2011/01/24(月) - 17:15
Team Zenkoは辻善光がシクロクロス専門に立ち上げたチームだ。Team Zenko 宇都宮ブリッツェンとして臨んだ堺で、小坂光とでワン・ツーフィニッシュを達成した。
1月23日、大阪府堺市で関西シクロクロス第9戦みなと堺グリーン広場大会が行われた。会場は大阪湾に面する埋立地で全くの平坦。数箇所の砂場と松林、そしてギャップがアクセントをつける。テクニックとパワーのいるジグザグ区間もあって、平坦といえどもきついコースだ。当日は朝から晴れ、日差しがあって日なたは暖かく感じるほど。でも冷たく強めの風が吹く。
大阪中心部に近く自走で来る選手や応援者も多い。平坦コースとあいまってエントリー者数は過去最多の480名。ヤングやキッズクラスと家族連れが目立つのも堺の特色。シマノドリンキングがホストチームとして前日からの設営や当日のスタッフを受け持つが、もちろん選手としても参加する。
会場は朝から荻島美香のマスターズ世界選手権シクロクロス(女子40代)の優勝ニュースで沸き返った。堺へは07年の全日本選手権で訪れており、身近に感じる人も多いだろう。昨年の同世界選は僅差の2位になっていただけに、アルカンシェルを手にした喜びはひとしおだろう。
C2は島田真琴が圧勝
午前中のトピックはC2に参加する島田真琴(シマノセールス)だ。島田は2010年いっぱいでシマノレーシングを辞めてシマノセールスへ入社。ロードレーサーとしては引退したがどれほどの走りをするかが注目された。
島田はスタート直後からトップ付近を走り、すぐに先頭へ。1周目に転倒するものの持ち直してひたすらハイペースで走り続ける。後続との差は広がる一方で、中盤は1周のラップ6分31秒のまま1秒も変わらないペースで3周回する場面も。
その走りは流れるようなスムーズさがあってとても美しい。全く力まず軽やかに、でも速いスピードを維持する。ゴール時のタイムは、C1の途中経過ならば6位相当のものだ。40分と60分、そしてレース展開の違いはあるが、すぐにC1で表彰台争いができるレベルだ。
優勝した島田は「ロードを引退したのでシクロクロスを思う存分走れるようになりました。目標は来シーズンの全日本3位以内です。もちろんやるからには真剣ですし、それ以上の大会も目指しています」「今日は畑中さんの自転車を借りました。転倒したけど壊れていないと思いますよ(笑)」と語る。そのしなやかな走りと実力から、来シーズンのレースが面白くなりそうだ。
C1はTeam Zenko 宇都宮ブリッツェンのワン・ツー
世界選組は不在だが、トップレベルの選手のほとんどが参加。ヨーロッパ遠征から帰国した小坂光、そして小坂正則(スワコレーシングチーム)、辻善光、池本真也(和光機器タムラクラブ)らが有力候補。
スタートから辻と小坂光が飛び出し、一気に後続との差を広げていく。2人だけで先頭パックを作り引き離していく。小坂正則は出遅れて5、6番手から、池本は10番手当たりから巻き返しを図る。
先頭の2人は差を広げてもなお力を緩めない。平地直線は辻が、テクニカルな場面は小坂光が先行する。松林区間などで辻がバランスを崩す場面が複数回あり、その都度離されては追いつきを繰り返す。小坂光は一定ペースでクリアする。
出遅れた小坂正則と池本は追い上げて、さらに小渡健吾(tacurino.net)が集団中ほどからジャンプアップして上位集団へ食い込む。
ラスト2周で辻のミスをきっかけに小坂光が差をつけ、そのままゴール。辻とともにTeam Zenkoでワン・ツーを飾る。
優勝した小坂光はノーミスで走りきった。
「優勝は今シーズン3回目、でも父に負けているほうが多いです」と言う。父・正則は「光は1週間前の悪コンディションの清里でうまく走れていたので、ベルギーに行っただけのことはあった。でも向こうで成績を残せなかったのがふがいない」と手厳しい面も。「自分もオランダへ行ったことがあるが、ぜんぜん違う。選手のレベルが高くコースも違う。日本には踏みながら低速の区間が無い。そういう走り・コースは必要と思う」と提言も。
