2011/01/30(日) - 10:41
シクロクロス世界選手権1日目、ジュニアはフランスのクレモン・ヴォントゥリーニが優勝し、ドゥベ兄弟とともにフランス勢が表彰台を独占。日本人選手の沢田時も16位と健闘。一方のアンダー23では、ラース・ファンデルハール(オランダ)がロングスプリントを制し、アルカンシェルに袖を通した。
フランス人選手が表彰台を独占したジュニア
6周回で開催されたシクロクロス世界選手権ジュニアカテゴリー。カチコチに凍った固い路面と均された轍により、コースはとても走りやすく、平均速度は時速26.78kmを記録。ロードレースさながらな高速レースとなった。
1993年および1994年生まれの若い選手が対象となるジュニアカテゴリー。66名の選手が午前11時に会場である陸上競技場をスタートした。競技場を出る頃から集団は長く伸び始め、最初のキャンバーの登りで落車などにより大きく集団は絞られてくる。
3周回目での先頭集団は6名、その中からアタックをかけたのが、クレモン・ヴォントゥリーニ(フランス)。ワールドカップ第6戦となるフランス・ポンシャトー大会の勝者だ。
それ以後、単独で先頭をひた走り、最大で後続を30秒以上引き離すが、最終周回でキャンバー区間でスリップ。バイクが柵に絡まり10秒ほどロスしたものの、後続は彼に追いつかず、15秒差で涙ながらにゴールラインを越えた。
「フランスチームにとって素晴らしいレースになったよ! 自分のレースにしたかったから、スタートから飛ばしていったんだ。最後までトップに立てるという確かな自信があったからね」
「フランスのナショナル選手権では結果を出せなくて、諦めたくもなったけど、ワールドカップ・ポンシャトー大会で優勝すると、世界チャンピオンになれるかもしれないと感じた。今日のレースでは、自分こそが世界チャンピオンに相応しいということを全ての人に見せたかったんだ。レース前はとても緊張していたけど、熱狂したレースだった」
クレモンの後続もフランス勢が占める。ファビアン&ロワック、双子のドゥベ兄弟が並んで両手を挙げて2位、3位でフィニッシュする。スタートで出遅れてしまったロワックだったが、3周回目では先頭と捉える位置まで追い上げ、6周回目でファビアンに次いで3位の位置まで上がってきた。
「自分たちの先頭をファビアンが牽いているのが見えたんだ。そのとき彼まで追いつけると感じた。昨夜、自分たちはチームとして、クレモンを勝たせるために走ろうと話し合っていた。そして、ファビアンが前に出たとき、自分たちに特別なことができるって感じたんだ」とロワック。
日本から出場した沢田時もトップから2分14秒遅れの16位でフィニッシュした。日本人最高位という好成績に日本チームは沸いた。
U23はオランダのファンデルハールが高速レースを制す
午後になると気温はいくらか上昇し、日の当たる場所では路面が溶け始めて、泥が目立つようになった。50名が出走したアンダー23は午後の日差しが降り注ぐ14時にレースはスタートし、8周回で争われた。
ジュニア同様に平均時速26.15kmというハイスピードなレース展開。最終周回まで決定的なアタックは決まらなかった。フィニッシュラインで残り1周の鐘が鳴らされたとき、競技場を走り抜けたのは10名の先頭集団。あたかもロードレースのような光景だった。
レースが動いたのは残り半周回。マイク・トゥーニセン(オランダ)が集団から飛び出した。しかし、残り700メートルほどで後続に追いつかれてしまう。
トゥニーセンに代わり、前に飛び出したのは同じくオランダのラース・ファンデルハール。体操競技から自転車競技に転向したという経歴をもつ小柄なヨーロッパU23チャンピオンだ。残り700メートル、長い長いスプリントをモガききり、念願のアルカンシェルを手にした。
「高速でとてもタフなレースだった。残り200メートルは世界チャンピオンのタイトルのためにフルスピードで走ったんだ。行け、行け、行けって自分に言いながらね。トゥニーセンを抜いたときから、自分が勝てるって確信してた。今シーズンは、たくさんのレースを走ったことで、強くなることができたんだと思う」
