来シーズン、チームを離脱するアルベルト・コンタドール(スペイン)に代わるチームリーダーとして、アスタナはロマン・クロイツィゲル(チェコ)を迎え入れる。リクイガスを離れるチェコのオールラウンダーは、ツール・ド・フランスでエースを担うことになりそうだ。

ツールで2年連続総合9位に入ったロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)ツールで2年連続総合9位に入ったロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス) photo:Makoto Ayano「アスタナチームがロマン・クロイツィゲルと契約に達したことを知り、嬉しい気持ちでいっぱいだ」。チームキャプテンのアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン)はそう語る。「チームは来シーズンに向けてメンバー編成を組み直している段階にある。いずれにしてもカザフスタンを代表するチームとして、戦力豊かなチームになるはずだ」。

2年連続総合9位でツール・ド・フランスを終えたクロイツィゲルは、5年間所属したリクイガスを離れ、カザフスタンのアスタナとサインした。クロイツィゲルは2008年にツール・ド・スイス、2009年にツール・ド・ロマンディを制覇。そして今年、ジロ・ディ・サルデーニャで総合優勝を果たしている。

クロイツィゲルはリクイガスとの契約が2011年末まで残っていたが、違約金を払ってチーム離脱を1年前倒しした。グランツール制覇という同じ目標を持つイヴァン・バッソ(イタリア)とヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)が同チーム内にいることが、クロイツィゲルのチーム離脱を加速させた要因だ。

「所属選手がチームを去りたいと思うのはいつでも悲しいことだ。だが自分の活躍の場を得たい願うロマンの気持ちは充分理解出来る。チームにはバッソとニーバリというスター選手がいる。そしてサガンの台頭も著しい」。リクイガスのチームマネージャーを務めるロベルト・アマディオ氏はそう語る。

「彼はグランツールで総合優勝出来る素質の持ち主だ。今年のツールで、彼は最高の状態ではなかったにも関わらず総合9位に入った。これから更に実力を上げて行くに違いない」。

今月初めにコンタドールがサクソバンク入りを発表してからというもの、アスタナチームはグランツールにおけるエース探しに追われた。ドーピングによる出場停止処分から復帰したヴィノがエースの座に就くと見られたが、現在はアシストとしてエースのサポートに徹している。

ヴィノは選手続行の意向を示しているが、早ければ今シーズン限りで選手を引退し、チームマネジメントに携わる可能性もある。サクソバンク同様、アスタナも来シーズンに向けて大きく体制を変えることになりそうだ。

text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji

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