2010/09/14(火) - 11:45
2010年9月13日、3つの難関山岳が設定されたブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIヒストリカル)第16ステージでミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル)が独走勝利。失意のチームに喜びの勝利をもたらした。また、最後のコトベジョ峠では総合争いが勃発。ニーバリを突き放したホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)がマイヨロホに返り咲いた。
若きクライマーが魅せた執念の走り
サンロレンソ峠、コベルトリア峠、コトベジョ峠という3つの難関山岳が設定された第16ステージ。いずれも登坂距離は10km前後で、平均勾配は8%オーバー。コトベジョ峠の頂上ゴールで総合争いは重要な局面を迎える。
スタートの時点で総合首位ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)と総合2位ロドリゲスのタイム差は僅かに4秒。更に連日山岳で動きを見せているエセキエル・モスケラ(スペイン、シャコベオ・ガリシア)が39秒遅れの総合3位という接近戦だ。スペイン勢はタイムトライアルを得意とするニーバリに対して山岳でリードを奪う必要がある。
1時間半に及ぶアタックの応酬の末に、60km地点でようやく10名の逃げが決まる。逃げたのはルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)やリュドヴィク・テュルパン(フランス、アージェードゥーゼル)ら10名。この逃げグループは、最初の難所である1級山岳サンロレンソ峠で早くも5名に絞られた。
逃げる5名を3分差で追うメイン集団。そんな安定した構図でレースは展開していたが、コンスタントに10%オーバーの勾配を刻むサンロレンソ峠でメイン集団は再び活性化。エウスカルテルの2人、アメツ・チュルカ(スペイン)とミケル・ニエベ(スペイン)が飛び出し、追走グループを形成した。
更にはダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス)やアンドレイ・カシェチキン(カザフスタン、ランプレ)を含む第2追走グループも登場。しかしエウスカルテルの2名が先頭グループに合流する一方で、このモンクティエグループはメイン集団に引き戻された。
続く1級山岳コベルトリア峠で先頭グループはLLサンチェス、ニエベ、チュルカ、ケヴィン・デウェールト(ベルギー、クイックステップ)、トーマス・ピーターソン(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)の5名に。
2分遅れのメイン集団ではファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)のサポートを受けたシュレクがアタック。しかしロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)がペースを作るメイン集団がシュレクの先行を拒んだ。
頂上ゴールが設定されたコトベジョ峠の上り口で、先頭グループとメイン集団のタイム差は2分45秒。平均勾配が8%を超えるコトベジョ峠の本格的な上りが始まると、先頭グループからニエベが飛び出した。
バスク地方から駆けつけたファンの声援に後押しされ、コトベジョ峠を駆け上がるニエベ。「8月にアントンとサンチェスと一緒に上ったんだ。その成果が今日出たよ。観客の声援やチーム監督の檄のおかげで苦しみは感じなかった」。そう語るニエベが独走のままゴール。歓喜のガッツポーズを見せた。
悲劇のアントン落車リタイアから2日。チームメイトのニエベがエウスカルテルに今大会3度目のステージ優勝をもたらした。地元スペインのグランツール、しかも得意の山岳ステージでエウスカルテルは最高のショーを見せた。
「アントンが落車した時はまるで世界の終わりだった。監督は、その次の日のステージを何とか乗り切って、次の闘いに備えるように選手を鼓舞した。そこでこのコトベジョ峠にゴールする難関山岳ステージに挑むことにしたんだ。ステージ優勝を狙うには早めに仕掛ける必要があると思った。サンロレンソ峠でチュルカと2人で飛び出して、前から下りてきたオロスの協力にによって先頭グループに合流。コベルトリア峠ではチュルカが献身的に働いてくれた。チームワークの賜物だと思う」。2008年にオルベアでプロデビューし、昨年エウスカルテルに移籍したニエベは26歳のクライマー。初出場のグランツールでプロ初勝利を飾った。
スペイン勢の攻撃を抑え込んだクロイツィゲル
コトベジョ峠に突入したメイン集団からは総合7位のシュレクと総合8位トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)がアタック。総合ジャンプアップを狙ったこの2人の動きに総合9位カルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ・テストチーム)も合流した。