ファンデルハールに最後抜かされてしまったトゥニーセンは2位でフィニッシュ。オランダ人選手の1、2フィニッシュとなったが、やはりトゥニーセンの表情には悔しさが滲む。
「最終周回で自分がリードしていた分、後悔はしているよ。そのときは勝ちたいと思っていたし。でも最後の登りがとても苦しかったんだ。2位に入れたことに満足していたよ」
エリート男子は30日14時スタート
明日の午前中は女子、午後はいよいよエリート男子のレースとなる。優勝候補は今季絶好調、ワールドカップのランキング首位ニールス・アルベール(ベルギー、BKCP)とディフェンディングチャンピオンとなるゼネク・スティバル(チェコ、テレネット・フィデア)だろう。さらに泥のコンディションとなれば、ベルギーの英雄スヴェン・ネイス(ベルギー、ランドバウクレジット)も有力となる。
シクロクロス世界選手権2011ジュニア結果
1位 クレモン・ヴォントゥリーニ(フランス) 44'31"
2位 ファビアン・ドゥベ(フランス) +15"
3位 ロワック・ドゥベ(フランス)
4位 ヤコブ・スカーラ(チェコ) +36"
5位 ローレンス・スウェック(ベルギー) +37"
6位 ミシェル・ヴァントルンハウト(ベルギー) +45"
7位 ドミニク・ツムシュタイン(スイス) +51"
8位 シルヴィオ・ヘルクロッツ(ドイツ) +1'09"
9位 ヴォイチェフ・ニプル(チェコ) +1'18"
10位 スタン・ゴドリ(オランダ) +1'29"
16位 沢田時(ENDRESS/ProRide) +2'14"
シクロクロス世界選手権2011U23結果
1位 ラース・ファンデルハール(オランダ) 52'11"
2位 マイク・トゥーニセン(オランダ) +01"
3位 カレル・フニク(チェコ)
4位 マテュー・ボロ(フランス) +03"
5位 テイメン・エイジン(オランダ) +04"
6位 ウィーツェ・ボスマン(ベルギー) +07"
7位 ヴァレンティン・シュルツ(スイス) +13"
8位 ジョエリ・アダムス(ベルギー) +24"
9位 ジミ・テュルジ(フランス)
10位 ヴァンサン・バエスタン(ベルギー) +30"
text&photo:Sonoko Tanaka in St-Wendel, Germany
フランス人選手が表彰台を独占したジュニア
6周回で開催されたシクロクロス世界選手権ジュニアカテゴリー。カチコチに凍った固い路面と均された轍により、コースはとても走りやすく、平均速度は時速26.78kmを記録。ロードレースさながらな高速レースとなった。
1993年および1994年生まれの若い選手が対象となるジュニアカテゴリー。66名の選手が午前11時に会場である陸上競技場をスタートした。競技場を出る頃から集団は長く伸び始め、最初のキャンバーの登りで落車などにより大きく集団は絞られてくる。
3周回目での先頭集団は6名、その中からアタックをかけたのが、クレモン・ヴォントゥリーニ(フランス)。ワールドカップ第6戦となるフランス・ポンシャトー大会の勝者だ。
それ以後、単独で先頭をひた走り、最大で後続を30秒以上引き離すが、最終周回でキャンバー区間でスリップ。バイクが柵に絡まり10秒ほどロスしたものの、後続は彼に追いつかず、15秒差で涙ながらにゴールラインを越えた。
「フランスチームにとって素晴らしいレースになったよ! 自分のレースにしたかったから、スタートから飛ばしていったんだ。最後までトップに立てるという確かな自信があったからね」
「フランスのナショナル選手権では結果を出せなくて、諦めたくもなったけど、ワールドカップ・ポンシャトー大会で優勝すると、世界チャンピオンになれるかもしれないと感じた。今日のレースでは、自分こそが世界チャンピオンに相応しいということを全ての人に見せたかったんだ。レース前はとても緊張していたけど、熱狂したレースだった」
クレモンの後続もフランス勢が占める。ファビアン&ロワック、双子のドゥベ兄弟が並んで両手を挙げて2位、3位でフィニッシュする。スタートで出遅れてしまったロワックだったが、3周回目では先頭と捉える位置まで追い上げ、6周回目でファビアンに次いで3位の位置まで上がってきた。
