2011年2月9日、チャレンジ・マヨルカ第4戦トロフェオ・デイア(UCI1.1)が開催され、山岳ポイントが4つ設定された山岳ステージでホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)が勝利。別府史之(レディオシャック)が45位で走り終えたが、前日に手首を痛めた土井雪広(スキル・シマノ)は途中リタイアに終わった。

マヨルカ島北部の山岳地帯に向かう選手たちマヨルカ島北部の山岳地帯に向かう選手たち photo:Cor Vosマヨルカ島北部のデイアを中心とした第4戦は、引き続き山岳地帯を駆け抜ける。中盤にかけて3つの2級山岳が設定され、ゴール5km手前で3級山岳を越えるタフなコースだ。

山岳地帯を進む選手たち山岳地帯を進む選手たち photo:Cor Vosこの日も最初の1時間の平均スピードが47.7km/hをマークするハイスピードな幕開け。アタック合戦の末、50km地点でフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)、ジャンパオロ・ケウラ(イタリア、ジェオックス・TMC)、ダヴィデ・マラカルネ(イタリア、クイックステップ)、ロメン・ジングル(ベルギー、コフィディス)、シャビエル・ザバロ(スペイン、オルベア)の5名が飛び出した。

最大2分37秒のリードを得たジルベールら5名に対し、メイン集団はモビスターとエウスカルテルがコントロール。後半の山岳地帯に差し掛かるとタイム差は縮小し、最大の難所である2級山岳プイグマヨール峠の頂上手前で逃げは吸収された。

集団内で山岳を走るイェンス・フォイクト(ドイツ、レオパード・トレック)とアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)集団内で山岳を走るイェンス・フォイクト(ドイツ、レオパード・トレック)とアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック) photo:Cor Vosゴールまで10kmを切ると、約45名に絞られたメイン集団からタジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、HTC・ハイロード)がアタック。最後の3級山岳でファビオアンドレス・ドゥアルテ(コロンビア、ジェオックス・TMC)とダビ・デラフエンテ(スペイン、ジェオックス・TMC)が先頭ヴァンガーデレンに合流したが、結局はゴール手前に吸収された。

最後は約50名によるゴール勝負に持ち込まれ、曲がりくねったコースで早めに仕掛けたロハスが勝利。モビスターに今シーズン3勝目をもたらした。

レース終盤にアタックを仕掛けるタジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、HTC・ハイロード)レース終盤にアタックを仕掛けるタジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、HTC・ハイロード) photo:Cor Vosスペイン有数のスプリンターとして、グランツールなどのステージレースでスプリント上位に絡むロハス。しかし昨シーズンは勝利に見放され、何度も表彰台に上りながらも未勝利に終わった。実に1年半ぶりの勝利を飾ったロハスは安堵のコメントを残す。「チームのおかげで自信を取り戻すことができたよ。特にベントソには感謝している。昨年と同じコースだったので、先頭で最終コーナーを抜ければチャンスがあると思っていたんだ。」

9秒遅れの45位でフィニッシュした別府史之はTwitterの中でレースを振り返る。「今日は昨日よりも体調もよく全長30kmの登りを先頭集団で登りきって、最後の2級の山でもいい感じだった。最後のゴールスプリントは道が狭く、コーナーが沢山あって(参加)出来なかったけど、山の多い厳しいコースで手応えを感じられた。」

スプリントを制したホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)スプリントを制したホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター) photo:Cor Vosこの第4戦でマヨルカでのトレーニングを締めくくった別府史之。「クラッシュもせずにトレーニングキャンプとレースを無事にこなすことが出来て良いスタートがきれた! 嬉しい限りだ。あとは食べ過ぎないようにして、またトレーニングに励もう!」次戦は2月22日から26日までイタリアで開催されるジロ・ディ・サルデーニャ(UCI2.1)の予定だ。

また、前日の第3戦で落車し、手首を痛めた土井雪広は、大事を取って途中リタイアした。土井は自身のブログで「明日から片手走行でトレーニングして、1週間後にはギブス外し、テーピングを巻いてアンダルシアに出ます。僕の意志です。今のコンディションを落としたくない。体が今は疲労しているから良い回復になると信じています」とコメントしている。

レース展開と選手コメントはレース公式サイトより。


トロフェオ・デイア結果
1位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)       3h18'59"
2位 ゴルカ・イサギーレ(スペイン、エウスカルテル)
3位 ファンホセ・コーボ(スペイン、ジェオックス・TMC)
4位 セバスティアン・ラングフェルド(オランダ、ラボバンク)
5位 トニ・マルティン(ドイツ、HTC・ハイロード)
6位 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)
7位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・サーヴェロ)
8位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、カチューシャ)
9位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
10位 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップ)
45位 別府史之(日本、レディオシャック)              +09"
DNF 土井雪広(日本、スキル・シマノ)

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos

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