しかし登坂力の面で一枚上手のシュレクがダニエルソンらを置き去りにし、単独で前を逃げる選手たちを追走する。快調にメイン集団とのタイム差を広げたシュレクは、3番手を走行していたLLサンチェスと2番手のデウェールトをパス。ステージ優勝のニエベから1分06秒遅れのステージ2位に食い込んだ。
「前を走る選手(ニエベ)を捕まえることは出来なかった。ステージ優勝を狙っていたけど、総合におけるライバルたちからリードを広げることに成功した。ポジティブな一日だった」。シュレクは総合7位から総合4位まで一気にジャンプアップした。
メイン集団はクロイツィゲルが献身的にペースをコントロールし、総合ワンツースリー(ニーバリ、ロドリゲス、モスケラ)が動きを見せないままコトベジョ峠を登坂。ゴールまで2kmを切ってから、ようやくモスケラが腰を上げた。
モスケラのアタックには瞬時にロドリゲスが反応。しかしマイヨロホのニーバリが加速について来れない。ニーバリの失速を悟ったロドリゲスはモスケラらを置き去りにし、ステージ4位に食い込んだ。
ロドリゲスを基準に見ると、モスケラは18秒遅れ、ニーバリは37秒遅れでゴール。マイペースで頂上まで走り切ったニーバリから、ロドリゲスがマイヨロホを奪い取った。
この日の結果を受け、ロドリゲスが総合首位、ニーバリが33秒遅れの総合2位、モスケラが53秒遅れの総合3位。総合優勝の行方は、総合4位に浮上した2分16秒遅れのシュレクを加えた4名に絞られたと言っていいだろう。
アンドラにゴールする第11ステージで失ったマイヨロホを見事取り戻したロドリゲス。しかしニーバリから奪った総合リードが充分だとは思っていない。
「個人TTを前に、33秒のタイム差は決して充分とは言えない。TTでは出来る限りタイムロスを抑え、ボラ・デル・ムンドの第20ステージにチャンスを繋ぎたい。最後の山岳ステージまで、もう1秒も無駄に出来ない。個人TTでは人生で最高の走りを見せる必要がある。タイムロスを1分半〜2分に抑えることが出来れば、まだチャンスはある。モスケラも決して個人TTが苦手ではないので侮れない」。
ニーバリはマイヨロホを失ったが、それほど問題視していない。レース後のコメントからは、個人TTで再び総合リードを奪えるという自信が感じられる。「最後の上りはロドリゲスやモスケラのアタックに打ってつけだった。ここ数日のツケが回ったおかげで、彼らに付いていけなかった。出来る限りタイムロスを抑えたので大きな問題は無い。明日は貴重な休息日だ。そして個人TTでリードを広げたい。まだ厳しい山岳ステージが残っているので、ブエルタの総合争いはまだオープンな(誰にでもチャンスが有る)状態だ」。
タイムロスを最小限に抑えたニーバリ。その影にはクロイツィゲルの活躍があった。クロイツィゲルがメイン集団をハイペースで引き続けた影響で、ライバルたちのアタックポイントが大幅に遅れた。仮にクロイツィゲルが早々に脱落していれば、ロドリゲスやモスケラが早い段階でアタックしていただろう。
マイヨロホを手にしたロドリゲスもクロイツィゲルの走りを賞賛する。「クロイツィゲルの走りは素晴らしかった。(ラスト2kmを切ってから)モスケラがアタックした時、クロイツィゲルは自ら反応する動きを見せた。今日のステージで最も強かったのはクロイツィゲルだ」。
今年でリクイガスを離れ、アスタナに移籍するクロイツィゲル。「マイヨロホは失ったけど、個人TTが残っているので、まだリクイガスが優位に立っている。ヴィンチェンツォはこのブエルタで勝てると信じている」。今年で見納めのニーバリ=クロイツィゲルの強力タッグが、スペイン勢の前に立ちはだかっている。
選手コメントはレース公式リリースより。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2010第16ステージ結果
1位 ミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル) 4h51'59"
2位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク) +1'06"
3位 ケヴィン・デウェールト(ベルギー、クイックステップ) +1'08"
4位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +1'22"
5位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ) +1'32"
6位 エセキエル・モスケラ(スペイン、シャコベオ・ガリシア) +1'40"
7位 ダビド・ガルシア(スペイン、シャコベオ・ガリシア) +1'42"
8位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル) +1'44"
9位 カルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ・テストチーム) +1'50"
10位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス) +1'59"
