2011/02/14(月) - 16:59
フランスにロードレースシーズンの到来を告げる第38回ツール・メディテラネアン（UCI2.1）が、2月9日から13日までの5日間、南フランスを舞台に開催。ステージ3連勝を飾ったロメン・フェイユ（フランス、ヴァカンソレイユ・DCM）らを最終日のモンファロン頂上ゴールで振るい落としたダヴィ・モンクティエ（フランス、コフィディス）が大会初制覇を果たした。
第1ステージ 両手を挙げるローラン・マンジェル（フランス、ソール・ソジャサン）と、バイクを投げ込むトマ・ヴォクレール（フランス、ユーロップカー） photo:Cor Vosツール・メディテラネアン（地中海一周レース）の舞台は、その名の通り地中海に面したコートダジュール。フランス国内の中では比較的温暖な地域だ。
定番のシーズン序盤戦として知られ、このレースでシーズンデビューを飾る選手も多い。今年はチームスカイ、アージェードゥーゼル、サクソバンク・サンガード、ガーミン・サーヴェロ、カチューシャ、モビスター、ヴァカンソレイユ・DCMの7プロチームが出場。ユーロップカーやFDJ、コフィディスも顔を揃えた。
第2ステージ スプリント1勝目を飾ったロメン・フェイユ（フランス、ヴァカンソレイユ・DCM） photo:Cor Vos初日は大集団によるゴールスプリントに持ち込まれ、ローラン・マンジェル（フランス、ソール・ソジャサン）が両手を挙げてゴール。しかしバイクを投げ込んでゴールしたトマ・ヴォクレール（フランス、ユーロップカー）が僅かに先着した。
今シーズン初勝利を飾ったヴォクレールは同時にリーダージャージを獲得。ユーロップカーは早くもシーズン5勝目だ。
第3ステージ ポイント賞ジャージのロメン・フェイユ（フランス、ヴァカンソレイユ・DCM）が2勝目 photo:Cor Vosヴォクレールは翌第2ステージで総合首位を守ったが、ステージ優勝を飾ったフェイユとの総合タイム差は縮小してしまう。フェイユはその後の3ステージで怒濤のスプリント3連勝を飾り、ヴォクレールからリーダージャージを奪い取った。
例年より早くシーズンインしたフェイユは好調だ。ツアー・ダウンアンダーではステージトップ10に入ること4回。今年からプロチームに昇格したヴァカンソレイユのエーススプリンターとして、好調ぶりを見せている。リカルド・リッコ（イタリア）のドーピング疑惑に揺れるチームにとって、フェイユの活躍は良い起爆剤になるはずだ。
第4ステージ リーダージャージを着るロメン・フェイユ（フランス、ヴァカンソレイユ・DCM）が3連勝 photo:Cor Vosツール・メディテラネアンの総合争いを決定づけたのは、名物モンファロンの頂上ゴール。パリ〜ニースにも度々登場するこの平均勾配9%・登坂距離5.5kmの1級山岳で、ジャンクリストフ・ペロー（フランス、アージェードゥーゼル）を振り切ったモンクティエが優勝を飾った。
1997年のプロ入り以降、一貫してコフィディスで走るモンクティエは、ツール・ド・フランスでステージ2勝、ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ3勝（2008年、2009年、2010年に山岳賞）を飾っている生粋のクライマー。持ち前の登坂力で、ステージ優勝とツール・メディテラネアン総合優勝を掴み取った。
「ここでの勝利は特別だ。最後の15分間が勝負だと思っていた。これまでステージレースで総合優勝に輝いた経験は少ないから、とても嬉しいよ。」久々のステージレース制覇を達成したモンクティエはレキップ紙のインタビューに喜びをこめて語った。
第5ステージ モンファロンで攻撃を仕掛けるダヴィ・モンクティエ（フランス、コフィディス） photo:Cor Vos
第5ステージ 総合優勝を飾ったダヴィ・モンクティエ（フランス、コフィディス） photo:Cor Vos
ツール・メディテラネアン2011結果
第1ステージ モベック・クステレ〜ペルテュイ 120km
1位 トマ・ヴォクレール（フランス、ユーロップカー） 2h41'04"
2位 ローラン・マンジェル（フランス、ソール・ソジャサン）
3位 トマ・ヴォボルジー（フランス、VCラポムマルセイユ）
4位 ハビエル・イリアルテ（スペイン、モビスター）
5位 レミ・ポリオル（フランス、FDJ）
個人総合首位 トマ・ヴォクレール（フランス、ユーロップカー）
第2ステージ サン・カナ〜ルセ 120km
1位 ロメン・フェイユ（フランス、ヴァカンソレイユ・DCM） 2h50'16"
2位 ダヴィデ・アポローニオ（イタリア、チームスカイ）
3位 ダニーロ・ナポリターノ（イタリア、アックア・エ・サポーネ）
4位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ（ベラルーシ、FDJ）
5位 バンジャマン・ジロー（フランス、VCラポムマルセイユ）
