スイスのBMCレーシングチームは、2011年シーズンに向けて新たに6名の選手を獲得したことを発表した。プロツアーライセンス獲得を目指す同チームと契約を結んだのはチョップ、クインツィアート、サンタロミータ、ファンアフェルマート、モワナール、エリセンの6名だ。

BMCレーシングチームBMCレーシングチーム photo:Kei Tsuji今年カデル・エヴァンス(オーストラリア)やジョージ・ヒンカピー(アメリカ)、アレッサンドロ・バッラン(イタリア)を獲得し、プロコンチネンタルチームながらトップチーム並の存在感を示したスイスのBMCレーシングチーム。来年はプロツアーライセンス獲得を目指しているため、戦力の増強が急務とされていた。

BMCレーシングチームが発表した契約選手は以下の6名。

ヨハン・チョップ(スイス、Bboxブイグテレコム)
マヌエル・クインツィアート(イタリア、リクイガス)
イヴァン・サンタロミータ(イタリア、リクイガス)
フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
アマエル・モワナール(フランス、コフィディス)
ヤニック・エイセン(ベルギー)

ジロ・デ・イタリアでガヴィアステージを制したヨハン・チョップ(スイス、Bboxブイグテレコム)ジロ・デ・イタリアでガヴィアステージを制したヨハン・チョップ(スイス、Bboxブイグテレコム) photo:Riccardo Scanferla今年のジロ・デ・イタリアで難関ガヴィアステージを制した地元スイスのヨハン・チョップ(Bboxブイグテレコム)はエヴァンスの山岳アシストとして活躍することになるだろう。チョップはかつてBMC社がバイクを供給していたフォナックに所属していた。

イタリアのリクイガスからはマヌエル・クインツィアートとイヴァン・サンタロミータの2人が加入。平坦系クラシックを得意とするクインツィアートの加入は、ヒンカピーやバッランにとっては朗報だ。山岳に強いサンタロミータは昨年ジャパンカップで3位に入っている。

今年のセッティマーナ・コッピ・エ・バルタリで総合優勝を飾ったイヴァン・サンタロミータ(イタリア、リクイガス)今年のセッティマーナ・コッピ・エ・バルタリで総合優勝を飾ったイヴァン・サンタロミータ(イタリア、リクイガス) photo:www.gsemilia.it2008年のブエルタ・ア・エスパーニャでステージ優勝&ポイント賞に輝いたフレフ・ファンアフェルマート(オメガファーマ・ロット)は、4年間所属したロットチームを離れて新天地へ。ベルギーのクラシックレースが得意で、集団スプリントでも上位に絡む実力の持ち主。スプリンターを欠くチームにとっては貴重なスプリント戦力になる。

今年パリ〜ニースでステージ優勝を飾るとともに、山岳賞に輝いたアマエル・モワナール(フランス、コフィディス)は攻撃的な走りが得意なアタッカー。2008年のツールでは第11ステージで敢闘賞を獲得し、総合15位に入っている。BMCレーシングチーム唯一のフランス人選手になる予定だ。

注目したいのが、ベルギー期待の若手ヤニック・エイセン。山岳スペシャリストとしての活躍が期待されるエイセンは、2009年に研修生としてオメガファーマ・ロットに所属していた。クイックステップやチームHTC・コロンビアが獲得に興味を示していた21歳で、今年リエージュ〜バストーニュ〜リエージュのエスポワール(U23)で6位に入っている。

この度の戦力増強により、BMCレーシングチームはオールラウンドなチームに生まれ変わる。プロツアーライセンスの可否は11月20日に判明する。

text:Kei Tsuji