中国・広州で開催されている第16回アジア競技大会は、11月22日に男子ロードレースが開催された。熾烈なスプリント争いを制したのは韓国のパク・スンベク。しかしゴール前の斜行により降格処分となり、2番手に入ったワン・カンポ(香港)が優勝。3番手でゴールした日本の宮澤崇史は2位に入った。

スタートラインにつくアジア各国の精鋭たちスタートラインにつくアジア各国の精鋭たち Kenji.Nakamura/JCF9周回、180kmの広州大学城トライアスロンコースで争われた男子ロードレース。日本からは全日本チャンピオンの宮澤崇史(NIPPO)と鈴木真理(シマノレーシング)の2名が出場。スプリントに強い2人でアジア大会のタイトルを狙った。

40人と出場選手は少ないものの、アジア大会のタイトルを目指して、プロツアーチームで走る選手やアジアツアーで活躍する精鋭が集結。各国2名ずつという限られた人数でのレースとなった。

集団内で走る宮澤崇史(NIPPO)と鈴木真理(シマノレーシング)集団内で走る宮澤崇史(NIPPO)と鈴木真理(シマノレーシング) Kenji.Nakamura/JCFレースは韓国のヤン・クングが飛び出し、それを追っていくつもの追走グループが形成される展開。しかしチームメイトの少ない各国は、レース終盤を迎えてエースたちが動き出す。健闘したクングもこの動きの中で集団に引き戻される。

前回2006年大会の覇者ワン・カンポ、日本チャンピオンの宮澤崇史ら5人の逃げが残り20kmで決まると、逃げに選手を送り込めなかった中国、韓国が集団のスピードを上げ始める。ワンや宮澤たちは懸命に逃げるも、ゴール直前で集団に追いつかれる。

ゴールシーン。パク・ソンベク(韓国)が先着したが…ゴールシーン。パク・ソンベク(韓国)が先着したが… Kenji.Nakamura/JCF勝負は20人ほどの選手による集団スプリントに持ち込まれ、一気に加速したのはパク・ソンベク(韓国)。これに逃げていたワン・カンポ、宮澤崇史が競る形でのスプリント。しかしトラックスペシャリストのパクは力強く、大きく左に進路を取りながらトップでゴール。

進路を塞がれた形になったワン・カンポは手を挙げパクに抗議しながら2番手でゴール。宮澤は3番手でゴールした。ゴール後もワン・カンポは抗議を続け、コミッセールはワンの主張を受理。パクに集団最後方となる19位へと降格処分を下した。

結果として、ワン・カンポがゴールドメダル、宮澤崇史がシルバーメダル獲得となった。3位には中国のチャン・リーウェイが繰り上がって入った。

銀メダルを獲得した宮澤崇史(NIPPO)銀メダルを獲得した宮澤崇史(NIPPO) Kenji.Nakamura/JCFゴール前の直線ルートが事前にアナウンスのあったコースから変更されていたことも影響し、2位に終わった宮澤。しかし積極的に逃げに乗り、最後のスプリントに絡む走りは全日本チャンピオンの実力を遺憾なく発揮したものだったと言えるだろう。

集団内で宮澤を守る走りに徹した鈴木は先頭集団内で12位でレースを終えている。翌23日はアジア大会女子ロードレースが行われる。日本からは個人TTで5位になった萩原麻由子(サイクルベースあさひ)と西加奈子(LUMINARIA)の2名が出走予定だ。


アジア大会2010ロードレース男子結果
1位 ワン・カンポ(香港)           4h14'54"
2位 宮澤崇史(日本)
3位 チャン・リーウェイ(中国)
4位 ツイ・ブイミン(ヴェトナム)
5位 マキシム・イグリンスキー(カザフスタン)
6位 オイゲン・ヴァッカー(キルギスタン)
7位 セルゲイ・ラグティン(ウズベキスタン)
8位 メウディ・ソフラビ(イラン)
9位 アフメド・アラウィ(バーレーン)
10位 ルスラン・カリモフ(ウズベキスタン)


text:Yufta Omata
photo:Kenji.Nakamura/JCF

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