シクロクロスチーム Team Zenko
Team Zenkoは、辻がシクロクロスのために立ち上げたチームだ。メンバーは現在、小坂光との2名で、「Team Zenko 宇都宮ブリッツェン」としてレースに参加している。辻は2001年にジュニアでシクロクロス世界選手権へ出場している。チームの目標は、来シーズンにサポート選手の世界選手権出場だが、選手一人の力でできるものではないため、サポート体制を作るべくチームを立ち上げたと言う。こちらも来シーズンが楽しみなチームだ。
結果
C1 9周
1位 小坂光(Team Zenko 宇都宮ブリッツェン)56分39秒
2位 辻善光(Team Zenko 宇都宮ブリッツェン)+18秒
3位 小坂正則(スワコレーシングチーム)+1分19秒
4位 池本真也(和光機器タムラクラブ)+1分50秒
5位 伊澤優大(岩井商会レーシング)+2分17秒
6位 小渡健吾(tacurino.net)+2分40秒
CL1 5周
1位 宮内佐季子(CLUB viento)38分25秒
2位 埜真賢美(Teamクルーズ)+26秒
3位 坂口聖香(Team POLPO)+2分12秒
CM1 6周
1位 ビンセント・フラナガン(PEDALFORTH.com)42分03秒
2位 藤井修 +26秒
3位 佐野光宏(ストラーダR)+2分12秒
C2 6周
1位 島田真琴(シマノセールス)39分20秒
2位 菅原成典(トラクターRC)+1分23秒
3位 熊崎雄太(R2 SPORTS CYCLING TEAM)+2分09秒
C3A 4周
1位 川崎敦木(ナカガワAS.K'デザイン)28分35秒
2位 宮本典彦(トリックスペシャル)+04秒
3位 片岡吾郎(シマノドリンキング)+22秒
C3B 4周
1位 西村隆幸(のぼこん/宝塚線)28分17秒
2位 塩貝哲夫(ナカガワAS.K'デザイン)+17秒
3位 池部哲夫(FUKADAまじりんぐ)+19秒
photo&text:高木秀彰
1月23日、大阪府堺市で関西シクロクロス第9戦みなと堺グリーン広場大会が行われた。会場は大阪湾に面する埋立地で全くの平坦。数箇所の砂場と松林、そしてギャップがアクセントをつける。テクニックとパワーのいるジグザグ区間もあって、平坦といえどもきついコースだ。当日は朝から晴れ、日差しがあって日なたは暖かく感じるほど。でも冷たく強めの風が吹く。
大阪中心部に近く自走で来る選手や応援者も多い。平坦コースとあいまってエントリー者数は過去最多の480名。ヤングやキッズクラスと家族連れが目立つのも堺の特色。シマノドリンキングがホストチームとして前日からの設営や当日のスタッフを受け持つが、もちろん選手としても参加する。
会場は朝から荻島美香のマスターズ世界選手権シクロクロス(女子40代)の優勝ニュースで沸き返った。堺へは07年の全日本選手権で訪れており、身近に感じる人も多いだろう。昨年の同世界選は僅差の2位になっていただけに、アルカンシェルを手にした喜びはひとしおだろう。
C2は島田真琴が圧勝
午前中のトピックはC2に参加する島田真琴(シマノセールス)だ。島田は2010年いっぱいでシマノレーシングを辞めてシマノセールスへ入社。ロードレーサーとしては引退したがどれほどの走りをするかが注目された。
島田はスタート直後からトップ付近を走り、すぐに先頭へ。1周目に転倒するものの持ち直してひたすらハイペースで走り続ける。後続との差は広がる一方で、中盤は1周のラップ6分31秒のまま1秒も変わらないペースで3周回する場面も。
その走りは流れるようなスムーズさがあってとても美しい。全く力まず軽やかに、でも速いスピードを維持する。ゴール時のタイムは、C1の途中経過ならば6位相当のものだ。40分と60分、そしてレース展開の違いはあるが、すぐにC1で表彰台争いができるレベルだ。
