埼玉県吉見市で開催されているシクロクロスシリーズ、GPミストラルの最終戦となる第5戦。カテゴリー1はドライなハイスピードコースでの闘いを、池本真也(和光機器・タムラクラブ)が制し、大会4連覇を達成。同時に年間シリーズチャンピオンの座にも輝いた。

スタート直後で先頭に立ったのは合田正之(cycleclub 3UP)スタート直後で先頭に立ったのは合田正之(cycleclub 3UP) photo:Yufta Omata回を増すごとに参加を増すGPミストラル。シクロクロス熱の高まりとともに、都心からのアクセスが良い埼玉県吉見市での開催が人気を集めている。迎える大会はシーズン最終戦となる第5戦だ。

今シーズンのGPミストラル、ここまで第2戦から第4戦まで3連覇を達成中なのが関東のシクロクロスマイスター、池本真也(和光機器・タムラクラブ)だ。池本は同時に、GPミストラルのシリーズチャンピオンの座をかけての最終戦となる。

シリーズランキングトップの池本真也(和光機器・タムラクラブ)は前方を走りながら様子をうかがうシリーズランキングトップの池本真也(和光機器・タムラクラブ)は前方を走りながら様子をうかがう photo:Yufta Omata対するは、ここまで池本の3連勝中すべて2位に甘んじている合田正之(cycleclub 3UP)。前回の最終週逆転の雪辱を期してレースに臨んだ。

午前中の天気は冷たい強風が吹きつける青天。ここまでマッドコンディションで選手たちを苦しめてきたGPミストラルにあって久しぶりのドライコンディションとなった。運動公園内ということもあり起伏は無いが、今回は階段セクションが設置され、変化に富むスピードコースとなった。

予定より15分ほど遅く、10時45分頃にスタートが切られたカテゴリー1。スタート直後のカーブを抜けた第1コーナーには選手たちが好ポジションを得ようと土煙を上げて突入する。ここを抜けて先頭に立ったのは合田。これまでのレースでも見せている積極的に前をいく走りだ。

シケインで落車発生!シケインで落車発生! photo:Yufta Omata積極的に先頭を走る合田正之(cycleclub 3UP)積極的に先頭を走る合田正之(cycleclub 3UP) photo:Yufta Omata


ミストラル表彰台の常連、中間森太郎(チーム埼玉県人)がこれに続く。前回3位に入った三上和志(cycleclub 3UP)、池本というオーダーで階段セクションを抜け、1周目のシケインを越える。

2周目に入り三上が遅れると合田、池本、中間の3人がひとつになり先頭パックを形成。ミストラルの表彰台でお馴染みの面子が早くもレースを動かし始める。

ドライな路面のため、選手が通る後には砂埃が巻き上がるドライな路面のため、選手が通る後には砂埃が巻き上がる photo:Yufta Omata3周目 階段セクションで競る合田正之(cycleclub 3UP)と池本真也(和光機器・タムラクラブ)3周目 階段セクションで競る合田正之(cycleclub 3UP)と池本真也(和光機器・タムラクラブ) photo:Yufta Omata


3周目の階段セクションで中間がまごつくと、先頭は合田と池本の2名に。先頭交代をしながら走る2名と中間との距離はどんどん開いていく。4周目に入り、4位争いが加熱。これまで4位を走っていた三上に代わり、向山浩司(GRUPPO ACQUA TAMA)が単独4位に上がってくる。

階段セクションで前の2人から遅れた中間森太郎(チーム埼玉県人)階段セクションで前の2人から遅れた中間森太郎(チーム埼玉県人) photo:Yufta Omata3周目 単独4位に浮上した向山浩司(GRUPPO ACQUA TAMA)3周目 単独4位に浮上した向山浩司(GRUPPO ACQUA TAMA) photo:Yufta Omata