個人総合成績(マイヨロホ)
1位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 70h24'39"
2位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス) +33"
3位 エセキエル・モスケラ(スペイン、シャコベオ・ガリシア) +53"
4位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク) +2'16"
5位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル) +3'01"
6位 ピーター・ベリトス(スロバキア、チームHTC・コロンビア) +4'27"
7位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・トランジションズ) +4'29"
8位 シャビエル・トンド(スペイン、サーヴェロ・テストチーム) +4'43"
9位 カルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ・テストチーム) +4'53"
10位 ダビド・ガルシア(スペイン、シャコベオ・ガリシア) +6'23"
ポイント賞(プントス)
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア) 111pts
2位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 93pts
3位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ) 90pts
山岳賞(モンターニャ)
1位 ダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス) 48pts
2位 セラフィン・マルティネス(スペイン、シャコベオ・ガリシア) 38pts
3位 ゴンサロ・ラブニャル(スペイン、シャコベオ・ガリシア) 25pts
複合賞(コンビナーダ)
1位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 9pts
2位 エセキエル・モスケラ(スペイン、シャコベオ・ガリシア) 16pts
3位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス) 17pts
チーム総合成績
1位 カチューシャ 210h59'44"
2位 ケースデパーニュ +1'33"
3位 シャコベオ・ガリシア +11'18"
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, Unipublic
若きクライマーが魅せた執念の走り
サンロレンソ峠、コベルトリア峠、コトベジョ峠という3つの難関山岳が設定された第16ステージ。いずれも登坂距離は10km前後で、平均勾配は8%オーバー。コトベジョ峠の頂上ゴールで総合争いは重要な局面を迎える。
スタートの時点で総合首位ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)と総合2位ロドリゲスのタイム差は僅かに4秒。更に連日山岳で動きを見せているエセキエル・モスケラ(スペイン、シャコベオ・ガリシア)が39秒遅れの総合3位という接近戦だ。スペイン勢はタイムトライアルを得意とするニーバリに対して山岳でリードを奪う必要がある。
1時間半に及ぶアタックの応酬の末に、60km地点でようやく10名の逃げが決まる。逃げたのはルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)やリュドヴィク・テュルパン(フランス、アージェードゥーゼル)ら10名。この逃げグループは、最初の難所である1級山岳サンロレンソ峠で早くも5名に絞られた。
逃げる5名を3分差で追うメイン集団。そんな安定した構図でレースは展開していたが、コンスタントに10%オーバーの勾配を刻むサンロレンソ峠でメイン集団は再び活性化。エウスカルテルの2人、アメツ・チュルカ(スペイン)とミケル・ニエベ(スペイン)が飛び出し、追走グループを形成した。
更にはダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス)やアンドレイ・カシェチキン(カザフスタン、ランプレ)を含む第2追走グループも登場。しかしエウスカルテルの2名が先頭グループに合流する一方で、このモンクティエグループはメイン集団に引き戻された。
続く1級山岳コベルトリア峠で先頭グループはLLサンチェス、ニエベ、チュルカ、ケヴィン・デウェールト(ベルギー、クイックステップ)、トーマス・ピーターソン(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)の5名に。