個人総合首位 トマ・ヴォクレール（フランス、ユーロップカー）
第3ステージ カルヌー・アン・プロヴァンス〜ラ・ファルレード 130km
1位 ロメン・フェイユ（フランス、ヴァカンソレイユ・DCM） 3h00'06"
2位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ（ベラルーシ、FDJ）
3位 アレクサンドル・ポルセフ（ロシア、カチューシャ）
4位 ジュスタン・ジュール（フランス、VCラポムマルセイユ）
5位 ダヴィデ・アポローニオ（イタリア、チームスカイ）
個人総合首位 ロメン・フェイユ（フランス、ヴァカンソレイユ・DCM）
第4ステージ ラ・ロンド・レ・モール〜ビオ 155km
1位 ロメン・フェイユ（フランス、ヴァカンソレイユ・DCM） 3h53'33"
2位 ダヴィデ・アポローニオ（イタリア、チームスカイ）
3位 ダニエル・マーティン（アイルランド、ガーミン・サーヴェロ）
4位 ジェレミー・ギャラン（フランス、ソール・ソジャサン）
5位 アレッサンドロ・プローニ（イタリア、アックア・エ・サポーネ）
個人総合首位 ロメン・フェイユ（フランス、ヴァカンソレイユ・DCM）
第5ステージ ビオ〜モンファロン 165km
1位 ダヴィ・モンクティエ（フランス、コフィディス） 4h23'40"
2位 ジャンクリストフ・ペロー（フランス、アージェードゥーゼル） +07"
3位 ワウテル・ポエルス（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM） +18"
4位 アンドリュー・タランスキー（アメリカ、ガーミン・サーヴェロ）
5位 モーリス・ポッソーニ（イタリア、チームスカイ） +23"
個人総合成績
1位 ダヴィ・モンクティエ（フランス、コフィディス） 16h48'36"
2位 ジャンクリストフ・ペロー（フランス、アージェードゥーゼル） +11"
3位 ワウテル・ポエルス（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM） +24"
4位 アンドリュー・タランスキー（アメリカ、ガーミン・サーヴェロ） +28"
5位 モーリス・ポッソーニ（イタリア、チームスカイ） +33"
ポイント賞
ロメン・フェイユ（フランス、ヴァカンソレイユ・DCM）
山岳賞
レミ・ポリオル（フランス、FDJ）
新人賞
ワウテル・ポエルス（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM）
チーム総合成績
コフィディス
text:Kei Tsuji
第1ステージ 両手を挙げるローラン・マンジェル（フランス、ソール・ソジャサン）と、バイクを投げ込むトマ・ヴォクレール（フランス、ユーロップカー） photo:Cor Vosツール・メディテラネアン（地中海一周レース）の舞台は、その名の通り地中海に面したコートダジュール。フランス国内の中では比較的温暖な地域だ。定番のシーズン序盤戦として知られ、このレースでシーズンデビューを飾る選手も多い。今年はチームスカイ、アージェードゥーゼル、サクソバンク・サンガード、ガーミン・サーヴェロ、カチューシャ、モビスター、ヴァカンソレイユ・DCMの7プロチームが出場。ユーロップカーやFDJ、コフィディスも顔を揃えた。
第2ステージ スプリント1勝目を飾ったロメン・フェイユ（フランス、ヴァカンソレイユ・DCM） photo:Cor Vos初日は大集団によるゴールスプリントに持ち込まれ、ローラン・マンジェル（フランス、ソール・ソジャサン）が両手を挙げてゴール。しかしバイクを投げ込んでゴールしたトマ・ヴォクレール（フランス、ユーロップカー）が僅かに先着した。今シーズン初勝利を飾ったヴォクレールは同時にリーダージャージを獲得。ユーロップカーは早くもシーズン5勝目だ。
第3ステージ ポイント賞ジャージのロメン・フェイユ（フランス、ヴァカンソレイユ・DCM）が2勝目 photo:Cor Vosヴォクレールは翌第2ステージで総合首位を守ったが、ステージ優勝を飾ったフェイユとの総合タイム差は縮小してしまう。フェイユはその後の3ステージで怒濤のスプリント3連勝を飾り、ヴォクレールからリーダージャージを奪い取った。例年より早くシーズンインしたフェイユは好調だ。ツアー・ダウンアンダーではステージトップ10に入ること4回。今年からプロチームに昇格したヴァカンソレイユのエーススプリンターとして、好調ぶりを見せている。リカルド・リッコ（イタリア）のドーピング疑惑に揺れるチームにとって、フェイユの活躍は良い起爆剤になるはずだ。