レースは5周目に動いた。競っていた先頭の2名から轍にタイヤを取られた合田が落車。池本が単独で先頭に躍り出ると、どんどんとスピードを増し、合田との差を開く。合田は後ろに迫ってくる中間のプレッシャーを感じながら池本を追うがその差は縮まらない。

池本から間隔をおいて合田、中間が追うがオーダーは変わらないまま最終周回へ。4位争いは向山、三上に鈴木良則(スペシャライズド・コンセプトストア/チーム・ラバネロ)が合流し3人の争いに。

先頭を独走する池本真也(和光機器・タムラクラブ)先頭を独走する池本真也(和光機器・タムラクラブ) photo:Yufta Omata最終週で4位争いは三上和志(cycleclub 3UP)、向山浩司(GRUPPO ACQUA TAMA)、鈴木良則(スペシャライズド・コンセプトストア/チーム・ラバネロ)のパックに最終週で4位争いは三上和志(cycleclub 3UP)、向山浩司(GRUPPO ACQUA TAMA)、鈴木良則(スペシャライズド・コンセプトストア/チーム・ラバネロ)のパックに photo:Yufta Omata


独走態勢を崩さない池本がチームのジャージをアピールしながらゴール。これで池本はGPミストラル4連勝を達成とその強さを見せつけた。2位には池本を追いきれなかった合田が入った。合田は4連続の2位となり池本の後塵を拝す結果に。

GPミストラル4連勝を達成した池本真也(和光機器・タムラクラブ)GPミストラル4連勝を達成した池本真也(和光機器・タムラクラブ) photo:Yufta Omata

GPミストラル2010-2011シーズンの年間王者に輝いた池本真也(和光機器・タムラクラブ)GPミストラル2010-2011シーズンの年間王者に輝いた池本真也(和光機器・タムラクラブ) photo:Yufta Omata3位には中間。数秒遅れの4位にはパックでの争いを早めのアタックで制した三上が入った。5位に鈴木良則、多くの時間を単独4位で走った向山は6位でフィニッシュした。

優勝した池本真也(和光機器・タムラクラブ)
「今日は苦手な高速コースだったのですが、合田さんが轍の区間でミスしたことで先頭に出ました。オフロードでは人の後ろを走るテクニックも重要です。今シーズンはたくさん応援をしていただきました。また、AUTHOR(アーサー)というバイクスポンサーにもついていただいて、気持ちの充実したいい1年になりました。来年の目標は、昔のように日本のトップに追いつけるようになりたいですね。」


L1は片山が圧勝で前回大会のリベンジ C2は山川が制す

ミストラル第4戦ではリアディレーラーを折ってリタイヤしたXCの女王、片山梨絵(SPECIALIZED)が今大会でリベンジ達成。C2の選手たちに混じってもひけをとらない走りで2位に4分差をつけて勝利した。



カテゴリーL1は片山梨絵(SPECIALIZED)が制し、前回のメカトラリタイヤの雪辱を果たしたカテゴリーL1は片山梨絵(SPECIALIZED)が制し、前回のメカトラリタイヤの雪辱を果たした photo:Yufta Omataカテゴリー2を制した山川惇太郎(湘南ベルマーレ)カテゴリー2を制した山川惇太郎(湘南ベルマーレ) photo:Yufta Omata


42人がエントリーしたC2は山川惇太郎(湘南ベルマーレ)が世田 仁(042-703-9122)をかわして優勝。31人がエントリーしたマスターズは山下永(チーム埼玉県人)が制している。エントリー数が100人を越えたため募集を締め切った大盛況のカテゴリー3はAとBの2つに分けて開催され、白熱のレースが展開された。

エンジョイライドの部(U10+カデット)の参加キッズたちの懸命のペダリング!エンジョイライドの部(U10+カデット)の参加キッズたちの懸命のペダリング! photo:Yufta Omataキッズも激走に疲れ果て大の字にキッズも激走に疲れ果て大の字に photo:Yufta Omata