2分遅れのメイン集団ではファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)のサポートを受けたシュレクがアタック。しかしロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)がペースを作るメイン集団がシュレクの先行を拒んだ。
頂上ゴールが設定されたコトベジョ峠の上り口で、先頭グループとメイン集団のタイム差は2分45秒。平均勾配が8%を超えるコトベジョ峠の本格的な上りが始まると、先頭グループからニエベが飛び出した。
バスク地方から駆けつけたファンの声援に後押しされ、コトベジョ峠を駆け上がるニエベ。「8月にアントンとサンチェスと一緒に上ったんだ。その成果が今日出たよ。観客の声援やチーム監督の檄のおかげで苦しみは感じなかった」。そう語るニエベが独走のままゴール。歓喜のガッツポーズを見せた。
悲劇のアントン落車リタイアから2日。チームメイトのニエベがエウスカルテルに今大会3度目のステージ優勝をもたらした。地元スペインのグランツール、しかも得意の山岳ステージでエウスカルテルは最高のショーを見せた。
「アントンが落車した時はまるで世界の終わりだった。監督は、その次の日のステージを何とか乗り切って、次の闘いに備えるように選手を鼓舞した。そこでこのコトベジョ峠にゴールする難関山岳ステージに挑むことにしたんだ。ステージ優勝を狙うには早めに仕掛ける必要があると思った。サンロレンソ峠でチュルカと2人で飛び出して、前から下りてきたオロスの協力にによって先頭グループに合流。コベルトリア峠ではチュルカが献身的に働いてくれた。チームワークの賜物だと思う」。2008年にオルベアでプロデビューし、昨年エウスカルテルに移籍したニエベは26歳のクライマー。初出場のグランツールでプロ初勝利を飾った。
スペイン勢の攻撃を抑え込んだクロイツィゲル
コトベジョ峠に突入したメイン集団からは総合7位のシュレクと総合8位トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)がアタック。総合ジャンプアップを狙ったこの2人の動きに総合9位カルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ・テストチーム)も合流した。
しかし登坂力の面で一枚上手のシュレクがダニエルソンらを置き去りにし、単独で前を逃げる選手たちを追走する。快調にメイン集団とのタイム差を広げたシュレクは、3番手を走行していたLLサンチェスと2番手のデウェールトをパス。ステージ優勝のニエベから1分06秒遅れのステージ2位に食い込んだ。
「前を走る選手(ニエベ)を捕まえることは出来なかった。ステージ優勝を狙っていたけど、総合におけるライバルたちからリードを広げることに成功した。ポジティブな一日だった」。シュレクは総合7位から総合4位まで一気にジャンプアップした。
メイン集団はクロイツィゲルが献身的にペースをコントロールし、総合ワンツースリー(ニーバリ、ロドリゲス、モスケラ)が動きを見せないままコトベジョ峠を登坂。ゴールまで2kmを切ってから、ようやくモスケラが腰を上げた。
モスケラのアタックには瞬時にロドリゲスが反応。しかしマイヨロホのニーバリが加速について来れない。ニーバリの失速を悟ったロドリゲスはモスケラらを置き去りにし、ステージ4位に食い込んだ。
ロドリゲスを基準に見ると、モスケラは18秒遅れ、ニーバリは37秒遅れでゴール。マイペースで頂上まで走り切ったニーバリから、ロドリゲスがマイヨロホを奪い取った。
この日の結果を受け、ロドリゲスが総合首位、ニーバリが33秒遅れの総合2位、モスケラが53秒遅れの総合3位。総合優勝の行方は、総合4位に浮上した2分16秒遅れのシュレクを加えた4名に絞られたと言っていいだろう。
アンドラにゴールする第11ステージで失ったマイヨロホを見事取り戻したロドリゲス。しかしニーバリから奪った総合リードが充分だとは思っていない。
「個人TTを前に、33秒のタイム差は決して充分とは言えない。TTでは出来る限りタイムロスを抑え、ボラ・デル・ムンドの第20ステージにチャンスを繋ぎたい。最後の山岳ステージまで、もう1秒も無駄に出来ない。個人TTでは人生で最高の走りを見せる必要がある。タイムロスを1分半〜2分に抑えることが出来れば、まだチャンスはある。モスケラも決して個人TTが苦手ではないので侮れない」。
ニーバリはマイヨロホを失ったが、それほど問題視していない。レース後のコメントからは、個人TTで再び総合リードを奪えるという自信が感じられる。「最後の上りはロドリゲスやモスケラのアタックに打ってつけだった。ここ数日のツケが回ったおかげで、彼らに付いていけなかった。出来る限りタイムロスを抑えたので大きな問題は無い。明日は貴重な休息日だ。そして個人TTでリードを広げたい。まだ厳しい山岳ステージが残っているので、ブエルタの総合争いはまだオープンな(誰にでもチャンスが有る)状態だ」。
タイムロスを最小限に抑えたニーバリ。その影にはクロイツィゲルの活躍があった。クロイツィゲルがメイン集団をハイペースで引き続けた影響で、ライバルたちのアタックポイントが大幅に遅れた。仮にクロイツィゲルが早々に脱落していれば、ロドリゲスやモスケラが早い段階でアタックしていただろう。