第4ステージ リーダージャージを着るロメン・フェイユ（フランス、ヴァカンソレイユ・DCM）が3連勝 photo:Cor Vosツール・メディテラネアンの総合争いを決定づけたのは、名物モンファロンの頂上ゴール。パリ〜ニースにも度々登場するこの平均勾配9%・登坂距離5.5kmの1級山岳で、ジャンクリストフ・ペロー（フランス、アージェードゥーゼル）を振り切ったモンクティエが優勝を飾った。1997年のプロ入り以降、一貫してコフィディスで走るモンクティエは、ツール・ド・フランスでステージ2勝、ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ3勝（2008年、2009年、2010年に山岳賞）を飾っている生粋のクライマー。持ち前の登坂力で、ステージ優勝とツール・メディテラネアン総合優勝を掴み取った。
「ここでの勝利は特別だ。最後の15分間が勝負だと思っていた。これまでステージレースで総合優勝に輝いた経験は少ないから、とても嬉しいよ。」久々のステージレース制覇を達成したモンクティエはレキップ紙のインタビューに喜びをこめて語った。
第5ステージ モンファロンで攻撃を仕掛けるダヴィ・モンクティエ（フランス、コフィディス） photo:Cor Vos第5ステージ 総合優勝を飾ったダヴィ・モンクティエ（フランス、コフィディス） photo:Cor Vosツール・メディテラネアン2011結果
第1ステージ モベック・クステレ〜ペルテュイ 120km
1位 トマ・ヴォクレール（フランス、ユーロップカー） 2h41'04"
2位 ローラン・マンジェル（フランス、ソール・ソジャサン）
3位 トマ・ヴォボルジー（フランス、VCラポムマルセイユ）
4位 ハビエル・イリアルテ（スペイン、モビスター）
5位 レミ・ポリオル（フランス、FDJ）
個人総合首位 トマ・ヴォクレール（フランス、ユーロップカー）
第2ステージ サン・カナ〜ルセ 120km
1位 ロメン・フェイユ（フランス、ヴァカンソレイユ・DCM） 2h50'16"
2位 ダヴィデ・アポローニオ（イタリア、チームスカイ）
3位 ダニーロ・ナポリターノ（イタリア、アックア・エ・サポーネ）
4位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ（ベラルーシ、FDJ）
5位 バンジャマン・ジロー（フランス、VCラポムマルセイユ）
個人総合首位 トマ・ヴォクレール（フランス、ユーロップカー）
第3ステージ カルヌー・アン・プロヴァンス〜ラ・ファルレード 130km
1位 ロメン・フェイユ（フランス、ヴァカンソレイユ・DCM） 3h00'06"
2位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ（ベラルーシ、FDJ）
3位 アレクサンドル・ポルセフ（ロシア、カチューシャ）
4位 ジュスタン・ジュール（フランス、VCラポムマルセイユ）
5位 ダヴィデ・アポローニオ（イタリア、チームスカイ）
個人総合首位 ロメン・フェイユ（フランス、ヴァカンソレイユ・DCM）
第4ステージ ラ・ロンド・レ・モール〜ビオ 155km
1位 ロメン・フェイユ（フランス、ヴァカンソレイユ・DCM） 3h53'33"
2位 ダヴィデ・アポローニオ（イタリア、チームスカイ）
3位 ダニエル・マーティン（アイルランド、ガーミン・サーヴェロ）
4位 ジェレミー・ギャラン（フランス、ソール・ソジャサン）
5位 アレッサンドロ・プローニ（イタリア、アックア・エ・サポーネ）
個人総合首位 ロメン・フェイユ（フランス、ヴァカンソレイユ・DCM）
第5ステージ ビオ〜モンファロン 165km
1位 ダヴィ・モンクティエ（フランス、コフィディス） 4h23'40"
2位 ジャンクリストフ・ペロー（フランス、アージェードゥーゼル） +07"
3位 ワウテル・ポエルス（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM） +18"
4位 アンドリュー・タランスキー（アメリカ、ガーミン・サーヴェロ）
5位 モーリス・ポッソーニ（イタリア、チームスカイ） +23"
個人総合成績
1位 ダヴィ・モンクティエ（フランス、コフィディス） 16h48'36"
2位 ジャンクリストフ・ペロー（フランス、アージェードゥーゼル） +11"
3位 ワウテル・ポエルス（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM） +24"
4位 アンドリュー・タランスキー（アメリカ、ガーミン・サーヴェロ） +28"
5位 モーリス・ポッソーニ（イタリア、チームスカイ） +33"
ポイント賞
ロメン・フェイユ（フランス、ヴァカンソレイユ・DCM）
山岳賞
レミ・ポリオル（フランス、FDJ）
新人賞
ワウテル・ポエルス（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM）
チーム総合成績
コフィディス
text:Kei Tsuji
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