「自分たちの先頭をファビアンが牽いているのが見えたんだ。そのとき彼まで追いつけると感じた。昨夜、自分たちはチームとして、クレモンを勝たせるために走ろうと話し合っていた。そして、ファビアンが前に出たとき、自分たちに特別なことができるって感じたんだ」とロワック。
日本から出場した沢田時もトップから2分14秒遅れの16位でフィニッシュした。日本人最高位という好成績に日本チームは沸いた。
U23はオランダのファンデルハールが高速レースを制す
午後になると気温はいくらか上昇し、日の当たる場所では路面が溶け始めて、泥が目立つようになった。50名が出走したアンダー23は午後の日差しが降り注ぐ14時にレースはスタートし、8周回で争われた。
ジュニア同様に平均時速26.15kmというハイスピードなレース展開。最終周回まで決定的なアタックは決まらなかった。フィニッシュラインで残り1周の鐘が鳴らされたとき、競技場を走り抜けたのは10名の先頭集団。あたかもロードレースのような光景だった。
レースが動いたのは残り半周回。マイク・トゥーニセン(オランダ)が集団から飛び出した。しかし、残り700メートルほどで後続に追いつかれてしまう。
トゥニーセンに代わり、前に飛び出したのは同じくオランダのラース・ファンデルハール。体操競技から自転車競技に転向したという経歴をもつ小柄なヨーロッパU23チャンピオンだ。残り700メートル、長い長いスプリントをモガききり、念願のアルカンシェルを手にした。
「高速でとてもタフなレースだった。残り200メートルは世界チャンピオンのタイトルのためにフルスピードで走ったんだ。行け、行け、行けって自分に言いながらね。トゥニーセンを抜いたときから、自分が勝てるって確信してた。今シーズンは、たくさんのレースを走ったことで、強くなることができたんだと思う」
ファンデルハールに最後抜かされてしまったトゥニーセンは2位でフィニッシュ。オランダ人選手の1、2フィニッシュとなったが、やはりトゥニーセンの表情には悔しさが滲む。
「最終周回で自分がリードしていた分、後悔はしているよ。そのときは勝ちたいと思っていたし。でも最後の登りがとても苦しかったんだ。2位に入れたことに満足していたよ」
エリート男子は30日14時スタート
明日の午前中は女子、午後はいよいよエリート男子のレースとなる。優勝候補は今季絶好調、ワールドカップのランキング首位ニールス・アルベール(ベルギー、BKCP)とディフェンディングチャンピオンとなるゼネク・スティバル(チェコ、テレネット・フィデア)だろう。さらに泥のコンディションとなれば、ベルギーの英雄スヴェン・ネイス(ベルギー、ランドバウクレジット)も有力となる。
シクロクロス世界選手権2011ジュニア結果
1位 クレモン・ヴォントゥリーニ(フランス) 44'31"
2位 ファビアン・ドゥベ(フランス) +15"
3位 ロワック・ドゥベ(フランス)
4位 ヤコブ・スカーラ(チェコ) +36"
5位 ローレンス・スウェック(ベルギー) +37"
6位 ミシェル・ヴァントルンハウト(ベルギー) +45"
7位 ドミニク・ツムシュタイン(スイス) +51"
8位 シルヴィオ・ヘルクロッツ(ドイツ) +1'09"
9位 ヴォイチェフ・ニプル(チェコ) +1'18"
10位 スタン・ゴドリ(オランダ) +1'29"
16位 沢田時(ENDRESS/ProRide) +2'14"
シクロクロス世界選手権2011U23結果
1位 ラース・ファンデルハール(オランダ) 52'11"
2位 マイク・トゥーニセン(オランダ) +01"
3位 カレル・フニク(チェコ)
4位 マテュー・ボロ(フランス) +03"
5位 テイメン・エイジン(オランダ) +04"
6位 ウィーツェ・ボスマン(ベルギー) +07"
7位 ヴァレンティン・シュルツ(スイス) +13"
8位 ジョエリ・アダムス(ベルギー) +24"
9位 ジミ・テュルジ(フランス)
10位 ヴァンサン・バエスタン(ベルギー) +30"
text&photo:Sonoko Tanaka in St-Wendel, Germany
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