2011/01/26(水) - 23:05
2011年1月26日に行なわれたツール・ド・ランカウイ第4ステージ。超級山岳キャメロンハイランドが設定された山岳ステージで、スプリントを制した綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)が優勝。同時に総合リーダーの座に就いた。
2011年のツール・ド・ランカウイには2つの重要な山岳ステージがある。1つがこのキャメロンハイランドにゴールする第4ステージ。そしてもう一つが名物ゲンティンハイランドにゴールする第5ステージ。総合争いはこの2つの難関山岳ステージで大まかな形勢が決まる。
コースは平野部に位置するアイル・タワールから標高1500mの高原リゾート・キャメロンハイランドまでの137.6km。途中3つのスプリントポイントと、3級山岳、1級、そして超級山岳を越える。最後の超級山岳ブキット・ブリンチャンはゴールまで8kmの位置。ゴール前は下り基調だ。
この日はスプリントポイントに関連したアタックが連発したため、レースは序盤からハイスピードで展開。最初の1時間は平均50km/hをマークした。
序盤に宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)や福田晋平(愛三工業レーシングチーム)らを含む18名の大きなグループが先行したが、リードを稼げずに29km地点で吸収されてしまう。レースが落ち着きを取り戻したのは、2つ目のスプリントポイント通過後だった。
逃げグループを形成したのは、全日本チャンピオンジャージを着る宮澤、クリストファー・ジョーンズ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)、ダミアン・ゴダン、ギョーム・ルフロッシュ(ともにフランス、ユーロップカー)、フローリス・フーシンニン(オランダ、ドラパック・ポルシェ)、クリストフ・ファンヘールデン(南アフリカ、MTNキュベカ)、ボリス・シュピレフスキー(ロシア、タブリス・ペトロケミカル)、ジャン・チャンジェ(韓国、韓国ナショナルチーム)、チャン・フイ(中国、マックスサクセス)の9名。
先頭9名のリードは最大1分55秒まで広がったが、コルナゴ・CSF勢の集団コントロールにより、山岳地帯に入るとタイム差は縮小。結局宮澤らは1級山岳の上りで吸収された。
1級山岳はアルバート・ティマー(オランダ、スキル・シマノ)が先頭通過を果たし、ゴールまで30kmを切るとジャンギョン・グ(韓国、韓国ナショナルチーム)らがアタック。ジャンは単独エスケープを試みたが、タイム差は30秒を超えない。
ジャンの吸収後に飛び出したピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)のアタックも決まらず、ハイスピードを維持した集団は人数を減らしながら雨の超級山岳ブキット・ブリンチャンをクリア。
標高1613mの山岳頂上は28歳のクライマー、ラヒム・エマミ(イラン、アサド大学チーム)が先頭通過した。
山岳でばらけた先頭集団は、10名程に絞られた状態でゴールへ。ゴール前はテクニカルな下りが続き、ラスト1kmを切るとリバルド・ニノ(コロンビア、ルトゥーア)がロングスパート。
先行したニノを綾部らを含むグループが追う展開。ゴール前に失速したニノを追い抜き、厳しいスプリントを制した綾部がゴール後に手を挙げた。
綾部は2005年の福島康司、2007年の福島晋一、2010年の西谷泰治に次ぐ史上4人目の日本人ステージ優勝者に。別府匠新監督が采配を振る愛三工業レーシングチームは2年連続のステージ優勝だ。
イエロージャージで記者会見に臨んだ綾部は「UCIレース、しかもオークラスで勝ったのは本当に嬉しい。大会主催者も喜んでくれいて、アジアの誇りだと言って頂けたのも嬉しい。チームは大会二週間前に現地入りして準備をしてきたから、その甲斐がありました」と喜びを語る。
綾部は同時にリーダージャージとアジア人総合リーダージャージを獲得。翌第5ステージは総合リーダーの証であるイエロージャージを着て走る。一日の最後に待つのは超級山岳ゲンティンハイランド。愛三工業レーシングチームはリーダーチームとしてレースを牽引する。
「明日も厳しい上りですがしっかりと集中して、下から上まで全力で上るだけです。全力でがんばります」綾部はそう意気込んだ。
その他の日本人選手は、土井雪広(スキル・シマノ)が1分42秒遅れの37位、鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム)が3分37秒遅れの45位で続いている。
レース展開や選手コメントはレース公式サイト、レース公式ストリーミング、愛三工業レーシングチームより。
ステージダイジェストムービー
ツール・ド・ランカウイ2011第4ステージ結果
1位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム) 3h42'15"
2位 リバルド・ニノ(コロンビア、ルトゥーア)
3位 アミール・ザルガリ(イラン、アサド大学チーム)
4位 トマ・ボナン(フランス、スキル・シマノ)
5位 クリストファー・ジョーンズ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
6位 ジョナサン・モンサルベ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)
7位 アレックス・ハウズ(アメリカ、チポレ・ディベロップメント)
8位 ホセイン・アスカリ(イラン、タブリス・ペトロケミカル)
9位 エマヌエーレ・セッラ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ) +02"
10位 ジェイコブ・ラーズ(アメリカ、チポレ・ディベロップメント) +05"