マイヨロホを手にしたロドリゲスもクロイツィゲルの走りを賞賛する。「クロイツィゲルの走りは素晴らしかった。(ラスト2kmを切ってから)モスケラがアタックした時、クロイツィゲルは自ら反応する動きを見せた。今日のステージで最も強かったのはクロイツィゲルだ」。
今年でリクイガスを離れ、アスタナに移籍するクロイツィゲル。「マイヨロホは失ったけど、個人TTが残っているので、まだリクイガスが優位に立っている。ヴィンチェンツォはこのブエルタで勝てると信じている」。今年で見納めのニーバリ=クロイツィゲルの強力タッグが、スペイン勢の前に立ちはだかっている。
選手コメントはレース公式リリースより。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2010第16ステージ結果
1位 ミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル) 4h51'59"
2位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク) +1'06"
3位 ケヴィン・デウェールト(ベルギー、クイックステップ) +1'08"
4位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +1'22"
5位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ) +1'32"
6位 エセキエル・モスケラ(スペイン、シャコベオ・ガリシア) +1'40"
7位 ダビド・ガルシア(スペイン、シャコベオ・ガリシア) +1'42"
8位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル) +1'44"
9位 カルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ・テストチーム) +1'50"
10位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス) +1'59"
個人総合成績(マイヨロホ)
1位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 70h24'39"
2位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス) +33"
3位 エセキエル・モスケラ(スペイン、シャコベオ・ガリシア) +53"
4位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク) +2'16"
5位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル) +3'01"
6位 ピーター・ベリトス(スロバキア、チームHTC・コロンビア) +4'27"
7位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・トランジションズ) +4'29"
8位 シャビエル・トンド(スペイン、サーヴェロ・テストチーム) +4'43"
9位 カルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ・テストチーム) +4'53"
10位 ダビド・ガルシア(スペイン、シャコベオ・ガリシア) +6'23"
ポイント賞(プントス)
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア) 111pts
2位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 93pts
3位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ) 90pts
山岳賞(モンターニャ)
1位 ダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス) 48pts
2位 セラフィン・マルティネス(スペイン、シャコベオ・ガリシア) 38pts
3位 ゴンサロ・ラブニャル(スペイン、シャコベオ・ガリシア) 25pts
複合賞(コンビナーダ)
1位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 9pts
2位 エセキエル・モスケラ(スペイン、シャコベオ・ガリシア) 16pts
3位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス) 17pts
チーム総合成績
1位 カチューシャ 210h59'44"
2位 ケースデパーニュ +1'33"
3位 シャコベオ・ガリシア +11'18"
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, Unipublic
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