当日エントリーも可能なエンジョイライドでは、キッズからビギナーまでシクロクロスコースのオフロードライディングを楽しんだ。こうした気軽に楽しめるイベントの設置が参加者を増し続けるGPミストラルの秘密の一つだろう。

GPミストラル シーズン総合成績表彰

全5戦で争われたGPミストラル2010-2011。全てのレースを終え、シーズンを通じての総合成績の表彰が行われた。

カテゴリー1の個人ランキングトップは破竹の4連勝を達成した池本真也(和光機器・タムラクラブ)。2位には4度の2位を重ねた合田正之(cycleclub 3UP)、3位には中間森太郎(チーム埼玉県人)と、この日の順位と同じ総合成績となった。この3名は3名ともがサバイバルレースとなった全日本選手権の完走者。関東のシクロクロスの雄が表彰台を独占した。

年間ランキングトップの池本真也(和光機器・タムラクラブ)にチャンピオンの証クリスタルが贈られた年間ランキングトップの池本真也(和光機器・タムラクラブ)にチャンピオンの証クリスタルが贈られた photo:Yufta Omata

カテゴリーL1は第4戦を終えて斎藤磨実(TEAM MASA+/BOMA)と綿貫通穂(臼杵レーシング)が同ポイントで並ぶ接戦だったが、この日2位に入った斎藤がシリーズチャンピオンに輝いた。マスターズは圧倒的な強さを見せている山下永(チーム埼玉県人)が獲得した。

チーム総合成績は、カテゴリー1からL2まで選手を送り込んだ臼杵レーシングが優勝。チーム一丸となって栄冠を手にした。

GPミストラル第4戦 結果(周回数とタイム)
【Category 1 (C-1)】

1 池本 真也 和光機器タムラクラブ 8 1:00:34
2 合田 正之 サイクルクラブ゙3UP・ MURACA 8 1:01:33
3 中間 森太郎 チーム埼玉県人 8 1:02:08
4 三上 和志 サイクルクラブ3UP 8 1:02:14
5 鈴木良則 スペシャライズドコンセプトチーム 8 1:02:17
6 向山 浩司 GRUPPO ACQUA TAMA 8 1:02:25
7 北島篤志 042-703-9122 8 1:03:54
8 山辺誠司 チーム埼玉県人 8 1:04:00
9 鈴木祐一 042-703-9122 8 1:04:02
10 大塚将悟 XARU/il cuore 8 1:04:24

【Category 2 (C-2+L1+J)】
1 山川惇太郎 湘南ベルマーレ 5 0:48:38
2 世田 仁(042-703-9122) 5 0:48:58
3 山口博久 バイシクルクラブ編集部 5 0:50:23
4 中曽 佑一 over-do 5 0:50:41
5 有持真人 TeamARI 5 0:51:07

【Category 3 】
3A
1 伊藤博彦 桜高競輪部 3 0:24:49
2 岡井良文 トラクターRC 3 0:25:07
3 浅井秀樹 サイクルクラブ3UP 3 0:25:25


3B
1 代田和明 042-703-9122 3 0:24:22
2 秋山悟郎 FUJI-cyclingtime 3 0:25:09
3 吉崎徹 3 ARAI MURACA 0:25:30


【Category L1 (C-2+L1+J)】
1 片山 梨絵 SPECIALIZED 6 0:52:17


【Category Junior (C-2+L1+J)】
1 岡田真治 equip mistral 6 0:53:07

【Category L2 (C-3A+L2)】
1 笹本みき Team BATAVIA AIR 3 0:29:13


【Category Master (C-M+U14)】
1 山下 永 埼玉県人 4 0:25:25


【Category U14 (C-M+U14)】
1 山田 将輝 やまさんず 3 0:26:53


【Category U10 (C-C+U10)】
1 川野 碧己 Team-K 4 0:14:00


【Category Cadet (C-C+U10)】
1 竹口幸助 3 0:14:28

※正式リザルトは公式ホームページで発表される。


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