37位 土井雪広(スキル・シマノ) +1'42"
45位 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム) +3'37"
47位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム) +3'55"
75位 宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ) +9'28"
77位 盛一大(愛三工業レーシングチーム) +9'33"
114位 福島晋一(トレンガヌ・プロアジア) +21'03"
118位 福田晋平(愛三工業レーシングチーム)
個人総合成績
1位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム) 12h26'17"
2位 リバルド・ニノ(コロンビア、ルトゥーア) +04"
3位 アミール・ザルガリ(イラン、アサド大学チーム) +06"
4位 ホセイン・アスカリ(イラン、タブリス・ペトロケミカル) +09"
5位 トマ・ボナン(フランス、スキル・シマノ) +10"
6位 ジョナサン・モンサルベ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)
7位 アレックス・ハウズ(アメリカ、チポレ・ディベロップメント)
8位 クリストファー・ジョーンズ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
9位 エマヌエーレ・セッラ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ) +12"
10位 カーク・カールセン(アメリカ、チポレ・ディベロップメント) +14"
37位 土井雪広(スキル・シマノ) +1'52"
45位 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム) +3'47"
47位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム) +4'05"
76位 宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ) +9'37"
77位 盛一大(愛三工業レーシングチーム) +9'43"
113位 福田晋平(愛三工業レーシングチーム) +21'13"
116位 福島晋一(トレンガヌ・プロアジア) +21'33"
ポイント賞
アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)
山岳賞
ラヒム・エマミ(イラン、アサド大学チーム)
アジア人総合成績
綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)
チーム総合成績
チポレ・ディベロップメント
アジアンチーム総合成績
タブリス・ペトロケミカル
text:Kei Tsuji
photo:Yuko Sato
2011年のツール・ド・ランカウイには2つの重要な山岳ステージがある。1つがこのキャメロンハイランドにゴールする第4ステージ。そしてもう一つが名物ゲンティンハイランドにゴールする第5ステージ。総合争いはこの2つの難関山岳ステージで大まかな形勢が決まる。
コースは平野部に位置するアイル・タワールから標高1500mの高原リゾート・キャメロンハイランドまでの137.6km。途中3つのスプリントポイントと、3級山岳、1級、そして超級山岳を越える。最後の超級山岳ブキット・ブリンチャンはゴールまで8kmの位置。ゴール前は下り基調だ。
この日はスプリントポイントに関連したアタックが連発したため、レースは序盤からハイスピードで展開。最初の1時間は平均50km/hをマークした。
序盤に宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)や福田晋平(愛三工業レーシングチーム)らを含む18名の大きなグループが先行したが、リードを稼げずに29km地点で吸収されてしまう。レースが落ち着きを取り戻したのは、2つ目のスプリントポイント通過後だった。
逃げグループを形成したのは、全日本チャンピオンジャージを着る宮澤、クリストファー・ジョーンズ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)、ダミアン・ゴダン、ギョーム・ルフロッシュ(ともにフランス、ユーロップカー)、フローリス・フーシンニン(オランダ、ドラパック・ポルシェ)、クリストフ・ファンヘールデン(南アフリカ、MTNキュベカ)、ボリス・シュピレフスキー(ロシア、タブリス・ペトロケミカル)、ジャン・チャンジェ(韓国、韓国ナショナルチーム)、チャン・フイ(中国、マックスサクセス)の9名。
先頭9名のリードは最大1分55秒まで広がったが、コルナゴ・CSF勢の集団コントロールにより、山岳地帯に入るとタイム差は縮小。結局宮澤らは1級山岳の上りで吸収された。
1級山岳はアルバート・ティマー(オランダ、スキル・シマノ)が先頭通過を果たし、ゴールまで30kmを切るとジャンギョン・グ(韓国、韓国ナショナルチーム)らがアタック。ジャンは単独エスケープを試みたが、タイム差は30秒を超えない。
ジャンの吸収後に飛び出したピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)のアタックも決まらず、ハイスピードを維持した集団は人数を減らしながら雨の超級山岳ブキット・ブリンチャンをクリア。
標高1613mの山岳頂上は28歳のクライマー、ラヒム・エマミ(イラン、アサド大学チーム)が先頭通過した。
山岳でばらけた先頭集団は、10名程に絞られた状態でゴールへ。ゴール前はテクニカルな下りが続き、ラスト1kmを切るとリバルド・ニノ(コロンビア、ルトゥーア)がロングスパート。
