)
7位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) +10"
8位 デニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ)
9位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ)
10位 ダニーロ・ホンド(ドイツ、ランプレ・ISD)
ポイント賞
テオ・ボス(オランダ、ラボバンク)
新人賞
ピーター・セリー(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
チーム総合成績
チームスカイ
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, A.S.O.
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