優勝した島田は「ロードを引退したのでシクロクロスを思う存分走れるようになりました。目標は来シーズンの全日本3位以内です。もちろんやるからには真剣ですし、それ以上の大会も目指しています」「今日は畑中さんの自転車を借りました。転倒したけど壊れていないと思いますよ(笑)」と語る。そのしなやかな走りと実力から、来シーズンのレースが面白くなりそうだ。
C1はTeam Zenko 宇都宮ブリッツェンのワン・ツー
世界選組は不在だが、トップレベルの選手のほとんどが参加。ヨーロッパ遠征から帰国した小坂光、そして小坂正則(スワコレーシングチーム)、辻善光、池本真也(和光機器タムラクラブ)らが有力候補。
スタートから辻と小坂光が飛び出し、一気に後続との差を広げていく。2人だけで先頭パックを作り引き離していく。小坂正則は出遅れて5、6番手から、池本は10番手当たりから巻き返しを図る。
先頭の2人は差を広げてもなお力を緩めない。平地直線は辻が、テクニカルな場面は小坂光が先行する。松林区間などで辻がバランスを崩す場面が複数回あり、その都度離されては追いつきを繰り返す。小坂光は一定ペースでクリアする。
出遅れた小坂正則と池本は追い上げて、さらに小渡健吾(tacurino.net)が集団中ほどからジャンプアップして上位集団へ食い込む。
ラスト2周で辻のミスをきっかけに小坂光が差をつけ、そのままゴール。辻とともにTeam Zenkoでワン・ツーを飾る。
優勝した小坂光はノーミスで走りきった。
「優勝は今シーズン3回目、でも父に負けているほうが多いです」と言う。父・正則は「光は1週間前の悪コンディションの清里でうまく走れていたので、ベルギーに行っただけのことはあった。でも向こうで成績を残せなかったのがふがいない」と手厳しい面も。「自分もオランダへ行ったことがあるが、ぜんぜん違う。選手のレベルが高くコースも違う。日本には踏みながら低速の区間が無い。そういう走り・コースは必要と思う」と提言も。
シクロクロスチーム Team Zenko
Team Zenkoは、辻がシクロクロスのために立ち上げたチームだ。メンバーは現在、小坂光との2名で、「Team Zenko 宇都宮ブリッツェン」としてレースに参加している。辻は2001年にジュニアでシクロクロス世界選手権へ出場している。チームの目標は、来シーズンにサポート選手の世界選手権出場だが、選手一人の力でできるものではないため、サポート体制を作るべくチームを立ち上げたと言う。こちらも来シーズンが楽しみなチームだ。
結果
C1 9周
1位 小坂光(Team Zenko 宇都宮ブリッツェン)56分39秒
2位 辻善光(Team Zenko 宇都宮ブリッツェン)+18秒
3位 小坂正則(スワコレーシングチーム)+1分19秒
4位 池本真也(和光機器タムラクラブ)+1分50秒
5位 伊澤優大(岩井商会レーシング)+2分17秒
6位 小渡健吾(tacurino.net)+2分40秒
CL1 5周
1位 宮内佐季子(CLUB viento)38分25秒
2位 埜真賢美(Teamクルーズ)+26秒
3位 坂口聖香(Team POLPO)+2分12秒
CM1 6周
1位 ビンセント・フラナガン(PEDALFORTH.com)42分03秒
2位 藤井修 +26秒
3位 佐野光宏(ストラーダR)+2分12秒
C2 6周
1位 島田真琴(シマノセールス)39分20秒
2位 菅原成典(トラクターRC)+1分23秒
3位 熊崎雄太(R2 SPORTS CYCLING TEAM)+2分09秒
C3A 4周
1位 川崎敦木(ナカガワAS.K'デザイン)28分35秒
2位 宮本典彦(トリックスペシャル)+04秒
3位 片岡吾郎(シマノドリンキング)+22秒
C3B 4周
1位 西村隆幸(のぼこん/宝塚線)28分17秒
2位 塩貝哲夫(ナカガワAS.K'デザイン)+17秒
3位 池部哲夫(FUKADAまじりんぐ)+19秒
photo&text:高木秀彰
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