先行したニノを綾部らを含むグループが追う展開。ゴール前に失速したニノを追い抜き、厳しいスプリントを制した綾部がゴール後に手を挙げた。
綾部は2005年の福島康司、2007年の福島晋一、2010年の西谷泰治に次ぐ史上4人目の日本人ステージ優勝者に。別府匠新監督が采配を振る愛三工業レーシングチームは2年連続のステージ優勝だ。
イエロージャージで記者会見に臨んだ綾部は「UCIレース、しかもオークラスで勝ったのは本当に嬉しい。大会主催者も喜んでくれいて、アジアの誇りだと言って頂けたのも嬉しい。チームは大会二週間前に現地入りして準備をしてきたから、その甲斐がありました」と喜びを語る。
綾部は同時にリーダージャージとアジア人総合リーダージャージを獲得。翌第5ステージは総合リーダーの証であるイエロージャージを着て走る。一日の最後に待つのは超級山岳ゲンティンハイランド。愛三工業レーシングチームはリーダーチームとしてレースを牽引する。
「明日も厳しい上りですがしっかりと集中して、下から上まで全力で上るだけです。全力でがんばります」綾部はそう意気込んだ。
その他の日本人選手は、土井雪広(スキル・シマノ)が1分42秒遅れの37位、鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム)が3分37秒遅れの45位で続いている。
レース展開や選手コメントはレース公式サイト、レース公式ストリーミング、愛三工業レーシングチームより。
ステージダイジェストムービー
ツール・ド・ランカウイ2011第4ステージ結果
1位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム) 3h42'15"
2位 リバルド・ニノ(コロンビア、ルトゥーア)
3位 アミール・ザルガリ(イラン、アサド大学チーム)
4位 トマ・ボナン(フランス、スキル・シマノ)
5位 クリストファー・ジョーンズ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
6位 ジョナサン・モンサルベ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)
7位 アレックス・ハウズ(アメリカ、チポレ・ディベロップメント)
8位 ホセイン・アスカリ(イラン、タブリス・ペトロケミカル)
9位 エマヌエーレ・セッラ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ) +02"
10位 ジェイコブ・ラーズ(アメリカ、チポレ・ディベロップメント) +05"
37位 土井雪広(スキル・シマノ) +1'42"
45位 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム) +3'37"
47位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム) +3'55"
75位 宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ) +9'28"
77位 盛一大(愛三工業レーシングチーム) +9'33"
114位 福島晋一(トレンガヌ・プロアジア) +21'03"
118位 福田晋平(愛三工業レーシングチーム)
個人総合成績
1位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム) 12h26'17"
2位 リバルド・ニノ(コロンビア、ルトゥーア) +04"
3位 アミール・ザルガリ(イラン、アサド大学チーム) +06"
4位 ホセイン・アスカリ(イラン、タブリス・ペトロケミカル) +09"
5位 トマ・ボナン(フランス、スキル・シマノ) +10"
6位 ジョナサン・モンサルベ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)
7位 アレックス・ハウズ(アメリカ、チポレ・ディベロップメント)
8位 クリストファー・ジョーンズ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
9位 エマヌエーレ・セッラ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ) +12"
10位 カーク・カールセン(アメリカ、チポレ・ディベロップメント) +14"
37位 土井雪広(スキル・シマノ) +1'52"
45位 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム) +3'47"
47位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム) +4'05"
76位 宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ) +9'37"
77位 盛一大(愛三工業レーシングチーム) +9'43"
113位 福田晋平(愛三工業レーシングチーム) +21'13"
116位 福島晋一(トレンガヌ・プロアジア) +21'33"
ポイント賞
アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)
山岳賞
ラヒム・エマミ(イラン、アサド大学チーム)
アジア人総合成績
綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)
チーム総合成績
チポレ・ディベロップメント
アジアンチーム総合成績
タブリス・ペトロケミカル
text:Kei Tsuji
photo:Yuko Sato
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